MOJITOのキャップをあのひとに
01 渡辺有子さん
MOJITOといっしょにつくった、
weeksdaysのキャップ。
ストリートっぽくなりすぎないよう、
大人のかっこよさのあるキャップを、と、
細部まで徹底的に話し合って、
幾度もの試作を経て完成したのは
2023年の初夏のことでした。
あれから1年半、同じ形で素材をかえ、
コーデュロイとスウェード、
秋冬にむけての2つのキャップをつくりました。
この、できあがったばかりの帽子を持って、
「あのひとなら、
どんなふうに被ってくださるだろう?」と、
伊藤まさこさんが出かけました。
(取材・文・写真=伊藤まさこ)
渡辺有子さんのプロフィール
わたなべ・ゆうこ
料理家。大学卒業後、料理家のアシスタント、
編集プロダクションでの勤務を経て26歳で独立。
雑誌、広告、書籍、TVコマーシャル、テレビ番組、
イベント等の幅広い分野で活動。
料理、暮らし方、ファッション含めて著書は数十冊。
自身の経験を最大限生かして、
料理をする目線で妥協なくセレクトした
テーブルにまつわる商品を扱うギャラリーであり、
キッチンアトリエ兼料理教室でもある
「FOOD FOR THOUGHT」(フードフォーソート)
のディレクターをつとめる。
料理家として活躍する一方で、
FOOD FOR THOUGHTのディレクターでもある
渡辺有子さん。
そのものえらびは、
一貫して、
「シンプルで使いやすく、美しいもの」。
出会ってから30年近く(!)になりますが、
審美眼は一度たりともブレることなし。
それってすごいことではないかなぁと思うのです。
時々、weeksdaysのサイトを訪れるという有子さん。
コンバースやヒーミーのイヤカフなど、
気に入って購入してくれることもあって、
うれしいかぎり。
以前販売したMOJITOのキャップ(ブラック)も、
サイトを見て、
「あれ、いいね!」と連絡をくれたのでした。
「じつは、人生初キャップだったんです」
と有子さん。
つばのついた帽子はよくかぶっていたけれど、
キャップは似合いそうにないな‥‥と、
苦手意識を持っていたのだとか。
「でも、まーちゃん(私のこと)が、
『大人っぽいキャップだから、
ふだん被り慣れていない人でも大丈夫!』
って言ってくれて、なるほどと」
この夏お散歩でも活躍したそう。
「ノーメイクでもキャップをかぶってしまえば
全然へっちゃら。
気軽に出かけられるのがいい」んですって。
今回、販売するのはスウェード素材(グレー)と、
コーデュロイ(ネイビー)の秋冬仕様のふたつ。
有子さんがえらんだのは、
コーデュロイです。
デニムに合わせたのは、白いコットンのワンピース。
ストールをふわりと羽織り、
足元は赤いシューズがちらり。
全体的にやさしげな印象です。
「パンツとの相性はもちろんいいけれど、
あえてちょっとかわいらしいアイテムを合わせるのが好き。
ロング丈だったり、うしろにギャザーが
たくさん寄っていたり」
と言ってギャザーたっぷりのワンピースに
着替えてくれました。
キャップの後ろから、
結んだ髪をちょこんと出すのがお決まりなんですって。
キャップを被るのは実用性から? とたずねると、
「もちろんそれもあるけれど、
コーディネートに合わせて、
時計やリングをえらぶのと同じ感じ。
襟元にフリルのついたブラウスだから、
キャップでちょっとあまさを抑えようかなとか」。
この日、かぼちゃのプリンを作って
待っていてくれた有子さん。
「もうちょっとカラメルを苦くして、
量もたっぷりがよかったかな‥‥」
と言っているのを聞いて、
なるほど、
料理もおしゃれも、
あまいだけじゃだめ。
からいだけでもだめ。
時には苦味もプラスして、
全体をひとつにまとめあげる。
要は「バランス」なのだなぁ‥‥と思ったのでした。
プリン、すごくおいしかったよ。
ごちそうさまでした。