田代淳さんのお椀、
わたしの使い方
伊藤まさこ
01 たとえばある日の朝ごはん
名前は「そば椀」。
でもおそばだけじゃないんです。
漆のお椀のいいところは、
軽くて、あつあつの料理を盛っても、
もつ手が熱くなりすぎないところ。
そしてなにより、ふところ深く、
いろんな料理を引き立ててくれること、
そして伊藤まさこさんによれば
「テーブル上のスタイリングにも、
一役買ってくれる」んですって。
田代淳さんのそば椀を使い始めて1年の伊藤まさこさんに
いつもの使い方を、
料理とスタイリングといっしょにうかがいました。
4つの料理が登場します、
ぜひ参考になさってくださいね。
(文・写真=伊藤まさこ)
使い始めて1年あまり。
しっとりとした風合いがさらに増した、
田代さんのそば椀。
「そば椀」という名前ですが、
使い方はもちろん自由。
ポタージュスープもいいし、
フォーを盛ってもいい。
「少し大きめのお椀」と思えば、
用途がとても広がります。
漆の器のいいところは、
手に持った時や、
口につけた時、
あたたかさがおだやかに伝わるところ。
それから、軽いところ。
玄米に大根のお味噌汁、
鮭に、野菜のおかずをちょこちょこ。
新米におかず、それからほうれん草のお味噌汁。
たとえばある日の朝ごはんは、こんな風。
冬はあったかい汁物が主役。
汁とともに、具もたっぷり入れて、
いただきます。
翌朝のために、
前の晩にスープや
なにかしらの汁ものを作っておくのも、
冬の習慣。
この日はロールキャベツを仕込みました。
朝はパンよりごはん党の私。
ブイヨンで煮込むロールキャベツの隠し味は、
しょうゆ。
これに小さなおにぎりがあれば最高です。
このちょっぴり和風のロールキャベツと、
漆のお椀の相性がとてもよく、
我ながら気に入っているスタイリングのひとつ。
いつもの自分のごはんも、
器によって新鮮に見える。
器の力ってほんとうにすごいなぁと思う瞬間です。