REPORT

タイパンツ、
あのひとに着てもらいました
1・料理家 冷水希三子さん

素材をコットンからリネンへ、
色をインディゴから黒と白の2色にかえた、
今シーズンのquitanのタイパンツ。
うんと大きめにつくったウエストを
折り畳むようにして留めて穿くこのかたち、
「エスニック」な印象はなく、
うんとエレガントなんです。
このパンツに似合いそうな大人の女性ふたりに
さっそく、着ていただきました。

(取材・文=伊藤まさこ)

冷水希三子さんのプロフィール

ひやみず・きみこ
料理家/フードコーディネーター。
レストランやカフェ、料理旅館などへの勤務を経て独立。
季節素材を生かした料理が評判で、料理教室は常に満席。
著書に『ONE PLATE OF SEASONSー四季の皿』
(アノニマスタジオ)
『ハーブのサラダ』(アノニマスタジオ)
『さっと煮サラダ』(グラフィック社)
『スープとパン』(グラフィック社)など多数。


「タイパンツ」と聞くと、
ついエスニックなものを想像してしまいますが、
今回作ったのは、
ふだんの私たちのワードローブにぴたっとくる、
大人っぽいタイパンツ。

素材も、以前販売したインディゴのコットンから、
白と黒のリネンに変わり、
より洗練されたイメージになりました。

ふだん、パンツをえらぶことが多いという、
料理家の冷水希三子さん。
彼女だったら、
どんな風に穿きこなしてくれるだろう?
ご自宅にうかがうと‥‥

あれ? もうすっかりご自分のものになっている! 
やっぱり似合うと思ったんです。

「家着でもなく、フェミニンに寄りすぎてもいない。
すごくバランスいいですね」
と冷水さん。

少し厚手のリネンは、
リラックス感がありながらも、
合わせるものによって、
きちんとした印象にもなる。

ゆったりしていながらも、
穿くとスッとして見える。

その言葉通り「バランスいい」んです。

華奢なイメージの冷水さんですが、
「いえいえ、ふつうにウェストはしっかりあるんですよ」
(そうは見えないけれど‥‥)。
でも「しっかりある」人でも、調整が効くので大丈夫。

冷水さん、今日はTシャツをインにして
ベストを重ねました。

ベストからちらりと見えるTシャツの白。
きゅっとまとめた髪にキャスケット。
サンダルから覗く素肌の分量。
シルバーのブレスレットとゴールドのリング。

一見、シンプルなんだけれど、
じつはいろんな仕掛けがある。
一口、食べると「お!」と思う、
冷水さんの料理とおしゃれ、
なんだか共通点があるんです。

白のパンツに白いシャツを。
黒とはまた一味違って、
すっきりきれいな着こなしです。

「じつは、Tシャツだけにしようと思っていたのですが、
鏡を見て、何か足した方がよさそうだなと思って、
シャツを重ねました」

今の家のオーナーは、
ファッション関係の方。
家にはなんと4枚もの全身鏡があるのだとか。

「前の家には小さな鏡しかなかったので、
ここに住むようになって、客観視できるようになったかも」

ここ数年で着る服が変化してきたという冷水さん。

「前は、ふわっとしたシルエットのものを
えらぶことも多かったけれど、
なんだか似合わなくなってきて‥‥
襟ぐりの開いたものだと心許なくて、
襟つきのシャツをえらんだり」

ほとんど履かなかったというスニーカーも、
最近、出番が多くなってきたんですって。

さて穿き心地はどうでしょう?

「すごく穿きやすいですね。
それから動きやすくもある。
今の季節はもちろんだけれど、
冬はニットを着てもよさそう」

Tシャツやストローハットと合わせたら夏仕様。
ニットと合わせたら冬仕様。
合わせるものによって、一年中着られる。
冬のパンツ姿もきっとすてきに違いありません。

えらぶ服が変わってきたように、
料理も、えらぶ器も
少しずつ変化をしているという冷水さん。

いつか、料理や器の話も、
聞かせてもらいたいなぁ。

2023-08-01-TUE