Half Round Table
あのひとのつかいかた
1・フラワーデザイナー
市村美佳子さん
「weeksdays」と「北の住まい設計社」の新作家具、
Half Round Table。
ナチュラル(ミズナラ)とブラック(イタヤカエデ)、
ふたつの色、ふたつの素材、
どんな人がどんな場所で使ってくださるだろう‥‥と、
こんな3人に、まずは使ってみていただきました。
家具を持ち込んでの体験取材に応じてくださったのは、
フラワーデザイナーの市村美佳子さん、
キュレーターの清水彩さん、
ファッションブランドを主宰する吉川修一さんです。
(取材・文=伊藤まさこ)
市村美佳子さんのプロフィール
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06527_select.jpg)
いちむら・みかこ
フラワーデザイナー、「緑の居場所デザイン」主宰。
大学では陶芸部に所属し、
卒業後(株)ロイヤルコペンハーゲンに入社。
丸の内本店で店内の花装飾を担当したことをきっかけに
通ったフラワーアレンジメント教室の講師、
あんりゆき氏のイギリス暮らしと花に憧れて渡英、
現地でフラワーアレンジメントを学ぶ。
帰国後、あんりゆき氏に師事し、1994年独立。
東京・南青山のアトリエで花教室を主宰するほか、
フラワーデザイナーとして
ファッション&ライフスタイルブランドの
イベント花装飾を手がける。
料理雑誌や書籍のテーブルスタイリストとしても活動。
2012年、小さな頃からのエプロン好きが高じて、
ディレクターの滝本玲子氏と「エプロン商会」を設立。
リバティプリントやヴィンテージの布を使った、
身につけるだけでワクワクする
「大人のためのエプロン」のデザイン、制作、販売を開始。
2016年、屋号を「緑の居場所デザイン」と改称、
2020年(株)緑の居場所を設立。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06400_select.jpg)
窓の外はすかーっと抜けた青空。
日当たりのよいリビングの壁に、
市村さんがえらんだのは印象的な黄色でした。
「もともと和室だったところを、
直してもいいですか? って大家さんに直談判。
ふた部屋つなげて広くしたんです」
お花の教室もするというこの場所。
黄色い壁は、花やフラワーベースの色と
ぶつからないのですか?
と尋ねると、
「黄色ってね、他の色との相性がすごくいいんです。
どんなお花も映えるんですよ」
と意外なお返事。
万能な色って、
てっきり白だと思いこんでいたけれど‥‥
と言うと、
「白はコントラストが強すぎるから、案外難しいの」
ですって!
かれこれ、30年近いおつきあいの市村さん。
知り合った当時から、お花の仕事をしていた彼女が、
「万能」と言うのだから、間違いない。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06401_select.jpg)
ラウンドテーブルも、ほら、この通り。
黄色い壁に黒いテーブルがしっくり馴染んでる。
ピッチャーに生けたのは、
土佐みずきの枝。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06402_select.jpg)
右に置いた一輪挿しの中には、
枯れそうなラナンキュラス!?
お花って、生き生きしている状態が
ベストだと思っていたけれど、
そうではないことを知りました。
だってここに、この一輪があるのとないのとでは
大違いだもの。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06432_select.jpg)
「花もフラワーベースも、
いろんなテイストを混ぜるのが好き。
シックなものの中に、ちょっと派手なものや、
異質なものを入れ込んだりとか」
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06410_select.jpg)
違うスタイリングも、
見てみたいなぁとお願いすると‥‥
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06429_select.jpg)
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06438_select.jpg)
棚から、ささっとオレンジのベースを取り出して、
こんな風に仕上げてくれました。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06444_select.jpg)
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06448_select.jpg)
テーブルの足元には、
無数のフラワーベースが。
「ヨーロッパの蚤の市で買ったり、
海外へ行けないここ2、3年は、
都内で開催されるマーケットで見つけたり」
‥‥とここでまた、
テーブルの上のスタイリングをチェンジ。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06535_select.jpg)
フラワーベースをたくさん乗せて。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06553_select.jpg)
テーブルの使い心地を尋ねると、
「70センチの高さは使いやすいですね。
奥行きがけっこうあるので、
ものも案外たくさん置くことができる」
そうなんです。
角がないから、部屋の中でじゃまにならない。
花やフラワーベースはもちろん、
パソコンを置いて、作業もできちゃうんです。
![](/n/weeksdays/wp-content/uploads/2023/01/DSC06497_select.jpg)
テーブルに合わせてくれたのかな?
今日のワンピースは黒。
すてきですね、と言うと
なんと、
市村さんが友人とはじめたブランドのものだそう。
きっかけは蚤の市で見かけた、
古い着物。
「いいなと思ったものをまずは買って、
じゃぶじゃぶ洗って。そこから仕立てます」
バイヤス使いだから、
着ると立体感が出るんですって。なるほど。
着物と、洋服。
古いものと、新しいもの。
シックなものと、異質なもの。
ピン、と元気な枝に、今にも枯れそうな花。
黄色い壁と、黒いテーブル。
テイストが揃ってないのが、
市村さんのテイスト。
これはなかなか真似できないけれど‥‥
いつか壁の一面を黄色にしてみたいな、
なんて思いました。