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キューブスツール、あのひとの使いかた 2・谷 卓さん
谷 卓さんのプロフィール
たに・あきら
インテリアショップ オルネ ド フォイユ店主。
着物のメーカー、雑貨店勤務後、1994年に渡仏。
パリの蚤の市でショップを開業、
2004年に東京で「オルネ ド フォイユ」をオープン。
主に商品セレクトを担当し、
フランスをはじめ、国内外で見つけた
「好きなもの」を提供している。
趣味は写真撮影(とくに猫)、
仕事とからめての海外旅行。
ガジェット好きで、最近は動画関連の
アイテムばかり買っているそう。
そして家づくり(最近サボリ気味とのこと)。
デザイナーのキムコさん、
愛猫のチャイと暮らしている。
●Instagram
●note
●オルネ ド フォイユのwebsite
建築家に頼らず、
ご自分たちで「こんな感じ」と模型を作り、
間取りを考え、タイルを張ったり壁を塗ったり。
時間を見つけてはコツコツと
家づくりをしてきた谷さんご夫妻。
家を建てて2年。
去年の7月、
miiTaaiiのエプロンの取材にうかがった時から、
暮らしはどんな風に変わったのかな。
改装は進んだのかしら?
「ここ最近、海外出張が多くなってきたんです。
だから、なかなか家のことに時間をかけられなくて‥‥」
と谷さん。
聞けば、パリ、モロッコ、ベトナム、バリ島と
世界のあちこちを飛び回っている!
私のまわりにはパワフルな人が多いけれど、
谷さんもまたそんな一人なのです。
家に時間をかけられない‥‥と言うけれど、
ここは相変わらず、気持ちのいい空間。
ソファにかかった布や、
棚に置いた器やかごが、前に来た時と少しずつ変わってる。
小さな模様替えが部屋の空気を動かしているのかな、
なんだか清々しいのです。
今日はキューブスツールの取材。
谷さんの家だったら、
どんな風に使われるのだろう? と
楽しみにやってきました。
「何々テイスト」とひと言ではくくれない、
谷家のインテリア。
ダイニングチェアこそウェグナーの
Yチェアで揃えているけれど、
それ以外は、一見どこの国か分からないもの。
古いものもあれば、
あれ? これってなんだか見たことある‥‥
というものもあり。
「ヴィンテージの家具にも目がないけれど、
IKEAや無印のものも好きなんです」。
なんとIKEAに無印!?
お金をたくさんかければいいというものでもない。
要はアイデアとセンス、なのですねぇ。
「でも、このキューブスツールのような、
きちんとした家具は、
うちでは珍しいかも」
と谷さん。たしかに!
キッチン横の小さなスペースに置かれたベンチの上に、
キューブスツールを置いてお茶の道具をセッティング。
床に直置きではなくて、
ベンチの上に置くんだ! とびっくりしていると‥‥
また違う台を使ってダイニングの壁に
グリーンをスタイリング。
白い壁と家具の木とグリーン、
それからカラフルなタペストリー。
いろんな質感がそれぞれを引き立て合っていい感じ。
なんだか家具も生き生きして見えます。
リビングの床に置いて、
中にはクルクルと巻いた布や小さなラグを。
最初は器、次はグリーン。
そしてここには布。
中に入れるものが変わると、
キューブスツールの印象もずいぶん変わるものです。
家族の一員、チャイもお気に入り?
そうか、キューブスツールでひと休みするのは、
人だけじゃないんだ!
(人が座る時は、開いた部分を下にしてくださいね。)
横にはおもちゃを置いて、
チャイのための特等席。
このキューブスツール、
座ることを前提に考えられているため、
しっかり作られている。
だから、ちょっと重いんです。
「突板ではなく、ちゃんとした無垢材を使っている。
そう言った意味では一生ものですよね。
使ううちに味わいも増していくはず」
とプロならではのご意見。
「軽いと壊れやすいし、傷がつきやすかったりしますしね」
そう、重みは「ちゃんとしている」という証拠なのです。
こちらはお仕事場。
机の下にキューブスツールを置いて、
仕事道具が入った箱を中に入れました。
なんとこのテーブル、谷さんのお手製なんですって!
机と椅子とキューブスツールの色合いがぴったり。
窓の外に広がる緑の気持ちいいことったら。
こんなところで仕事ができたら、
さぞかしはかどるだろうなぁ‥‥
今回、
キューブスツールを「棚」として使うアイデアを
5通り見せてくださった谷さんとキムコさん。
スタイリングのコツは? と尋ねると、
「パーっと置いてしまうのであんまり考えていないんです」
と言いながらも、
ものが一番よく見える位置や角度を瞬時に探って、
空間作りをしていたのを、
私は見逃しませんでした!
仕事で、また家でも。
長い間、ものと向かい合ってきた「経験」が、
ものを言うのですねぇ。
勉強になりました。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
9月14日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
杉工場
キューブスツール
スツールというと、座面があって、脚がついていて‥‥
そんな形を思い浮かべると思いますが、
スツールの定義って、
「背もたれのない椅子」のこと。
一見、スツールっぽくないこのキューブ型のスツールも、
「スツール」なのです。
座るのはもちろん、
棚のように使ったり、
サイドテーブルにしたり。
小さな模様替えに一役買ってくれること間違いなし。
持つ時、少し重いと感じる方がいるかもしれませんが、
重いのは「しっかり作られている」という証。
座った時の安定感、
そしてしっかり体を支えてくれているという安心感。
使ううちに、いい色合いに変化していくことも考えると、
「一生もの」と言える家具ではないでしょうか。
木目はもちろん繋ぎめの美しも、
チャームポイントのひとつ。
使い方コンテンツもぜひご覧ください。
(伊藤まさこさん)
t.yamai paris
トリコットサッカージャケット
私のまわりのすてきな女性たちが、
こぞって着ているのが、このジャケット。
軽くて、家でも洗えて、
きちんとした場所にも着ていけて、
かつ、カーディガンのように気軽にも着られる!
シワにもなりにくいし‥‥と
いいところを挙げるとキリがないみたい。
じつは、この素材のワンピースを持っている私。
さらりとしていて、気持ちいい。
そして乾きも早い。
去年の夏は、何回着たか分からないくらい大活躍しました。
そこで、t.yamai parisの山井さんに、
今年も作って欲しい、とお願い。
ボタンは白から黒に変えて、
ジャケットの素材に馴染ませました。
同系色でまとめたり、
柄や色を利かせたり。
ベーシックな分、着こなしは無限。
一枚持っていると、重宝すること間違いなしです。
(伊藤まさこさん)
鋼正堂
スープ皿
スープを飲む時に、
ほどよい大きさのスープ皿が欲しいな、
ずっとそう思っていました。
リムがついていて安定感があり、
内側の料理を盛る部分とスプーンの丸みの
相性のいいものを。
ビーツなどの色合いがきれいなポタージュも、
また、じゃがいもやにんじん、
ソーセージがごろごろ入った
ポトフなどの素朴な料理も相性がいいのは、
質感と色合いのおかげ。
立ちあがりがあるため、
パスタを盛ってもぴたっと決まります。
そう、「スープ皿」と決めつけず、
「ちょっと深さのある皿」と思うと、
盛る料理の幅も広がります。
サラダやフルーツのマチェドニアを入れてみようか?
お豆のペーストを盛って、
リムに薄く切ったパンを並べようかな、なんて。
器づかいは料理と同じ。
頭をくるくる働かせて、
いろいろな盛り方をたのしんでみてください。
(伊藤まさこさん)
キューブスツール、あのひとの使いかた 1・湯浅景子さん・哲也さん
湯浅景子さん・哲也さんのプロフィール
ゆあさ・けいこ
画家、1973年生まれ。
名古屋を拠点に絵を描いている。
大学生の時、舞台美術の手伝いをきっかけに
絵を描き始める。
2000~2010年、
アートブックのセレクト書店「コロンブックス」を運営。
2011年頃より本格的に絵画制作に取り組み、
ここ数年は精力的に各地で展覧会を開催。
今は、(ずっと目標だった)海の近くに
アトリエ兼小屋を建てる計画が進行中。
好きなものは、昭和30年代の日本映画(成瀬巳喜男、
川島雄三、小津安二郎、増村保造監督作品、
森繁久弥の社長シリーズなど)、
海と古い建築物。
●website
ゆあさ・てつや
グラフィックデザイナー、1969年愛知県生まれ。
大学を卒業後、ギャラリー、アパレル、
印刷会社勤務を経て2010年に独立。
書店だった「コロンブックス」の屋号を引き継ぎ
デザインアトリエとする。
ブックデザインを中心にロゴマークからエディトリアルまで
デザイン・印刷ディレクションを手掛ける。
好きなものは古くヤケた紙。
伊藤まさこさんとの仕事に、
『テリーヌブック』
(パイインターナショナル/2012年)
『ニューヨークレシピブック』
(誠文堂信光社/2015年)のブックデザイン、
『伊藤まさこの雑食よみ 日々、是、一冊。』
(メディアファクトリー/2011年)の本文内紹介、
「&」やさしいタオル(ほぼ日)ロゴデザイン
昭和9年に建てられたという、
名古屋の日本陶磁器センター。
スクラッチタイル張りの外観は、
この界隈でも目立つ存在です。
一歩足を踏み入れると感じるのは、
時が育てた空気、それから厚みみたいなもの。
2000年にアートブックのセレクトショップとして
オープンした、コロンブックス。
名古屋に行くと、ここに寄って、
ゆっくり本を眺め、
店主の湯浅さん景子さんご夫婦と
おしゃべりするのが私の楽しみ
(現在は本づくりのアトリエとなっています)。
本とともに、少しずつ集められた
家具やオブジェが並んだ空間は、
とても居心地がいい。
本のセレクトとともに、
この空間が好き! という方も多いのではないかな。
ここにキューブスツールを置いたら、
どんな感じになるだろう?
「最初、写真を見せてもらった時、
お酒の升のようだなって思いました。すごく日本的で」
と湯浅さん。
「じっさい置いてみたら、意外なほどに空間に馴染む」
という言葉の通り、ほら、しっくり。
「棚の中にお茶の道具を。
上には、ウォーターサーバーを置きました」
まさかスツールの上にキューブスツール、
その上にウォーターサーバーとは!
スツールが額縁のような役割にもなっていて、
お茶の道具がきれいに映える。
この家具の違う一面を見た気になりました。
古いものと新しいもの、
ミニマムなものと手の跡が残るものなど、
一見、異なるものをミックスさせて
空間を作るのが上手な湯浅さん。
ウォーターサーバーの次は、
「こんなかんじ、どうでしょう?」
とスタイリングしてくれたのがこちら。
キューブスツールの上には、
真鍮の急須や、ぽってりした陶器のピッチャー、
少しざらっとした質感のベースを。
いろんな国から集まった湯浅さんの気に入り。
ほら、ここでも素材や国がミックスされている。
床に置いて、小さな棚のような使い方を。
「レコードがちょうどおさまるサイズなので、
上に小さなプレーヤーを置いてもいいかも」
と湯浅さん。なるほど。
オープン棚なので、中に入れる本の色合いを考えて。
この部屋の魅力のひとつは高い天井と白い壁。
それからおだやかに差し込む光。
使い込まれたフローリングもまたいい感じです。
オープン当初からのつきあいという、
ソファとローテーブル
(手前に見えるテーブルも)は、
ミニマムなデザイン。
これらの家具とキューブスツール、
きっと合うだろうなぁ‥‥と思っていたら、
やっぱり!
まるで前からここにあったみたい。
「使ううちに、きっともっと馴染みますね」
と景子さん。
景子さんは画家。
いつも使っている画材を見せてもらうと‥‥。
なんとこれですべてなのだとか!
クレヨンや針など、こまごましたものは
お菓子の缶におさめ、
さらにキューブスツールに収納。
「棚の中にぴったり収まりました」。
「描き上げた絵を立てかけて見ることもできて、
いいですね」
上に置いたのは、
ウェグナーのYチェアをモチーフにした、景子さんの新作。
来年にかけて、続々と個展が開かれるそう。
(私もまた何か一枚欲しいなぁと
密かにねらっているんです。)
「2個並べたらローテーブルにもなりますね」
そうか並べて長方形のローテーブルに!
取材にうかがうと、
自分の想像を超えた使い方を知ることができる。
勉強になります。
「これより、5センチ大きくても、
5センチ小さくてもだめ。
今のバランスがちょうどいい」
じつは景子さん、
新しいアトリエを構想中とか。
「壁には土や漆喰など、
質感のあるものを使いたいと思っているので、
家具はミニマムなものでバランスを取りたくて。
そこにキューブスツールを置いたらきっと合うだろうな」
それはぜひとも見せてもらいたい。
完成したらまっ先に遊びに行かせてくださいね。
キューブスツール、わたしの使い方 藤井裕子/読者のかたおふたり
ふじい・ゆうこ
出版社勤務ののち、ほぼ日に入社。
前職のとき、5年ほど上海に駐在していました。
最近、長く担当していた「ほぼ日の學校」チームを離れ、
weeksdaysチームに異動。
おいしいものを食べている時がしあわせ。
ひとりでいろんなところに食べに出かけます。
一見、なんてことのないただの箱のようなこのスツール。
「スツール」といっても、使い方は何通りもありそうです。
どうやって使うかはあまり深くは考えないまま、
モノとして「なんだかいいな」と思い購入を決めました。
パキッとした四角の潔さと、
大量生産品にはない丁寧なつくりとあたたかみに
心を惹かれました。
まず目に留まったのは、
「石畳組み接ぎ」とよばれる技法で組まれた
木の継ぎ目の美しさ。
木の違う面の色が生む自然の模様が
このシンプルな箱を「ただの箱」ではなくしていますし、
杉工場のみなさんが試作を重ねて
weeksdaysチームといっしょに決めた、
木と木を組み合わせる間隔も絶妙です。
そして触れてみておどろいたのは、木の質感。
すべすべとしているのはもちろんなのですが、
少しだけもっちりとしているんです。
シルクのような肌触りで、
いい木で丁寧につくられているんだなぁと
あらためて感じられました。
少し心配だったのは、
古くて暗い色の家具が多いわが家に合うかどうか。
メープルの無垢材は、
その清潔感のある白い色がもち味でもあります。
買う前にどこに置くかシミュレーションしてみて
すごく浮いてしまうことはないとは思ってはいましたが、
どこまでしっくりくるかは
実際に置いてみないとわからない。
でも置いてみて、「へーえ!」とおどろきました。
想像していたよりも、
ずっとピッタリと家の風景になじんだのです。
これもきっと木材自体の質感のよさのおかげだと思います。
これから時間を経て、
木が変わっていくのもとてもたのしみです。
さいしょの居場所は
キッチンそばのリビングの一角に決めました。
上には読みかけの本を置き、
中にはお料理と器の本を入れています。
定位置を決めると、読み終えたときに
不思議と元の場所に戻そうという気持ちになるので、
前よりも散らからないで済んでいます。
ほかにも、玄関に置いて、
スリッパを入れてみたりもしました。
入ってきた人からは目隠しにもなってちょうどいい。
しっかりとしたつくりなので軽いわけではないですが、
女性ひとりでも簡単に持ち運べるので、
こんなふうに気軽に置き場所を変えてたのしめます。
気分転換のための小さな模様替えにぴったりです。
きっと並べて使っても素敵なはず。
もうひとつほしいなと考え中。
ナイトテーブルに活用しています(miさん)
ベッド脇に置いて、
ナイトテーブルとして使っています。
スツールなのに棚やテーブルとしても
使えるところが気に入っています。
サイズ違いのものがあれば
シリーズで揃えて使うのも楽しいし、
重宝すると感じました。
中は座布団入れ、時に椅子に(ゆざめさん)
自宅の、座禅をする部屋に置いて、
座禅のための座布団を入れています。
‥‥なのですが、実はこのスツールに座るのが好きです。
初めて座ったとき柔らかな感触に驚きました。
気持ちいいです。
座禅する部屋なので、
キリッとしたこの形はピッタリでした。
時には机としても使っているんですよ。
最初にきちんと
「角と角を合わせて、
きちんと折るのよ。
そうしないと、
きれいな仕上がりにならないから」
折り紙を折る時、
母はいつもこんなことを言ったものでした。
子どもながらにも、
母が折る(たとえば鶴や入れ子の箱などは)ものは、
惚れ惚れするくらいきれい。
「最初にきちんと」は、もちろん、
その後の作業ひとつひとつも、
「ずっときちんと」だからこそ、
美しい仕上がりになるのだなぁ。
キューブスツールを見ていると、
そのことを思い出す。
材料のえらび方、
下拵え、
組み立ての作業、
配送にいたるまで。
ひとつひとつの作業を、
きちんと。
どの角度から見ても、
きれいなスツール。
部屋にあると、
その場の雰囲気がいつもと少し変わるんですよ。
Satomi Kawakita Jewelry×weeksdaysお見立て受注会 開催のお知らせ
伊藤まさこさんがニューヨークで出会った
ジュエリーブランド Satomi Kawakita Jewelry
(サトミカワキタジュエリー)と
「weeksdays」とのコラボ受注会を行います。
前回ご好評いただいた2019年から
4年ぶりの開催となります。
今回の受注会でも、
リング、ネックレス、ブレスレットなど
Satomi Kawakita Jewelryの
フルラインナップをそろえます。
くわえて今回は、12月に発売予定の
weeksdays限定のコラボジュエリー(ピアス3型)の
先行受注をお受けいたします。
この会場でご注文いただいたお客さまに限り、
販売価格の10%オフでお買い求めいただけます。
また、この受注会会場限定商品(ピアス1型)も
ご用意しています。
ジュエリーと向き合うご自分だけの素敵な時間を
Satomiさん、伊藤まさこさんと一緒に
お過ごしいただけます。
ぜひ足をお運びいただけるとうれしいです。
■受注会日程
9月29日(金)~9月30日(土)
■開催場所
FOG 2nd FLOOR
東京都世田谷区代田5-35-1
※9月30日(土)は1階のショップはお休みです。
■営業時間
営業時間:11:00~18:30
伊藤まさこさんの在廊時間(予定)
9月29日(金)11:00~18:30
9月30日(土)11:00~15:00ごろ
■お支払いについて
受注会でのお買い物は、
こちらのお支払い方法となります。
現金はお使いいただけません。
————-
・各種クレジットカード
(VISA、MASTERCARD、JCB、
アメリカン・エクスプレス、
ダイナースクラブ、ディスカバー)
支払回数はご一括のみ
・交通系ICカード
(Suica、PASMO等)
・電子マネー
(iD、QUICPay、Apple Pay)
————-
ご了承いただけますよう、お願いいたします。
■受注品のお届け時期
受注会のお届け時期は12月中旬の予定です。
日めくりカレンダー、あのひとの使い方 3・インスタグラマーのみなさん
毎日がちょっと特別な気持ちに
@a_y___8__さん
(保育園で毎日楽しく給食作り♪)
「日めくりカレンダーは、
1日に何度も見られるように
目の高さの棚に置いています」
という、a_y___8__さん。
そんなふうに目に入ることで、
毎日がちょっと特別な気持ちになるんですって。
「眺める以外にも、お友達の誕生日に
カレンダーの裏へメッセージを書いて、
お菓子やプレゼントに添えることも」
わぁ、誕生日が刻まれたお手紙!
いただいた方は、
特別感があってとってもうれしいでしょうね。
他に、らっきょうや梅を仕込んだ日のカレンダーを
瓶に貼ると、漬けた日数がわかって便利なのだと。
その使い方、思いつきませんでした。
(それに、見た目も素敵ですね~!)
手帳にぴったり
@miiimiii.0303さん
(家族公認手帳マニア)
「めくったあとのカレンダーを手帳に貼って、
その日のできごとをちょこっとメモしています」
とmiiimiii.0303さん。
このカレンダーはポラロイドサイズ、
ほぼ日手帳からはみ出さずに貼れるんです。
でも、毎日貼っていたら、12月31日には、
手帳の厚みがすごいことになっちゃうのでは‥‥。
(それもまた、たのしみのひとつかも?)
「せわしない日も、日めくりカレンダーの
やさしい写真がふと目に入ると、
深呼吸をしたような穏やかな気持ちになります」
という、うれしい言葉も。
ぜひ、2024年版も、ご期待くださいね。
(もちろんほぼ日手帳も!)
自分の「好き」の方向が見えてくる
@___iwmtrnさん
(絶賛子育て奮闘中)
日めくりカレンダーが置かれているのは、
好きなものを並べているというリビングの棚の一角だという
___iwmtrnさん。
「とくに気に入った日の一枚は、
収納扉や冷蔵庫に貼って、
毎日眺めて楽しんでいます」
大きすぎないサイズなので、並べて貼っていくと、
あらためて自分の「好き」の方向が
見えてくるのだとか。
毎日、すこしずつ、部屋の中の景色がかわる。
心地のいい住まいづくりにつながりそうです。
携帯とダブルで活用
@polyanthemosさん
(夏バテ中のへなちょこニッター)
紙とデジタルを往き来しての
活用をしているというpolyanthemosさん。
「旬の食べものや保存食、
趣味の編みものの進捗状況などを、
日めくりカレンダーと一緒に撮って、
携帯電話に保存しています」
なるほど~! お味噌の容器にも
1月29日のカレンダーが貼られていますね。
この画像が、この日の記録に、
そして思い出になる。
いっしょに写真に撮っておくのっていいアイデアです。
そうですよね、365日、暮らしていれば、
何気ない日はあっても、
なんにもなかった日なんて、きっと、ない。
その画像を見返すことで、あとになっても、
自分の体験とともに思い出すことができそうですね。
本をめくるように
@nomisaulioさん
(毎日賑やか、やや大家族のおかあさんです)
定位置は、キッチンカウンターの上、
お盆の中だというnomisaulioさん。
「でも、本来の使い方ではないんです‥‥」
ん? 本来の使い方ではない、って、
いったいどういうことなんでしょう。
「毎日、本を1ページずつ開くように楽しんでいるんです。
つまり、めくっていくのではなく、開いていく、というか。
切りはなして捨てるなんて、できなくて‥‥」
なんと“めくらずに”使われていました。
でもその気持ち、わかります。
この日めくりカレンダー、
一冊の本としても、とても魅力があるんですよね。
(つくったチームで言うのもなんですが。)
本のように大切に扱っていただけて、
うれしいかぎりです!
‥‥ということで、5名のインスタグラマーのみなさんの
使い方を教えていただきました。
素敵な使い方のおすそわけ、
どうもありがとうございました!
日めくりカレンダー、あのひとの使い方 2・山本倫子さん
山本倫子さんのプロフィール
やまもと・のりこ
写真家。
写真の専門学校を卒業後、
大手新聞社系列の出版社に
専属カメラマンとして3年間勤務。
2012年4月からフリーランスに。
雑誌やweb、広告、インタビュー撮影など
幅広いジャンルで活躍。
■文鳥の「だいふく」を主人公にした
山本さんのInstagram
伊藤さんからのプレゼントがきっかけで
2023年版の「日めくりカレンダー」を
使い始めたという写真家の山本倫子さん。
このカレンダーで動画を撮っていらっしゃる、
とうかがいました。
「そうなんです。
1日で終わっちゃうのがもったいないなと思って、
自分が見る用に、
1枚ずつめくる動画を撮りためています。
それを1ヶ月ごとに編集して
つなげているだけなんですけれど」
動画ときき、
ぱらぱらめくっている動画かと想像していたら、
1枚ずつ。
「そう。その日のカレンダーを
めくるときの音がいいな、って思って。
それで写真じゃなくて動画で残しているんです」
音も込みでたのしむなんて、
考えたことがありませんでした。
「めくる音も込みで、
一日の気分がリセットできているのかも?
面白いんですよ、自分の気分で、
たまに音が変わるんです。
ああ、今日は雑な音がする、
きっとそういう気分なんだなぁ、
とか、反省したりして(笑)」
毎日かかさず、決まった時間に
めくっているのでしょうか。
「いや、そうじゃない日もありますよ。
出張に行くこともありますし、
毎日はめくれないんですけど、
でも何日分かまとめてめくる時も、
1枚ずつめくって、動画に撮るんです」
使いはじめる前に、
ぜんぶのページを見ないでおいたので、
1枚ずつめくるのが楽しいのだそう。
山本さん、日めくりカレンダーならではのたのしみを
存分に味わっていらっしゃるようです。
「なにより、伊藤さんの写真が、
一枚一枚、すごくいいんですよね。
写しているものに対しての愛っていうか、
いとおしい、みたいな視線があって。
どの写真も晴れやかで気持ちがいい。」
さすが、写真家ならではの視点!
「説明文を省き、
写真とカレンダーの数字と曜日だけっていう、
その潔さもいいですよね」
たしかに、こういったタイプのカレンダーのなかでも、
削ぎ落とされた、
とてもシンプルなデザインになったと思います。
さて山本さん、このカレンダー、
お家ではどんなところに置いているんでしょう。
「私の家、わりとコンパクトなんですけど、
この大きさがちょうどいいっていうか、
ちょっとした隙間に、さっと置けるのがいいですね。
すぐに移動できるので、
あちこちいろんな場所に置いたりもしましたが、
小ささゆえか、どこでもなじみやすかったです。
いまは、本棚の上に置いています」
このカレンダーの判型は、
ポラロイド写真サイズ(縦107㎜×横88㎜)
ということもあって、
なじみやすく置きやすいのかもしれないですね。
「このカレンダーって、置いてあるだけで
空間が広がる感じがするんです。
以前、数字だけの日めくりカレンダーを
使ったことがあるんですが、
そのときの気分とは全然違います。
明日はどんな写真なんだろうって思うし、
めくると、気持ちが明るくなるっていうか、
フレッシュな気持ちになるんですよね」
その気持ち、よく分かります!
毎日、めくるのがうれしいですよね。
ちなみに、めくったあとの紙は、
どうされていますか?
「裏側を使ってメモにしています。
これがメモ帳だと思うとすごく贅沢!
紙の質感と薄さが、ちょうどいいんですよ。
そうそう、8月1日がスイカの写真だったでしょう?
そんなふうにちゃんと季節感があるのも、
すごくいいですよね」
そうなんです!
季節感はもちろん、
めくり飽きないようなリズムになるようにと、
伊藤さんが365日(2024年版は366日)分の並びを
ひとつずつ決めているんです。
このカレンダーの良さを
存分に感じ取ってたのしんでくださっていて、
すごくうれしいです。
さて、せっかくなので、山本さんに、
来年のカレンダーを見ていただきました。
2024年版は、平日は伊藤さんの撮影したもの、
土日祝日は、伊藤さんがスタイリングしたものを、
カメラマンの有賀傑さんが撮影した写真を使って
1冊のカレンダーをつくりました。
「表紙がクマさんなんですね! かわいい。
ちょっと猫背っぽい背中もかわいい」
はい、今年もかわいいものができました。
「素敵ですね。
お部屋の写真も多いのかな。
あっ、伊藤さんのお部屋もありますね。
ずっと見ちゃう‥‥止まらないです」
そう言っていただけて、私たちもうれしいです。
来年のカレンダーを
パラパラとたのしそうにめくる
山本さんの姿が印象的でした。
ことしも残り4か月とすこし、
そして来年も、「weeksdays」の日めくりカレンダーを
ご愛用頂けたらと思います。
山本さん、ご協力ありがとうございました!
日めくりカレンダー、あのひとの使い方 1・高橋美賀さん
高橋美賀さんのプロフィール
たかはし・みか
新宿御苑の森の近くで、
月の満ち欠けに合わせてひっそり喫茶営業をしている。
窓から月を眺めながら、
ゆっくりと夜のあまやかし時間を提供。
三日月のマークをポイントにした
オリジナル物販通販運営もスタート。
喫茶メニューの開運フードは、カフェオレとプリン。
ここにも。
(ベトナムの白いかご)
あ! ここにも。
(モヒートのキャップ)
こっちには、日めくりカレンダー!
見覚えのあるものがそこかしこにある、
MOON COFFEE SALONの店内。
weeksdaysでも何度か登場いただいている高橋美賀さん。
ちょこちょこサイトを覗いては、
お買い物してくださっているそう。
「ベトナムのかごは、
お客さまもファンが多いんですよ。
XLってこれくらいのサイズ感なんですね‥‥
という方もいて、ひとしきり盛り上がったりして」
美賀さんの店で
じっさいに使っている様子を見たお客さまが、
「買います!」と決断されることもあるとか。
まるでweeksdaysの広報のような存在です。
ことに印象的なのが、
日めくりカレンダーとのつき合い方。
「ここは、お店の入り口。
ピンクと赤の写真を集めたコーナーです」
なんと美賀さん、めくった後のページをすべて取っておき、
こんな風にテーマ分けして、
ペタペタ貼ってくださっているとか。
ピンクの扉に、ピンクと赤の写真。
ちょこんとのぞく子猫がかわいい。
ここはブルーのコーナー。
ここは花の写真を集めて。
さりげなくかかったクロスや壁の色ともぴったり。
こんな風に使ってくれているなんて、
すごくうれしい。
厨房の奥にも。
「じつはここ自分にしか見えないのですが‥‥」
とくにお気に入りを並べているのだとか!
「ひとりで満足しているコーナーなんです」
表紙にしたうさぎ、私も大好きな一枚。
めくった後のページは、ぴったりサイズの缶に保存。
この日は、初夏に訪れたフランス土産を
友人たちに渡す準備を。
日めくりの中の一枚にメッセージを書いて。
「贈る相手や、
贈るものにぴったりな写真をえらぶのがたのしい」
んですって!
この写真は、スウェーデンのダーラナ地方の
ホテルの庭なんですよ、
と伝えると、
「まさこさん、椅子の写真多いですよね」と美賀さん。
気がつかなかったけれどたしかにそうかも。
左中程の写真はパリのリュクサンブール公園で撮った
寄り添う椅子。
「月に一度くらいのペースで、
写真を入れ替えているんです。
いずれ椅子のコーナーも作りたいなって思ってます」
じつはお店と家で日めくりカレンダーを
使ってくださっているそう。
日めくり上級者なのかと思いきや、
意外にも使うのは初めてなのだとか。
「最初、めくり忘れたりするかなと思っていましたが、
毎日ちゃーんとめくってる。
今日はどんな写真だろう?と、とても楽しみなんです」
元はフレンチの店だったという
こじんまりとしたかわいいカフェ。
赤や緑だった壁をはがし、
質感のある壁に。
「はめてみたらぴったりだった」
というカウンターの横には、
窓枠を取りつけて。
「気になるインテリアの写真をコピーして、
スクラップブックに貼って‥‥」
大工さんと相談しながら、
自分好みに整えていったそう。
「気に入りをコラージュ」は、
美賀さんの得意分野なのですねぇ。
「今は、おひとりさま限定で予約制。
だから、お客さまとじっくり向き合えるんです」
と美賀さん。
カフェの仕事は、
一度来たらそれでおしまいではなく、
そこからおつき合いがはじまるところが、
いいんですって。
ここに来れば、美賀さんに会える。
お客さまもきっとおんなじ気持ちなのではないかな。
お店は夕方4時から夜9時までの営業。
「はー、今日も1日おつかれさまでした。
なんて、月を見ながらのんびりしてもらいたくて」
なんと、お店の窓の向こうは満月の通り道。
美賀さんの焼いたお菓子と、
おいしいコーヒーでほっと一息。
1日の締めくくりにぴったりなお店ではないかなぁ。
できたてほやほや。
来年の日めくりをちらりと見せると‥‥
「わー、かわいい!
誕生日はどんな写真かな‥‥」とパラパラ。
来年もまた楽しみにしていてくださいね。
日めくりカレンダー2024
朝起きたら
今年になってから、
どんなことがあったかなぁと振り返ってみる。
おいしい記憶、
たのしかったあの時。
新しい出会い。
それから別れ。
そういえば季節の変わり目、
体調崩して元気なかった、
そんな数日間もありました。
たった8ヶ月だけれど、
それなりにいろんなことが起こる私の毎日。
どれも、いい時だったなぁ。
そう思えるのは、
どんな日も大切にしてきたから?
(きっとそうに違いない)
朝起きたら、
カレンダーをめくると、
新しい写真があらわれる。
おはよう。
今日もどうぞよろしくね。
ポラロイド写真ほどの小さな存在のこのカレンダーが、
どうやら朝の日課のひとつにくわわったみたい。
小さいけれど、
大きな存在なのです。
今週のweeksdayは、
去年販売して好評いただいた日めくりカレンダー。
今年の表紙はクマの横から見た姿。
かわいいものやおいしいものも、
盛りだくさんですよ。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 6・鈴木潤さん 洗って干して、ポイポイ入れて
鈴木潤さんのプロフィール
すずき・じゅん
広告代理店勤務を経て、
「子どもの本専門店メリーゴーランド」四日市店で
13年間企画を担当。
2007年、京都への出店とともに店長に就任。
「メリーゴーランド」は創業47年になるお店で、
鈴木さんが4歳のときにオープン、
小さなころは親に連れられ通っていたお店だったそう。
現在は京都に暮らし、お店の切り盛りだけでなく、
雑誌、ラジオなどにも登場、
子どもの本の普及に力を注いでいる。
2人の男の子の母、少林寺拳法弐段。
著作に『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』
(アノニマ・スタジオ刊)、
『物語を売る小さな本屋の物語』(晶文社刊)
がある。
■メリーゴーランドKYOTOのwebsite
■鈴木潤さんのInstagram
ベトナムのかごの中でいちばん大きいサイズ、
XLを使っていると聞いて、
京都に住む鈴木潤さんのご自宅へ伺いました。
「うなぎの寝床」と呼ばれる細長い造りが特徴の
京町家で、ご家族4人で、猫と暮らしている潤さん。
玄関からまっすぐ伸びる廊下にあるシェルフの一番上に、
さっそく白いベトナムのかごを発見。
潤さんご自身で漆喰を塗ったという白い壁に、
素敵になじんでいます。
「私の帽子コレクションを入れています。
帽子が好きで、たくさん持っているんですけど、
置き場所に困っていたところへこのXLサイズがぴったり。
軽いから、高いところに乗せてもおろしやすいんです」
と潤さん。
かごの中には帽子を2つ並べて、
それぞれ3~4個、重ねて収納。
玄関近くのこの定位置は、
おでかけ前に帽子を選べるので便利なのだとか。
そして、階段脇の棚にはシルバーのかごが。
Lサイズのこちらは、
洗濯かごとして使っているのだそう。
「家族が脱いだ服を入れていくの。
洗濯機が1階にあるので、朝、かごごと持って降りて、
洗い上がったらまたかごへ入れて2階で干してます。
軽いし、濡れたものを入れてもへっちゃらな素材だから
すごく便利」
他にも、旅行へ行くときに家族ぶんの必要なものを
このかごに「ポイポイ入れて」車に積むそうです。
整理して入れなくていいのが、大きいサイズの
いいところなんですね。
「持ち手がチューブでカバーされているでしょう。
丈夫な素材だから、これがなかったら手が痛いはず。
持ちやすいのはポイントが高いですね。」
とうれしいお言葉。
かごを見つめる目線が、なんだか熱いな、
と思ってたずねると、
もともとかごが大好きという潤さん。
「他のところで似たようなかごを買ったこともあるけど、
もっと深いんですよ。
だけどこのかごは、ほどよい浅さが使いやすいし、
何といってもこの形がかわいい」
たしかに、お家の中には他にもたくさん
かごが並んでいます。
「これはね、私が作ったの」
と見せていただいたのは竹かご。
以前住んでいた家の隣が竹屋さんで、
毎週人が集まって、竹を編んでいたそう。
自分も編みたいと思った潤さんは、ある日勇気を出して
竹屋のご主人に通わせてほしいと直談判に。
「竹割りから始めるか、編むだけか、どっちや?
‥‥って聞かれて。
ここは本気度を見せなきゃと思って、
竹割りからお願いします! って言ったら、
本当に1年間ずっと竹割り(笑)」
竹割りばかりで手に豆はできるし、冬はあかぎれ。
ついに登校拒否になった潤さんのもとへ、
同じ竹編み同好会のご婦人方が訪れます。
「どうしはったん、最近来はらへんけど。
ほんとは編みたいんやろ?
うちらで先生に言うたげるから、
来週はおいでや! って言ってくださって」
はげまされた潤さんが翌週行くと、
「なんや、編みたいんか! 材料用意したげるわ。
竹かご作る大変さが分かったやろ」
と言われ、晴れて編めるようになったそう。
「通って12年くらいになるかな。
周りは30年以上通うベテランばかりだから、
私なんてまだひよっこですよ。ふふふ」
と言いながらたのしそう。
ベトナムのかごのインタビューから
思わぬエピソードが飛び出して驚きましたが、
潤さん、ほんとうにかごがお好きなんですね。
この日はインタビューのあとお出かけの潤さん。
玄関でお気に入りの帽子を選んで、
いってらっしゃい!
どうもありがとうございました。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 5・坂井務さん 買い出しに行く時も
坂井務さんのプロフィール
さかい・つとむ
イタリアン・レストラン「IGORA」店主。
都内のレストラン数店舗、
ヨーロッパでも数店舗、ワイナリーなどで経験を積み、
2019年にIGORAを立ち上げる。
「休みはだいたい食べることと呑むこと、です。
生産者のところにも行くんですよ」
と、忙しい日々をおくる。
■IGORAのwebsite
■IGORAのInstagram
とうもろこしのこっくりしたスープは、
水と塩だけで。
手打ちのパッパルデッレは、
軽やかなジェノベーゼと
(にんにくも松の実も入れていないのだとか!)。
じっくり6時間コンフィにした稚鮎と、
自家製リコッタチーズとローストした
パプリカのオーブン焼きは、
熱々のうちにサーブして‥‥。
この夏、4周年を迎えたIGORA。
シェフの坂井さんが作る料理を食べると、
その夜はもちろん、
次の日も、そのまた次の日も、
お腹と心がじんわりあったかい。
なんだか幸せな気持ちになるのは、
坂井さんご自身が、
料理を心から楽しんでいるからではないかな?
その日その時の素材と相談しながら、
提供する料理を決める。
時に意外な組み合わせもあるのだけれど、
皿の上はいつもおだやか。
それはおいしくまとまっているんです。
カトラリーはフランスの蚤の市などで手に入れた
クリストフル。
プレートは、
ギャラリーで見て気に入った作家さんに
作ってもらったそう。
なんと、店内の内装もプロに頼らず、
すべて坂井さんが決めたのだとか。
「のんびりした場所がいいと思って」と、
えらんだ場所は世田谷の奥沢。
「スケルトンにしたら、
こうしたい、という絵が思いついたんです」と坂井さん。
そこからは毎日メジャーを肌身離さず持って、
大工さんと相談しながら、
少しずつ理想を形にしていったのだそう。
大変だったに違いないけれど、
自分の城だもの、
楽しかっただろうな。
そんな坂井さんが、
お店に、とえらんでくれたのは、
weeksdaysのベトナムのかご。
お客さまや、友人の料理人が使っている様子を見て、
いいなぁと思ってくれたのだそう。
サイズはLとXL。
色は黒。
かごの色と椅子の座面の色を合わせてくれたのかな。
クロークに置かれた様子も、
またいいんです。
黒いかごの中に、色とりどりの野菜。
黒をえらんだ理由は、
「よごれを気にせず、ガシガシ使えるから!」
なんですって。
築地や豊洲に買い出しに行く時も、
かごが一緒。
「買ったものを次々と入れていける、
間口の広さがいいんです」
大きい魚や、かさばる野菜もなんのそのの容量。
たとえ水分や泥がついても、
洗えるところがいいんですって。
時おり同業者から、
「どこで買ったの?」と聞かれることもあるとか。
そんな時は、「weeksdaysです!」
と教えてくれているのだそう。
なんと、ありがたい。
この先、どんな料理を作っていきたいですか?
と尋ねると、少し考えて、
「いつかは水のおいしいところで、料理を作っていきたい」
と坂井さん。
これからますます
研ぎ澄まされた料理になっていくに違いない。
それもまた楽しみです。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 4・平井かずみさん 仕事の道具も、気分が上がるものを
平井かずみさんのプロフィール
ひらい・かずみ
フラワースタイリスト。
花好きがこうじて、いつしか植物の仕事へ。
草花がもっと身近に感じられるような
「日常花」の提案をしている。
東京を拠点に花の教室「木曜会」や、
全国でworkshopを開催。
好きなものは「石」とのこと。
仕事柄、たくさんのものと移動するという平井さん。
花活けに使う花器や小物はすべて、ご自身のもの。
ことにテレビ番組の収録の時は、
「夜逃げ? と思われるくらい」
のものすごい量を家から持ち出し、
ハウススタジオに運び入れるのだとか!
かずみワールドに包まれた新居。
キッチンやリビング、ランドリールームと、
家のそこかしこに
旅先や蚤の市などで手に入れた花器や器が。
「作られた年代も国もいろいろ」というけれど、
統一感はさすが。
花を活けてもすてきに違いないけれど、
このまま並んだ様子も美しいものばかり。
かごは自然素材のものがお好みかな?
と思ったけれど‥‥。
「もちろんそれも大好き。
でも、手入れがしやすかったり、
持ち運びしやすかったりと、
便利なものも使います。
ことに仕事の時にはそれらが大活躍」
ベトナムのかごは、
白を3つお持ちとか。
「たくさん入るし、とにかく丈夫だから、
移動はいつもこれ。
汚れても拭けるからいいなと思って買ったけれど、
汚れはほとんど気になりません」
XLサイズは、
背の低い四角いバケツが2つそのまま入るから、
水を薄く張って、花を入れて持って行くのだそう。
「このかご、おしゃれに見えるというのも
気に入っている理由のひとつ。
仕事の道具も、
気分が上がるものを使いたいんです」って。
同感です。
ランドリールームでもかごが大活躍。
「もともとはガラスの花器を直接床置きしていたのですが、
掃除の時にいちいちどかさないといけないのが大変で」
かごに入れたら一件落着。
このまま軽く包んで仕事に出かけることもあるのだそう。
また、ベッドルームでも、
「ベッドリネンを入れたり、
これから秋冬にかけては、ブランケットを入れたり」
しているのだそう。
仕事の時だけでなく、
家の中でもとても上手に使ってくれている。
この夏、家にいることが多かったという平井さん。
そのおかげで、引越しの片づけがスイスイ進んだとか。
「今は、フリーマーケットを計画中。
もちろんフリマの時にもかごを持って行きますよ!」
と平井さん。
それはぜひ遊びに行きたい。
きっとそこでもまた新鮮な使い方が見られるんだろうな。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 3・飛田和緒さん ここを探せば大丈夫
飛田和緒さんのプロフィール
ひだ・かずを
料理家。
東京出身。短大卒業後、
会社勤めや出版社でのアルバイトを経て、料理家に。
高校時代を長野で過ごし、
長い東京暮らしから18年前に海辺に移住、
家族3人で海の近くで暮らす。
地元の魚、野菜、果物で保存食や常備菜を作るのが日課。
著書は100冊以上になる。
現在は娘が独立し、夫婦ふたり暮らし。
息抜きはお酒を飲むこと、おいしいものを食べること、
本を読むこと、クラシックバレエ鑑賞、映画鑑賞、
韓国ドラマを観ること。
葉山に越して20年ほど。
その間、一度の引越しを経て、
今住んでいるのは海が一望できるこの家。
その間に生まれたお嬢さんは、
なんと今年の春から大学生に。
今は、独立して関西で学生生活を送っているとか。
赤ちゃんの頃から知っている私としては、
感慨深いものがあります。
それと同時に、ずっと作っていたお弁当生活も
おしまいになった飛田さん。
自由になる時間が増えたと同時に、
ひとりのごはんも増えたそう。
お弁当もとびきりおいしそうだったけれど、
インスタグラムで拝見する
飛田さんのひとりごはんもまた、
グッとくる。
「胃袋つかまれる味」とはこのことです。
変わったことは、ほかにもあって、
「飛田さんといえば土鍋ごはん」だったのが、
軽い鍋で炊くようになったそう。
「もちろん、仕事で土鍋を使うこともあるけれど、
ふだんはもっぱらこれ」と言って見せてくれたのは、
片手でひょいと持てそうな軽やかな鍋。
「もうね、歳を重ねるごとに
重いものがだめになってきたのよ‥‥」
と飛田さん。
デザイン優先だったかごも、
今は「軽いもの」に目がいくんですって。
ずっと使っていた自然素材のかごの
持ち手が壊れてしまった時に、
出会ったのがweeksdaysのベトナムのかご。
(パルコの展示「家のなかのこと」にも
お越しくださったそう)
「レシピを書くためのパソコンとか、メモとか、
これから控えている撮影の資料とか。
そんなものを一切合切がさっと入れて、
引き出し代わりに使ってる」
つねに4、5冊(!?)抱えているという単行本の仕事。
だから荷物もたくさんなはずですが、
「ここを探せば大丈夫」。
なんと手紙も領収書もこの中なのだとか。
さすが大容量のXLです。
「ざーっと入れられてすごく重宝。
ほら、私ってていねいさに欠ける性格だから‥‥」
とおっしゃるけれど、
いえいえけしてそんなことはありません。
「ていねいさに欠ける」のであれば、
日々の料理はもちろん、
梅仕事や味噌の仕込みなど、
手まめさが必要なことを毎年続けられるはずないもの。
1カットとか2カットとか。
カット数が少ない撮影の時には
ご自分でスタイリングもされるという飛田さん。
その時に使う布類もかごに入れて。
間口が広いから一目で見渡せて便利なのだそう。
3年くらい前に再開したのが着付けの勉強。
「自分で着られることは着られるけれど‥‥」
もう一度、ちゃんと勉強しようと思ったとか。
着付け教室の時に必要なのが、このボディ。
着物と着付けに必要な小道具を入れて、
さらにボディも入れて、車で出発。
ご家族にもびっくりされたというこの光景。
なんと大胆な‥‥
ボディを入れると、
片手で持ち手をふたつ持つことはできないけれど、
「少しの移動なら、両手で運べる」。
たしかに。
取材を進めるごとに発見する、
ベトナムのかごの新しい使い方。
私も撮影の時のボディ運びは、
このかごを使おう。
飛田さん、ありがとうございました。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 2・室口侑槻さん 男子の一人暮らしに
室口侑槻さんのプロフィール
むろぐち・ゆうき
編集者。
新卒で入社後、雑誌の編集をメインにしてきたが、
社会人2年目にして漫画関係の編集部へ異動したばかり。
雑誌が好きで、高校ではOCEANS編集部、
大学時代は& Premium編集部でアルバイト、
だんだん物語を作る仕事がしたくなり、
現在の仕事を選ぶ。
仕事中心の生活だが、
雑司ヶ谷でふるくからの友人3人と
徒歩5分圏内で“一緒に”暮らしている。
「みんな夜型の仕事なので、
深夜に帰ると誰かに出くわして、
今日会ったことを話すこともしばしばです。
来年更新なので、次は根津のあたりに
みんなで引っ越そうと画策中です」
昔から友達と過ごしているさまを
動画で撮影することが好きで、
その様子を友達しか見ていないYouTubeにアップ。
撮影してから少し置いてアップロードするので、
今は大体半年遅れくらいとのこと。
「そのときのことを思い出しながら、
1人で動画を編集している時間が一番好きです」
■室口さんのInstagram
■室口さんのYouTube
■室口さんのX
「ムロがおうちで
weeksdaysのベトナムのかご使ってたよ」
と娘。
侑槻くんの家に遊びに行った時に、
部屋に置いてあるかごを発見。
「あ!(weeksdaysの‥‥)」と言ったら、
「やっぱり分かる?」と言われたそう。
グレーのかごの中には、
ふだん使うリュックを入れて。
年齢も、
性別の垣根も超えて、
さまざまな人の暮らしに合うのが
このかごのいいところ。
侑槻くんとは、
小学生の頃からの幼馴染み。
高校からは別々だったけれど、
その頃からの仲間とは、
親も含めてなんだか親戚のような関係が続いています。
そしてなんと就職してからは、
幼馴染みの男子4人が、
同じ通りにそれぞれ一人暮らしを始めたそう。
今日も歩いて数歩のところに住む
桑畑尚朗くん(左)が遊びに来ていました。
みんなむかしと雰囲気が変わってない!
「照明とか椅子とか、
なんだかおしゃれなもの揃えてる」
と娘。
一番驚いたのは、
部屋にお花が飾ってあったことだったとか。
「友だち同士で情報交換して、
いいと思ったものを少しずつ揃えています」
と侑槻くん。
ウェグナーのYチェアに、アアルトのスツール60!?
私が想像する、
「男子の一人暮らし」とはずいぶん違う‥‥
すごいなぁ。
白のXLサイズには、
クッションを入れてソファのかたわらに。
「大きいからかさばるものを入れても大丈夫」。
使う時はここから出し、
使わない時はしまう。
ものを入れたり運んだりはもちろん、
収納としての役わりもあるのです。
家を出ればすぐに大きな神社と、
街に馴染んだ商店街。
実家からはちょっと離れた東京で、
コンパクトに暮らす24歳。
今は仕事が猛烈に忙しいようだけれど、
その合間を縫って、
少しずつ部屋を整えていくのが楽しい様子の侑槻くん。
「いいものを、少しずつ」
の中に、weeksdaysのものが仲間入りしていて、
うれしいなぁ。
ベトナムのかご、あのひとの使い方 1・片柳玲子さん 家の中でも、車での移動にも
片柳玲子さんのプロフィール
かたやなぎ・れいこ
インテリアデコレーター。
「好きなことはインテリアや
テーブルコーディネート、
ワインや料理。
私自身は完璧主義からほど遠く、
人生75点で大満足の人です。
100点を目指して目くじら立てるのなら、
75点でニコニコしていたい」
花を飾ったり、犬との生活を通じ、
生きているものが好きだと言う。
そして大好きなのが茶道のお稽古と着物。
この2つに関してはできるだけ完璧になりたいが、
「その道が遠すぎて、薄紙を1枚1枚重ねるように
真面目にお稽古しています」。
30代と40代のそれぞれ半分ずつをオランダとアメリカ、
合計10年を海外で過ごしたことが、
ライフスタイルを考えるときに大きく影響している。
大きな公園に面した片柳さんの東京のご自宅。
リビングの窓から眺める景色の
なんと気持ちいいこと!
白いテーブルクロスの上に置かれたのは、
weeksdaysのベトナムのかご。
サイズ違いの白を揃えてくださっています。
「サイトをのぞいていて、
どの色もいいなぁと思ったのですが、
最終的に白に決定!」
えらんだ時期が春から夏にかけてということもあって、
さわやかな白にしたのだそう。
この日のワンピースも白!
リビングの棚も白。
ダイニングのテーブルクロスも白。
でもシンプルというのとは一味違って、
棚板がピンクだったり、
飾る花が色とりどりだったり、
椅子の上にぬいぐるみが並んでいたりと、
ところどころチャーミングな片柳家。
「インテリアを考えるのが好き」
というその言葉にもうなづけます。
「ベトナムのかごは、
引き出し代わりにしてるんです」
と玲子さん。
借りた本や、
軽井沢の別宅に持って行くもの、
着なくなった服の一時置き場など、
ひとまずかごにそれぞれ仕分け。
「車に積んでおけば、家はすっきり」
というわけ。
とりわけ、
この夏から通い始めた軽井沢の家の行き来には、
XLサイズが大活躍しているとか。
うかがったこの日も、
weeksdaysの白いタオルが
かごの中にスタンバイされていました。
「白いけれど、汚れが目立たないのも気に入っています」
そうなんです。
白いかごを使ってくださっている方の多くが、
「思いのほか汚れない」と言ってくださる。
「汚れたら拭けばいい。
お手入れが簡単なところも気に入っています」
なんと玲子さん、お茶のお稽古にも持って行かれるとか。
大きいから、たくさん入る。
かご自体が軽いところもいいんですって。
着物にベトナムのかご(それも大きな!)
新鮮です。
この夏は、軽井沢の家で過ごすことが多くなりそう、
という玲子さん。
「野菜の直販所にも持って行こうと思ってます」
車での荷物移動に、
お買いもの。
それから、引き出し代わりにもなるのかな。
新しい暮らしに、
ベトナムのかごがお役に立てたらうれしいです。
用途はたくさん
この夏から、
漆継ぎを始めました。
今まで割れてしまった器を美しく直す自信がなくて、
漆の作家さんにお願いしていたのですが、
小さな欠けくらいだったら自分で‥‥
そう思い直したのです。
先生は漆作家でもある30年来の友人。
そう、私が今まで継ぎをお願いしていた方です。
ちゃんと直せるか。
野暮ったい仕上がりになってしまったらいやだなぁ。
そわそわした気持ちでいたのですが、
先生がていねいにおしえてくれたおかげで、
無事、初日は終了。
帰りがけ、
「道具箱と直した器を入れる箱を用意するといいですよ」
というので、家に帰っていそいそと
そのふたつを用意しました。
オーバルのシェーカーボックスと、
竹かご。
さて、かさばるこれらを入れて、
持ち運べるバッグはなんだろう?
‥‥家を見渡してみると、
あるではありませんか、
ぴったりなものが!
今週のweeksdaysは、
ベトナムのかご。
一番大きいXLサイズは、
どうやって使ったらいいの? とよく聞かれますが、
意外にも用途はたくさん。
6人の方に取材をしましたよ。
どうぞおたのしみに。
SLOANEのワンピースのいいところ、ほぼ日乗組員3人にききました
三人三様に、
「いいところ」をお伝えします
100%大活躍ワンピースになりました
田中朋子
たのしみ展のweeksdaysのお店で見かけて、
細いボーダーが大人っぽいのと、
シルエットがきれいだな、と
ひとめぼれして買いました。
いっけんどこでも買えそうでありながら
モデルさんが着ている様子が素敵で、
普通じゃないぞ? とweeksdaysセンスを感じましたし、
お値段を見てちょっとお高いなとは思ったのですが、
すぽんとかぶるだけで
コーディネートが完成するワンピースは
登場回数が多くて100%大活躍するんですよね。
結果、着るものに困ったときはコレ、
いそいでおしゃれしたいときはコレ、という
クローゼットにあるのが心強いワンピースになりました。
着てみると、とても生地にハリ感があり、
シルエットがすてきに保たれます。
ロングワンピースは風がふいたときなど、
体のラインをひろいすぎるのが気になっていましたが、
ハリ感があるので、このワンピースは大丈夫。
洗濯しても生地はハリっとしています。
それに、生地に合う、すっきりとしたシルエットが
体のラインをきれいに見せてくれるようです。
すこしシェイプされたウエストと、
裾のAラインのシルエットもきれいですし、
おどろいたのは、肘の部分にタックが入っていること。
なかなかめずらしくないですか?
おかげでハリのある生地でも肘の動きに沿いますし、
腕まくりもしやすいのです。
細やかに気を配ってつくられたワンピースなので、
着ていると、ほめてもらえることが多いのもうれしくて、
すぽんとかぶって着ただけでほめられちゃう、
100%大活躍ワンピースになりました。
たなか・ともこ(身長158cm)
経営企画、商品の進行管理担当。
ほぼ日には最初、経理で入社。
たまに、カロリーメイツなどのコンテンツに出ることも。
大学は農学部で、前職は建設業の経理。
「今の仕事とぜんぜん関係ないですね。
人生どうなるかわからないものです」
趣味は週1のヨガ。
「20年くらい続けています。
行かないと体がきもちがわるい感じで、
かといって真面目にやってないので
柔軟性は向上しません。
あとは映画が好きなので、映画館によく行きます」
あたたかい季節の旅に
葛山祐加
なめらかな生地が心地よく、
着たときのシルエットをみることもうれしい、
お気に入りの一着です。
コットンのリラックス感がありながら、
生地にハリ感があるので品もあって、
ゆるやかにひろがる裾がかわいいです。
ボーダーは、モノトーンで、幅が細いので、
生地の面積が広いワンピースに
軽やかなイメージを与えてくれるように感じて選びました。
春には、白のグルカサンダルとバッグで、
ホワイトなコーディネートにしてみました。
旅先で着用したときには、
スニーカーにトートバッグをあわせて
アクティブなイメージで。
足さばきもよくて、
たくさん街を歩きました。
はじめて着たときに、
「旅行にいいかも」と感じたとおりで、
あたたかい季節の旅には
ぴったりな一着だとおもいます。
春に活躍してくれたワンピース。
秋には、ブーツをあわせたり、
スカーフやストールをあわせたりして
着るのもよさそうです。
2枚目はグレーにしようかなと、
色違いも検討中です。
かつらやま・ゆか(身長151cm)
カスタマーリレーションズチームにて、
国内外のお客様からいただく
お問い合わせの対応をしている。
「最近のバケットリストは、
バンジージャンプ、スカイダイビング、
韓国でコンサートに行くことです!」
組み合わせを考えてワクワク
溝渕史奈
着心地がいい‥‥!
このワンピースを初めて着たとき一番にそう思いました。
柔らかくて、さらさらしていて、
素肌に張り付かず快適に着られます。
私はグレーを持っていますが、
落ち着いたカラーで、大人っぽくてお気に入りです。
グレーはスウェットなど
ゆるくリラックスした印象が個人的には強いのですが、
このワンピースは光沢感があるので、
革靴やサンダルとの相性もよく、
形もきれいなので、
着るときちんとしたイメージにしてくれます。
生活のたのしみ展ではweeksdaysの担当として
接客をしていましたが、
ご試着くださった方みなさまも
「着心地がいい~!」と驚いていらっしゃいました。
生地もしっかりとしているので
下着が透ける心配もありません。
腕周りは細く見える作りなのに、
肩周りが窮屈にならなくて楽ちんなので、
よく動き回る私にはぴったりでした!
今からの季節、日焼けとクーラーの冷えが気になる私には
袖が長めなのも嬉しいポイントです。
身長が168cmあり、
着ると足首がガッツリ見えるのですが、
靴下の色で遊んだりハイカットの靴やブーツをあわせても
かわいいだろうなあ、と
早くも秋冬へ向けて組み合わせを考えてワクワクしてます。
みぞぶち・しな(身長168cm)
受付チームとして電話来客対応や
社内の環境を整えることが担当業務。
専門学校を卒業後、関西から上京し
夢に向かって武者修行中。
いろんな経験をしたい一心で
様々なアルバイトを経験する中、ほぼ日へ。
「休日は絵を描いたり、お昼までゆっくりごろごろ
布団の上で過ごすのが最高の癒やしです。
最近はコンビニスイーツにハマり中」
TEMBEAとSLOANE あのひとの コーディネート TEMBEA 白石美久さん&青木美歩さん
白石美久さんのプロフィール
しらいし・みく
デザイナー。
TEMBEAでバッグのプリント柄のイラストと
デザインを担当。
店舗でのイベントの企画、
SNSに掲載する写真撮影などにも携わる。
東京芸術大学卒。
大学に服飾科が無く、アパレルに興味があったので
ASEEDONCLOUDでインターンを経験後
2012年、TEMBEAをつくるTORSOに入社。
趣味はドライブ・登山・旅行。
登山は一人で愛車(ジムニーの古い型)に
乗って行くことも多い。
「愛車はJA11というタイプで、カラーはベージュです」
「山では自分のペースで歩き、
じっくりと景色を味わったり、
好きなタイミングで写真を撮ったりして過ごします。
元々、風景の撮影をするのが学生時代から大好きで、
山で見る風景を撮影したくて、登山も始めました。
下山後の温泉が最高のご褒美。
付近の道の駅には必ず立ち寄って、
地域の採りたて野菜を物色します」
青木美歩さんのプロフィール
あおき・みほ
TEMBEA店舗スタッフ。
店舗やオンラインショップ、
イベントでの販売や在庫管理のほか、
SNS掲載用の写真撮影やプレス業務に携わる。
埼玉県出身、武蔵野美術大学大学院修了。
在学中は色や素材に興味がありテキスタイルを専攻し、
シルクスクリーンでの絵画制作に没頭する日々。
修了後、研究室勤務を経て2014年TORSO入社。
好きなものは映画や漫画、
最近はそこに自転車が加わったそう。
「映画や漫画は自分の価値観や概念を更新してくれたり、
誰かの人生や見たことない世界を体験できるところが
とても好きです。
オールタイムベスト映画はマッドマックス
(映画館で8回見ました!)、漫画はデビルマンです」
自転車は社内で自転車通勤者が増えたことで興味を持ち始め
バイクキャンプというものがあることを知り
行ってみたくて自転車の購入を決意。
「この夏会社のみんなと行くことができました。
体力的にめちゃくちゃきつかったですが、
綺麗な景色と走り切った後の爽快感、
その後のご飯が最高で。
すっかり面白さにはまってしまい、
次は島を走ってみたくて計画中です」
株式会社TORSOのwebsite
テンベアのinstagram
大人のレオパード柄、新鮮です
お財布とスマホ、
エコバッグと鍵。
時には小さな水筒を入れて。
必要なものが、すべて収まるほどよい大きさが自慢。
小さいように見えて、
意外にも収納力(マチのおかげもあります)があるのが、
このバッグの魅力です。
今回、持っていただくのは、
TEMBEAの白石さんと青木さん。
TEMBEAのバッグを持ち慣れているおふたりに、
コーディネートを見せてください、とお願いしました。
撮影当日、
大きなバッグをいくつも抱えて
私物を持ってきてくださいました。
事前に、ふたりで相談してくれたのかな?
控え室のラックに並んだアイテム、
少しずつ違うけれどテイストが似ている!
ふたりでいる様子がとてもかわいらしかったので、
並んでパチリ。
トレーナーはTEMBEAのオリジナル。
デニムとの相性もぴったりです。
ミニバゲットとトートの組み合わせもいいなぁ。
じつは、今回のトートに使われているレオパード柄の
バランスを整えたのが白石さん。
「普段着でも持ちやすいような
レオパード柄を作りたくて」
もともとあった柄を、
今のご自分たちの気分や雰囲気にマッチするよう、
あらためて変えたのだとか。
「weeksdaysオリジナルのカラーも、
TEMBEAのオリジナルとまた雰囲気が変わって
とても好きです。
きれいに持てるので大人の方もきっとお似合い。
BEIGE×CHARCOALはカジュアルに、
CHARCOAL×GREYISH-GREENは
シックに使えそうです」
うんうん、たしかに。
大人のレオパード柄、新鮮です。
「生活のたのしみ展」の
weeksdaysコーナーでも展開した、
こちらのアイテム、
TEMBEAの男性スタッフも
チャコールを購入してくださったとか!
「中に入れているのは、
お財布とスマホと鍵くらい。
男性だと荷物も少ないし、
ちょうどいい大きさのようです」。
その様子、ぜひ今度見せていただきたいです。
CHARCOAL×GREYISH-GREENに、
黒のオールインワンをコーディネート。
トレーナーにデニムとはまた違った印象です。
「これはちょっとよそ行きの服。
バッグを主役にしたくて
モノトーンの服を着ました。
おめかししてお出かけする時にも使えます」
と白石さん。
もうちょっとカジュアルに持つ時は、
リュックにバゲットミニを持つのがおすすめとか。
大きなものはトートやリュック、
細かいものや、すぐに取り出したいものはバゲットミニに、と
2個持ちすると重宝するとか。
バゲットミニは、バッグインバッグにも。
青木さんは上下ともに白。
「ワントーンのコーディネートが好き」という青木さん。
シャツにパンツの上下に、
レオパード柄のバッグがアクセント。
「バッグの2個持ちをする時は、
ポシェットにお財布とスマホを入れて、
バゲットミニにペットボトルを入れて」。
さらに荷物が増えそうなときは
バゲットミニの中に、
もっと大きめのバッグを
折りたたんで入れることもあるそう。
バッグの3個持ちとはさすが。
考えもつかなかったなぁ‥‥。
「ほどよい大きさで中が見渡しやすいのも
バゲットミニが好きなポイント」
そう、このほどよさ、
ぜひみんなに知ってもらいたいな。
続きまして、
SLOANEのワンピースのコーディネート。
「ボーダーのワンピースに、
コンバースを合わせました。
靴が鮮やかな色だったので、
カバンの色は控えめにしています」
バッグもキャップも、もちろんTEMBEA。
柄と柄の組み合わせも、
色を抑えるとしっくり。
それにしても、このビーバー柄、かわいい!
青木さんがえらんだのは、
ブラックのワンピース。
イエローのコンバースに、ギンガムチェックのバッグ。
ビニールコーティングの、てかっとした質感が、
全身を軽やかに見せてくれています。
ふだんからカットソー素材のワンピースを
よく着るという青木さん。
「とくに活躍するのは出張の時。
かさばらないし、しわも気になりません。
このSLOANEのワンピースは
上がフィットしていて
少しフレアになっている形がきれい。
カジュアルになりすぎず
仕事の時に活躍しそうです」
「ブーツやサンダルも合いそうだし、
ソックス+サンダルでもいいかな」
身長が153センチと小柄なふたりが、
気に入ってくれたのが丈感。
「ちょうどくるぶしのところに裾がくるので、
ローカットでも靴下が見える感じが
とてもよかったです」
控え室で、キャッキャ言いながら、
コーディネートを考えてくださった白石さんと青木さん。
会社の雰囲気って、
こういうちょっとしたところに出るんだよなぁ‥‥と
頬を緩ませた私でした。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
8月24日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
LIVRER YOKOHAMA
洗濯用洗剤 シルク&ウール 600ml
洗濯ブラザーズの
「シルク&ウール」を初めて試した時は、
本当にびっくりしました。
エッセイにも書いたように、
私の「洗濯革命」と断言できる、
洗い上がりの美しさ、そしてしなやかさ。
家でこの仕上がりになるなんてとうれしくて、
去年の衣替えの衣類はほぼすべてを
自分で洗濯をしたほどです。
思わず、友人知人に「使ってみて!」
と連絡をしたところ、
みんなが「すごい‥‥」と絶賛。
洗濯って、どことなく
家事の片手間という感じでしたが、
洗濯する時間が楽しい時間へと変化したのは、
なによりの収穫でした。
weeksdaysオリジナルは、
沈丁花とすずらんの2つの香り。
さりげなく、そしてほのかに漂ってくる春の香りは、
洗濯している人へのご褒美。
洗い上がった服は、前より一層愛着が湧く。
服が好き、おしゃれが大好きという方に、
ぜひ使っていただきたいなぁと思います。
(伊藤まさこさん)
SLOANEとTEMBEA あのひとの コーディネート SLOANE 川原裕子さん
川原裕子さんのプロフィール
かわはら・ゆうこ
ドゥロワーでバイヤーをしたのち、フリーランスとなり、
アパレルの企画やブランド立上げ、
アドバイザーなどをお手伝いする。
現在はSLOANEのレディースモデル
(ニットとカットソー)のディレクションを担当。
「出産を機に鎌倉へ移住。
都会から離れスローライフを楽しんでいます」
SLOANEプレスの森内敏子さんとは、
ドゥロワー時代の同僚でもある。
デイリーに使いやすいけれど、
大人が似合う。そんなワンピースです
SLOANEの川原さんは、
何を隠そう、このワンピースの生みの親!
だからか、本当によくお似合い。
すっかりご自分のものにされている印象です。
「一枚でさらっと着られて、
かつ佇まいがきれいな
カットソーのワンピースが欲しいなと思って」
と川原さん。
「パッと見はふつうに見えるけれど、
少しだけウェストのくびれの位置をあげたり、
足捌きをよくしたり」
便利に着られるカットソーものって
時にシルエットがだぼっとしてしまいがち。
でもそうならないために、
サイズ感やシルエットなどを工夫したのだとか。
「首まわりも開きすぎず、窮屈すぎず」
なるほど。
考えられたすえの「ほどよさ」だったのですね。
「デイリーに使いやすいけれど、
大人が似合う。そんなワンピースにしました」
「私はアイボリーを持っているのですが、
今回着たグレーもいいなぁ。
ポケットもついていて、重宝しそうです」
そうなのです。
weeksdaysオリジナルはポケットつき。
ちょっと何かを入れたい時に、
この両側についたポケットがすごく便利。
「パールのネックレスも似合いそうですね」
とは、以前、weeksdaysにも登場いただいた
森内さんからの感想。
たしかに!
それとは逆に海の近くに住んでいる川原さんは、
サンダルと麦わら帽子とか、
スニーカーとキャップなど、
カジュアルダウンして着たいそう。
ひとつのワンピースでも、いろんな着こなしが‥‥。
「ちょっと暑い時は、袖をたくしあげて手首を見せたり、
秋冬はニットやブーツと合わせたり。
真夏以外、着られるところもいい」
スカーフやアクセサリーの小物使いも参考になります。
ワンピースに合わせて、
TEMBEAのバッグを持っていただきました。
肩がけにしたり、ぶらさげたり。
「基本的に小さなバッグが好き」
という川原さん。
マチのあるバケツ型のこんなタイプは、
日常的に持っているとか。
「見た目は小ぶりですが、意外と容量がある。
仕事に行く時にも使えそうです」
グレーのワンピースとの相性もばっちり!
今度は海辺の様子も取材させてくださいね。
SLOANEのワンピースとTEMBEAのバッグ
1マイルの内側で
家でくつろぐための服。
仕事に出かける時の服。
ちょっとおしゃれして食事に出かける時の服。
大まかに分けると、
私のワードローブはこんな感じ。
比率としては、2:4:3という感じかな。
‥‥と思ったところで、
あれ、ではあと1は?
そうそう忘れちゃいけない!
それは「1(ワン)マイルウェア」なのでした。
1マイル=1.6キロ。
つまり、家から半径1マイル以内に着たい服。
散歩に出かけたり、
買いものに行ったり。
家でリラックスしている時とはまた違って、
ちょっとだけ、だれかに見られることを意識したスタイル。
今週のweeksdaysは、
SLOANEのワンピースと、
TEMBEAの小さなバッグ。
「生活のたのしみ展」の
weeksdaysコーナーでも展開した
ふたつのアイテムを紹介します。
リラックスと、お出かけのちょうど中間くらい。
これからの季節にぴったりな2つのアイテムを紹介します。
知識だけじゃだめなんです
- 伊藤
- 中原さんは「お店探し上手」でもありますね。
「じゃあ、ご飯食べに行きましょう」というときの
お店のセレクトが最高なんです。
だから負けじと
「次は、じゃあ、わたしが!」みたいになって。
- 中原
- (笑)お互いに掘り起こして。
- 伊藤
- 今流行りの店
(もちろん網羅しているとは思うんですが)ではなく、
老舗の鉄板焼き屋さんに行って、
そのあと90代の店主がカクテルを作る
感じのいい古いバーに寄るとか。
「おいしい」はもちろんなんだけれど、
おしゃれすぎないところをえらんでくれる。
- 中原
- そうかもしれないですね。
まさこさんも「お店探し上手」ですよ。
- 伊藤
- 昭和初期に作られた下町の鶏すき焼き屋さんに行って、
これまた老舗のホテルのバーで飲むとか?
- 中原
- そうでしたね。
お寿司屋さんにも連れて行ってもらいましたよ。
- 伊藤
- ああ、人形町の江戸前の!
その後、あんみつ屋に行きましたね。
- 中原
- 楽しかったです。
海外のお客さまも多いので、僕も普段から、
誰にどこをすすめるかっていうことを、
人に合わせて考えています。
鹿児島に来る人もそうです。
それを考えるのがすごく好きなんです。
- 伊藤
- 食べ物屋さんでも、雑貨屋さんでも、
繁盛しているお店っていいですよね。
みんな喜ぶし、魅力的だし。
それにしても中原さんの直感は、すごい。
- 中原
- そういえば、こんな話がありました。
真冬に韓国で食材の市場に行ったんです。
ご飯を食べたいと思ったらご飯屋が見つからなくて、
トイレに寄ろうかと地下に降りたら、
食堂が全部地下にあることに気がついて。
その中に1つだけオーラを発してるお兄ちゃんがいて、
「ここ、絶対おいしい」と思い、
入って食べたカルグクスのおいしかったこと!
そこがお気に入りになりすぎて、
韓国に行くたびにそこに行っていたんですね。
それで、この間、崔 智恩(チェ・ジウン)さんっていう
有名な料理家でコーディネーターの女性に
「韓国一おいしいカルグクス屋に連れて行く」と言われ、
一緒に出かけたら、その店だったんですよ!
それで、自分もうれしくなって。
- 伊藤
- へえ~!! 「オーラ」っていうのは具体的には?
- 中原
- そのお兄ちゃんの生き生きとした働き方と、
清潔さ、みたいなことかな。
- 伊藤
- すごい! 崔さんというのは、素晴らしいセンスの方で、
25年くらい前に料理をスタイリングしたことがあります。
それ以来お会いしていないのだけれど、
雑誌を見るとわかるんですよ、
「あ、これ、崔さんがコーディネートしてる」って。
じゃあ韓国では崔さんにすべて?
- 中原
- いえ、韓国はけっこう裾野が広かったので、
崔さんを含む3人にお願いしたんです。
カジュアルなものだったらあの人、
工芸とお茶に関しては崔さん、みたいに。
- 伊藤
- きっとその3人から、
また、さらに拡がるんでしょうね。
- 中原
- 違う感じで分かれていくといいですね。
- 伊藤
- コーディネーターの皆さんにとっても、
自分の紹介したものが、
世界のいろいろな他のものといっしょに
ここに並ぶなんて、
すごくうれしいと思います。
- 中原
- そうですね。喜んでくれていると思いますよ。
- 伊藤
- さて‥‥中原さん、今日はたくさんのお話を
ありがとうございました。
みんなから訊いてみたいことはありますか。
- ──
- はい。おふたりが「お店上手」を
目指したいっておっしゃっていましたが、
中原さんはチームのいわゆる部下や後輩にも、
「お店上手」になるために
教えることってあるんですか。
- 中原
- それってけっこうむずかしいんですけど、
まずは生活上手じゃないと、いかんと思うんですよ。
- 伊藤
- そっか。だって、生活のものを売ってるのだから。
- 中原
- そう。自分が勧めたいっていうモノは、
商品知識だけを頭に入れて、
「これは誰々のデザイナーで、何年で、なんて素材です」
っていうのじゃ伝わらないじゃないですか。
それはもうウェブの解説でいい。
対面では、その人が実感していることを
それをどうやって伝えるか、です。
「weeksdays」のようなウェブだけのお店でも
大変なことだと思うんですけど、
人と会う現場だと、
1回しゃべっただけじゃなく、
別のひとにまた言わなくちゃいけない。
でも、人に応じて言い方も変えなきゃいけない。
それがおもしろくもあり、
むずかしいところでもあるんです。
下手すると、10人続けて、
同じモノの説明をすることになるかもしれない。
それを、さも今初めて紹介するように言うわけだから、
すごく大変だと思うんです。
だから「生活上手じゃないと」って言うわけです。
相手に合わせて実感のある説明をする。
- 伊藤
- そっか。生活上手。
中原さん、前に
近所の魚屋さんにタッパー持参で
買いものに行くっておっしゃっていましたよね。
あ、この人、お店探し上手だけではなくって、
自分でちゃんと生活している人なんだなって思いました。
- 中原
- (笑)魚屋のおじちゃんに、
「アジのたたき、お願いします」
とか言って預けておくんです。
会社を出る頃、考えるんですよ、
「たぶん、いま、たたいてくれてるな」って。
そういうことが楽しいんです。
- 伊藤
- お家に帰ったら、自分で盛りつけるんですよね。
きっとコーディネートもしてるはず。
中原さんのような「生活上手」になるためには、
どうしたらいいですか。
- 中原
- やっぱり、一番は
「してもらう」経験だと思います。
自分が動いてれば、
何かしつらいをしてもらうようなシチュエーションに
招かれるようなことが起きるじゃないですか。
おもてなしをされるようなね。
そして、そこで「してもらった」ことは、
「次は自分がしてあげる側になりたい」と思うことが、
お店をやる人には重要だと思うんです。
知識や経験を新しい発想に転換して、
オープンに提供していく、
そういうことが現場で問われますから。
- 伊藤
- うんうんうん。ほんとうにそうですね。
中原さん、あらためて今日はありがとうございました。
わたしたちもいつか一緒に仕事ができるといいですね。
「weeksdays」もがんばります。
- 中原
- そうですね。しましょう。
ぜひ、おもしろいことを!
隙間をつくることと、人を見ること
- 中原
- 陶芸などの人気作家のかたで、
数年先までスケジュールが埋まっている、
ということがありますよね。
でもこちらとしては、いついつ展覧会をしてほしい、
それはぜひあの人に、と思いつくことがある。
あんな人気作家に、それを受けてくださるような
時間の隙間はないだろうなっていうのは、
こっちもわかってはいるんですけど、
いやこれはあの人しかいない、
やっぱり頼んでみよう、となったとき、
こっちが言っている重要性を
ちゃんとわかってくれる作家さんって、
いいなって思うんです。
でも、依頼内容と関係なく、
「あ、もう5年埋まってます」みたいな言い方をする
作家さんもいるんですよ。
そうすると思うんです、この人って、
すごくいいチャンスが来たときに、
それを失ってるかもしれないって。
その5年間の間に、ここぞという仕事が来たときに、
スケジュールを空けることができる気持ちがあるかどうか。
自分の仕事もそうありたいなと思うんです。
5年先までの予定があるっていうのは、
すごいことだけれど、ぜんぶが決まっていて、
ずっと反復しているわけですよね。
- 伊藤
- 5年の間に、自分が変化するかもしれないのに。
- 中原
- そうなんです。
その間に、うまく自分を外に出してくれる、
あたらしい自分になるような変化を
与えるような依頼を貰ったとき、
それが受け取れないっていうのは
もったいないなと思うんです。
- 伊藤
- ほんと、そのとおりです。
- 中原
- いい作家さんって、
いざっていうときのために
少し時間を空けているんですよね。
- 伊藤
- わかります。わたしも仕事のスケジュールは
ぎゅうぎゅうにしないようにしているんですが、
その理由は、突然入ってきた縁があったとき、
力を入れてそこに行けるくらいの
自分の余裕を持っておきたいからなんです。
逆に「2時間だけなんです、なんとか」
と言われたりするのは、
仕事の質を落とす結果につながるかもしれないので
お断りすることが多いのですけれど。
気持ちの余裕って、つねに3割くらいは欲しいですよね。
中原さんはうんと先のことは
あんまり考えていないとおっしゃるけれど、
このお店のことでは、いろいろこれからやりたいこと、
おありなんじゃないですか。
- 中原
- そうですね、いろいろとありますね。
直近のことでいえば、
一昨日まで韓国で2回目の買い付けで行っていたんですが、
1回目とはまた違う見え方をしてきて、
いい出会いもあったので、
早くそれを紹介したいなって思います。
- 伊藤
- じゃあ、今まで行ってた韓国とはまた違う視点が?
- 中原
- はい、違う視点で見はじめていますね。
ひとりでもいい人と知り合うと、また次が見えてきて、
次にまたその次が見えてきてってなるので、
おもしろいなあと思って。
どんどんそうしたいなと思います。
先のことで言えば、
まだ行っていない国も開拓しなきゃいけないし。
- 伊藤
- ひとりの作家さんと知り合うと、
そのかたの仲間につながったりしますよね。
- 中原
- そう、つながってくるんですよ。どんどん。
それがまたおもしろくて。
韓国では時間が足りなかったです。もてなされすぎて。
- 伊藤
- みなさん、嬉しいんですよ。
- 中原
- 逆に言うと、自分もそういうことをしてる方ですけれど。
- 伊藤
- そうですよ、中原さんって、
惜しみなくいろんなことを教えてくれるんです。
わたしもいろいろ相談をしたことがありますが、
すぐに「こういう人がいて、あんな所もあって」と。
その惜しみなさが、次のいいことへと
連鎖していくような気がするんです。
- 中原
- そうかもしれないですね。
でも、教えたことを覚えていないんですけど(笑)。
- 伊藤
- そうなんですか!
もう(笑)。
- ──
- 海外に買い付けに行かれるとき、
案内してもらう最初の人って、
すごく大事だと思うんですが、
それも、出会いがあったんですか。
- 中原
- 買い付けのための出会いではなく、
たとえばタイの場合なら、日本で会った若い女の子がいて、
彼女が何者なのかわからなかったんだけれど、
すごく感覚がよかったんですよ。キャラクターもいい。
だから「いつか仕事してみたいな」って
ずっと思ってたんです。
それで、タイに行くってなった瞬間に、
絶対にその子がいいなと思って。
- 伊藤
- その女性は、何者だったんですか。
- 中原
- 当時は何をやってたんだろうな、
日本で働いていて、日本語も上手だったんですよ。
で、とにかくセンスがいい。
その子に連絡したら、
「やったことないけど、やります」って返事が来た。
- 伊藤
- なるほど。現地コーディネート、
ましてや家具や生活雑貨の
専門家ではなかったんですね。
- 中原
- そういう人じゃないんです。
でも、そういう人って、いいことを導き出すんです。
行った先でおもしろい出会いがあったり、
今まで口説いてだめだった所がOKをくれたり。
- ──
- 伊藤さんもネットワークというか、
お知り合いが多いですよね、
「あそこに行くならこの人と」って。
- 伊藤
- ありますね。
そしてたしかに、みんなが専門家というわけではない。
でも絶対にいいことがあるんですよ。
- 中原
- 僕もそればっかりです(笑)。
- 伊藤
- 以前、地方で陶芸家の友達と入った蕎麦屋の
店員さんの女の子が超テキパキしてて、
その友人が「あの子に仕事を手伝ってもらいたい」
って言ったんですが。
そういう気持ち、わかりますよね。
ちょっと接するだけでも、なんとなく。
- 中原
- そうですよね。
僕も、お店に行くと、人を見ますよ。
「あ、この子、こういう気持ちにさせてくれた」とか。
とくにスタッフは、よく見ちゃいます。
- 伊藤
- レストランなら、スタッフとシェフの関わりを見ちゃう。
「緊張感が漂いつつも、ちゃんと楽しそうに仕事してるな」
とか。逆に萎縮してるスタッフを見ると、
だんだん料理もまずくなってきちゃうんです。
- 中原
- そうそう。こっちが気を遣ってね。
- 伊藤
- うんうん、「人を見る」、大事ですね。
「お店上手」っていうことばが響きました。
- 中原
- 銀座の空也最中とか、
1種類の看板商品があって続いているお店も
すごいなと思いますよね。
- ──
- 原宿の瑞穂も大福だけと言えるくらいですよね。
- 伊藤
- 銀座のかりんとう屋のたちばなも、かりんとうだけ。
そんなふうに手を広げすぎず、絞ってるからこそ、
いいのかもしれないって思います。
- 中原
- ブレないってことですよね。
そういうお店は「あそこに行きたい」って思います。
逆になんでもあるようなお店って、
選択肢から外れやすくなる。
- 伊藤
- わたしたち、そうじゃないお店に行きたいんですよね。
- 中原
- 飲食店でも、いますもんね、「お店上手」だなと思う人。
料理がおいしいからという以上に、
行きたくなるお店ってあるんです。
仲間をつくる、チームで進む
- 伊藤
- 仕事で一緒に組む人を選ぶとき、
「ピンとくる」ものですか。
その人が作ったものを見たりとか、
ちょっと話したりとか、そういうことで?
- 中原
- まさしくそうです。
それが「お店上手」に近づくことかなと思います。
だからぼくは自分では手を動かさないっていうか‥‥。
デザイナーとして優れた人のなかには、
全部自分でできる人がいますよね。
それってすごいなと思うんですよ。
でも、僕は、それができない。
自分でやったものが全部だめだなと
思っちゃうタイプだから(笑)。
- 伊藤
- ええーっ。
- 中原
- こういうふうにいろいろと人に任せながら、
そのときの変化を楽しむほうがいいんです。
もちろん「違うかな?」というときもあるので、
ちゃんと注意深く見極めながら、
みんなである方向性に持っていくのが、
お店づくりのおもしろさだと思います。
当初と違う結果のときもありますけど、
それもそれで楽しいです。
- 伊藤
- 任せた以上、当初と違うということは
あるでしょうね。
でもそれが思い掛けない、
いい結果だと嬉しいですよね。
- 中原
- そうなんです。
- 伊藤
- この地下のスペースは、
ギャラリーとしても使われると聞きました。
それで、最初の展覧会が伊藤環さん。
環さんにお願いしたのは、どんな経緯があったんですか。
- 中原
- 彼の器の作り方がすごく好きだということと、
テレンス・コンランがよく言うテーマと
合っていそうだなと思ったんです。
それはプレーンでシンプルでユースフル
(PLAIN SIMPLE USEFUL)っていう言葉です。
環さんとは仕事をしたことがなかったんですけど、
対話をして、それプラス「想い」みたいなことを
テーマにしたいって言ったら、
ほんとうにお忙しい中、引き受けてくださって、
このつくばいもつくってくれました。
- 伊藤
- この、芍薬が飾ってある、つくばい。
いいですね。
ギャラリーとしても、これから、とても楽しみです。
- 中原
- ありがとうございます。
基本的にはギャラリーですが、
何にでも使えるように
オープンスペースにしてます。
- 伊藤
- それではまた1階に戻って‥‥、
小さい頃の話から、初めてイギリスに行く21歳までの
中原さんの青春期のお話も聞きたいです。
なにかきっかけがないと、
いまの「中原慎一郎さん」にならないと思うんですよ。
- 中原
- 青春期か(笑)。
大学の頃から家具屋で働いたことが
一番大きなことだと思います。
- 伊藤
- 鹿児島で?
- 中原
- はい。「GRAYS(グレイス)」
っていう家具屋があって、
イギリスのアンティークを扱っていました。
後からコーヒーショップもできて、
いまはフラワーショップもやっているのかな。
そこの女性オーナーが、
僕をロンドンに連れていってくれて、
コンランショップを教えてくれました。
いろんないいものを教えてくれた人で、
その人のおかげで、僕もインテリアに興味を持ったんです。
それがはじまりですね。
- 伊藤
- そうなんだ。鹿児島で大学を出て、
すぐ東京に?
- 中原
- はい。大学を出て上京して、
モダンデザインの家具屋で働き始めました。
アメリカに行ってモダンデザインの家具を仕入れて
東京で売るんです。
そうこうしているうちに、その次の段階は、
自分で作りたくなっちゃった。それで、
自分の会社(ランドスケーププロダクツ)を立ち上げて、
オリジナルの家具といろんなものをセレクトするという、
そういう方向に変わっていきました。
- 伊藤
- そういうことだったんですね。
- 中原
- はい。でも、結局、
僕に影響を与え続けていたもののひとつとして、
コンランショップが、ずっと、あったように思います。
僕に限らす、テレンス・コンランの影響って、
この世代、あるいはもっと上の人たちも、
みんな受けていると思うんです。
いまや、いわゆるライフスタイルショップが
世の中にいっぱいあるんですけど、
たぶん一番最初の人じゃないのかな。
- 伊藤
- うん、うん。
- 中原
- 日本にも、おそろしい数の
ライフスタイルショップができたわけですけれど、
そういうお店のオーナーに聞くと、
みんな影響を受けたって言うんです。
どのお店も、最初はざっくりとした
ライフスタイルの提案だったのが細分化していって、
たとえば民藝の方に行ったりとかして、
今の人たちのお店はすごく細かくわかれていますよね。
それくらい根付いたんだって思うと、
そのはじまりであるテレンス・コンランの動きって
すごいことだなと思います。
昔で言うと、アーツ・アンド・クラフツ運動が
イギリスで始まって、それが日本で民藝運動になる、
みたいなことと一緒ですよね。
自分のやっていることも、
その流れの中のひとつなんだと思います。
- 伊藤
- そうだったんですね。
今が一番働いてるとき、とおっしゃっていましたが、
「10年後こうなってたい」ということはありますか?
- 中原
- いや、特には。
あんまり先のことは本当に考えていないんです。
チームの仕事にずっと従事しているから、
そこは変わらないかなとは思いますけれど。
歳をとって、自分が離れたとしても、
いろんな所を見守るということに
なると思います。まさこさんは?
- 伊藤
- たとえば「weeksdays」では
全てのスタイリングをしているわけなんですが、
本気で「ほぼ日」のみんなに言うんです、
「スタイリング、みんなもできるよ」って。
でも、みんなの意見はちがうので、結局全部やっちゃう。
けれども、これからどうやって人に任せて、
かつ、みんなが伸び伸び楽しく、
しかも出来上がったものがよく見えるように
つくることができるだろう、って考えます。
- 中原
- そうですよね。人に委ねるのって、
ちょっとの変化を掴んであげないと、
なかなかむずかしいんですよ。
心情の変化とか、行動の変化も見つけて、
いい方向に行っていると気づいたら
少しずつでも褒めてあげる。
もちろん、だめなことも絶対に言う(笑)。
- 伊藤
- メモメモ。そっか。そうですね。
勉強になります。
- 中原
- 自分ができないから、わかるんですよ。
- 伊藤
- そういった「見守る」とか
「人に任せる」ことができるのは、
社長になる人の才覚なのかもしれないって思います。
やっぱり中原さんって、
ピンと来るものとそうじゃないものが、
スッスッて分けられる人だと思う。
人もモノも。
- 中原
- なるほどね。
でも、やたらめったらいろんな話が来るというよりは、
ちゃんとみんな考えてから
僕に仕事の話をしてくださるんです。
ひょっとして自分がバリヤーを
張っているのかもしれませんが、
連絡が来る人って、それなりの想いがあって来てくれる。
- 伊藤
- あ、わたしもそれはあります。
とくに最近は「ええっ? これをわたしに?」
と驚くような依頼はなくなりました。
- ──
- おふたりに共通していると思ったのは、
自分から声掛けをするときに、
この人か、それともこの人か、ではなく、
この人がいい、というふうに、
最初から迷いがないことじゃないでしょうか。
「候補が3人いるんだけど、どうしよう」はないですよね。
- 中原
- ああ、そうですね。
- 伊藤
- たしかに、そういうことはない。
- ──
- 伊藤さん、企画ミーティングで、
テーマが先にあって対談相手を選ぶというとき、
「この方がだめだったら、次の方っていうのは、なし」
とおっしゃる。
その人がだめだったら、企画そのものを考え直します。
「その人ありきの企画だったんだから、
別のことを考えよう」って。
- 伊藤
- そうですね。それは、今まで、
そういうふうにしてくれていた編集の人から学びました。
受ける立場からすると、
わたしができないから別の人にお願いするのではなく、
「企画を練り直しますね」と
その人は言ったんです。それでわたしも
「こういう仕事の仕方がいいな」と思ったんですよ。
この人は信頼できるなって。
テレンス・コンランの炯眼
- 中原
- 「人が集まる場所をつくりたい」というのは、
お店を始めた理由でもあったし、
いまの仕事に就いたのも、
やはりそういう場所をつくるのが好きだった
テレンス・コンランにならって、
自分もそうありたいと思っているからなんです。
カッコいいセレクトをすることじゃなくて、
「お店が上手でありたい」って、
単純に思ってるだけなんです、僕は。
- 伊藤
- へえーっ。
「お店が上手でありたい」。
- 中原
- こういうことが得意な人、たまにいるんですけど、
テクニックじゃないんですよ。
- 伊藤
- え、テレンス・コンランは、
どんなふうに「お店上手」だったんですか。
- 中原
- 人を喜ばせたいっていう気持ちの人だったと思うんですよ。
デザイナーの勉強をしながら、
フランスの食に感銘をうけて、
「イギリスの食をおいしくしたい」と始めたのが
コンランショップだったといいます。
「もてなしたい」とか「喜ばせたい」っていうのが
彼の原動力っていうか。
彼はレストランの本を出してるんですけど、
最初の数ページは、いかにレストラン経営に
リスクがあるかを書いているんです。
- 伊藤
- そうなんですね。
- 中原
- 「レストラン経営は大変だ。
でも、それでもやっぱり喜ばせたいっていう
気持ちがあるかどうかでこの商売は決まるんだよ」って。
本当にそうだと思うんです。
- 伊藤
- ロンドンでテレンス・コンランのつくったレストランに
行ったことがありますが、
とても居心地が良かったですよ。
- 中原
- 僕も、21歳だったかな、
生まれて初めて行った海外がロンドンだったんですけど、
そのとき連れてってもらって、最初に入ったお店が
ミシュランビルのコンランショップ(*)でした。
そうしたら中にオイスターバーがあったり、
花屋があったりして、家具屋って聞いてたのになんだろう?
みたいな感じ。それがコンランショップと僕の
最初の出会いだったんです。(*)ロンドンのチェルシー地区、アールヌーヴォー様式の
建物に入っているコンランショップの旗艦店 。
1987年に創業地のフルハムロードから現在は、移転準備中。
- 伊藤
- 今となっては、洋服屋さんにカフェが併設されていたり、
花屋さんをやったりすることが
当たり前のようになっていますけれど、
その先駆けだったんですよね。
- 中原
- テレンス・コンランって、
野菜を食べるにはレモンと塩と
オリーブオイルだけでいい、みたいなことを
初めてイギリスで実践したり、
オープンキッチンを初めてつくったり、
そういう食文化を導き出した人でもあるんです。
- 伊藤
- 店内のディスプレイもきれいでした。
アーティチョークがガラスの瓶に入っているとか。
- 中原
- そう、花じゃなく野菜を飾るって、すごいですよね。
そういうことがすごいんですよ。
- 伊藤
- 重なったお皿にフルーツがボンッ、
みたいに置いてあったりとか、新鮮でした。
- 中原
- 何が美しいかをよくわかっていたと思うんです。
そういうふうに自分もありたいなと思いました。
自分もそっち側に居続けるためには、
マネをするんじゃなくて、
どうありたいかっていうこと、
彼が持っているマインドを、僕らがどう考えて、
今の時代に則した方法でお店にするかを
一度、きちんと考えなければいけません。
実は、アジアって、彼の哲学に近しいはずだし。
そういうことがきれいにできるはずなのに、
今までやりきれてないっていうのは問題があるなと。
それがこのお店の始まりなんです。
- 伊藤
- そういうことだったんですね。
- 中原
- まだまだやりたいことはありますけれど、
その間にもちゃんと後陣を育て上げなくちゃって思います。
僕らの世代、年齢的に、これからずっとは
働けないじゃないですか。
- 伊藤
- うんうん、うんうん。
- 中原
- ずっと現場で立ちっぱなしはつらいでしょう。
腰痛ベルトを巻いて無理をするわけにもいかないし。
- 伊藤
- 年齢的な問題ってありますよね。
わたしも、イベントで接客をすると、
その接客した時間と同じ時間だけ
倒れるように眠ってしまう。
- 中原
- それでもまさこさんはやるから偉いなあ。
- 伊藤
- 仕事の仕方をこれからどうしていこうかなって、
すごく考えているんです。
- 中原
- ですよね。
- 伊藤
- そうしたら、阿川佐和子さんにお会いする機会があって、
「大丈夫よ。伊藤さん、50歳は一番私も辛かったわ。
60歳になったら元気になるから大丈夫」。
- 中原
- その10年間にうまく整理できるのかもしれないですね。
やることやらないことが取捨選択が
できるようになるんじゃないかな。
- 伊藤
- 中原さんはいま52歳、わたしと1つ違い。
でも、今、こうして、
大きいことがどんどん進んでいる。
- 中原
- いま、一番働いてますから、人生で。
- 伊藤
- ランドスケーププロダクツも
社長業だったでしょう?
- 中原
- 自分の会社の方が、ズルしてたと思います。
- 伊藤
- ズルはしてないと思うけどなぁ。ふふふ。
- 中原
- 自分の会社と今が違うのは、
僕にはとにかく経営者としての
経験が少ないということです。
だから接点づくりのためにみんなと一緒にいて、
とにかく時間を一緒に過ごしています。
前は、自分の会社でみんな一緒に育ってるから、
お互い、なんとなく、わかっていたんですよ。
- 伊藤
- なるほど。そうでしたか。
‥‥ちょっと場所をかえて、
地下のフロアを拝見してもいいですか?
- 中原
- ぜひ! 一緒に行きましょう。
- 伊藤
- (地下に降りて)
わぁ、この空間もいいですね。
聴景居(ちょうけいきょ)‥‥?
ここが、夜も営業しようという場所ですか。
- 中原
- はい、バーになる予定です。
今は、昼間だけ営業しているんですけれど。
もともとここは、和食屋さんのとき、茶室だったんですよ。
地下まで借りることになったとき、
それを生かせないかと思って、
櫻井焙茶研究所の櫻井真也さんに相談したんです。
そうしたら「すごくいいんですけど、
そのままでは使えないです」ということだったので、
作り直そう、と。それで櫻井さんと一緒に
このスペースの運営をすることになりました。
ちょうどこの店がアジアをテーマにするので、
お茶をテーマにしました。
アジアって、それぞれの国で、
お茶のもてなし方がおもしろいでしょう?
テーマは、アジアとヨーロッパを繋ぐ
シルクロード的な「お茶の伝搬」。
陸路と航路で、お茶の伝わり方が違うんですよ。
陸路が「チャ」、航路が「テ」、
それをそれぞれ櫻井さんにコース立てしてもらいました。
トルコは、砂の上で沸騰させるタイプで、
チャイを作るから、それを再現しよう、とか。
それプラスお酒っていうのが、
この茶室のようなバーの中身です。
- 伊藤
- きっと櫻井さんにとっても、
新たな試みでしょうね。
中原さんの周りの人たちは、
中原さんに巻き込まれるのを
楽しんでいるんじゃないかな。
- 中原
- そうだといいんですけど。
- 伊藤
- そうですよ、嫌だったらやらないですもの。
中原さんって、この人のために一肌脱ごうっていう
気にさせるんだと思いますよ。
- 中原
- それこそ、テレンス・コンランが、誰に何をお願いするかを
すごく大切にしてた人なんですよね。
誰にお願いしたら景色が変わるか、
誰にお願いしたら自分が思う風景を作ってくれるか。
自分もほんとうにそう思うので、
仕事で組む人選って、とても大事だなと思っています。
小さな視点が、大きな視野へ
- 伊藤
- いままでのコンランショップと、
ほかに、変えたところはありますか?
- 中原
- 自分たちでちゃんとバイイングすることが第一ですね。
そしてディスプレイの準備。
今までは店舗ごとにVMDという職種の人が
派遣されてきていたんです。
- 伊藤
- え、それは社内の人じゃなくて?
- 中原
- 社内の人なんですけど、お店の人ではなく、
本部にそういう部署があるんですね。
でも、お店にいる人もできるようにと思って。
ちょっと花を生けるのもそうだし、
模様替えするのもそうだし、
並べ方も、ただ言われた通りに並べるんじゃなく、
「このほうがいいんじゃないか」と
常に店の中で考えてほしいんです。
自分たちで美意識をもって
それぞれの店舗を運営したい。
まだぜんぜん納得していませんけれど。
「誰々が来たときのもてなし」というような
個別の対応だってちゃんとできるようになったほうがいい。
- 伊藤
- なるほど。
- 中原
- 今も、大きくは、本部の人たちが見てくれるんです。
でも、ちょっとしたところを、
おかしいなと思ったら自分で変えられる力を
みんなに持ってほしいなと思っているんです。
- 伊藤
- 奈良の「くるみの木」のオーナーの
石村由起子さんのことを思い出しました。
以前、宿泊施設をなさっていたんですが、
お話をしていると、
「ああ、そうね、そうやね」と言いながらも、
いつも手を動かして、インテリアを調えているんです。
- 中原
- たしかに、石村さん、いつも動いてますよね。
わかります。そういうことが重要なんです。
- 伊藤
- 気になるんだと思います。
「こことここのラインが合ってない」とか。
お店ではありませんが、私もいつも
自宅でなにかしら手を動かしています。
カーテンをちょっとこうしよう、とか。
- 中原
- ですよね。普段、家でも、
たとえばスリッパをどう片づけたらいいかとか、
考えるものですよね。
ところが販売してる人の視点からは、
そういうことが抜け落ちちゃうんですよ。
スリッパをどういうものに入れていたら
自分も気持ちよく出せるかな、とか、
お客さんの前で出すときに、
見ていて気持ちがいいだろうか、とか。
そういった生活上の自分の工夫、しつらい、
そういうことをもうちょっと出していこうと。
タイでこんなことがありました。
「あ、これ、もう絶対、スリッパ入れにいいな」
って思うものがあって、買い付けようかと、
そういう視点で僕が発言すると、
みんながハッとする。
そういう視点を養ってもらうアドバイスを
いま、繰り返している感じです。
- 伊藤
- そのスリッパ入れ、興味があります。
籠ですか?
- 中原
- 籠です。でも一瞬で完売しちゃいましたから、
また入荷しようと思ってます。
そして次は、「じゃあ、中に入れるスリッパは
どういうものがいいんだろう?」となるじゃないですか。
そういうことがバイイングって大事なんですよ。
- 伊藤
- それは日常生活でもそうですよね。
たとえば、この器が好きだなって思うと、
それをメインにしたら、グラスはこれ、お箸はこれ、
そういうふうに拡がっていく。
やがて、この質感が自分に合ってるんだなとか、
そういうことがわかるようになる。
ひいては、その器の先に見える景色を考えるようになる。
- 中原
- まさしく、そうですね。
- 伊藤
- テーブル、床、壁、窓、カーテン、
もう家全体に‥‥。
- 中原
- つながっていく、
膨らんでいく。
- 伊藤
- 小っちゃいところから始まって、どんどん拡がって、
やがてすごく素敵な、
自分にとって気持ちのいい場所ができていく。
- 中原
- 居心地、ってことですよね。
- 伊藤
- モノを選ぶということだけじゃなく、
片付けや掃除もプラスして、
全部が気持ちのいい空間をつくりたいって思うんです。
- 中原
- クイックに済ませたいことと、
時間をかけて楽しみたいことが、
生活には、あるじゃないですか。
たとえばコーヒーやお茶。
すぐに飲めるスタイルもあるけれど、
ゆっくり点てるための道具だってある。
ここ代官山のコンランショップで、
「ゆっくりコーヒーやお茶を楽しみたい時に、
何があったらいいのか?」とかいう話を僕はするんです。
話すっていうか、議論を吹っ掛けるっていうか(笑)。
- 伊藤
- お茶っ葉でじっくりのときもあれば、
ティーバッグで、っていうときもある。
だからカップ&ソーサーのときもあれば、
マグカップがいいときもある。
そういうことですよね。
- 中原
- そうです。あるいは「このお盆に何をのせる?」とか。
普通の若い子たちは家で
あまりお盆を使わないとは思うんだけれど、
人を招いたことがある経験があったり、
上質の仕事に参加したことがあったら、わかる。
そして自分のときでもそうするようになるんですよね。
お酒なんかにしても、
「このお盆にグラスを置いただけでスイッチが入る」
ということだってあります。
それって、気持ちがいいはずなんです。
- 伊藤
- お盆って、本当に小っちゃいものだけど、
「しつらえる」感覚があるんですよね。
- 中原
- それが一番感じられるアイテムですよね。
若い頃、それは、人からしてもらって、
初めて自分も気づいたことでもあるんです。
それで僕はそういうことがすごく好きになった。
- 伊藤
- 若い人も、知らないだけ、なのかもしれないですね。
- 中原
- オフィスで使うような工業的なトレイは知っていても、
家ではもうちょっと自分に優しいお盆を選びたい、
という気持ちを持ってもらえたら。
- 伊藤
- 「自分だけのために」でもいいですし。
お盆を選ぶと、器とお菓子とか、
コーディネートにも目が行くようになる。
- 中原
- 楽しいですよね、テーブルまわりって。
- 伊藤
- そういえば、中原さんって、
そもそもお家が、鹿児島の仕出し屋さんだったとか。
わんさか人が出入りするようなお家だったんでしょう?
- 中原
- (笑)うんうん。
宴会場もあって、仕出しもやっていて。
- 伊藤
- ご両親も大忙しだったはず。
- 中原
- そうそう、そうです。
- 伊藤
- いまの中原さんの仕事は、
そういうところから来てるのかな。
拝見していて思うのが、
チームでの動きかたのみごとさです。
もちろん個人でも動いているんですけど‥‥。
- 中原
- 基本は団体仕事に慣れてますね。
- 伊藤
- 中原さんのこれまでを
「weeksdays」の読者は知らないかもしれないので、
ちょっと解説しますと、
1971年、鹿児島生まれ。
ご実家は仕出し屋さん。
- 中原
- 厨房で仕出しをつくり、
店の入り口で肉屋と魚屋もやっていて。
奥には宴会場も。
敷地が奥に長いんですよ。
- 伊藤
- 人の出入りの多い、にぎやかなお家ですね。
- 中原
- 先日、母親の一周忌だったんですけれど、
もううちはだいぶ前に、
肉屋と魚屋をやめて、店先を空っぽにしてあったんです。
母親が亡くなったときはコロナ禍だったので、
サックリ身内だけで葬儀をすませたら、
近所の人たちからめちゃくちゃ怒られました。
「あんたは長男かもしれないけど、
私、マブダチなの!」って。
それで「すいません」みたいになっていたものだから、
妹と話して、「一周忌はみんなも来られるようにしよう」。
それで肉屋と魚屋の部分を開放して、
肉屋と魚屋時代の、母親が働いてるときのいい写真が
いっぱいあったから、その写真展をやったんですよ。
- 伊藤
- 素敵!
- 中原
- 大成功でした。
- 伊藤
- きっと、地域の皆さんが
頼りにしてるお店だったんですね。
- 中原
- そうですね。とにかくみんなが集まるお店でした。
だから、それをもう一回思い出してほしくて。
- 伊藤
- 思い出もあるし、味も覚えてるだろうし。
- 中原
- そこに小っちゃい祭壇作って、写真展やって、
「自由に入ってください」って2週間くらい
放ったらかしたんです。
- 伊藤
- そのとき、みんなで飲んだり食べたりも?
- 中原
- しました、しました。宴会場で。
「集まる場所を作る」っていうのは、
やっぱり自分も好きなんですよね。
- 伊藤
- うんうん。
人に託す、ということ
- 伊藤
- 中原さんがアジアのものだけで
あたらしいコンランショップのお店をつくろうと言った時、
周りの方々の反応はどうでしたか。
- 中原
- 周りにはあんまり相談しなかったんです。
日本の工芸に関しては、
素晴らしいお店がいっぱいあるし、
それにデザインも加えたものもできてきていましたけれど、
今、タイなどのアジア各国で
デザイン性が上がっていることもあって、
そういうものを扱うのに
いいタイミングじゃないかなって確信していたから。
- 伊藤
- タイも、そうなんですね。
- 中原
- かつて、日本の下請けとして鍛えられたメーカーが
自分たちの表現を始めているんです。
親の世代から代替わりした、
子どもたちの世代の経営者が増えました。
彼らはヨーロッパでデザイン教育を受けたり、
経済学を勉強して、自国に帰って、
親から家具メーカーを継ぐわけです。
- 伊藤
- 一回外に出て、いろんな空気を吸って。
- 中原
- 自分の家具ブランドをリブランディングしている。
そういうメーカーに、いいモノが、いっぱいあって。
日本で言うと、古い家具メーカーである
マルニ木工やカリモク家具が、デザイン性の高い、
新しい家具をつくっているのと似ていますね。
ちなみにこのテーブルはカリモク家具です。
日本のもののなかには、
飛騨産業と天童木工が共同製作する
KOYORI(こより)っていう
世界に向けてのブランドもありますよ。
- 伊藤
- ここに関わってきた皆さんは、
お店をつくるにあたって、
どういう気持ちだったんでしょう。
- 中原
- ゼロから作るお店だったので、
みんな、けっこうドキドキしてたと思います。
- 伊藤
- 設計は、中原さんのディレクションで?
- 中原
- 最初に空間を見たとき、
この構成(天井が高く、ロフトがある)から、
ストーリーは考えることができたのだけれど、
誰にデザインを頼もうかなと悩んで。
- 伊藤
- 自分では、なさらなかった?
- 中原
- うーん、かえって、やらないほうがいいかと。
それで、建築家の芦沢啓治さんに
お願いすることにしたんです。
かつてテレンス・コンラン(*)が
建築家ジョン・ポーソン(**)に
店舗設計を頼んだことを考えて、
「自分だったら芦沢さんだな」って単純に思って。(*)テレンス・コンランは、英国の家具デザイナー、
インテリアデザイナー、そしてライフスタイルショップ
「THE CONRAN SHOP」の創設者。
レストラン経営者でもあり、著述家でもある。2020年没。
(**)ジョン・ポーソンはイングランド出身の建築家。
独学で建築を学び、ミニマリズムに立脚した美学で知られる。
- 伊藤
- 芦沢さんは以前からご存知だったんですか。
- 中原
- 面識はありませんでしたが、
作品をずっと見ていて、気になる人だったんです。
それが、たまたま飲みに行ったら、
同じお店にいらしたので、頼もうと思って(笑)。
- 伊藤
- えええ!
それはよかったですねえ。
- 中原
- 「芦沢さんですか?
実は頼みたいことが」って。
- 伊藤
- 飲みの席で、びっくりされたでしょうね。
- 中原
- その場では案件は言わなかったんですけれども、
改めてお願いをしたら、
僕と仕事をしたいって以前から思っててくれたみたいで!
芦沢さんは商業施設もなさってるし、
個人のお宅もつくっているし。
ミニマルさもあるけれど、
アジアっぽさみたいな感覚もちゃんとあるんです。
- 伊藤
- そうなんですね、相思相愛だったんだ。
ましてやヒルサイドテラスなんて、
建築に携わっている人なら興味があるでしょうね。
- 中原
- そうですね。芦沢さんにとっても
代表作になったらいいなと思います。
それで、限られた予算っていうのもありながらも、
素材もできるかぎりいいものを使い、
丁寧にやってくれました。
スタッフも素晴らしかったです。
うまく雰囲気をつくってくれたと思います。
- 伊藤
- とくに「おおっ」って思った所はありますか?
- 中原
- いま壁面になっているところが、
以前は全部が内窓だったんです。
すりガラスでね、廊下に面していて、
隣のギャラリーがぼんやり見えるような。
でも、そんなふうに視線が抜けると、
気分も抜けて行っちゃうじゃないですか。
- 伊藤
- ちょっと落ち着かない気がします。
- 中原
- そう。壁があるっていうのが大事だと。
今回の仕事でいちばん芦沢さんっぽいのが、
その窓を全部閉じたことだと思います。
- 伊藤
- 逆に、明かりを取るために窓をつくるということは、
あったりしますよね。
- 中原
- そうなんですよ。そうしがちじゃないですか。
でもちゃんとここに「背景」を作ってくれた。
いいなあと思ったんですよ。
そういう空間構成、すごく上手だなと思います。
- 伊藤
- でも、だからといって、その背景に棚をつくりはしない。
そこがいいですよね。プロってすごいですね。
階段の手すりなども新しく?
- 中原
- はい。
手すりのデザインと、
階段を付ける位置までは、全部つくり直して。
大きいフレームはそのまま使ってるんですけどね。
- 伊藤
- 予算が限りなくあるっていうより、
これくらいでっていう中で知恵を絞った方が、
いいものができたりしますよね。
- 中原
- そうですね。特に僕らの場合は、
タイミングによって中のモノが相当入れ替わっていくので、
最初から空間として完成させてしまうより、
置くモノで印象が変わっていくほうがいいんです。
- 伊藤
- じゃあ、わりとシンプルなスペースに。
- 中原
- そうですね。かといって、
ホワイトキューブになったり、
部材むき出しの荒々しい感じも
ちょっと違うと思って。
いい具合にちゃんと整えてもらいました。
生活感もあり、お店らしさもあって、
その2ウェイのちょうどいいくらいの仕上がりです。
- 伊藤
- それでは今回のコンランショップの
アジア各地のモノ選びについて
もうすこし聞かせて下さい。
- 中原
- 今回は、現地で買い付けの旅を案内する人間が
3人いたんです。
彼らに共通しているのは、
モダンなものを志向しているということ、
ある程度生活の質を維持したいという気持ち。
つまり何を上質と考えるかという目安が同じ。
それは実際の自分たちの身の丈よりも、
もうちょっといいものが欲しいね、ということです。
- 伊藤
- 案内してもらって選んだものから、
中原さんが最終的な決断をなさった?
- 中原
- いや、僕が全部決めると、
自分の世界になりすぎちゃいます。
だからある程度のヒントを与える役割ですね。
みんなの生活のレベルが上がらないと、
いいものになっていかないですから、
まだ全然、発展途上なんですけれども。
- 伊藤
- 日本のコンランショップにバイヤーさんは
何人くらいいらっしゃるんですか。
- 中原
- 6人、だったかな。
- 伊藤
- そんなに、とも言えますけど、
少ない、とも言えますね、
今回、このショップのモノを選ぶうえで
現地に店舗スタッフと買い付けに行くのを決めたのは、
社長である中原さんでしょう?
- 中原
- そうですね。
コンランショップのバイヤーって、
もちろんバイイングの経験はあるんですけど、
基本的には本国の指示をあおぐわけなので、
こういう、店ならではのセレクトの経験がなかった。
だから、ここ代官山できちっと濃いものを作って、
それが他のお店でどうしていくかを
みんなに考えてもらおうと思っています。
つまり、ここは、社内に向けての
実験的な場所なんですよ。
働き方とか、そういった意味でも、すごく。
- 伊藤
- 働き方の実験というのは?
- 中原
- たとえば、時間。
11時オープンで、他の店は21時まで
やってる所もあるんですが、
ここは18時に閉める。
ほかは、無休ですが、
ここは水曜日を休みにする。
逆に、これからオープンするんですが、
地下でバーも始めるので、
夜になってから開けるスペースをつくるとか。
そういう自由さがあって、実験でもあるんです。