伊藤まさこさんが「会いたい!」とラブコール、
大久保佳代子さんにお越しいただきました。
対談のテーマは「女子」。
部屋着のこと、文章を書くこと、
心のありようのこと、トレーニングのこと、
男子のこと、好感度のこと、
テレビと容姿のこと、新しい家族の形のこと‥‥、
かなーり濃い内容で、おとどけします。
収録が夏の夕方でしたから、
せっかくなのでビールを用意。
伊藤さんのつくったおつまみも、
ちょこっと紹介します。

大久保佳代子さんのプロフィール

大久保佳代子 おおくぼ・かよこ

1971年5月12日、愛知県生まれ。
お笑いタレント、プロダクション人力舎所属。
小・中・高の同級生だった光浦靖子さんと
お笑いサークルでコンビ「オアシズ」を結成。
OLとお笑いの二足のわらじ時代に
『めちゃ2イケてるッ!』で注目をあび、
2010年からはお笑い専業に。
いま、テレビでは
「見かけない日がない」ほどの人気に。
著書に『不細工な友情』(光浦靖子さんと共著)、
『美女のたしなみ』などがある。

●大久保佳代子さんのtwitter

その5
好きなタイプって言われても。

──
伊藤さん、そうは言っても、
男子にはけっこう冷たいんですよ。
伊藤
やめてよー(笑)。
大久保
ええーっ。
そうなの?!
──
ふだんは、超がつく対等なんですけど、
男子が男子ノリで騒いでるとき、
すごく冷たくなることがあります。
コーヒー淹れるのに、
この機械がとか、ネルドリップがとか、
この豆が、この産地がって言ってたら、怒られました。
「うるさい」って。
伊藤
「そんな面倒くさいこと四の五の言ってないで、
さっさとおいしいコーヒー淹れてよ!」と。
大久保
許容範囲狭い!
でもたしかに、男子って、
たまに中学生みたいにキャッキャッキャッキャ、
ずっと騒いでることがありますよね。
伊藤
おじさんも、沸点を超えるというか、
あるときから、キャッキャしだしませんか?
大久保
しだす! はしゃぎますよね。
伊藤
でも、なんか憎めないんですよ、おじさんって。
大久保
そうかなあ。私、イラっとすることありますよ。
昨日も焼き肉をやるって、
40すぎたおじさんたちが腹すかして来て、
肉をすごくたくさん食べるから、
すごく腹が立ったんですよ。
こんな大人がこんなに食べる? って。
5人、6人いたら、考えるじゃないですか、
肉の量を見ながら、取り分をね。
でもそういうのを考えなくて、
まだ半分焼けてないのも食べようとするから、
「私、こういう人嫌い!」って
一瞬ほんとに思ったぐらい。
なんでしょうね、あのはしゃいでる感じ。
伊藤
それは、大久保さんが、
はしゃがせるんじゃないかなあ。
大久保
私が?
この人、はしゃいでも許してくれるって思って?
伊藤
そう。それでちょっと厳しいことを言われて、
もうなおさらはしゃいで盛り上がる。
そういうタイプですよ、大久保さん。
ちょっと甘くって。
大久保
ほんとですか。
私、ほんとに心が狭いのに。
もちろん、好きな男の人に対しては
許容範囲が異常にガッと広がりますけれど。
伊藤
どういうタイプが好きですか?
大久保
わからない、これはもはや(笑)!
伊藤
えーっ。
大久保
わかりません。
伊藤
そうですか。
大久保
昔は──昔といっても35ぐらいまでは、
陰があってミステリアスで、
過去に何かあったんじゃないかって思う、
そんな人に惹かれがちだったんです。
無口で、なんならムショ帰りなんじゃないかと
思わせるぐらい、陰がある人が。
飲み会とかでもあの人しゃべんないな、
なんか気になるな、なんて、
ちょっとずつ惹かれていって。
でも、結果、付き合うみたいになったとき、
蓋を開けると、単純にほんとにボキャブラリーのない
人だったりするんですよ。
社交的じゃないというか、
コミュニケーションのツールを持ってないみたいな。
伊藤
そうなんだ。
大久保
ガッカリですよ。
だから、やっぱり今は天真爛漫で社交性もあって、
人と会話もある程度、楽しませる力のある人が
いいなとかも思いますけど。
でも、そういう人ってモテるじゃないですか、結局。
伊藤
ああ、なるほどねえ。
大久保
ちょっと今、お手上げの状況ですね。
だから‥‥まあ、そうですね、歯がきれいな人!
歯がそろっててきれいな人がいいです。
歯っていうのは、
今までの生い立ちとか生活環境が見えますから。
伊藤
そうですよね。つい見ちゃいますね。
歯がきれいなだけで、ちょっといいですよね。
大久保
そうですよね、やっぱりね。
伊藤
芸能界の方って歯がすっごいきれいですね。
大久保
そうですね、歯ガタガタな人、あんまり見ないですね。
伊藤
歯のきれいな人か。
好きな男性のタイプの話、大好き。
大久保
えーっ、若いですね!
伊藤
面白くないですか?
大久保
一応社交辞令で、会話をもたすために、
どういうタイプ好きですかって聞くけど、
正直そんなに興味はないですよ。
伊藤
それを聞くとね、その人のことわかるっていうか。
「へえ、意外!」って新しい発見があるんです。
大久保
ああ、そっか。
なんかね、好きなタイプの男の子は?
っていう話題は、しゃべってて、
だんだんむなしくなるんですよ。
だってリアルに言うと年収が1千万近くて、
顔は坂口憲二さんみたいにちょっとワイルドな感じで、
健康的で、って、ツラツラと出てくるんですけど、
しゃべってるうちに
気持ち的にはどんどん下がっていく。
伊藤
確かに、聞くのはいいけど言うのは苦手かも。
大久保
そうでしょ?
伊藤
すいませんでした。
大久保
いいです(笑)。
やっぱりね、大人の男のひとはいいですよ。
糸井さんいいですもん。
いくつになっても、なんかちょっと教えられるとか、
「ああ、そうなんだ、私知らないです、
どういうことですか」って聞きたい。
そういうポジションにつきたい。
永遠の妹的な。国民の妹。
なれるかもしれない。
伊藤
私の知り合いで70近い女性がいて。
すごくカッコいいんですね、お蕎麦を自分で打って。
大久保
女性で。
伊藤
お店をやっていて、
白洲次郎さんとか名だたる方が昔来てたんですって。
その方がおっしゃるには、
いつも20とか30年上の人が周りにいて、
その人たちを見てきたんだけど、
自分がだんだんおばあちゃんに近くなって、
みんな死んじゃったの、って。
大久保
そっか。ずっと見てたんですね。
伊藤
黒柳徹子さんも年上がお好きって、
なにかで読んだ気が‥‥。
大久保
ん? いまだにかな‥‥。
伊藤
いまだにみたいで、困っちゃう、
みたいな感じのことを書かれてて。
でも、年上の人は、
先にいなくなっちゃうって。
大久保
そっか、いい子いい子されたい願望も、
女の子として扱われたいっていうのも、
すっと、あるんですね。
年上が死んじゃうというのは、
もうしょうがないですよ。
じゃあ聞きますけど、
伊藤さんはどういう男性が好きなんですか?
伊藤
私は、スマートな人が好きです。
大久保
スマート。
目を配らせといて、
先回りしてなんかしてくれる、
みたいなことですか?
伊藤
そう、物腰がやわらかで、
いろんなことに気付いて、
ササッとなにかしてくれたり。
でもその一方で、豪快な人も好きなんです。
大久保
スマートと豪快さを兼ね備えた、
いいあんばいのね‥‥います(笑)?
伊藤
いないですよねえ。
大久保
芸能人でいうと誰なんですか。
伊藤
顔で言うと、杉本哲太さん。
大久保
たしかに男らしい骨格してますよね、
杉本哲太さん。いいと思いますよ。
伊藤
あと、小林薫さん。
大久保
いいっ! ステキ。
伊藤
お会いしたことあります?
大久保
小林薫さんが出てる舞台を見に行ったんですけど、
そのあと飲み会に出たら、小林薫さんもいらして。
すっごい気さくで、
めちゃめちゃカッコよかった。
すごくダンディですよ。
伊藤
糸井さんがそれこそ、
仲がいいんですって。
大久保
じゃ、近づけるじゃないですか!
鼻の下伸ばしてね。
伊藤
いや、いいです、それは!
大久保
舘ひろしさん、カッコいいですよ。
ダンディー。
伊藤
実際に会う機会があると、
役者さんって、すっごくカッコいいですよね。
大久保
そう、たいがいカッコいいんですよ。
伊藤
そりゃそうだ。
大久保
「芸能人すごい!」って思いますよ。
はじめて見たときの、明石家さんまさんとか、
やっぱりすごいんですよ。オーラというか。
伊藤
へえー!
大久保
テレビで見ていて知ってるのに、
目の前で実物が動いていると、
なんかもうキラキラなんです。
今は仕事を何回かご一緒させてもらって
多少慣れてきましたけど、
パワーがすごすぎて、最初は怖かった。
でもあんまり怖い怖いってやってると、
トーク番組で何もできなくなるので、
もう怖いと思わないようにしようと思って。
この人好き、この人と同じ時間にいれるだけでも最高、
って思うようにしているんです。
もう尻尾振る感じで挑んだ方がやりやすいと思って、
そうしているんですよ。
伊藤
さすがに若い頃は緊張したりとか?
大久保
しました。そりゃしますよ。
今も「さんま御殿」とかたまに呼ばれて行くと、
めちゃめちゃ緊張しますよ。
伊藤
あそこに座ってらっしゃる方って、
1人で10人分ぐらいみたいな感じの面白さがあって、
そんな人が何人もいるわけじゃないですか。
すごいもの見てるなって、いつも思います。
大久保
いろんなキャラクターの人が
それぞれの責任を持って、
一つのものをつくってるってことが。
伊藤
そして大久保さんは、
いつも大久保さんですよね。
大久保
そうみたいですね、私ね。
伊藤
それもすごいなあと思って見てます。

▲ビールのおともといえば、これ!
前日、新潟で買ってきた柿の種は、
大粒で食べごたえあり。
夏の集まりの手土産にもぴったりです。

(つづきます)
2019-07-30-TUE