REPORT

SPELTAのバレエシューズ
あのひとのコーディネート
パリのチャコさん編

01. 色を楽しむ

「weeksdays」初登場となる
イタリア・ミラノからやってきた
SPELTAのバレエシューズ
“BALLERINA IN CITTA”(街のバレリーナ)
とも呼ばれる、かろやかでやわらかなこの靴を、
パリにお住まいの“チャコさん”こと
鈴木ひろこさんに履いていただき、
コーディネートの提案をお願いしました。
チャコさんのすてきなお宅のようすや、
いまのパリの風景とともにおたのしみくださいね。

(取材・文・写真 伊藤まさこ)

鈴木ひろこさんのプロフィール

すずき・ひろこ
東京でスタイリストとして活動後に渡仏。
パリ在住33年。
現在は日本の女性誌を中心にパリをはじめ、
ヨーロッパ各国での取材、執筆、撮影オーガナイズを行う。
2022年、ライフウエアブランド
「LERET.H/ルレ・アッシュ」をローンチ。
パリ風味をひと匙加えたコレクションはすべて日本製で、
地球環境に配慮した植物由来の素材の
アンダーウエアやバッグを展開している。
weeksdaysでは、コーディネートやエッセイなどに登場。

●チャコさんのInstagram
●LERET.Hのwebsite
●LERET.HのInstagram


SPELTAのバレエシューズ、
どなたに履いてもらいたいかなぁ‥‥と考えた時、
一番はじめに思いついたのが
パリに住む友人のチャコさんでした。

ともすると甘くなりがちな、
バレエシューズですが、
チャコさんだったら、
ほどよく抑えた大人の着こなしを見せてくれるはず!
なにより彼女のセンスが大好きな私。
5色あるうちのどの色をえらぶのか?
どんなコーディネートを見せてくるのか?
日本を出発する前から、
ワクワクしていたのでした。

ここはパリ右岸のご自宅。
「いらっしゃい!」
と出迎えてくれたのはこの笑顔。

じつは今回の滞在で、
会うのは3回目の私たち。
一度目は共通の友人宅でのディナー。
二度目はブリュッセルへの日帰り旅。

友人宅では黒のジャケットに赤い靴。
バッグはもちろんご自身のブランドのルレ・アッシュの
ブリック色。

蚤の市巡りがメインのブリュッセルでは、
歩きやすそうなブーツに、
使い込まれたバーキン
(ご自身でショルダーストラップをつけて斜めがけ!)。

どんなシチュエーションでも、
ハッとする小物使いと、
トレードマークの赤いリップが効いた、
チャコスタイルはみんなの憧れです。

さて、SPELTAのレザーシューズ・IMMA NAPPAは、
ベージュとパウダーブルーの2色の展開
チャコさんがえらんだのは、
春らしいきれいな色合いのパウダーブルー。

ボーダーのニットの上に、
ブルーのカーディガン。
袖を少したくしあげ、ボーダーをのぞかせて。
ネイビーのパンツが全体をひきしめます。

ウェストはコサージュでアクセントを。

このカーディガンは昔のマルニ。
色違いで何枚も持っている気に入りとか。

「でもね、カシミヤ素材がおいしかったのか、
虫にくわれちゃって‥‥」

友人に刺繍してもらったのは、
かわいいモチーフではなくあえて蜘蛛の巣。
パンツやボーダーとの色合いもぴったりです。

パリ暮らしも今年で33年目。
パリに住むようになって変わったのは、
おしゃれの概念。

「最初はジェーンバーキンみたいに、
毛玉のついたカーディガンを着こなすのに憧れて、
蚤の市で探したりしていたの」

でもね、とチャコさん。

「だからといって、それを私が真似しても、
すてきじゃないってことに気がついた。
生きてきた自信や意思。
そんなことの積み重ねがその人を作る。
これを着たらおしゃれになるとか、
そういうことではないんだなって」

仕事を通じて出会った人や、
友人たち、それから家族。
街で、カフェで。
目で見ていいな、すてきだなと思ったものを、
チャコさんの中で消化してご自身の中に取り入れる。

チャコ・スタイルがすてきな理由は、
そんなところにあるのでした。

2024-03-11-MON