SLOANE × weeksdaysのキュロットが完成したとき、
真っ先に「これをぜひ着てもらいたい!」と思ったのが、
料理研究家の野口真紀さんでした。
なにしろ野口さん、冬でもほとんどソックスは履かず、
春から秋は(ときには冬でも?)
ショートパンツ率がとっても高いという人。
いつも、すごーく元気がいっぱいで、
野口さんの料理教室に通う人たちの間では、
「元気をもらった!」という感想が多いらしい、
そんな方なんです。
伊藤さんとは旧知の仲(20代から!)で、
「まあちゃん」「真紀ちゃん」と呼ぶ仲。
キュロットに私服でのコーディネートをお願いした
フォトセッションのあとで、
ふたりがおしゃべりした様子を、
その写真をまじえながら、
4回にわたっておとどけします。
ダイエット指南としても、ナイスなお話なんですよ!
野口真紀
1973年東京都生まれ。
料理雑誌の編集者を経て料理研究家になり、
雑誌やテレビで活躍中。
育ち盛りの2児の母でもある。
作りやすくて美しく、おいしいレシピが好評。
料理教室や、ワイナリー巡りの連載も。
著書に
『仕込み5分でフレンチも和食も!
~世界一美味しい“まいにちご馳走”レシピ~』(光文社)
『おいしい絵本レシピ』(福音館書店)
『きょう作りたいおかず 簡単&美味な300品』
(主婦と生活社)
『はじめての料理マスターブック』
(ワン・パブリッシング)
『毎日食べて体すっきり 野菜の酢漬けと展開レシピ
料理の本棚』(エムディエヌコーポレーション)
『家で、通いたくなる店の味
予約のとれないバル編』(主婦の友社)、
『ぱらぱらきせかえべんとう』(アノニマ・スタジオ)
などがある。
「weeksdays」では
「あのひととコンバース。2022」に登場。
03この一着が着られなくなったら
- 伊藤
- 真紀ちゃんが自分を律するモチベーションって
どこから来るの? どうやって維持してるの?
「ま、いいか」ってならないの?
- 野口
- たしかに自分に超・厳しいね。
洋服も全部直しちゃったのよ。
いいものほど全部直した。
このスカート、このパンツが入らなかったら
もうアウト、って思って。
- 伊藤
- なるほど! わかる。
わたしもジャストサイズ、
ピタピタのパンツが一着あって、
それを時々穿いてチェックしてる。
きつくなったら、腹筋したり、
食べるものを気をつけたり。
- 野口
- 先日ね、子どもの卒業式に向けて、
久しぶりにちょっとピタッとしたものを買ったの。
オールインワンなんだけど、ツイードで、
ほっそーいのを。
- 伊藤
- 美しく服を着るためにっていうのがすごい。
「健康でいたい」もあるけど。
- 野口
- 健康もそうだけど、
きれいにお洋服を着るっていうのは大事よ。
私はそこが一番。
そもそも体重を落とすと、
検査の数値も良くなるよ。
- 伊藤
- でもお酒は飲んでるのよね。
- 野口
- だからダメなのよね。
でも、それまで取っちゃったらさ、
‥‥つまらないじゃない?!
- 伊藤
- そうだね。
お酒も飲むけど、ヒールも履いて、がいいね。
- 野口
- ヒールも、太ってくると履けなくなるから。
体が重くなってつらいし、足も太るのよ。
ほんとうにね、いい年になったら、
いいものを着ることは大事なの。
そして、同じお店でも、高級ラインの服って、
ほんっと細いの。でも、それをきれいに着ると
めっちゃ形がきれいだから。
好きなポロシャツがあるんだけれど、
ふつうのラインと、高級ラインでは、形が違う。
それがね、面白い。
- 伊藤
- 面白いんだ。
- 野口
- すっごく面白い。
値段も違うけど、形のよさも5倍ぐらいいいの。
ポロシャツってすっごい体のラインが出るんだよね。
だからポロシャツをずっとかわいく着たい、
おばちゃんになってもかわいくポロシャツが着たい。
そういうモチベーションもある。
- 伊藤
- なるほどね。ポロシャツっていう定番のアイテムほど、
自分を整えておかないといけないってことなのね。
- 野口
- そうなの。わかるでしょう。
さっき言ったみたいに、体型を隠してくれる
ワンピースもいいんだけれど、
まずフィットしたものを着るのって大事。
みんなそこを避けるようになるの。
だから無理してでも避けないように調整する。
‥‥いいの? こんな話、ずっとしてて。
- 伊藤
- 全然大丈夫。
わたしも含め、迷ってる人達に、発破をかけて!
- 野口
- 料理教室でもいつも言ってるよ。みんなに。
- 伊藤
- えっ、生徒さんに?
- 野口
- うん。言ってるよ。
「今着てる服でテンション上がる?」
みたいな感じで。
あるいは「そんな夫や子どもの愚痴を言わないの!」。
- 伊藤
- そうなんだ~。
- 野口
- 「そんな話、しててもつまんなくない?
もっとさ、自分をさ、明るく楽しくしなよ」って。
みんな、そんな真紀さんみたいになれないよー、
とか言ってるけど。
- 伊藤
- だめよね、文句言ってると、
そういう顔になっちゃうんだから。
人相が悪くなっちゃうの。
- 野口
- そうでしょ。
でもね、すっごくきれいな子が、
すっごく文句を言ってたりもするのよ。
- 伊藤
- そっかあ。
- 野口
- そういう子には
「かわいいんだから、もっと楽しみなよ!」って言う。
料理教室なのに、説教が始まっちゃう。
「うちのダメ息子、ダメ娘が」
みたいなことばっかり言う人には、
「そういうこと言わないの!」って。
ほんとにそう思うのよ、
自信がない子に育っちゃうでしょ。
お母さんが味方してあげないで誰がするんだよ!
って感じだから。
- 伊藤
- うん。きっと真紀ちゃんの生徒さんは、
そういうのが聞きたくて、来てるんだと思う。
もちろんあのおいしい料理の秘密を知りたい、
っていうのが先だと思うけど。
ほかにはどんな話をするの?
- 野口
- 下着の話もするよ。
もうみんな、ある程度の年齢になった女性たちは、
ラクな感じのばっかりで、
全然ブラジャーをしてないって言うの。
何年もしてないって。
- 伊藤
- えっ。そっか、
ブラトップやブラキャミだけってこと?
- 野口
- そう! 「それだけ」っていうのは絶対だめよ、って。
私、夜と朝に下着を変えるの。
- 伊藤
- 夜はちなみに何を?
- 野口
- 夜はナイトブラセットをするわけ。
で、朝はちゃんとセットアップで下着をつける。
- 伊藤
- セットアップなんだ!
- 野口
- 必ず。そこはね。
でも、生徒さんに、ブラジャー買ってる? とか、
パンツとブラジャー、ちゃんとセットにしてる? とか、
そういうこと言うと、えー、全然してないよって。
- 伊藤
- でも、下着の線を拾う素材のパンツには、
レースのショーツをとか、
透けるブラウスには肌色に近いキャミソールをとか、
服に合わせて、
上下別々ってこともあるじゃない?
- 野口
- うん、そういう日もある。
そうやって積極的に考えるならいいのよ。
でも適当に選ぶから上下がいつもちぐはぐ、
っていうのはね。
- 伊藤
- そうね。
じゃあ真紀ちゃんのアドバイスで、
料理教室に通ううちに変わっていくの? 生徒さん。
- 野口
- うん。
「先生、ブラジャー買ったよ!」っていう人、
いっぱいいる。
ダイエットした子もいっぱいいる。
意識が変わるのね、きっと。
- 伊藤
- そうしたら体調もよくなるだろうし。
- 野口
- 私もそうだけど、みんな、今、美容が大好きよね。
年取ってくると、頑張らなきゃいけないじゃない?
なんにもしなかったら老け込むだけだから。
だからみんなで、そこを頑張っていこうって、押してる。
- 伊藤
- そうなの。何もしないと、
ただ汚くなっていっちゃうの。
がんばらなくちゃ。
- 野口
- ね、これから、私たち、
60に向けて、ね。
- 伊藤
- 年を重ねるごとに、服も変わってきた?
- 野口
- そうなの。ショートパンツもそう。
膝小僧を出さないとダメ。
- 伊藤
- 緊張感ってこと?
- 野口
- そう! やっぱりお腹に腹筋入れとかないとね。
こうやって、クッて。一生入れる。
- 伊藤
- さすが、姿勢がいいのよねえ。
- 野口
- いやいや、よくないけど、
そこは力を入れておかないと。
胸もちゃんと張ってね。
- 伊藤
- 腹筋はどうやって鍛えているの?
- 野口
- 筋トレ。
- 伊藤
- 筋トレ!
- 野口
- 筋トレと、ヨガ。
ヨガではインナーマッスル。
- 伊藤
- それはどれぐらいの割合で行ってるの?
- 野口
- 筋トレ月曜日、ヨガ土曜日。
ずっとやってる。
筋トレは1時間半、スーパーマッチョの、
ほんっとに格闘技のレフリーの人がコーチのジムなの。
生徒は全員若くて、私が一番歳上。
その子たちと、部活みたいにこう、円陣組んで、
自重を使ったサーキットトレーニング。
20代、30代の子と同じメニューをやってるから、
ほんっとに辛くて死にそうなの。
心拍数も上がるし。
- 伊藤
- えっ、やだー!
- 野口
- ほんと不思議なジムなんです。
- 伊藤
- それをどれぐらい続けてるの?
- 野口
- 今ちょうど1年。
- 伊藤
- はあー‥‥、
真紀ちゃんの話を聞いていると
「わたしは、もういいや」って気分になってきた。
- 野口
- だめよー(笑)。
SLOANEのキュロット、
野口真紀さんのコーディネート 3
- ネイビーのキュロットに、
ストライプのリボンブラウスを。
-
ヒールの靴は1で履いていたものの色違い。
形は同じでも色が変われば雰囲気も変わる。
-
「ここの靴の木型が私に合っているみたい」。
なるほど。
「自分にしっくりくるブランドを見つける」
っていうのも、参考になります。
-
この日、キュロットにコーディネートする服を
たくさん持ってきてくれた野口さん。
どれもシンプルですが、
シンプルだからこそ素材のよいものを、
シルエットの美しいものを、
と服をえらぶ目は相当厳しそう。
体型も、えらぶものも、
「これでいいや」が絶対にないのです。
おしゃれは気合い、ってことを学びました。
(伊藤まさこ)