SLOANE 大貫雄さんにきく
“気持ちよさ”の秘密
SLOANEの服に共通して感じること、
それは、着ていて、
とても気持ちがいい! ということ。
もちろん今回のタートルネックも同じ。
代表の大貫雄さんに、
この気持ちよさの秘密について伺いました。
しっかりしたコットンで、大人の服を
このタートルネックの
素材についてお話をさせていただくと、
これはアメリカ・カリフォルニア州の
サンホアキン・バレー(SAN JOAQUIN VALLEY)
というところで栽培されたコットンなんです。
いわゆるカリフォルニア綿です。
アメリカって綿の生産量から言うと
世界で2番目に多いところなんですよ。
アメリカの綿というと、
例えばスーピマ綿とかインド綿など、
いろいろなブランドの綿が栽培されています。
そのなかでカリフォルニア綿っていうのは、
みなさん、あまり聞いたことがないかもしれません。
じつはぼくもそうでした。でもその響きに、
「なんだろう、それ?」っていう興味と、
ときめきを感じていました。
サンホアキン・バレーという場所は、
ふたつの山に挟まれた肥沃な平原で、
地域のほとんどが田園です。
さまざまな作物が育ち、綿花もそのひとつ。
世界最大の単一綿花農場もあるんですよ。
ここには雪解けの水が流れていて、
その水で育ったカリフォルニア綿の特徴は、
比較的ハリがあってしっかりしていることです。
このタートルネックをつくった生地は、
カリフォルニア綿を、双糸といって、
細い2本で撚って1本にした糸を
機械編みにしていくことでつくられています。
普段、SLOANEで使っている
Tシャツの生地よりもちょっと肉厚で、
しっかりとした生地なんです。
伊藤さんにチョイスしていただいた理由の一つも、
そのハリ感なんじゃないかなって想像しました。
首に寄り添いすぎず、クシュクシュっともならずに、
きれいに襟が立つ感じ。
このきれいな立ち方が素材の効果なんです。
いわば「しっかりとしたコットン」なんですよ。
ちなみにSLOANEの
定番的なTシャツは、超長綿っていう、
もうちょっと長めの繊維のコットンを使っています。
柔らかくて、より細く、もっと光沢のある素材ですが、
これは、そういうものとは対照的です。
糸が少し太く、しっかりとしているんです。
織り方は、普通の「天竺」。
一般的な平編みですが、ある程度、
高密度に編んだ素材です。
コットンのタートルについて、
SLOANEでは、超長綿を用いた
形のもう少しコンパクトなタイプを
定番でつくっています。
それは1枚で着るというよりも、
基本的にニットの下に着ていただくことを
前提にしたアイテムです。
クルーネックのニットから、
襟と、裾の先がちょっとだけ出る、
そんなコーディネートしてください、
という提案をしてきたんですね。
でも今回は1枚で着ていただけるカットソーとして
このタートルネックを提案しました。
透け感もなく、肩も少し落ちていて、
1枚でも十分着ることができます。
いま、暑い期間が長くなってきていますよね。
四季があるとはいえ秋と春が短い傾向にあります。
その影響か、春夏のニットの売れる期間が
少し前倒しになっているんです。
SLOANEを始めて7年が経ちますが、
温暖化もあって
7年前と売れるアイテムがだいぶ変わってきましたね。
そういう背景のなかで、
以前ならちょっとカジュアルなイメージだった
コットンのこういうアイテムを、
大人が着てもオッケーな形に仕上げた、
それがこのタートルネックだといえます。
これからSLOANEでもそういったものを
どんどん提案していこうと思ってますし、
そういったものが世の中に増えてくると思います。
気温にあわせての商品構成が、
ますます重要になってくるような気がしています。
(談)