REPORT

わたしたちが
nooyの服を好きな理由 
01 国分佳代さん

今回「weeksdays」で販売する
nooyのリバーシブルカーディガンと、
シャツカラーteeの、ふたつのニット。
“あのひとのコーディネート”をテーマにした取材をと、
nooyのおふたり(平山良佳さんと若山夏子さん)に
おすすめの方の
ご紹介をお願いしたところ、
nooyの長いファンである
書家である国分佳代さんと、
ガラス作家の新田佳子さんを教えていただきました。
すでに、国分さんは
リバーシブルカーディガンのchacolを、
新田さんはnavyをお持ちとのこと
(どちらも「weeksdays」が発注した製品と同じです)。
そこで別色のカーディガンや
シャツカラーteeのサンプルを持って、
伊藤まさこさんがおふたりをたずねました。
着こなしのこと、nooyとの出会いのこと、
好きなところ、そしてそれぞれの仕事や暮らしのことなど、
伊藤さんがインタビューしてきましたよ。

(取材・文=伊藤まさこ)

国分佳代さんのプロフィール

こくぶん・かよ
書家。
石川県金沢市出身、東京在住。
1988年より書道を学び、
2000年に師範資格取得、
2004年よりフリーの書家として活動開始。
日本酒・焼酎・ワイン・食品のラベル・パッケージ文字を
現在までに約500本手がけるほか、
店舗ロゴ・書籍題字・映画タイトル・
CDジャケットタイトルなどの筆文字制作も。
2004年に初個展を開催、
以降定期的に個展・グループ展にて作品発表を行なう。
2011年より「言葉を知る・書く・贈る」をテーマにした
「国分佳代書の教室」開講。

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■Instagram


書道家の国分さんとお会いするのは、
この日が初めて。
「書道」をお仕事にされているって、
いったいどんな方なんだろう? 

和服姿でキリリとしていてちょっと近寄りがたくて。
という、
(陶芸家が作務衣を着て大きな壺を
「気に入らん」と言いながら割っているのと似た)
勝手なイメージを抱きつつおじゃましたお部屋で
出迎えてくれたのが、
この丸三角四角の掛け軸でした。

書に向かう時に座る椅子はセブンチェア、
レッスンで使う椅子は、
アアルトのスツール。

自宅を兼ねた仕事場は、
「書」と「暮らし」が、
混ざり合って、
なんだかすごくいい感じ。

「この仕事を始めてから、
書を生活の中に取り入れるにはどうしたらいいか? を
ずっと考えていたんです。
来客の趣味に合わせて、絵や書を飾る。
日本にはそんなすてきなおもてなしの文化があるけれど、
現代の家には床の間がない。
でもその文化を残すことはできるんじゃないかなって」

国分さんの作品は、
「小さくて軽いもの」。

壁に飾られた作品「無可無不可」
(可も無く不可も無し
=ものごとの良し悪しを最初から決めつけない)。

なるほど。

床の間がなくても、
書って飾れるんだ! 
この日、ぐっと「書」が近くなった私なのでした。

大ファンというnooyの服。
年に2回の展示会にいそいそと通うようになって7年とか。

今季、オーダーしたのは、
シャツカラーteeのcharcoal。

「白いものを着たいけれど、
墨汁が飛んでしまうこともあって。
この色だとレッスンの時も
着られるかなと思ってえらびました。
襟があってかわいいところも気に入ってます」

先月行なった個展の時もこのスタイルで。

「ちょっときちんと見せたいな、という時も、
このニットなら」

シャツカラーでもなく、
丸首のニットでもない。
この「襟つき」にグッときたのだとか。

「ダボっとしすぎず、
ぴたぴたすぎないサイズ感もいい。
首回りの開き具合も絶妙です」

チャコール色のニットと黒のスカートの間に見える、
白いTシャツがいい。
この感覚、書で培われた「間」みたいなものなのかな。

「足元は赤で」
と、玄関に用意されていたアディダスのシューズ。
どこかに一色差し色を持ってくるのが
最近の流行りなんですって。

nooyの服との出会いは、
40代半ば。

「その頃、『似合う服が好きな服』では
なくなってきてしまったんです。
服はもともと大好きなのに、
着れればいい、隠せればいい、みたいになってきた。
服を楽しめなくなってきた時に出会ったのが
nooyでした」

体型をうまくカバーしてくれつつ、
ほどよくデザインもされている。
「これだ!」とピンときたんですって。

「シックな色の定番服もあるし、
ヴィヴィッドな色もある。
オリジナルのテキスタイルも大好きなんです」

前回、weekasdaysでも販売した、
黄色のレターニットもお持ちなんですって。

リバーシブルカーディガンは、camelを。
このスタイルも、差し色のピンクが効いています。

下には薄手のタートルを合わせて。
カーディガンは一番上のボタンだけ留めます。

「ボタンもかわいいから見せたいなって」

同じ作家のピアスとリングで、
ちょっとキラキラを足します。

「このニットに絶対合うと思った」という、
レオパード柄のコンバース。
キラッとした素材のパンツは何年か前のnooy。

「これでデニムだと、ちょっと違うような気がするんです。
きちんとしたパンツを合わせるのが今の気分」

こんな風に、
ひとつひとつ「えらぶ理由」がちゃんとある。
本当におしゃれ迷子になった時期があったのかしら? 
と思ってしまう、
国分さんなのでした。

書の展覧会や教室をする国分さんのもうひとつの顔が、
商業書道家。

店舗のロゴや日本酒のラベル、緑茶のペットボトル、
映画のタイトルなども、
書かれているという国分さん。

気づかないけれど、
じつは国分さんの書いた書だった! 
なんてこともあるのかも。

来月の展覧会も楽しみです。

2024-11-25-MON