今週の「weeksdays」は、新作アイテムはおやすみ。
そのかわりに、こんな読み物をお届けします。
テーマは旅、そして旅支度! 
参加者は、旅の多い
fog linen workの関根由美子さんと、
STAMPSの吉川修一さん、
伊藤まさこさんです。
「1週間、海外に旅に出るとしたら?」
「これから空港に行くとしたら?」
という想定でスーツケースを持って
集まっていただきました。
仕事で旅の多い印象の3人ですけれど、
じつはすこしずつ、その内容は違うらしいですよ。
7回にわたって、旅する気分、お楽しみください。

関根由美子さんのプロフィール

関根由美子 せきね・ゆみこ

ふだん使いをテーマに、リトアニア産の麻素材で。
シンプルなデザインのキッチンリネンやベッドリネン、
ウエアなど、日々の暮らしに寄り添う布製品と
雑貨を展開する、下北沢「fog linen work」のオーナー。
すべてのアイテムがオリジナル、
関根さんはそのデザインと企画を行なっている。
また、南インドの人たちの日常着「ルンギ」の生地を使って
いろいろな商品を作るべく、あたらしいブランド
「miiThaaii」(ミーターイー)を立ち上げ、
自らが現地への仕入れに赴いている。
下北沢のショップでは
fog linen workとmiiThaaiiのオリジナル製品のほか、
インドのワイヤーバスケットや雑貨類、
世界各国のアクセサリーやインテリア雑貨を販売。

「weeksdays」ではいろいろなコンテンツ
登場いただいています。

■fog linen workのwebsite
■miiThaaiiのwebsite
■fog linen workのInstagram
■miiThaaiiのInstagram

吉川修一さんのプロフィール

吉川修一 よしかわ・しゅういち

株式会社STAMPS代表。
大学卒業後、数社のアパレル企業で営業、
マーケティングと店舗開発に携わる。
国内外のファッションとものづくりに触れた経験から
2013年にSTAMPSを設立。
「STAMP AND DIARY(スタンプアンドダイアリー)」や
「utilité(ユティリテ)」、
「kijinokanosei(キジノカノウセイ)」などの
オリジナルブランドの制作のディレクションから
フランスのバッグ「TAMPICO(タンピコ)」や
英国の「OWEN BARRY(オーエンバリー)」、
「Wallace#Sewell(ウォレス アンド スウェル)」など
インポートブランドのセレクトまで手掛ける。
最近ではアパレルにかぎらず、
日々を豊かにする「もの」全般を取り扱っている。

「weeksdays」の登場コンテンツはこちら

●STAMPS オフィシャルウェブサイト
●STAMPSのInstagram
●吉川修一 shuichiyoshikawaのInstagram

05
もしも仕事じゃなかったら

伊藤
関根さんは、インドではなく、
ニューヨークやロンドンに行くときは、
荷物の内容や量が変わりますか?
関根
それが、同じなんですよ。
ニューヨークでもロンドンでも、
ほとんど展示会場にいるので、
おしゃれな場所に行く機会もなくって。
伊藤
仕事とプライベートは違いますものね。
関根
はい。
──
関根さんはお仕事で渡航することがほとんどだと
おっしゃっていましたが、
休暇にプライベートで
海外に行くっていうこともあるんですか。
関根
以前はあったんですけど、
今は猫の世話があるので長期不在ができず、
出かけることがなくなりました。
伊藤
そうなんですね。
吉川さんもお仕事が多い印象ですけれど。
吉川
あ、でも、家族でアジアへ行くのは、
ほぼプライベートですよ。
伊藤
そういうとき、旅支度また、違うんですか。
吉川
全く違いますね。荷物の量も全然違って、
少なくなります。仕事のほうが多めです。
伊藤
アジアって例えばどこに?
吉川
最近は、ベトナムが多いです。
それからタイ。
韓国も行きますね。
そういうときは、小さめのスーツケース1個です。
伊藤
ヨーロッパに行くときは3つ持ちなのに。
吉川
そうですね。仕事のほうが荷物が多いです。
ちなみに、外ポケットが付いているタイプの
スーツケースも持っていて、近距離の場合、
けっこうそっちを使いますね。
外ポケットにパソコンを入れられるようになっていて、
機内に持ち込むのに便利なんですよ。
──
スーツケース、いくつ持っているんでしょう、吉川さん。
吉川
いやあ、6つ。あはは!
とくにRIMOWAが好きなので、つい。
伊藤
そうか。わたしはもう重さに負けて、
金属製のものをやめて、
ポリカーボネート製にしたんです。
吉川
僕は金属製に憧れ続けて、
見栄えで使ってます。
関根
カッコいいですよ。
伊藤
そうですよね。
でもわたしはもう、
すべてラクなほうへ、ラクなほうへと。
お鍋も軽く、器も減らし、服も減らし、
卒業アルバムも処分しました。
吉川
えっ! デジタル化したんですか。
伊藤
いいえ、人生すべて軽量化をすすめてて、
それはモノを減らすだけじゃなく、
思い出は形ではなく
心の中だけでいいと思っているんですよ。
関根
卒業アルバム、私も持ってないです。
伊藤
もうすでに! 
吉川
す、すごい‥‥。いやはや。
そこは、ぜったいにマネが出来ないです!
関根
あはは!
伊藤
ふふふ。
吉川
けっこう僕、逆かもしれないです。
そういうふうに、モノを減らせる人たちに
憧れるタイプです。でも、絶対できないです。
伊藤
そうなんですね。
モノを減らすって、気持ちいいですよ! 
捨てなくてもいいんです、
誰か使ってくれる人に譲るんです。
吉川
わかるんですけどね。
伊藤
吉川さんはモノがお好きだから、
それを収納するのに
「置き場所を増やしちゃえ」
っていうタイプでは?
吉川
あ、そうです! よくお分かりで‥‥。
一同
(笑)
伊藤
そういう人はそれでいいんですよ。
──
たしかにそういうタイプの人は、
みなさん、小っちゃい倉庫を借りるとか、
実家を使わせてもらうとか、
それなりの工夫をしていますよね。
吉川
そうですね。僕のまわりはそう。
僕もそうです。
ところで伊藤さんはスーツケースを
大小2つを入れ子で持って行くと
おっしゃっていましたが、
買い物をしない場合は、
もっとコンパクトになるんでしょうか。
伊藤
個人の持ち物だけなら、
このグレーのスーツケースひとつあれば、
ヨーロッパに2週間ぐらい滞在できます。
仕事の買い物があるから
スーツケースふたつで行くんですが、
ふと、「この小さなスーツケースで暮らしていけるのに、
家にはどうしてこんなに荷物がいっぱいあるんだろう」
って思うんです。
吉川
たしかに‥‥、たしかにそうですね。
人生はスーツケースひとつで大丈夫なんですよね。
ああ耳が痛い。めちゃくちゃ痛いですよ(笑)。
そもそも、ふだんから、
旅にまつわる買い物が多いんだから! 
なんで買っちゃうんだろうって思いながら、
「何やってるんだろうオレ?」みたいな一瞬があります。
伊藤
あはは! 旅先でもそうですか。
吉川
はい、ダメなんですよ。もうほんと、
海外の美術館に行くと、
ポスターをまとめ買いしちゃうとか。
伊藤
ええっ?!?!
関根
ええーっっ!?
吉川
もうなんか‥‥その、展覧会記念のポスターが
あるじゃないですか。日程が入っているもの。
ああいうのってもう、そのときしか買えないから。
伊藤
すごーく、男の子っぽいですね。
──
若い頃、とてもアートは買えないけれど、
本やポスターはぎりぎり買えるんですよ。
自分も、卒業旅行でニューヨークに行って、
ポスターを何枚も買ってしまい、
持ち帰るのに困って、建築図面を入れる
筒形のプラスチックケースを買いました。
それ以来、海外旅行で面白そうな美術展があるときは
そのポスターケースを持って行きます。
吉川
はい、はい! まさしくそうです。
あれ、とても便利ですよね。
絶対持って行かなくちゃね!
伊藤
ええっっ!!!
関根
えー!
吉川
前回もロンドンに持って行きました。
伊藤
ははは! ウソ~。
吉川
ほんとです。あのケースって斜め掛けができて、
すごく便利なんですよ。
伊藤
それ、持ち帰る時はどこに入れるんですか。
吉川
斜めにして大きめのスーツケースに入れます。
入るんですよ、案外。
関根
初めて聞きました。
そのポスターは、どうするんですか、
日本に持って帰って。
吉川
とっとくんです。
関根
あ、飾ったりはされない?
吉川
ポスター用の額があるので、
時々入れ替えて飾ったりもしますよ。
伊藤
その、ポスター用にケースを持って行くのって、
みんなにとって普通のことなんですか。
吉川
いや、好きな人はそうする、というだけですよ。
これも「何やってるんだろう? オレ」案件です。
もう買わなくてもいいんじゃない? って、
わかっているのに、買っちゃうんです。
一同
(笑)
吉川
初めてヘルシンキ行ったときに、
アルヴァ・アアルトのポスターを見つけて、
ここでしか買えないと思い込んで、
10枚ぐらい買って帰ったら、
日本でも売ってました‥‥。
伊藤
もう(笑)。
(つづきます)
2024-04-30-TUE