REPORT

ベトナムのかご、
あのひとの使い方
3・飛田和緒さん
ここを探せば大丈夫

「weeksdays」の定番アイテム、
ベトナムのかご。
2018年の秋に、大きさは2つ、
グレーと白の2色でスタートしたこのかご、
いまはサイズが5つ、色は4色にふえました。
(イベントのみで展開した特別色をのぞきます。)
これまでも、いろいろな使い方をご紹介してきましたが、
今週は、6人のかたに、
それぞれの暮らしのなかでの使い方を
教えていただきました。

(取材・文=伊藤まさこ)

飛田和緒さんのプロフィール

ひだ・かずを
料理家。
東京出身。短大卒業後、
会社勤めや出版社でのアルバイトを経て、料理家に。
高校時代を長野で過ごし、
長い東京暮らしから18年前に海辺に移住、
家族3人で海の近くで暮らす。
地元の魚、野菜、果物で保存食や常備菜を作るのが日課。
著書は100冊以上になる。

現在は娘が独立し、夫婦ふたり暮らし。
息抜きはお酒を飲むこと、おいしいものを食べること、
本を読むこと、クラシックバレエ鑑賞、映画鑑賞、
韓国ドラマを観ること。

■飛田さんのInstagram


葉山に越して20年ほど。
その間、一度の引越しを経て、
今住んでいるのは海が一望できるこの家。

その間に生まれたお嬢さんは、
なんと今年の春から大学生に。
今は、独立して関西で学生生活を送っているとか。
赤ちゃんの頃から知っている私としては、
感慨深いものがあります。

それと同時に、ずっと作っていたお弁当生活も
おしまいになった飛田さん。
自由になる時間が増えたと同時に、
ひとりのごはんも増えたそう。

お弁当もとびきりおいしそうだったけれど、
インスタグラムで拝見する
飛田さんのひとりごはんもまた、
グッとくる。
「胃袋つかまれる味」とはこのことです。

変わったことは、ほかにもあって、
「飛田さんといえば土鍋ごはん」だったのが、
軽い鍋で炊くようになったそう。

「もちろん、仕事で土鍋を使うこともあるけれど、
ふだんはもっぱらこれ」と言って見せてくれたのは、
片手でひょいと持てそうな軽やかな鍋。

「もうね、歳を重ねるごとに
重いものがだめになってきたのよ‥‥」
と飛田さん。

デザイン優先だったかごも、
今は「軽いもの」に目がいくんですって。

ずっと使っていた自然素材のかごの
持ち手が壊れてしまった時に、
出会ったのがweeksdaysのベトナムのかご。
(パルコの展示「家のなかのこと」にも
お越しくださったそう)

「レシピを書くためのパソコンとか、メモとか、
これから控えている撮影の資料とか。
そんなものを一切合切がさっと入れて、
引き出し代わりに使ってる」

つねに4、5冊(!?)抱えているという単行本の仕事。
だから荷物もたくさんなはずですが、
「ここを探せば大丈夫」。
なんと手紙も領収書もこの中なのだとか。
さすが大容量のXLです。

「ざーっと入れられてすごく重宝。
ほら、私ってていねいさに欠ける性格だから‥‥」
とおっしゃるけれど、
いえいえけしてそんなことはありません。
「ていねいさに欠ける」のであれば、
日々の料理はもちろん、
梅仕事や味噌の仕込みなど、
手まめさが必要なことを毎年続けられるはずないもの。

1カットとか2カットとか。
カット数が少ない撮影の時には
ご自分でスタイリングもされるという飛田さん。

その時に使う布類もかごに入れて。
間口が広いから一目で見渡せて便利なのだそう。

3年くらい前に再開したのが着付けの勉強。
「自分で着られることは着られるけれど‥‥」
もう一度、ちゃんと勉強しようと思ったとか。

着付け教室の時に必要なのが、このボディ。
着物と着付けに必要な小道具を入れて、
さらにボディも入れて、車で出発。
ご家族にもびっくりされたというこの光景。
なんと大胆な‥‥

ボディを入れると、
片手で持ち手をふたつ持つことはできないけれど、
「少しの移動なら、両手で運べる」。
たしかに。

取材を進めるごとに発見する、
ベトナムのかごの新しい使い方。
私も撮影の時のボディ運びは、
このかごを使おう。
飛田さん、ありがとうございました。

2023-08-28-MON