REPORT

ベトナムのかご、
あのひとの使い方 
6・鈴木潤さん
洗って干して、ポイポイ入れて

「weeksdays」の定番アイテム、
ベトナムのかご。
2018年の秋に、大きさは2つ、
グレーと白の2色でスタートしたこのかご、
いまはサイズが5つ、色は4色にふえました。
(イベントのみで展開した特別色をのぞきます。)
これまでも、いろいろな使い方をご紹介してきましたが、
今週は、6人のかたに、
それぞれの暮らしのなかでの使い方を
教えていただきました。

(文=柳田薫 写真=梅戸繭子)

鈴木潤さんのプロフィール

すずき・じゅん
広告代理店勤務を経て、
「子どもの本専門店メリーゴーランド」四日市店で
13年間企画を担当。
2007年、京都への出店とともに店長に就任。
「メリーゴーランド」は創業47年になるお店で、
鈴木さんが4歳のときにオープン、
小さなころは親に連れられ通っていたお店だったそう。
現在は京都に暮らし、お店の切り盛りだけでなく、
雑誌、ラジオなどにも登場、
子どもの本の普及に力を注いでいる。
2人の男の子の母、少林寺拳法弐段。
著作に『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』
(アノニマ・スタジオ刊)、
『物語を売る小さな本屋の物語』(晶文社刊)
がある。

■メリーゴーランドKYOTOのwebsite
■鈴木潤さんのInstagram


ベトナムのかごの中でいちばん大きいサイズ、
XLを使っていると聞いて、
京都に住む鈴木潤さんのご自宅へ伺いました。

「うなぎの寝床」と呼ばれる細長い造りが特徴の
京町家で、ご家族4人で、猫と暮らしている潤さん。

玄関からまっすぐ伸びる廊下にあるシェルフの一番上に、
さっそく白いベトナムのかごを発見。
潤さんご自身で漆喰を塗ったという白い壁に、
素敵になじんでいます。

「私の帽子コレクションを入れています。
帽子が好きで、たくさん持っているんですけど、
置き場所に困っていたところへこのXLサイズがぴったり。
軽いから、高いところに乗せてもおろしやすいんです」
と潤さん。

かごの中には帽子を2つ並べて、
それぞれ3~4個、重ねて収納。

玄関近くのこの定位置は、
おでかけ前に帽子を選べるので便利なのだとか。

そして、階段脇の棚にはシルバーのかごが。
Lサイズのこちらは、
洗濯かごとして使っているのだそう。

「家族が脱いだ服を入れていくの。
洗濯機が1階にあるので、朝、かごごと持って降りて、
洗い上がったらまたかごへ入れて2階で干してます。
軽いし、濡れたものを入れてもへっちゃらな素材だから
すごく便利」

他にも、旅行へ行くときに家族ぶんの必要なものを
このかごに「ポイポイ入れて」車に積むそうです。
整理して入れなくていいのが、大きいサイズの
いいところなんですね。

「持ち手がチューブでカバーされているでしょう。
丈夫な素材だから、これがなかったら手が痛いはず。
持ちやすいのはポイントが高いですね。」
とうれしいお言葉。

かごを見つめる目線が、なんだか熱いな、
と思ってたずねると、
もともとかごが大好きという潤さん。

「他のところで似たようなかごを買ったこともあるけど、
もっと深いんですよ。
だけどこのかごは、ほどよい浅さが使いやすいし、
何といってもこの形がかわいい」

たしかに、お家の中には他にもたくさん
かごが並んでいます。
「これはね、私が作ったの」
と見せていただいたのは竹かご。

以前住んでいた家の隣が竹屋さんで、
毎週人が集まって、竹を編んでいたそう。
自分も編みたいと思った潤さんは、ある日勇気を出して
竹屋のご主人に通わせてほしいと直談判に。

「竹割りから始めるか、編むだけか、どっちや? 
‥‥って聞かれて。
ここは本気度を見せなきゃと思って、
竹割りからお願いします! って言ったら、
本当に1年間ずっと竹割り(笑)」

竹割りばかりで手に豆はできるし、冬はあかぎれ。
ついに登校拒否になった潤さんのもとへ、
同じ竹編み同好会のご婦人方が訪れます。
「どうしはったん、最近来はらへんけど。
ほんとは編みたいんやろ? 
うちらで先生に言うたげるから、
来週はおいでや! って言ってくださって」

はげまされた潤さんが翌週行くと、
「なんや、編みたいんか! 材料用意したげるわ。
竹かご作る大変さが分かったやろ」
と言われ、晴れて編めるようになったそう。

「通って12年くらいになるかな。
周りは30年以上通うベテランばかりだから、
私なんてまだひよっこですよ。ふふふ」
と言いながらたのしそう。

ベトナムのかごのインタビューから
思わぬエピソードが飛び出して驚きましたが、
潤さん、ほんとうにかごがお好きなんですね。

この日はインタビューのあとお出かけの潤さん。
玄関でお気に入りの帽子を選んで、
いってらっしゃい! 
どうもありがとうございました。

2023-08-31-THU