機嫌のいい、一枚

ティーポット、
カトラリー、
鍋に鍋敷。

ほうき、
バケツ、
テーブルに椅子。

身のまわりに置くものは、
長い時間をかけて、
気に入ったものを少しずつそろえてきました。

ハッと気がつくと、
美しいながらも、
私がえらぶものはほとんどすべて、
「用途があるもの」。

じっさいには使わないものもあるけれど、
それでも、
「お湯をそそぐ」とか、
「座れる」とか。
ものに対して、
なにか役割があるものをえらんできたのは、
どうしてだろう?
理由は今でもわからない。

ところが、
数年前から、
ちょっと様子が変わってきました。

「道具」としての役割はないけれど、
絵や小さなオブジェがあると、
なんだかうれしい。

見慣れたいつもの部屋が、
ちょっと機嫌よさそうな顔をしていることに、
気づいたのです。

機嫌いいのは、
「部屋」というより、
「私」なのかもしれないなぁ。

今週のweeksdaysは、
湯浅景子さんの版画。

部屋の景色を変えてくれる、
一枚をぜひ。

伊藤まさこ

2024-08-02-FRI