伊藤まさこさんがニューヨークで出会った
ジュエリーブランド、Satomi Kawakita Jewelry
(サトミカワキタジュエリー)。
2023年9月には東京で、
「weeksdays」とのコラボ受注会
を開催しました。
今回は、その受注会の会場限定で販売した
小さなレインボームーンストーンのピアスと、
伊藤まさこさんが「これさえあれば」という
ゴールドのボールピアス
そして、それらを美しく収納できる
ジュエリーポーチが登場します。
3つのアイテムについて、
ニューヨークのSatomiさんに伊藤まさこさんが
オンラインでインタビュー。
ポーチは、どこへでも連れて行けて、
平置きのジュエリーケースよりも
うれしいポイントがあるんですよ! 

Satomi Kawakitaさんのプロフィール

Satomi Kawakita Jewelry デザイナー。
大阪生まれ。美大でガラスに出会い、
ガラス製作の時代を経て、2002年、NYに移住。
ジュエリーメイキングの専門学校で彫金を学ぶ。
卒業後、ダイヤモンドセッター(ダイヤモンドを
金属のアクセサリーなどに取り付ける仕事)に就き、
やがてジュエリーデザインも手がけるように。
2008年、Satomi Kawakita Jewelry始動、
2010年に会社組織として、正式にブランドを始める。
2014年、マンハッタンのトライベッカ地区に、
アトリエ件ショールームをオープン。
完全予約制で、オーダーメイドを中心に、
製作をつづけている。

●ウェブサイト

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自分のために買いたいジュエリー

伊藤
Satomiさんは、
このポーチで、もう何度か旅をされましたか? 
Satomi
ええ、何度も。
最終形が完成したのが今年(2024年)の春、
東京店ができて1周年のときだったので、
それからずっと使ってます。
伊藤
東京店が、もう1周年! 
早いものですね。
お店は今、どんな感じですか。
Satomi
少しずつですが、
お店がオープンしたということを知った
顧客の方にお越し頂いています。
アメリカからのお客様も多く、特に西海岸の方が多いです。
でもブランドを知らない方にもっと来ていただけるように
頑張ってお店の宣伝をせなあかんなぁ
と思っているところです。
伊藤
そうなんですか。
アメリカの方は、
どうやって知って来られるんでしょう? 
Satomi
ニューヨークのショールームに
来られたことがある方や、
取引先であるキャットバード
(ブルックリンにある繊細なデザイナージュエリーを
扱うセレクトショップ)とかでブランドを知って
ファンになってくださった方、など。
東京へ旅行に来られたついでに、
お店へ立ち寄ってくださる感じです。
伊藤
そうなんですね。
Satomiさんはジュエリーをつくるときに、
アメリカの方たちを意識したり、
あるいは日本の方を意識したりということは、
されているんでしょうか。
Satomi
あまりそういうことは考えずに、
私がつくりたいものをつくらせてもらってはいるんです。
あえて日本人の方向けにつくろうとは
していなかったですが、
今はニューヨークにお店を構えているので、
ローカルの人に買ってもらわな意味ないなぁ、
とは思っています。
伊藤
でも結果的に、
日本の私たちにも合うものを
つくられていると思いますよ。
Satomi
うれしいです。
結局、私自身が好きなものをつくろうとすると、
アイデンティティが日本だから、
どうしたって日本らしい要素が入るんですよね。
それがアメリカの方に
どう受け入れられるかというのは、
実はブランドを立ち上げた当初、
少し心配だったんです。
伊藤
そうだったんですか。
実際はどんな反応でした? 
Satomi
当時アメリカでは繊細なジュエリーはあまりなく
もっと大ぶりなものが主流だったと思うのですが、
私が作っているような繊細なものは
あまりなかったこともあり
思った以上にすんなり受け入れてもらえました。
重ねづけも今でこそ普通になりましたが
当時はとても珍しかったので
目新しく映ったのだと思います。
誰もが知っている大手のジュエリーブランドではなく、
ローカルで個人で活動している人から直接ものを買いたい、
と思う人が増えてきてものを選ぶ基準が
変わってきた時期だったのかな、と思います。
伊藤
じゃあ、そこから世の中が変わり、
みなさんの意識も変化して、
少しずつ受け入れられた、
ということなんでしょうか。
Satomi
そうですね。
ちょうどその頃キャットバードが
ものすごい勢いで人気が出てきたこともあって
一気に華奢なジュエリーが流行り始めました。
私はタイミング良く変化の波に
乗れたのかもしれないです。
伊藤
やっぱりそういう波みたいなものって
あるんですね。
最近は、Satomiさんの中での
流行りみたいなものはありますか。
Satomi
最近は‥‥そうですね、
年齢とともに指が太くなってきて、
華奢な指輪が似合わなくなってきたなと感じるんです。
節も立ってくるし、
特に私なんかは職人で手をよく使うので、
余計にゴツゴツしてきたなと思って。
それで、つくるものも
以前よりボリュームがあるデザインになってきたかな。
伊藤
そういえば、以前お話を伺ったときに
「指輪は、自分が一番よく見るもの」
っておっしゃっていたのが印象的でした。
なるほど! と思って。
Satomi
そうなんですよね。
自分の手につけるので、
人よりも自分の目に一番入りますから。
うちの指輪も、
エンゲージやウェディングの需要も多いのですけれど、
働いてらっしゃる女性が
ご自分用に買われることも、とても多いんです。
自分へのご褒美に、とか、記念日にと。
伊藤
ピアスもですけれど、ジュエリーを
「自分のために自分で買う」
って、すごくいいですよね。
Satomi
いいですよねぇ。
お客様からそう聞くと、
こちらも嬉しくなるんです。
(つづきます)
2024-12-03-TUE