REPORT

小ひきだし、あの人の使い方 その2

半径1mの景色を
和田泰次郎さん

杉工場 × weeksdaysの小ひきだしを
使ってみての感想、
ふたりめは編集者の和田泰次郎さんです。
家事や料理などの実用書を
多く手がけてきた和田さん、
ご自身の住まい方についても
いろいろと考えるところがあるそう。
男性の使う小ひきだし、どうぞごらんください。

(文・写真=和田泰次郎)

小ひきだし、いろいろな使い方のコンテンツは
こちらからどうぞ。

和田泰次郎さんのプロフィール

わだ・たいじろう
編集者。
1985年生まれ。
編集プロダクション、学研、マガジンハウスを経て、
2023年春よりダイヤモンド社 書籍編集局に所属。
レシピ本を中心に、家事、健康など
生活実用全般の書籍を企画。
料理レシピ本大賞を5度受賞。

「weeksdays」では
「あのひととコンバース。2022」にも登場。

最近の担当書は『落合式イタリアン』(落合務著)、
『平野レミの自炊ごはん』(平野レミ著)。


伊藤さんの「まさこ百景」の展覧会にお邪魔して
「小ひきだし」をはじめて目にしたとき、
一生共にする家具だな、となんとなく感じました。

家具にはベッドや棚、テーブルなどいろいろありますが、
「愛着」という視点で見てみると、発見が。

うちの棚はどーんと鎮座しているので可愛いわけではなく、
テーブルは自分以外のお客さんも使う公共性がある。
ソファはくたってしまって去年買い替えたし、
ベッドは愛着を超えているような‥‥。

家の広さや間取り、ライフステージに合わせて、
意外と買い替えることが少なくない家具。

そう考えると、サイズ感といい、
実用性といい、距離感といい、
小ひきだし、なんて素敵な相棒なんだろうと! 

そんな思いでうちに迎え入れて半年以上経ちますが、
引き出しを引くたびに(心で)にやにやするほど、
飽きのこなさに静かに驚いています。

超スムーズな引き心地、スベスベ木肌、
絶妙な高さの収納力、
そして半径1mの景色をほっこりさせる佇まい。

今は玄関の台に置いて使っていて、
外出にまつわる段が3つ。薬の段が1つです。

1の段 ハンカチ・腕時計など
家を出るときにさっと取り出せるように。
腕時計は毎日しないので、2つだけ。
サングラスやハンドクリームも置いています。

2の段 カード・領収書
財布は身軽に持ち歩きたいので、その日に使わない
カードは家に置くようにしています(身分証も含め)。
仕事で精算する領収書の一次置きにしていて、
月末にリビングのテーブルに引き出しを移動して整理を。

3の段 文庫本
ちょっと時間がありそうな日に持ち歩く用。
ぴったり4冊並ぶので(重ねれば16冊くらい収納可)、
併読しているものを気分で選びます。新書も置けました。

4の段 薬
無印良品のカードケースを置いて、
薬の仕分けに(普段はふたをしめています)。
常備薬、葛根湯、胃薬、ばんそこう。
軟膏、アルコールスプレー、体温計、マスクもここに。

頂上
忘れないようにするものを置きます。
受け取り待ちの不在票や配送伝票、翌日ポストに出す手紙、
近々使えそうなクーポン、マンションのお知らせ‥‥。
地味に大事な場所に。

小ひきだしのまわりには、猫村さんカレンダー、
骨董市で見つけた置き物、手袋、除菌スプレー、
Yuki & Daughtersのクッキーなどなど。
好きなものを集めてみたら、
家に帰るのが嬉しくなりました。
(ときどき模様替えするのも楽しい。)

今後の課題としては‥‥。

有元葉子先生のエッセイ
『使いきる』がバイブルなのですが、
家の中に気持ちのいい景色をつくるうえで、
少しでもプラスチックのものを
家の中から減らすことに努めています。
(そう簡単にはいかないのですが。)
引き出しの中ももっとシンプルにしていきたいです。

あとめちゃくちゃ丈夫なので、
どうしたらさらに味が出るものか考え中です。

2024-02-14-WED