伊藤まさこさんが「会いたい!」とラブコール、
大久保佳代子さんにお越しいただきました。
対談のテーマは「女子」。
部屋着のこと、文章を書くこと、
心のありようのこと、トレーニングのこと、
男子のこと、好感度のこと、
テレビと容姿のこと、新しい家族の形のこと‥‥、
かなーり濃い内容で、おとどけします。
収録が夏の夕方でしたから、
せっかくなのでビールを用意。
伊藤さんのつくったおつまみも、
ちょこっと紹介します。
大久保佳代子さんのプロフィール
大久保佳代子
1971年5月12日、愛知県生まれ。
お笑いタレント、プロダクション人力舎所属。
小・中・高の同級生だった光浦靖子さんと
お笑いサークルでコンビ「オアシズ」を結成。
OLとお笑いの二足のわらじ時代に
『めちゃ2イケてるッ!』で注目をあび、
2010年からはお笑い専業に。
いま、テレビでは
「見かけない日がない」ほどの人気に。
著書に『不細工な友情』(光浦靖子さんと共著)、
『美女のたしなみ』などがある。
その2おんなのトランクス。
- 大久保
- そういえば、モデルをやってる友達が
誕生日にスリップをくれたんですよ。
ちょっとベージュな感じの。
てろんてろんの生地だから、シルクなのかな。
ところが着方がわからない。
どうすればいいんですか。
- 伊藤
- ワンピースの下に着るといいですよ。
- 大久保
- ああー!
- 伊藤
- それか、寝るときに1枚で。
- 大久保
- 無防備すぎません?
冬は?
- 伊藤
- 冬はその上にカシミヤのガウンを着ます。
- 大久保
- スリップの上にカシミヤのガウンを?
- 伊藤
- うん!
- 大久保
- 大丈夫?
だいぶ痴女みたいな感じですよ(笑)!
- 伊藤
- 痴女って言葉、久しぶり(笑)。
また汗かいてきた。
- 大久保
- ほてっちゃってね。
- 伊藤
- 体温がねえ、もう。
- 大久保
- 調整がね。そうですよ、わかりますよ。
でも、私、その格好じゃ、地震が怖いなあ。
私はこの何年で大地震が来ると思っていて。
だから防災グッズが入ったリュックは
いつも玄関に置いてあるし、
その時にどうするか、
シミュレーションもしているんですよ。
パコ美も抱かなきゃいけない、
リュックも背負わなきゃいけない。
そのときに、スリップ1枚だったら!
避難所にそれで行ってごらんなさいよ。
- 伊藤
- そうですよねえ。
でも、それを恐れて、
いつでも逃げられるようなスタイルでいたら、
逆に地震が起こるんじゃないかと、
ジンクス的に思っていて、
頑なにスリップを着ているんです。
- 大久保
- そんな力はないから大丈夫(笑)。
伊藤さんひとりのスリップで、
首都圏直下型地震は防げない。
- 伊藤
- ほんとですよね!
- 大久保
- そうよ、ほんとに!
- 伊藤
- それでね、スリップはちょっとあれだから、
何か変わるものを・・・と思いついたのが、
キャミソールとショートパンツだったんです。
キャミソールがかわいらしい印象だから、
ショートパンツはわりと男っぽいのがバランスがいいような気がして、
思いついたのが男物のトランクス!
- 大久保
- わんぱくな感じですね(笑)。
- 伊藤
- トランクスって、ギンガムチェックやストライプがあって、
かわいいじゃんって。
今、私「weeksdays」で企画をしているので、
そういう女子がはくトランクス、作りたいなぁってみんなに言ったら、
ざわざわして。
女子用のトランクス?
伊藤さん、またわけのわかんないこと言ってるって。
- 大久保
- トランクス作りたいって言ったんだ。
- 伊藤
- そう。それで、でもまあ、作ったんですよ。
- 大久保
- 作ったんですね。
- 伊藤
- (サンプルを見せて)かわいくないですか?
ルームパンツ、って、糸井さんが名前をつけてくださって。
- 大久保
- かわいいっていうのは‥‥そもそもね、
「かわいい」って何ですか?
- 伊藤
- それを女子がはいてると、かわいいなって。
- 大久保
- ああ、なるほど。でもね、人を選びません、それ?
例えば、菜々緒さんとか、
ああいう足がスラッとした子が
こういうのサラッとはいてれば、いいけど。
- 伊藤
- そんな人、いないじゃないですか、
- 大久保
- 中年体型のおばさんがこれを
はいてもいいんですか?
- 伊藤
- いいんですよ!
もうそれはね、自分がはいてる姿を見ても、
撮影したモデルの子に映し替えてるんです。
- 大久保
- すごい超能力(笑)!
それは幸せだわ。
それで、あ、いけるって思えるって!
- 伊藤
- うん。
- 大久保
- でも、そうですよね、
そういうふうにして生きてた方がいいですよね、
絶対ね。
私、部屋ではいてる湯葉パンツは、
伊藤さんがつくったそのルームパンツくらいのサイズで、
デザインもそんな感じですよ。
シンガポールかインドネシアかどこか忘れましたけど、
そこで買ってきたパンツ。ゾウの柄が入った(笑)。
もともとてろんてろんの薄い生地だったから、
洗濯何回もしたら、もうほんとに、より、良くなって。
- 伊藤
- 馴染んでるんですね。
- 大久保
- 馴染んで、そう。
- 伊藤
- ライナスの毛布みたいな?
- 大久保
- ライナス?
- ──
- スヌーピーのキャラクターで、
ずーっと大事な毛布をひきずってる男の子です。
- 大久保
- ああ、なるほど、なるほど。違います。
そういう精神的なことじゃなくてね(笑)、
ただ肌に馴染むってやつですね。
まとわりつく感じがいい。
- 伊藤
- なるほどね。
さっきおっしゃった、
「かわいいって何?」、
たしかに、それって何なんだろう。
- 大久保
- うーん。
イヌとかネコとか見たら、
無条件でかわいいとは言いますよね。
でも、どうだろう、モノには‥‥、
私、かわいいとか、そういう感受性が
弱いのかもしれないです。
女の人って、なんでもほんとによく
「かわいい」って言いますよね。
- 伊藤
- 1日50回ぐらい言ってます。
- 大久保
- 1日50回も(笑)!
- 伊藤
- 気持ち悪いですね、
考えてみたら、こんな年になって。
- 大久保
- 感受性っていうか、それはやっぱり
アンテナが張ってるからじゃないですか?
- 伊藤
- でもね、なんでも「かわいい」で
すませてるふしがあります、そういえば。
- 大久保
- 「ヤバい」と同じような感じで。
- 伊藤
- そう、そうかも。そうかもしれない。
- 大久保
- じゃ、もしかしたら、
ほんとは「かわいい」とは違う言葉が
あるのかもしれないですね。
- 伊藤
- 気をつけます。
‥‥いやだ、あそこで糸井さんが見てる。
やだあ、より汗が。
- 大久保
- 社長が見てる! いやだー。
出てってほしい(笑)。
- 伊藤
- 糸井さんとは?
- 大久保
- ちょっと前に糸井さんが出られた
保護犬をテーマにした
NHKのワンちゃんの番組に、
私、お邪魔させてもらって。
そのぐらいです。
- 伊藤
- ああ、困った、
糸井さん、気にしないでください、私のことは。
大久保さんを見ててください。
- 大久保
- やめてください、私が今度汗だくになりますから。
- 伊藤
- ああ、汗! 拭くものが欲しい。
大久保さんは、何にも変わらないですね。
- 大久保
- そうでしょ。
- 伊藤
- 場慣れが、違うんですね。
- 大久保
- 緊張することはありますよ、
知らずにすごくわき汗をかいてたりとか。
でも、もうあんまり緊張してもしょうがないな、
っていうときは、急にスイッチがバカになるというか、
もうどうでもいいやって(笑)、冷静になるんです。
ところで伊藤さんは、
料理に応じて器を選んだりとか、
ちょっとした物を大切にして、
それで幸せを感じるっていう、
たぶん私とはかけ離れた生活ですよね。
きっと充実した暮らしなんだろうな。
- 伊藤
- 大久保さんだって、お友達呼んで
ごはん食べるでしょう、同じですよ。
- 大久保
- でも私、パン祭りでもらった白いお皿を使ってますよ。
この器、いつのだろうと思ったら、
1998年の長野オリンピックの
フクロウのマスコットが書いてありましたよ。
実家で使ってたのを持たされたんだと思いますけど。
- 伊藤
- それはそれでかっこいいじゃないですか。
- 大久保
- そうかなあ。
私は、ポジティブ、ネガティブ、
ポジティブ、ネガティブみたいに、
自分の性格が何層にもなってて、
でも基本的にはたぶんすごいポジティブなんですよ。
だから、ちょっとほろ酔いになって、
1回トイレに立って鏡を見ると、
あら、山口智子さんとさほど変わらないじゃない?
って、急に、自信があふれてくることがあります。
山口智子さんのラインにいますよね、私。
- 伊藤
- 5パターンぐらいに女性を分けたら、
絶対、山口智子さん系だと思います。
うん。
- 大久保
- でも、その下にゴリラ、いません(笑)?
- 伊藤
- いやあ。そんなこと言わないで(笑)!
(つづきます)
2019-07-27-SAT