REPORT

ベトナムのかご、
あのひとの使い方
5・坂井務さん 
買い出しに行く時も

「weeksdays」の定番アイテム、
ベトナムのかご。
2018年の秋に、大きさは2つ、
グレーと白の2色でスタートしたこのかご、
いまはサイズが5つ、色は4色にふえました。
(イベントのみで展開した特別色をのぞきます。)
これまでも、いろいろな使い方をご紹介してきましたが、
今週は、6人のかたに、
それぞれの暮らしのなかでの使い方を
教えていただきました。

(取材・文=伊藤まさこ)

坂井務さんのプロフィール

さかい・つとむ
イタリアン・レストラン「IGORA」店主。
都内のレストラン数店舗、
ヨーロッパでも数店舗、ワイナリーなどで経験を積み、
2019年にIGORAを立ち上げる。

「休みはだいたい食べることと呑むこと、です。
生産者のところにも行くんですよ」
と、忙しい日々をおくる。

■IGORAのwebsite
■IGORAのInstagram


とうもろこしのこっくりしたスープは、
水と塩だけで。

手打ちのパッパルデッレは、
軽やかなジェノベーゼと
(にんにくも松の実も入れていないのだとか!)。

じっくり6時間コンフィにした稚鮎と、
自家製リコッタチーズとローストした
パプリカのオーブン焼きは、
熱々のうちにサーブして‥‥。

この夏、4周年を迎えたIGORA。

シェフの坂井さんが作る料理を食べると、
その夜はもちろん、
次の日も、そのまた次の日も、
お腹と心がじんわりあったかい。
なんだか幸せな気持ちになるのは、
坂井さんご自身が、
料理を心から楽しんでいるからではないかな?

その日その時の素材と相談しながら、
提供する料理を決める。
時に意外な組み合わせもあるのだけれど、
皿の上はいつもおだやか。
それはおいしくまとまっているんです。

カトラリーはフランスの蚤の市などで手に入れた
クリストフル。
プレートは、
ギャラリーで見て気に入った作家さんに
作ってもらったそう。

なんと、店内の内装もプロに頼らず、
すべて坂井さんが決めたのだとか。

「のんびりした場所がいいと思って」と、
えらんだ場所は世田谷の奥沢。

「スケルトンにしたら、
こうしたい、という絵が思いついたんです」と坂井さん。
そこからは毎日メジャーを肌身離さず持って、
大工さんと相談しながら、
少しずつ理想を形にしていったのだそう。

大変だったに違いないけれど、
自分の城だもの、
楽しかっただろうな。

そんな坂井さんが、
お店に、とえらんでくれたのは、
weeksdaysのベトナムのかご。
お客さまや、友人の料理人が使っている様子を見て、
いいなぁと思ってくれたのだそう。

サイズはLとXL。
色は黒。

かごの色と椅子の座面の色を合わせてくれたのかな。
クロークに置かれた様子も、
またいいんです。

黒いかごの中に、色とりどりの野菜。
黒をえらんだ理由は、
「よごれを気にせず、ガシガシ使えるから!」
なんですって。

築地や豊洲に買い出しに行く時も、
かごが一緒。

「買ったものを次々と入れていける、
間口の広さがいいんです」

大きい魚や、かさばる野菜もなんのそのの容量。
たとえ水分や泥がついても、
洗えるところがいいんですって。

時おり同業者から、
「どこで買ったの?」と聞かれることもあるとか。

そんな時は、「weeksdaysです!」
と教えてくれているのだそう。

なんと、ありがたい。

この先、どんな料理を作っていきたいですか? 
と尋ねると、少し考えて、
「いつかは水のおいしいところで、料理を作っていきたい」
と坂井さん。

これからますます
研ぎ澄まされた料理になっていくに違いない。
それもまた楽しみです。

2023-08-30-WED