2025年版の「weeksdays」の日めくりカレンダーの
販売ページには、
モデルのKanocoさんに登場いただきました。
「ほぼ日」のアパレルブランド
「Cacco」でもおなじみのKanocoさん、
じつは「weeksdays」の日めくりカレンダーを
愛用してくださっているんです。
撮影中、そして撮影後の時間、
あたらしい日めくりカレンダーを前にした、
伊藤まさこさんとのおしゃべりのようすをお届けします。
ご自身でも写真を撮るKanocoさんと
伊藤さんのちがいの話も、
なかなか、興味深いんですよ。
Kanocoさんのプロフィール
Kanoco
モデル。兵庫県生まれ。
『リンネル』『ONKUL』『NAVYS』
などのファッション誌を中⼼に
広告やMVでも幅広く活躍中。
ライフスタイル誌『OZmagazine』の
カバーガールを務める。
著書に『カノコノコト』(宝島社)
『かの・この・はなし』(双葉社)がある。
「ほぼ日」でアパレルブランド「Cacco」を展開中。
男子二人の母。
03撮る、見る、選ぶ
- 伊藤
- ご自分で、何を撮るのが好き、とかありますか。
気がつくと、こういうものが多いなあ、とか。
- Kanoco
- 以前は「光」でした。
光の入ったお部屋とか、
太陽が差し込んでいる、
ちょっとキラッとした様子が好きだったんです。
それをフィルムで撮っていたんですよ。
- 伊藤
- カメラを持ち歩いて?
- Kanoco
- 2台持ちで肩からさげて。
- 伊藤
- そうなんだ!
2台は、ちがうカメラなんですか。
- Kanoco
- はい、マニュアルカメラだったり、オートだったり。
別々のレンズをつけていたので、
写りも違うんですよ。
でも長男が生まれてからは、
重い荷物をできるだけ減らしたいと、
フィルムカメラを持つ機会が
すっかり減っちゃいました。
今はスマートフォンで子どもたちを撮ることが
うんと増えました。
- 伊藤
- フィルムカメラの時は、
あんまり人は‥‥?
- Kanoco
- 人はあんまり撮っていなかったですね。
- 伊藤
- 撮る行為が好き?
それとも撮ったものを眺めるのが好き?
- Kanoco
- 撮ったものを眺めるのが好きです。
- 伊藤
- それが何かの形になったりとか。
- Kanoco
- 『SPRiNG』という雑誌で
「カノコの観る世界」という連載や
『OZmagazine』という雑誌で
「Kanocoのハローアゲイン」という
写真の連載をしたこともあります。
もともと「何を撮ろうかなあ」って
気にしながら歩くのが好きでした。
そういうひとりの時間っていうのが
すごく好きなんです。でも今はもう
「晩御飯何にしよう?!」と考えながら
歩いてるものですから‥‥。
もうちょっと経って、
再開できたらいいなって思うんですけど、
- 伊藤
- なるほど! 写真を撮るのって
ちょっと心の余裕がないと
できないことなのかもしれないですね。
- Kanoco
- そうなんです、できないです。
- 伊藤
- 時間があって写真を撮る気分のときって
景色も違って見えませんか。
何気ないものが目に入ってくる。
わたし、春にマンホールや
塀のすき間から出てくる緑が
すごく好きで、写真におさめるんです。
でも、もしカメラがなかったら
見過ごしてたかもしれないって思います。
- Kanoco
- わかります。
フィルムカメラを持ち歩いていた時は、
(両手で横長の長方形をつくって)
こういう縦横比でいろんな場所を見ていた気がします。
- 伊藤
- わかる! それはちょっと職業柄もあるのかも。
たぶんKanocoさんの場合はその中に
どう自分が収まるか、
わたしの場合はどうモノを配置するかを
考えているんですよ。
- Kanoco
- うん、きっと、そうですね。
- 伊藤
- 横長の長方形を意識するというのは、
スマートフォンの今も?
- Kanoco
- そうですね、考えています。
伊藤さんは正方形ですよね。
- 伊藤
- わたし、ずいぶん昔、
インターネットのない頃でしたけれど、
パリに行って撮ったフィルム写真の紙焼きを、
正方形に切って、アルバムに並べていたんですよ。
写真は正方形の方が収まりがいいなあ、
って思うことがあって。
- Kanoco
- へえー。
- 伊藤
- 今はInstagramもあるので、
もう、完全に、正方形で考えています。
weeksdaysの写真もそうですし、
目が正方形を意識している感じです。
日めくりカレンダーは、
サイズと写真の入れ方を考えるときに
「ポラロイド写真のように」って思ったんですよ。
- Kanoco
- そっか、ポラロイド写真も正方形ですね。
- ──
- サイズや余白もポラロイドフィルムと同じなんです。
- Kanoco
- 私、Instagramも頑なに
ずっとフィルムサイズの縦横比で
載せ続けているんです。
横向きの、長方形。
- 伊藤
- あ、なるほど、なるほど。
フィルム写真の名残なんですね!
- Kanoco
- 手間なんですけどね。
Instagramって長方形の写真をそのまま載せると
一覧のサムネイルがすべて正方形で表示されてしまう。
そこも長方形にしたいので、
あえて余白をつくって、データとしては正方形で、
白枠の中に長方形の写真が入るように
加工をしているんですよ。
- 伊藤
- そっか!
長方形と正方形ということで、
わたしたち、それぞれ見る目が違うのかもしれないですね。
とても面白いです。
だからいろんな人の日めくりカレンダーが
あったらいいなって思うんですよ。
もしKanocoさんが
日めくりカレンダーをつくるとしたら
どういう構成にするんだろう?
- Kanoco
- 伊藤さんが、季節を感じさせながら、
同じようなテーマの写真は連続しないようにと
おっしゃっていたのと逆に、
私は同じような写真を
続けて載せるかもしれないです。
- 伊藤
- そっか、なるほど!
この週はずっとこのテーマ、
みたいな構成、面白いかも!
- Kanoco
- 白いものだけ続けるとか、
しばらく黒いものだけ載せるとか。
ルール好きの、ルーティーン人間なんです。
決めたがり、ですね。
「継続の鬼」なんです、私。
- 伊藤
- わたし、ノールール人間。無継続の鬼。ふふふ。
- Kanoco
- でもルーティーン人間になったのは
自分がその方が楽だからなんです。
そうすれば考えなくてもいい、というか。
出産してからは特にそうですね。
「この時間にはご飯」「この時間にお風呂」と
決める方が動きやすいので、
自分が楽になるためにそうしてる気がします。
- 伊藤
- それをクリアしたときの喜びとかもあるんですか。
- Kanoco
- クリアをすることがあたりまえなので、
イレギュラーにめちゃくちゃ弱いんです。
「あああ、どうしよう」ってなっちゃいます。
でも仕事に影響することはなくって、
自分の中で完結できる範囲で、ですね。
- 伊藤
- 撮影のときとっても落ち着いているKanocoさんを見て、
すごいなあ、プロだなあって感じてました。
まったくあたふたしないで、
わたしたちが思ってる以上の表現をしてくださった。
すごかったです。
- Kanoco
- ありがたや!
撮影は別なんです、まったくあたふたしない。
- 伊藤
- ものづくりをしていく上ではどうですか。
思い掛けないトラブルがあったりしますよね。
そのときはあたふたする?
しなさそうな感じが‥‥。
- Kanoco
- そうですね。ものづくりでは、
あたふたしないですね。
- 伊藤
- どんなときにあたふたするんだろう。
- Kanoco
- 完全にプライベートのときです。
- 伊藤
- 子育てでどんなにあたふたしていても
仕事に来ちゃえばもう大丈夫、みたいな?
- Kanoco
- そうですね。
- 伊藤
- 撮影の時に話していたんですけれど、
プラムを食べた次の日の写真がプラムだったりして、
お子さんと喜んでくださったとか。
- Kanoco
- そう、まさしく! っていうタイミングでした。
ヤングコーンを息子に出した次の日の写真に
ヤングコーンが出てきた! とか。
そんなふうに喜んでいるので、
子どもも楽しいらしいんですよ、
だから「今日のカレンダーなに?」って
言ってくれるようになりましたね。
「今日まだめくってないよ!」とか。
- 伊藤
- うわぁ、かわいい!
面白いのかな、毎日めくるって。
- Kanoco
- 日めくりは生活の一部なんだなって思いました。
とっても生活に密着した商品なんだなって。
- 伊藤
- ほんとにありがたいなあと思ってます。
その一年、ずっとその人の生活とともに
あるものだから。
- Kanoco
- それに、モノとしてかわいいですよ。
部屋に置いておきたいですもん。
- 伊藤
- ありがたいー。
ちなみにどこに置かれてるんですか。
- Kanoco
- 今は子ども用の背の低い箪笥の上に置いてます。
そうそう、私の母は英語の塾をやっていて、
60才でやめちゃったんですけど、
教室にいつも日めくりがありました。
毎年、誕生日に「ほぼ日手帳」をプレゼントするので、
ことしは日めくりカレンダーもあげようかなと。
- 伊藤
- とっても嬉しいです。
わたしも母に、キッチンと寝室用で
2つプレゼントしています。
めくったものは、買い物などの
メモにしているみたいです。
- Kanoco
- その使い方もいいですね!
- 伊藤
- Kanocoさん、モデルも、対談も、
ほんとうにありがとうございました。
また日めくりの使い方、見せてくださいね!
- Kanoco
- こちらこそありがとうございました!
(おわります)
2024-09-04-WED