weeksdaysには2度目の登場となる、
L’UNE(リュンヌ)のディレクター兼デザイナー
前沢祐子さん。
伊藤まさこさんがアトリエへお邪魔して、
2つのトップスについてお話を聞きました。
じつは、前沢さんが何度も試作を繰り返して
やっと完成した2WAYブロッキングトップスは、
この数年、伊藤さんのワードローブで活躍していたもの。
そしてサテンボーダートップスは、
伊藤さんがL’UNEへオーダーして、
前沢さんと相談しながら形にしていった新作です。
ふたりの積もる話、原宿のアトリエから、
2回に分けてお届けします。
どちらも、大人の女性がうれしく着られるような要素が
たくさんたくさん、詰まっているんですよ。
前沢祐子さんのプロフィール
前沢祐子
服飾デザイナー。
26歳の時に単身パリに渡り、
フランス語やオートクチュールについて学ぶ。
2000年フランスから帰国、
デザインオフィスを立ち上げ、
フリーのデザイナーとして
数々の国内有名ブランドと企画契約をする。
2015年、
「Ageless・Genderless・Timeless」をテーマに
L’UNE(リュンヌ)を立ち上げる。
既製服のほか、
アトリエでのオーダーメイドも好評。
weeksdaysでは2023年に登場。
02大人のボーダー
- 伊藤
- ボーダーのトップスは、
わたしのリクエストだったんですよね。
「大人のボーダーが欲しい」と考えていたときに、
「そうだ、L’UNEにお願いしよう!」
と思い立って、気軽にお声掛けをしてしまって。
- 前沢
- いえいえ、ありがとうございます。
- 伊藤
- でも、そこからの道のりが大変でしたよね。
素材選びから縫製、プリントの方法‥‥。
- 前沢
- あははは。
そうでしたね。
まずボーダーを、どんな技術でプリントをしていくか
というところからはじまって、
試作を繰り返して。
- 伊藤
- 縫製のパターンもいろいろ考えましたよね。
背を縫うとか、肩線をなくしたらどうか、とか。
襟ぐりは頭がすぽんと入るように
スリットを入れたり。
- 前沢
- はい。
あと、襟ぐりとボーダーの間に
白い余白を作ろうか、とかね。
- 伊藤
- そうそう、
でもやっぱり、
上の部分まで全部ボーダーにするより、
この余白があってよかったと思いました。
- 前沢
- そうですよね。
これはプリントの方法を改善して
実現できたことでもあるんですけど、
サンプルの段階では、袖口と裾のヘム(ふち)が
内側に折り込んだ部分まで
ボーダーが続いていたので、
裏側のネイビーが表に透けてしまっていたんです。
- 伊藤
- あ、そうでしたね!
でも、完成品のこれは内側が白になってます。
- 前沢
- これ、プリントだからできたんです。
「パネルプリント」という方法なんですけど、
ちょうど裏にくるところは白くなるように回避して、
ボーダーをプリントしているんです。
- 伊藤
- なるほど。
端までクリアなボーダーになって、
気持ちいいですね。
生地の素材も、
プリント用の生地リサーチの時に前沢さんが展示会に
連れて行ってくださったんですよね。
- 前沢
- 行きました!
そこでいろいろ打ち合わせをしてね。
- 伊藤
- いわゆるボーダーTシャツの
ゴワっとした感じではなくて、
もっとやさしい素材のものがいいな
と思っていたので、
今回サテンで作ることができて、
すごくうれしいです。
前沢さんならどんなふうに着られますか?
- 前沢
- うーん、この子がきれいですからね‥‥。
ヒップまわりが気にならない丈感だから、
パンツか、デニムのストレートスカートとか。
- 伊藤
- デニムスカート、かわいいですね!
そう、この丈が絶妙なんですよね。
- 前沢
- 体の線を拾わなくて、ゆったりしてるんだけど、
ダボっとしている感じはしないし。
後ろはヒップラインがほんのり出て、
ウエストからヒップをきれいに見せてくれます。
- 伊藤
- ウエストまわりの見せ方って、
どうしようかなって思うことがあります。
- 前沢
- そうそう。
ただ長くして隠すのも、
野暮ったくなりますしね。
- 伊藤
- そうなんです。
でも、これはすごくいい感じなので、
ジャケットの下に着たりして、
一年中活躍しそうです。
ショートパンツも合いそうですよね?
- 前沢
- あ、いいですね、かわいい。
- 伊藤
- ショートパンツでも子供っぽくならないのが
すごいなと思います。
- 前沢
- それはやっぱり
この素材感とシルエットがミックスされて、
カットソーでは出せない、
サテンならではのドレープ感が出るのが
大きなポイントじゃないかなと思います。
- 伊藤
- うん、そうですね。
袖口はボタンを外すとフレアなラインも出せるし、
留めるとシンプルな形でも着られるし。
ぜひ大人に着てほしいボーダーです。
赤い口紅とか、バレエシューズにも
似合いそうですもの。
- 前沢
- わぁ、すごくすてきだと思います。
- 伊藤
- 秋冬は、何を合わせるといいでしょう?
- 前沢
- 白いボトムは、
絶対にかわいいですよね。
- 伊藤
- かわいい!
- 前沢
- それと、
カーゴパンツみたいなデザインパンツでも、
これと合わせるとカジュアルになりすぎずに、
「大人の女性らしさ」を出してくれると思いますよ。
- 伊藤
- ほんとうにそうですね。
襟元も華やかになりますし。
最近柄物を着ない方でも、
これなら、と思ってもらえるかもしれないです。
- 前沢
- 個人的見解ですけれど、
ボーダーのTシャツって、
好きな人はすごく好きじゃないですか。
私も大好きだけど、
最近は家の中だけで着て、
外へ着ていく服のレギュラーメンバーからは
外されていて‥‥。
でも好きだからクローゼットにはずっとある、
みたいな方におすすめしたいです。
- 伊藤
- そうですね。
しばらくボーダーをお休みしていた方も、
このトップスで復活していただけるはずです。
- 前沢
- ふふふ。
たくさんいらっしゃるんじゃないかしら。
- 伊藤
- ほんとうに素敵なものを作ってくださって
ありがとうございました。
- 前沢
- 私もうれしいです。
ありがとうございました。
(おわります)
2024-07-16-TUE