REPORT

日傘と扇子、
あの人のコーディネート 
その2 和服にあわせて 
森脇ひろみさん

BonBonStoreと「weeksdays」のコラボ、
ことしも日傘とおそろいの扇子が登場します。
「このかただったら、
どんなふうに使ってくださるかな?」
と、ふたりの女性をたずねました。

ふたりめは、
娘の森脇今日子さんといっしょに、
神戸・六甲で MORISという
ギャラリーを運営している森脇ひろみさん。
洋服も和服も、お気に入りの小物とあわせて、
すてきに着こなすお洒落じょうず。
そんなひろみさんが、
黒の傘と扇子を
和服にあわせてくださいました。

(写真=梅戸繭子)

森脇ひろみさんのプロフィール

もりわき・ひろみ
神戸生まれ、神戸育ち。
短大卒業後、結婚、
38歳のときに陶器店をオープン、
40歳で夫を亡くし、2人の娘を育てる。
54歳のとき、店を閉め、娘たちの留学先である
イギリスに渡り、2年半を過ごす。
帰国後は決まった場所を持たず、器の企画展を開催。
2014年から、娘の今日子さんが立ち上げた
古い集合住宅の一室を使ったギャラリー
MORIS(モリス)を手伝う。
「weeksdays」では2020年に、
「水色のコートを、
森脇ひろみさんに。」
に登場。


「もう暑いから、
絽のお着物にしてみました」
と、涼しげなお姿で
颯爽とあらわれたひろみさん。
所作もあわせてうつくしい佇まいに、
現場にいたスタッフからため息が漏れました。

「やっぱりそのメガネ、
今日の着物に合ってるわ」
と、隣で娘の今日子さん。

なるほど、
メガネの色味が
アンティークの帯留めにぴったり!

この日の装いに合わせていただいた
ボンボンストアの傘は、
「小ぶりだから、お着物にちょうどいい」
のだとか。
大きいと、和装の場合は
ちょっと野暮ったく見えるのだといいます。
ちょっと大きい貝ボタンがアクセントになって、
全体がバランスよく見えます。

この傘を洋服に合わせるなら、
「上質なコットンのカットソーに
生成りのリネンのワイドパンツなんかに似合うはず」。

普段は“真っ黒ではない色味” が好みだとのこと。
広げて眺めながら、
「この刺繍のデザイン、好きです。
こんな生地のパンツがあったら穿きたいわ」
とひろみさん。

「パンツ」という意外なコメントに、
詳しく聞くと、
「年齢的に、着る服がどうしても
地味になっていきがちですけれど、
あえて下半身を派手にしようかなと思って」
と、いたずらっぽく微笑む姿が
またすてきなんです。

「今日かけているのと同じ形の
青いサングラスも持ってるのだけどね、
買うときに『どうでしょうか‥‥』って
店員さんに一度止められたのよ。
でも、聞かずにかけてみたら
似合うって言ってくださって」
と、笑いながら話してくださいました。

この日もつけられていた
少し変わった形のメガネは、
80年くらい前につくられた
ニューヨークのビンテージのものだとか。

どんなアイテムも、
ひろみさんにかかれば
“ひろみさんのコーディネート” に仕上がります。
その極意を伺うと、
「人から変わっているとか、
派手だと言われても、
恥ずかしいと思ったらダメなんですよ。
好きなものを、
堂々と開き直って着ることが大事」
ですって! 
なんとまぁ、
ひろみさんらしい清々しいお答えに
はっとさせられました。

そうそう、
この日のひろみさんのお履物は、
着物好きがうらやむパナマ草履。
足元まで粋な装いは、
憧れずにはいられません。

どんなときも、
好きなものを身にまとって
かっこよくいること。
コーディネートの哲学のようなものを、
ひろみさんに教えていただきました。

ぜひまたMORISへお邪魔させてください。

2024-06-04-TUE