「weeksdays」で幾度も紹介してきた
COGTHEBIGSMOKE(コグ ザ ビッグスモーク)。
毎回「すごくいい!」と思いつつ、
そのよさを的確な言葉で表現するのがとてもむずかしい、
とも感じていました。
そんなとき、ある噂を耳にしました。
「Satomi Kawakita Jewelry
(サトミカワキタジュエリー)」
のSatomiさんが、
「weeksdays」のCOGのトップスを全色持っている、と! 
そこで、ニューヨークに住むSatomiさんに、
伊藤まさこさんがオンラインでインタビューしました。
審美眼の高いSatomiさんに、
COGの魅力、たっぷり語っていただきましたよ。

Satomi Kawakita

Satomi Kawakita Jewelry デザイナー。
大阪生まれ。美大でガラスに出会い、
ガラス製作の時代を経て、2002年、NYに移住。
ジュエリーメイキングの専門学校で彫金を学ぶ。
卒業後、ダイヤモンドセッター(ダイヤモンドを
金属のアクセサリーなどに取り付ける仕事)に就き、
やがてジュエリーデザインも手がけるように。
2008年、Satomi Kawakita Jewelry始動、
2010年に会社組織として、正式にブランドを始める。
2014年、マンハッタンのトライベッカ地区に、
アトリエ兼ショールームをオープン。
完全予約制で、オーダーメイドを中心に、
製作をつづけている。

●ウェブサイト

02
無理なく、自然に、きれいに

伊藤
今シーズン登場したのが、
袖が長めで、フリルになっているトップスなんです。
Satomi
袖にフリルがついてるんですね。
伊藤
そうなんです。
でも、甘すぎる印象ではないんですよ。
腕を降ろすと身体全体がスッとして見えるんですけど、
腕を動かすとフリルがひらりと揺れて、
ほどよいかわいらしさが出るんです。
Satomi
いいですね。
パンツとも相性がよさそう。
色は3色ですか?
伊藤
はい。
ホワイトとブラック、アッシュグレーです。
わたし、年々、“真っ白”が
似合わなくなってきた気がするんですけど、
ちょうど昨日撮影でモデルさんが着ているのを見て、
このホワイトならいける! って思ったんです。
Satomi
わかります。
白ってすごく幅がある色ですけど、
この白はかわいいですね。
夏にさわやかだし、
けれどもパキッと明るすぎるわけではなく、
かといって甘すぎない。
おしゃれに着られそうです。
伊藤
サイズ感も、
156cmのわたしが着てもいい感じでした。
デザイナーのNoriko.Iさんも身長が高い方ではないので、
そういうバランス感も、
わたし、すごく信頼しているんです。
Satomi
私も153cmくらいだから、
大丈夫そうですね。
伊藤
えっ。
Satomiさん、もっと背が高いのかと思ってました。
その印象をつくるのに工夫されてることはあるんですか。
髪をコンパクトにまとめるとか。
Satomi
髪は全体がまとまって見えるのでショートにしていて、
ボトムはだいたいいつもワイドパンツを穿いています。
モデルさんみたいに脚が細くて長かったら
スリムなパンツも穿くんですけど、
背が低めで普通の体形なので。ふふふ。
伊藤
そういう意味では、
日本人のNoriko.Iさんが考えて作られたCOGの服って、
わたしたちの味方という気がしますよね。
Satomi
はい、心強いです。
こっち(ニューヨーク)では
日本人よりチェストのボリュームがある方も多いですけど、
COGの服って胸を強調するデザインではないので、
フラットめのチェストの方でも、
気にせず着られそうだなと思います。
伊藤
たしかにそうですね。
襟ぐりも、ほどよい開き具合ですし。
そうそう、首の開き方って、
ジュエリーをつけた時の見え方と関係ありますか?
Satomi
あるかもしれないです。
トップスの中につけたネックレスが、
襟ぐりから少しだけ見えるのが素敵だなって。
伊藤
なるほど。
全部見えるわけじゃなくて。
Satomi
ちらっと見えるのが、
さりげなくて好きですね。
あと、脱ぎ着するときに
襟ぐりが窮屈なのも苦手なんです。
お化粧が崩れたり、服に付くのが嫌で‥‥。
COGの服は、そういったことも気にならないですね。
伊藤
わかります。
COGのいいところは、
見た目だけじゃないんですよね。
伊藤
出かけるときは、お洋服を先に決めますか。
ジュエリーが先? 
Satomi
服が先でしょうか。
でも、ネックレスは
ほとんどいつも同じものをつけてますし、
洋服も、気に入ったら同じ形の色違いを
何枚も揃えるクセがあります。
朝、「今日は何着よう?」って考えるのも面倒なので、
色の組み合わせだけを考える感じで。
伊藤
なんだか制服みたいですね。
Satomi
そうそう、制服みたいな感覚でお洋服を買ってます。
ひどいときはね、
同じパンツを13枚買ったことがあるんですよ。
伊藤
すごい! 
でも、逆に、気に入ったものを見つけるまでは、
時間がかかられたりとかするんですか。
Satomi
かかりますね。
もともと気に入るものが少ないので、
見つけたらそこから
自分の中のブームが始まってしまって。
伊藤
そのブームって、
いつ、どうやって去っていくんでしょう。
Satomi
体形が変わったり、
なんか似合わなくなってきたなと感じたら、
着なくなりますね。
伊藤
そうですよね。
じゃあ、制服のようにそろった中から、
その日の天気や気分で選ぶ?
Satomi
そうですね。
気候は中のインナーで調整します。
半袖にしたり、ヒートテックにしたり、
タンクトップにしたり。
伊藤
じゃあ、見かけは変わらないんですね。
Satomi
毎日同じです。あはは。
伊藤
ふふふ。潔いですね。
Satomi
ちなみに、このGLORIA PUFF SLV TOPは、
去年と今年の冬、毎日着てます。
これがなかったら何を着ていいかわからないくらい。
伊藤
わぁ、うれしいです。
伊藤
Satomiさんは、
色の好みはありますか?
Satomi
基本的にモノトーンが好きです。
たとえば、トップスを真っ白にしたら、
下はチョーク色の白とか。
上下ネイビーだけど、素材を変えるとか、
そんな合わせ方をしてます。
伊藤
同じ系統の色でも、
素材とか、微妙なトーンの違いで合わせるんですね。
Satomi
はい。
柄物を一切、持っていないんですよ。
伊藤
へえ! それは、昔からですか。
Satomi
そうですね。
子どもの頃、赤やピンクのものが嫌で、
ランドセルは仕方なく赤を持ってましたけど、
筆箱はお兄ちゃんの黒いのをもらったりしていました。
伊藤
じゃあ、今に始まったことではなくて、
小さい頃からSatomiさんには
自分のテイストがあったんですね。
Satomi
好き嫌いがはっきりしていました。
今思えば、変な子どもですねえ。
伊藤
いえいえ。
変というより、かっこいいですよ。
キャラクターものやブランドもの、
欲しいと思われなかったですか。
Satomi
持ってなかったですね。
ブランドよりも、ディテールに目がいってしまって。
母が私の洋服を作ってくれたので、
よく一緒に布を買いに行ったんですけど、
素材に関して目が行くんです。
布を触ったときの感触とか、
見た目はきれいでも着たときに着心地が悪いなとか、
そういった「ものづくり」の方に興味がありました。
伊藤
育った環境が、
今のSatomiさんをつくったんですね。
Satomi
COGさんのものは着心地がいいですよね。
このGLORIA PUFF SLV TOPも、
裏地が貼られてるからチクチクしないですし、
ニットなのに下はタンクトップでも着られます。
伊藤
年を重ねるごとに、
素材がいいものでないと着られなくなってきますよね。
Satomi
そうなんですよ。
我慢ができなくなってきています。
COGの服は、我慢せずに、
フラットな自分で自然に着られるところがいいなって。
着心地はサラっとしていて、
体形も自然にきれいに見せてくれて。
普段から着られるけど、
ちょっと出かけるときにもカジュアルすぎない。
伊藤
無理しなくていいんだけど、
ラクに寄りすぎていないように見せてくれるところが
すごいですよね。
Satomi
ええ、絶妙なバランスですよね。
服づくりというものを知り尽くしている方が、
あらゆる経験を経てたどり着かれた服、
という感じがします。
伊藤
ほんとうに。
毎日着ている人からの視点と、
ものづくりをしてる人の目線、
両方からすごくいいお話が聞けました。
ありがとうございました。
Satomi
こちらこそ。
また日本に帰国したときに
お会いしましょう。
(おわります)
2025-04-08-TUE