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“盆栽裁断” だからできたこと
- 伊藤
- COGの服って、
ひろげると大きいサイズに見えるし、
ワンサイズなのに、
どんな人でも着られるところが
ほんとうにすごいと思います。
- Noriko.I
- 誰でも着られるポイントは、
肩傾斜(衿から肩に向かう線で、
下がるほどなで肩のラインになる)なんです。
これがとても重要で、
うちのは極端に下げてつくっています。
プロのパタンナーさん(服の型紙を起こす人)
にお願いしたら、
絶対にやってくれないような急な傾斜なんです。
逆に言うと、私がプロのパタンナーじゃないからこそ
実現できた、非常識な肩傾斜なんです。
- 伊藤
- たしかに普通の服よりも、
肩のラインがかなり下がっていますね。
きっとこういった工夫も“盆栽裁断”ならではの
ことですよね。
このつくりかたは、以前からずっと?
- Noriko.I
- いいえ、会社にいたときは
自分でパターン(型紙)を引かず、
パタンナーさんにお願いする必要があったので、
「盆栽裁断」ではなかったんですよ。
- 伊藤
- なるほど、独立されたから
できるようになったことだったんですね。
- Noriko.I
- はい。この肩傾斜によって、
肩の位置がどこにきても着る人に馴染むし、
「ここから袖です」という感じではなくて、
肩から袖にかけて一体感が生まれて、
きれいなラインで着られるんです。
- 伊藤
- なるほど。
だからこんなに大きいサイズでも、
誰でも着られてフィットする。
- Noriko.I
- 大きな服ですけれど、
どんな小さい方でも着られますよ。
ちなみにこの肩傾斜によって、
首周りのリブがすこしだけ浮くんです。
そして、浮くことで、ちょっと首が華奢に見える。
- 伊藤
- そんな効果も!
ところで、この形で
違う素材のものもあるんですか。
- Noriko.I
- ええ。
今回と同じVネックトップスとカーディガンの形で、
春夏にヴィスコース(レーヨン素材の一種で、
光沢のあるなめらかな質感の生地)でつくりました。
- 伊藤
- その形をウールでも
つくったということですね。
- Noriko.I
- そうですね。
このメリノウールの素材がすごくよくて。
きれいに見えて
肌触りがいいだけじゃなく、
ウォッシャブルウールだから、
お家で洗えちゃうんです。
- 伊藤
- それはうれしいですね!
手洗いで、ってことですか。
- Noriko.I
- 手洗いもできますし、洗濯機でも。
その場合はネットに入れて、
ウール用の洗剤を使い、
「手洗いコース」などで問題ないです。
うちの服は基本、コートでも、
襟に芯を貼ってるなど特別なもの以外は
ほぼ全部お家で洗えます。
- 伊藤
- それはすごいことです!
- Noriko.I
- ふふふ。
コンセプトは「手抜き」ですから。
- 伊藤
- いやいや、それは手抜きではないですよ。
着る人がうれしいんですもの。
ヴィスコースの素材でつくったときは、
お客様の反応はどうでしたか?
- Noriko.I
- 特にカーディガンはご好評をいただきました。
日本の気候では夏の室内でエアコンが必須、
ということもあって、
カーディガンというアイテムが
すごく合っているみたいで。
それから、特にこの袖のパターンゆえ、
「うれしい! 上にコートがなんでも着られる」って。
- 伊藤
- あ、なるほど。
ドルマンスリーブなどでは、
脇の下がもたついちゃうときがありますものね。
- Noriko.I
- そうなんです。
これだと腕は細く見えるけど脇の下は自由だし、
生地も薄いので、コートに響かないですよ。
- 伊藤
- それはうれしいですね。
わたしが持っているCOGの黒いコートも、
こういう袖でした。
「あ、細く見える!」って。
- Noriko.I
- そうでしょう?
私の中では「盆栽」がまだ続きそうです。
- 伊藤
- ふふふ。
たのしみにしていますね。
今日はどうもありがとうございました。
- Noriko.I
- こちらこそ。
またお会いしましょうね。
“自分のため”を大事に
- 伊藤
- COGの服は「人それぞれの似合い方がある」。
それって、どういうことなんでしょう。
もうちょっと深く知りたいです。
- Noriko.I
- 女性が服に求める
「きれいに見えたい」
「スタイルよく見えたい」って、
“自分のため”ですよね。
人のためじゃない。
- 伊藤
- うん、うん。
- Noriko.I
- COGの服を着てくださっている方って、
「モテたい」とか、
「ちょっと真面目そうに見えたい」などの、
人にどう見られるかということよりも、
“自分のため”を大事にしている方だと思うんです。
そういう方には、自分のスタイルがある。
だから同じ服を着てもその人なりの似合い方になる。
だからCOGの服に“他人のため”の要素は、
一切、ありません。
- 伊藤
- そう! COGの服の魅力って、そこですよね!
- Noriko.I
- 「お尻を隠したい」とか、
「腕は見せたくない」って、
自分が主体。
私は、着る人自身に満足してほしいんです。
- 伊藤
- なるほど。
だから、
「二の腕は隠して、手首がちょっと出たら
細く見える」みたいなことを
考えてつくられているんですね。
- Noriko.I
- はい。まさに、つくるときに
ポイントにしている部分がそこなんです。
“首”ですね。
- 伊藤
- ポイントは、首。
- Noriko.I
- ええ。手首も足首も含めて、
「首」とつくところがきちんとしていれば、
きれいに見えるんです。
二の腕とかお尻とか、隠したいところを隠し、
手首や足首をきれいに見せれば細く見える。
これは、小柄な方でも海外の大きい方でも、
肌の色が違っても、
女性である限りは同じですよね。
- 伊藤
- そう言われてみれば、そう。
- Noriko.I
- 一般的に売られている服で
機械でグレーディング(服のサイズを拡大・縮小すること)しているものって、
サイズが大きくなると、
衿ぐりも何もかもが全て大きくなるんですよ。
- 伊藤
- 均等に大きくなる。
- Noriko.I
- そうです。
機械に計算式があって、
1つサイズが大きくなるごとに、
胸は何インチ、衿ぐりは何インチ、
みたいに自動的に大きくなっていくんですけど、
うちの服は、サイズを大きくしても
たとえば襟ぐりは変えません。
身長や身幅が大きくても、
人って首や手首のサイズってあまり変わらないでしょう?
- 伊藤
- たしかにそうですね。
- Noriko.I
- なのに、襟ぐりまで大きくすると、
だらしない印象になってしまうんです。
うちの服、横幅はとてつもなく大きくて、
4Lくらいあるんですけれど、
襟ぐりはSやMのサイズ感でつくっているんです。
- 伊藤
- だからきちっとした印象になるし、
きれいに見えるんですね。
見た目だけじゃなくて、
着心地もすっごく気持ちがいいです。
身体が自由になる気がして。
- Noriko.I
- 今回の服は、
オーストラリアのメリノウールを使っているので、
肌触りもいいですよね。
- 伊藤
- ほんとうに。
ウールなのに、チクチクした感じが全くしないです。
カーディガンタイプとVネックタイプがありますが、
最初から両方つくろうと思われていたんですか。
- Noriko.I
- はい。
私、暑がりなので、
ふだんカーディガンをあまり着ないんですけど、
このVネックトップスをつくったときに、
カーディガンもあったらかわいいなと思って。
- 伊藤
- うん、かわいいです。
- Noriko.I
- このVネックトップスも身幅がとっても広くて、
50~60センチ近くあるんですけど、
袖は細くしているんです。
通常のパターン(型紙)だと、
身幅が広いと、肩幅もおのずと広くなるので、
普通に袖をつけようとすると
かなりのオフショルダーになります。
- 伊藤
- ええ、そうなりますよね。
- Noriko.I
- それを、袖を付ける部分をスクエアにカットして
位置を調整することによって、
肩幅が小さく見えるっていうことと、
袖も身幅との対比で‥‥。
- 伊藤
- すごく細く見える!
- Noriko.I
- そうなんです。
横から見たときに、腕が細く見える。
でも実際のアームホールは肘に近い位置にくるから、
だいぶオーバーサイズなんです。
- 伊藤
- 気になる二の腕まわりはふんわりしてるから、
安心感があるんですよね。
- Noriko.I
- 袖の細ささえ強調しておけば、
身幅や腕周りを大きめにしても
女性っぽく見えるんです。
これは、どんなサイズの方も同じ。
- 伊藤
- へえー!
- Noriko.I
- 私が一番重要視しているところというのが、
やっぱり身幅なんです。
よくあるオーバーサイズの服というのも、
私にとってはドラマチック具合が足りないんですよ。
- 伊藤
- たしかに。
ここまでオーバーサイズでちゃんと着られる服って、
あまりないですよね。
- Noriko.I
- 身幅だけなら、
お相撲さんでも着られるくらい大きいんですよ。
- 伊藤
- ええっ?! そうなんですか。
でも、実際に着てみると、
そんなに大きい気がしないというか、
サイズが合わないときに感じるような
居心地の悪さがありません。
たしかに身頃とかアームホールは楽ちんですけど、
肩から手にかけての部分は
普通サイズの服を着ているようなフィット感。
- Noriko.I
- そうなんです。
要所要所をちゃんとつくれば、
着る人を選ばないし、
大きくすることで着る人が華奢に見えるんです。
女性たちが考えるただ一つのことは
- 伊藤
- Norikoさん、
日本での展示会の合間でお忙しいなか、
お時間をとっていただいてありがとうございます。
今日はどうぞよろしくお願いいたします。
- Noriko.I
- こちらこそ、よろしくお願いします。
- 伊藤
- 今回の展示会もそうですけれど、
Norikoさんのつくる服、
見るたびにすごいなぁと思っているんですよ。
- Noriko.I
- ほんとうですか?
私自身は、ちょっと罪悪感を感じるくらい、
好きにつくらせてもらっている感覚なのですけれど。
- 伊藤
- そこがすごいんです。
前回の対談でデザインの仕方について伺ったとき、
Norikoさんの言葉で心に残っているのが、
「盆栽裁断」でした。
- Noriko.I
- あはは、そうでしたね。
- 伊藤
- トルソーにかけた生地を
盆栽を剪定するみたいに裁断して、
自分で着てみて、
「ここをちょっと
つまんですっきり見えるようにしよう」
なんてカットすると聞きました。
そのつくりかたが、もう衝撃的で。
- Noriko.I
- 私、組織に属していたとき、ボスから
「好きなことだけしていたらいけない」
「あなたのつくる服って、
あなたは似合うかもしれないけど、
一般の方には難しいんじゃない?」
なんて言われたことがあったんです。
今は、その反動かな?
自分の好きな形をめざして、
チョキチョキって、
自由に切らせてもらっています。
- 伊藤
- そのボスの考えは、
多くの人に似合う服を、ということだったのかな。
でもこうやって、ブランドが続いているということは、
みんなに似合う服を
Norikoさんはつくっているということだから、
間違いではなかった。
- Noriko.I
- はい、そう思っているんですよ。
もちろん私がつくる服は
私の顔や体形に合っているんですが、
「私だから似合う」わけじゃなく、
「違う人には違う似合い方があるはず」
ということだと思っているんです。
でも、上司は男性でしたから、
私のつくる服を着ることはない。
その感覚が伝わらなかったのかもしれませんね。
- 伊藤
- なるほど。
たしかに、男性と女性とでは、
体型に差がありますものね。
歳を重ねるごとに変わる、
腰回りや二の腕の肉のつきかたとかも。
- Noriko.I
- マーケットデータなんかを見て、
「今どこどこのブランドの
こういうのが売れてるらしいよ」とか、
「OLはこういうのが好きらしいね」
なんて言われたんです。
私、「ひとくくりにするな!」
「みんなそれぞれにおしゃれなんだぞ!」
って、憤ってました。ふふふ。
- 伊藤
- ほんと、ほんと(笑)。
- Noriko.I
- OLかどうかなんて関係なく、
服を着るときに考えることって、
女性ってただ一つだと思うんです。
それは「きれいに見えたい」ということ。
そしてそこに含まれるのが、
「スタイルよく見えたい」。
- 伊藤
- まったくそのとおりだと思います。
- Noriko.I
- 私はそういう服をつくりたいと思いました。
OLでもおばあさんでも、中学生でも、
どなたでも自由に着られる服をつくりたいと。
あとはテイストが好きかどうかの問題ですけれど。
- 伊藤
- そう言われてみれば、
COGの服って、年齢を問わず、という感じがします。
- Noriko.I
- ありがとうございます。
着た人が、「あ、私がいつも
ちょっといやだなあって思うなところが、
気にならない」とか、
「なんだかいつもよりおしゃれに見える」
と思ってくださったらいいなと。
そんな、とても重要でシンプルなことが、
当時は軽視されていたように感じます。
- 伊藤
- 「女性はこうあるべき」みたいなことが
ずっとあったように思います。
- Noriko.I
- そうなんです。
「テーマがこうだからそれに従って」とか、
「シーズンが変わったら前のデザインとは
違うものでなければならない」とかね。
でも、着る人にそういうことは関係ないし、
「大きなお世話だわ」と思って。
- 伊藤
- ふふふ、ほんと、大きなお世話ですよね。
そんなに毎年、自分って変わらないですもの。
- Noriko.I
- ね!
変わらないですよ。
だれのためでもなく
パリかロンドン、
それともニューヨークだったか。
ちょうど今くらいの季節に、
旅をした時のこと。
地下鉄の前に座ったご婦人は、
ファーの襟の上質なコートを。
その右隣に座っているティーンエイジャーの女の子は、
タンクトップにスキニーデニム。
左隣の男性は暖かそうなダウン。
でもよくよく足元を見てみると
素足にスニーカーといういでたち。
その日はとても寒かったと記憶していますが、
そうか「寒い」の感じ方は、
人それぞれなのだなぁ。
キョロキョロと人間ウォッチをする私とは裏腹に、
周りの人は、
「人は人」という感じで、
その違いに気をとめるわけでもない。
その感じ、なんだかすごくよかったのでした。
暑かったらタンクトップを着ればいいし、
寒かったらダウンを(素足だったけれど)着ればいい。
だれのためでもなく、
自分が気持ちいいと感じるものを。
今週のweeksdaysは、
COGTHEBIGSMOKEのVネックニットとカーディガン。
あなたのための服をどうぞ。
「今」って、どんな?
- 伊藤
- ということは、倉持さんは、
「ほぼ日」に来た最初のころ、
いまとはまったく違うスタイルだったんですね。
- 倉持
- はい、前職のスーツ系の時代を引きずっていましたね。
ファーを巻いていたら
「わあ、銀座の人みたい!」って言われて(笑)。
「ほぼ日」から見ると、
もしかしたらちょっと夜っぽい雰囲気を
出していたんじゃないかと思うんです。
- 伊藤
- 今とはメイクや髪型も違っていた?
- 倉持
- そうですね、
髪をショートにしたのも
「ほぼ日」に来てからです。
- 伊藤
- たしかに、洋服、メイク、髪型って、
どういう会社に勤めるか、どんな社会に属するか、
その影響って大きいかも。
- 倉持
- はい、環境が関係しますよね。
それに、世の中の流れ的にも、
そんなにカチッとした服を
選ばなくなってきていました。
もっと自由になったし、多様だし。
けれども、前の会社を辞めて、
周りに倣ってこうしなきゃいけない、
みたいな場所がなくなったとき、
ずーっとなにかお手本になるもので育ってきた私は、
どこに向かっていいかわからなくなっちゃった。
しかも40代後半とか50代になって、
年齢も上がってるし‥‥というときの指針、
ここだっていう場所を探す気持ちって、
きっと同じぐらいの世代の人が
みんな持っているんじゃないかなって思うんです。
たまたま私は「ほぼ日」で「weeksdays」に出会えた。
とてもラッキーだったと思います。
- 伊藤
- たまにお客様と接する機会があると、
「ほんとにありがとうございます」
と言ってくださるんです。
「服、困ってたんです」って言って。
- 倉持
- みんな、困ってると思います。
- 小泉
- うん、ほんとにそう。
- 倉持
- 自分の世代向けに
いろいろな雑誌が出ているんですが、
「私はこれじゃないな」と。
- 伊藤
- そもそも雑誌をあまり読まなくなりましたね。
- 小泉
- そうなんです。
- 藤井
- 私、昔は月に10冊ぐらい雑誌を読んでいました。
出版社にいたので、それが仕事でもあったんですけど、
なによりも好きで読んでいたんですよね。
- 倉持
- 私も結構見てました。
そこから情報をできるだけたくさん
得ようとしていたの。
- 伊藤
- 雑誌世代、だものね。
- 小泉
- 私も高校生、大学生の時は
たくさん雑誌を読んでました。
- 伊藤
- 雑誌を見て参考にしていた人は、
今、どこに行ってるんだろう。
- 小泉
- インスタグラムだと思いますよ。
- 伊藤
- あ、インスタ! そうですね。
- 倉持
- 「この人!」っていう
自分にとってモデルとなる人を見つけて、
参考にするんですよね。
- 伊藤
- コンバースの取材で
写真家の長野陽一さんの
当時中学3年生の息子さんが
出てくださったときに、
ファッションの情報源は? と訊いたら、
友だちやネットだって。
「俳優さんがかぶってたキャップ」とか、
それってリアルだし、速いし。
- 藤井
- いまや、ネットからそのまま
アイテムが買えちゃいますからね。
- 伊藤
- 紙媒体の雑誌だと、
撮影してから2カ月後にやっと出る、
なんてこともありますから。
- 藤井
- 今、雑誌に載ってるものを街で探したら、
すでにネットで話題になって完売してた、
‥‥ということもありますよね。
そしてかつて雑誌が煽動していたような、
街中みんながその格好をしている、
っていうような大流行って、
もうなくなってしまいましたね。
- 倉持
- そうなんですよね。
私、それがなくなったとは知りつつも、
そのことをちょっとだけ引きずっているんです。
これが流行り、っていうのを、
一応は気にしたいなぁ、と思ってしまう。
だけど、もう全然わからなくって。
- 伊藤
- そっか、そっか。
- 藤井
- 色だけは「この春はパステルですね」的に
傾向として残っている気がしますね。
けれども形の流行はなくなって、
多様化していますね。
- 小泉
- だから私は、
伊藤さんが提案してくれるものが、
総合的な「今」だと思っているんです。
- 伊藤
- いや、いや。
わたしはたしかにセレクトをしているけれど、
そのおおもとは「つくっている人たち」です。
- 小泉
- 伊藤さん、あたらしいブランドは
どうやって見つけているんですか。
- 伊藤
- いいなと思っているデザイナーの方やブランドからの
つながりで知ることが多いですね。
たとえばそれまでバッグだけだった人が、
洋服もつくりはじめた、と聞いたら見にいくとか、
あるいは素敵だなと思う方が持っているあのバッグ、
どこのものだろう? と思って調べてみたり。
- 小泉
- そうなんですね。
- 伊藤
- うん、そこには信頼がすでにあるでしょう?
そうやってじわじわ増えていったのが
「weeksdays」のラインナップなんです。
- 小泉
- 私、たぶん社内の誰よりも
お客さんとしてweeksdaysのページを
パトロールしてますよ!
- 伊藤
- (笑)
- 小泉
- あたらしいものが前に来て、
ページの奥に行くと、
埋もれているいいものがあるんです。
そこに「今、まさしく欲しいものが!」って。
- 伊藤
- どうしてもネットは最新情報が前に出るから。
- 倉持
- 私もすっごく見てます、奥のほうまで。
- 伊藤
- ほんとに?! 嬉しい~!
- 藤井
- そういうのを見つけて、
「来月になったら買おうかな」
なんて思っていると、
いつのまにか完売していたりします。
みなさん、そうやって
見てくださっているんでしょうね。
- 小泉
- 7年目にもなると、コンテンツも商品も
いろんなものがあるじゃないですか。
だから例えばジム通いを始めようと思ったら、
まず「weeksdays」の中で検索してみて、
情報やアイテムを探す、とか。
- 倉持
- この中で完結してますよね。
- 伊藤
- お洋服だけじゃなくて
ほかのものも見てくださるの?
- 倉持
- もちろんです。
- 小泉
- 食器なんかもそうですよ。
- 伊藤
- そういう意味でね、
「weeksdays」のいろいろなものを
実際に見られる場所があったらいいのにな、
って、ずっと思っているんです。
‥‥なかなか実現しないけれど。
- 小泉
- それはもう、いつか、ぜひ、
実現させてください。
絶対、参考になりますよ。
- 伊藤
- 家具も、もっと扱っていきたいですし。
- 倉持
- すごい! ほんと、ますます、すべてが。
- 藤井
- 伊藤さんにとって究極のアイテムは
「家」なのかも?
- 伊藤
- ほんと、それを目指してがんばりましょう。
小泉さん、倉持さん、藤井さん、
きょうはほんとうにありがとうございました。
とってもはげみになりました。
- 倉持
- ありがとうございました。
応援してます。
- 小泉
- 頼りにしてます!
- 藤井
- ありがとうございました。
わたしたちの変遷
- 小泉
- 私、コーディネートのクレジットを見て
アイテムを探すのが好きなんです。
「weeksdays」でも、
メインで紹介しているアイテムに、
伊藤さんが何を組み合わせているのかが気になって、
リンク先を見たり、調べたりしてます。
- 伊藤
- わぁ、すごい。
- 藤井
- 雑誌のファッションページでも、
スタイリングのアイテムって
気になりますものね。
- 倉持
- 知らないブランドを知ることができると
うれしいですよね。
私だけじゃわからなかった新しい世界だ、って。
- 小泉
- それで知ったアイテムを
「いつか買おう」というリストに入れたり。
- 藤井
- 世の中には目利きのセレクトショップが
たくさんあるわけじゃないですか。
信頼しているショップの方に
コーディネートをしてもらうとか、
そういうことはしてこなかった?
- 伊藤
- そうですよ、それまで、どうしてたの?
- 小泉
- 「ほぼ日」が青山にあった頃は、
徒歩圏内におしゃれなお店がいっぱいあったので、
同僚や先輩にあちこち連れていってもらい、
勧めてもらったり、店員さんに相談してました。
でも、そもそも、自分の方向が定まっていなかった。
- 伊藤
- その時代は「ほぼ日」では
どういうお洋服を扱っていたのかなあ。
- 小泉
- アパレル、というよりも、
メッセージを伝えるもの、という感じで、
プリントのTシャツが多かったですよ。
その延長でロンTやポロシャツを
つくったこともありますし、
パーカを出したこともあります。
でも「ファッション」ではなかった。
- 伊藤
- 自分の年代にフィットするアパレル的なものは、
あんまりなかった?
- 倉持
- ちゃんとしたアパレルを紹介したはじまりは
大橋歩さんの「hobonichi + a.」(エードット)
だと思います。
- 小泉
- 2011年のことでしたね。
大橋さんのつくられる服は、
世代を超えて受け入れられる画期的なものでした。
私もとっても好きで、
当時、たくさんは買えなかったけれど、
よく着ていました。
- 伊藤
- そっか、そっか!
- 小泉
- それからしばらくして、
だんだんとアパレルが増えていって。
2016年にはYAECA(ヤエカ)と組んだLDKWARE
がうまれたり。
- 伊藤
- だんだん、「ほぼ日」にアパレルが
増えていったんですね。
- 小泉
- はい。いま「ほぼ日」には
いろんなアパレルブランドがあって、
どこもちゃんと信頼のおけるものを
紹介していると思います。
そんな中、個人的に
「weeksdays」の好きなところは、
中にいろんなブランドのものがあって、
扱う品目も多くて、見るだけでも楽しいから。
- 藤井
- 「ほぼ日」で小泉さんの昔の写真を見ると、
いまとはちょっと違う感じですよね。
- 小泉
- いろいろ変遷があるんです。
そもそもを言うと、「ほぼ日」に入る前の私は、
いわゆるちょっとコンサバ系の格好をしてたんです。
- 伊藤
- そうなんだ!
- 小泉
- けれど「ほぼ日」がまるで合宿所だったので、
いくらでも動けるような格好にしようと、
カジュアルなもので一式そろえたんですよ。
デニムとカットソー、みたいな。
それでハチノコの時代とか、
いろいろあったわけなんですけど。
- 伊藤
- ハチノコ?
- 小泉
- 数人しかいない会社に、
お菓子や頂き物がいっぱいあって、
つい食べ過ぎていたら3か月で13キロ太っちゃって、
着ていたボーダーシャツが
まるでハチノコのようにぱっつんぱっつんに‥‥。
そんな私を糸井さんが悲しそうに見て、
「‥‥ストレスかねぇ」って(笑)。
- 伊藤
- いろんな変遷があるんだ!
それで今のような感じのファッションに
落ち着いているのは、
四十代になって身体の変化もありつつ、
仕事の内容が変わったりとか、立場とか、
そういうことも関係しているの?
- 小泉
- いや、そこは関係がないと思います。
正直に言うと、
自分がいちばんステキだな、いいな、
と思っていたスタイルに、
やっと近づいたのが今です。
すごく満足してます。
- 藤井
- ちょっときちんとしなくちゃ、
というような日もあると思うんだけれど、
そういう時でも「weeksdays」で大丈夫?
- 小泉
- ジャケットを着なくちゃいけないとか、
きちんとしたセットアップでなければならない、
というようなことって、
「ほぼ日」の仕事ではほとんどないんですよ。
きちんとしたい時はSAQUIのフォーマルです。
もうほんとうに便利で!
- 伊藤
- そうなんですね。
倉持さんのファッションは、
どういう変遷なんですか。
わたしと同い年で、横浜だから、
ハマトラ時代もあったのかなぁ。
- 倉持
- 私は、もう、いっぱい、
いろんな服を着てきました。
当時の『JJ』を参考にして
ボディコンを着ていたこともあったんですよ。
ジュリアナに行ってるような時代。
- 伊藤
- そんな時代もあったんだ!
- 倉持
- えっ、伊藤さんには
『JJ』時代がなかったんですか。
- 伊藤
- わたしはそこに触れていないの。
- 倉持
- そっか、そこからもう違うんですね!
同じ横浜で同い年でも‥‥。
- 伊藤
- 『JJ』はいくつぐらいのとき?
- 倉持
- 20歳ぐらいだったと思います。
- 伊藤
- その頃、わたしは、
「agnès b.」(アニエスベー)の
カーディガンプレッションに
LEVI’Sの501でした。
- 倉持
- 私、そっちじゃなかったんです。
派手な感じでしたよ、常に。
髪の毛も長くて、バーッてかきあげて、
合コンしまくってるような‥‥。
- 伊藤
- えーっ、そういう話、大好き!
そういうちょっと派手な時代を過ごして、
でも大手の堅い会社に入ったんですよね?
- 倉持
- そうなんです。電機メーカーに。
後半は秘書をしていたので、
おのずとスーツが多くなりました。
その頃はどこで買っていたのかな‥‥、
そうそう、「BARNEYS NEW YORK」
(バーニーズ・ニューヨーク)が好きでした。
- 伊藤
- バーニーズの製品は、安心ですよね。
- 倉持
- そう、まさしく、そこで買えば安心で。
ほかにも「ESTNATION」(エストネーション)とか、
信頼のおける大きなセレクトショップに
行っていたんですが、価格はとても高くて、
全身を揃えようと思ったら、
とんでもない金額になっちゃうんです。
だからちょっとずつしか買えなかった。
しかも、好きで着ていたわけではないので、
「私、この路線でずっと行くのかな?」
って疑問に思いながらも、周りもそうだし、
「社会人ってお金がかかるんだなぁ」
って過ごしていました。
「ほぼ日」に入ってその世界から抜け、
カジュアルでもオッケーな場所に来たんですが、
まだ「weeksdays」はなかったんです。
流行りに関係のないものを
- 伊藤
- ふだんのお買い物の話も聞かせてください。
この秋にむけて買ったお洋服、
もしくは今、狙ってるものってありますか?
- 小泉
- それが‥‥ひどい暑さが続いていたから、
私、秋の服のこと、
なんにも考えられなかったんです。
- 伊藤
- そうですよね、わかります。
- 小泉
- でも今、伊藤さんに訊かれて、
一気に秋の気分が入ってきました!
- 伊藤
- よかった(笑)。ふだんの服は、
決まったお店で買うことが多いですか。
- 小泉
- 街に買い物に行くっていうことが
すごく減ったかもしれません。
だって「ほぼ日」でばっかり
買い物をしてるんですよ。
それも「weeksdays」が多いんです。
- 伊藤
- ほんとに? 嬉しい!
- 倉持
- 私もそうなんです。
あんまりお店に行っていない。
- 小泉
- 今日、この座談会で
ぜひ言おうと思っていたんです。
私のコーディネート、週の3分の2は
「weeksdays」のアイテムで回してます。
伊藤さんに、どれだけ助けられていることか。
- 伊藤
- えっ? そんなに?
- 小泉
- 「weeksdays」を着るようになったら、
夫から「なんだか洗練されたね」って言われたんですよ。
そんなこと、なかなか言う人じゃないんです。
あきらかに「weeksdays」は
私の洋服に関する悩みを解決してくれました。
- 伊藤
- 悩みって、例えばどういうこと?
- 小泉
- 40歳になった頃、
それまで似合っていたはずのものが、
突然、似合わなくなったと感じたんです。
それまではテロっとした薄い素材のものや、
古着だって平気で着ていたのに、
鏡を見て「あれ?」って思うようになって。
ひょっとして今の自分が必要としているものは、
ちゃんとした生地で、形も整っていて、
体型を上手に隠してくれる服じゃないかなぁ‥‥と。
そんなときに「weeksdays」が始まったんです。
- 伊藤
- そうなんですね。
年齢とともに肌の質感や体型って
変化していくんですが、
それってダイエットをすれば済む、
ということじゃないんですよ。
- 小泉
- そうなんです。体重とは別。
とくに気になってきたのはお腹まわりや二の腕、
肘のあたりで、そこをじょうずに隠したいな、
って思うようになりました。
その点、伊藤さんがセレクトされるものって、
配慮が行き届いているんですよ。
- 伊藤
- それは、自分が必要としているからなんです。
スッキリ見せたいんですよね。
- 小泉
- そこが私たちに響くんですよね。
しかもエレガントなんだけれど、
甘すぎないし、カッコよさもあって、
「ちょっとだけ女性らしさをプラスしたいし、
でもシャープでもいたい」という気分にぴったりで、
「これからはweeksdaysを着よう!」
って決めたんです。
その時からワードローブががらりと変わりました。
- 伊藤
- ありがとうございます。
- 倉持
- 「weeksdays」の服って、
以前買ったものでも、最近買ったばかり、
みたいな気がするんですよ。
そこも好きなところです。
- 小泉
- そう! よく考えたら
もう4、5年前? っていう服も、
今の気分にちゃんと合って、着られますよね。
普通だったら4、5年着ていたら
ちょっとヘタったり、
古びて見えちゃったり、自分も飽きたり、
なにか変化があるはずなんですけど、
「weeksdays」のものって流行りに関係なく、
「いいものはいい」というか。
- 倉持
- 私、正直、流行りというものが
わからなくなってきています。
若い子と同じものを
目指してもしょうがないし、って。
- 伊藤
- だんだん、
流行を追うことに疲れてきますよね。
- 小泉
- たしかに若い人にはある「流行り」が、
年齢を重ねてくると、なくなりますよね。
そもそも今って「流行り」はあるのかな?
- 倉持
- 「傾向」みたいな感じなら、
なんとなく、あるかも。
こういうのを着てる人が多いな、
っていう感じ。
藤井さんもそう?
- 藤井
- 流行りはほとんど気にしなくなりましたよね。
そして私も気がついたら足の先から頭の先まで
「weeksdays」っていう日があります。
- 倉持
- 流行りを追うのとは別に、
「weeksdays」は私の指針になってますよ。
今これを着ればいいんだ、って。
- 小泉
- そうなんです。
以前は自分で選んで買った服を
好きで選んで着ていたはずなのに、
違和感を感じたりして、
どこか自信が持てなかった。
でも「weeksdays」は、
伊藤さんが選んだというところで、
もうオーディションが終わっているんです。
そこから探すわけなので、
「これで大丈夫なのかな?」
という心配をしなくていいんです。
- 倉持
- ほんとにそうです。
自信を持ってこれで正解! って思える。
何を合わせても大丈夫、という安心感
- 伊藤
- 「ほぼ日」のなかでも
「weeksdays」の服をよく着てくださっている
小泉さん、倉持さんに
消費者の視点からいろいろお話を伺いたくて、
集まっていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
「weeksdays」の担当でもある
藤井さんにも参加してもらって。
- 小泉
- 呼んでいただいて光栄です。
よろしくお願いします。
- 倉持
- どうぞよろしくお願いします。
- 藤井
- よろしくお願いします。
- 倉持
- (ラックに掛かっている
Honneteのワンピースとシャツを見て)
もう私、これはもう‥‥。
- 小泉
- これは絶対!
- 倉持
- もうすでに持っているもののような気すらします。
- 伊藤
- ふたりともワンピースがお好きですよね。
それぞれ好みがあると思うんですが、
これはいかがですか?
- 倉持
- とても新鮮。
こんなふうに生地に
ニュアンスがあるワンピースって、
あんまり見たことがなかったです。
素材は‥‥。
- 伊藤
- 高密度コットンなんです。
- 倉持
- あ、さわると、柔らかい。
- 藤井
- 着てみたときの感覚がすごくいいんです。
シワも気にしなくていいんですよ。
- 倉持
- そこ、大事ですよね、
- 小泉
- 私、着てみてもいいですか。
グレーがいいかな‥‥。
ちょっと丈が長いかな?
詰めなくてもいいですか?
- 伊藤
- かわいい。大丈夫です。
丈が長めなのがいいんですよ。
- 倉持
- グレー、かわいい!
あやさん、すでに着ていそう。
袖がたっぷりしているのも、いいですね。
- 小泉
- ほんと? ほんと?
- 倉持
- 袖はまくってもいいくらいの感じ?
- 伊藤
- そのままでもいいし、
クシュッとさせるのもいいかも。
- 倉持
- 私、このVのかたちが好きです。
- 伊藤
- うん、似合う。
- 小泉
- めっちゃいい。どうしよう、
ブラウンも着てみます。
‥‥あっ。これも新鮮。
- 倉持
- ブラウン、とくに新鮮ですね。
すごく秋色。
- 伊藤
- ワンピースって、ほかのコーディネートを
考えなくてもいいから、ラクですよね。
- 小泉
- そうなんです。
足元だけ考えればいいから。
- 伊藤
- このワンピースなら、何を合わせても大丈夫。
ブーティやショートブーツ、
もちろんスニーカーも、
フラットシューズもいいし。
- 倉持
- 首の抜け感も、よさそう。
しかも、ワンピースだけじゃなくて、
シャツもいっしょに展開するんですね。
- 伊藤
- そうなんです。
シャツもかわいいんです。
- 小泉
- 伊藤さんはふだん、
衿無し、そして襟ぐりが開いている服が多い印象ですが、
こういうシャツも選ばれるんですね。
- 伊藤
- 前を開けて着るとカッコいいなって。
小泉さんも倉持さんも
シャツを着る印象があまりないけれど、
これだったら似合うと思うな。
ぜひ羽織ってみてください。
- 倉持
- はい。‥‥あ、こんなに
たっぷりしたサイズ感なんですね。
- 小泉
- かわいい。ステキ。
- 倉持
- あやさん、前ボタンをきっちりしめれば、
お子さんの学校行事にも着て行けますよ。
- 小泉
- ほんと? 前を開けて
カジュアルっぽくも着られるし。
- 倉持
- 開けるとしたら、
どれぐらい開けるものですか?
- 伊藤
- ボタンを2つくらい外して
すこしうしろに落として、
ラフに着るといいですよ。
- 倉持
- 立ち襟ってすごく新鮮。
- 伊藤
- このシャツ、前身ごろにも、後ろ身ごろにも、
たっぷりとギャザーがあるでしょう?
だから第一ボタンを留めて、
きちんと着ても
クールになりすぎない。
- 小泉
- ほんとだ! めっちゃかわいい。
- 倉持
- 袖をまくりたいときは、
ワンピースと同じように、
きちんと折らずに、くしゅくしゅっと?
- 伊藤
- そうそう。
- 小泉
- そっか、それも、立体感。
ああ、シャツもいいしワンピースもいいし‥‥
迷っちゃいますね。
- 伊藤
- どちらもおすすめなんです。
ようやく秋
「あ。今、季節が変わったな」
と感じる瞬間があるものです。
秋から冬は、
鼻の頭を冷たい風が撫でた時。
冬から春は、
日向と黄色い花のにおいがただよってきた時。
春から夏は、
素足が無性に恋しくなった時。
夏から秋に変わったのは、
ちょうど昨日の夕時。
今日の晩は、
あったかいもの食べたいなぁ。
お腹にじんわりくるものを。
なんて思ったのでした。
ようやく秋。
とうとう秋。
やっと秋がやってきました。
今週のweeksdaysは、
秋色の服。
一枚着れば、おしゃれが決まる。
Honnete のワンピースとブラウスをご紹介します。
コンテンツは、
秋のおしゃれ座談会。
久しぶりメンバーとのおしゃべり、
たのしかったな。
ジョガーパンツをエレガントに
- 伊藤
- 今回、初めてご紹介するテーパードジョガーパンツは、
わたしがSAQUIの展示会で見て、「いいな!」って。
- ──
- ジョガーというのは
ジョギングをする人のことですよね。
だからジョガーパンツというと
裾にゴムやリブがついている
スポーティなものを想像するんですが、
SAQUIのテーパードジョガーパンツは
とてもエレガントです。
- 岸山
- ジョガーパンツは、
もともとはスポーツ用のものだったのが、
ストリートファッションに取り入れられ、
いまはもっと広く、おしゃれ着のデザインとして
知られるようになりましたね。
私はこれを、きれいめだけど、ちょっとラフで、
すこし“外した”感じを目指して、
テーパードリボンパンツと同じ
Faliero Sarti(ファリエロ サルティ)の
バックサテンジョーゼット生地でつくろうと思ったんです。
このパンツ、先日初挑戦した
パリコレクションでお披露目した新作なんですよ。
- ──
- パリコレクション、
2024秋冬に参加なさったんですよね。
ランウェイのようすを
ウェブサイトで拝見しました。
- 岸山
- そうなんです。はじめてのパリコレでした。
そのデザインを考えるとき、
今までのSAQUIの延長でやりたいと思ったんです。
それを崩してまで
新しいものをつくろうとは思わなかったですし、
ランウェイでモデルさんに着てもらうのは、
じっさいに販売をするもので構成しようと思いました。
だとしたらお客さまがご愛用くださっている
テーパードリボンパンツをちょっとアレンジしようかなと。
それで、形を変えてカッコよく見せたいと、
ジョガーパンツに挑戦したんですよ。
- 伊藤
- 一般的なジョガーパンツでリブにあたる部分を、
SAQUIでは、Faliero Sartiの共布を使って
カフスで表現なさっているんですよね。
- 岸山
- はい、共布のカフスです。
リブはつけたくなかったんですよ、
急にカジュアルになっちゃうから。
そもそも、この生地に合うリブって、ないんですよ。
- 伊藤
- そうですよね、わかります。ないと思う。
- 岸山
- このFailure Sartiの黒は特別なので、
他素材との色合わせがとても難しいんです。
たとえばカフス部分を
シルクでつくったとしても、無理だと思う。
そして中にゴムを入れるのも違う、となり、
きれいに見せるにはどうしたらいいかを考え、
共布でカフスをつくり、
フラシ芯(*)を入れることにしたんです。
(*)芯地が必要な部分表地の布と接着させないことで、
生地の風合いをいかし、高級感を出す手法。
シャツの衿やカフスに用いられることが多い。
- 伊藤
- なるほど、だから柔らかさが出ているんですね。
- 岸山
- そうそう、柔らかいし、
接着芯にするとペタッとしちゃうんです。
これっていわゆる“高級仕立て”なんですが、
普通に手洗いをしていただければ、
お洗濯で崩れることもありません。
- 伊藤
- うん、うん。
- 岸山
- あと、パタンナーさんとかなり細かく詰めたのが、
裾のカフスの細さをどう出すか、でした。
ジョガーパンツって、キューッと足元を
細身にしたくなるじゃないですか。
- 伊藤
- たしかに一般的なジョガーパンツって、
リブが細くて長い印象がありますね。
- 岸山
- そうなんです。
でもそれをめざすと、ゴムを入れるか、
リブをつけるかしかなくて。
- 伊藤
- ボタンでもないし‥‥。
- 岸山
- そうなんです。
だから足の甲が無理なく入る幅で、
いちばんきれいに見えるように
幅と長さを考えました。
- 伊藤
- SAQUIが長く展開してきた
Faliero Sartiの生地を使うのって、
とても素敵なことだと思います。
いちど経験した人はこのよさを知っているし、
デザインが新しいから、さらに多くの人に
受け入れてもらえそうだなと思います。
- ──
- 今までのテーパードリボンパンツと比べて、
このテーパードジョガーパンツは
丈が長くなっているんですよね。
- 岸山
- はい。テーパードリボンパンツの
ロングよりも長いんです。
足首がタプッとするのがいいなと、
ちょっと長めにしているんです。
- 伊藤
- でも156センチのわたしが穿いても大丈夫なんですよ。
裾のたぷっとした感じがよくて。
- ──
- 靴も目立つので、
コーディネートのたのしみがありそうですね。
- 岸山
- 今回のコーディネートでは、
ちょっと甲が見えるように、ソックスを履かず、
フラットシューズを合わせました。
もちろんバレエシューズもすごく合いますし、
スニーカーでもいいですし。
- 伊藤
- ブーティーも似合いますよ、きっと。
- 岸山
- ブーティーなら、
裾をちょっとかぶせてもいいですよね。
それからヒールにもよく合います。
weeksdaysのお客さまって、
あんまりヒールのイメージが
ないかもしれませんが‥‥。
- 伊藤
- でも、ヒールを履くときには、
このテーパードジョガーパンツを合わせてみてほしいな。
甲が立って、また違うシルエットが楽しめそう。
- 岸山
- そうですね。
そして上は、コートを合わせてみました。
みなさん、トレンチなど、
ロングコートをお持ちでしょうから、
ぜひこんなふうに着てもらえたらと思って。
コートの裾からカフスが見える感じが、
とてもかわいいなと思うんです。
ちょっとリラックス感があって、
大人の印象がうまれますよね。
- 伊藤
- 白いシャツにも似合いそう。
- 岸山
- 似合います!
このパンツはシチュエーションを問いませんよね。
それから、いいところをもうひとつ。
足首があったかいんです。
だから秋冬におすすめですよ。
真冬だったら下にタイツを穿いて。
- 伊藤
- なるほど!
長く着ていただけそうですね。
テーパードリボンパンツ、そのロング、
そしてテーパードジョガーパンツ、
Faliero Sartiの生地を使った
SAQUIのパンツのラインナップが充実して、
わたしもとてもうれしいです。
岸山さん、ありがとうございました。
また次のシーズンがたのしみです。
- 岸山
- ありがとうございます!
テーパードリボンパンツにロングができました
- 伊藤
- 今回、SAQUIの新作として
テーパードリボンパンツのロングと
テーパードジョガーパンツを
ご紹介することになりました。まず、ロングのほうなんですけれど、
オリジナルのテーパードリボンパンツが穿きたいけれど、
ちょっと短いな、というかたがいらっしゃることから、
「ロング丈があったらいいな」
と、岸山さんに相談したんです。
そうしたら、じつは、お客さまからも
そういうリクエストがあるのだとおっしゃって。
- 岸山
- はい。SAQUIのパンツは、サイズが小さくなると、
丈も少しずつ短くなっていくんです。
なので長身の細いかたがウエストに合わせて
34とか36サイズを選ぶと、
丈が短くなってしまうことがあるんですね。
なら40サイズにすればいいのかというと、
こんどは全体の印象が変わってしまう。
そういうお客さまには、個別に、
ウエストは細めのまま丈は長め、というように、
セミオーダーを受けていたんです。
- 伊藤
- 156センチのわたしが穿くぶんには、
オリジナルサイズがちょうどいいんですが、
モデル撮影のとき、コーディネートによっては、
「もうちょっとだけ長いバージョンが
あってもいいんじゃないかな?」
って思ったりもしましたね。
- 岸山
- モデルさん、小柄でも脚が長いかたが多いですものね。
そういうときは、腰でちょっと落としたりして。
- 伊藤
- そうそう。
だからお客さまの立場からすると、
穿きたいのに、丈の都合で穿けない、
っていうかたがいるんじゃないかと思って。
- ──
- ということは、今回のロングは、逆に、
伊藤さんにはすこし長いんでしょうか。
- 岸山
- いえ、それが、大丈夫なんです。
靴とのバランスなんですよ。
オリジナルの丈だと足首や靴下が見えて
軽快な感じになるんですけれど、
ロングは、丈がちょっと長くなることで、
シックというか、“こなれた”感じが出るんです。
- 伊藤
- SAQUIのパタンナーの結城奈美さんが、
靴によってパンツの丈を変えるとおっしゃっていて、
「なるほど!」と思いました。
つまり靴で調整すればいいんですよね。
- 岸山
- 各サイズ3センチ、丈を長くしているんですけれど、
164センチのかたに試着してもらったら、
裾にワンクッションのゆとりができました。
それを見たときに、
この穿きかた、すごくいいなって思ったんです。
- 伊藤
- オリジナルではちょっと短いな、
というかたはもちろんのこと。
オリジナルの丈の軽快さがいいなと思いつつ、
ちょっとエレガントにも着たい、
と思っているかたにも、
ぜひ穿いていただきたいと思うんです。
基本は同デザインの2本目のパンツとして、
丈の長さが違うものを持っていても
いいんじゃないかなって。
これって、長くしたことで
パターンも変えたんですよね。
- 岸山
- はい。裾に向かって細くなっているので、
そのまま延長すると足首が細すぎてしまいます。
なので膝から下のパターンを微調整し、
裾口の幅は同じで、自然に感じられるように
修正しているんです。
- ──
- 同じに見えても、パターン、じつは違うんですね。
- ──
- 今回のこのコンテンツのコーディネートは
岸山さんにご担当いただきましたが、
ポイントを教えていただけますか。
- 岸山
- パンツの丈が長いとエレガントな印象になりますから、
黒いジャケットを合わせて、シックにまとめました。
シューズはあえてスニーカーで、“外して”います。
足首部分が隠れるかどうか、くらいの丈感が
カッコいいなって思って。
- 伊藤
- とてもよかったですよ。
- 岸山
- もしちょっとフォーマルな場所に行くのなら、
靴を替えてもいいと思いますよ。
ヒールでもいいし、ローファーでもカッコいい。
レースアップシューズもいいですよね。
- 伊藤
- なるほど。
- 岸山
- そしてオリジナルの丈のほうは、
あえて足を見せたくて、パンプスにして、
レースのタイツを履いてもらいました。
ちょっと短いからこそ、
あえて足の甲や足首を見せようって。
- 伊藤
- そのかわいさ、ありますよね。
- 岸山
- トップスはちょっとフェミニンなブラウス。
軽快な印象の丈感ですけれど、全身が黒なので、
シックでおしゃれな感じになっています。
- 伊藤
- これならちょっとしたレストランにも行けますね。
丈違いは違う服
SAQUIのテーパードリボンパンツを買い足すという友人。
もう何本も持っているはずなのになぜ?
と尋ねたところ、
こんな答えが返ってきました。
「今までのももちろん穿くけれど、
大人だから、きれいなものを
一本持っておきたいなと思って」
なるほど。
仕事の時と、「ここぞ」というシーンとで、
穿き分けるのだとか。
「色違いは違う服」は、私の持論なのですが、
よく穿いているパンツと、
新品に近いパンツはまた「違う服」なのだなぁ。
weeksdaysの定番中の定番、
SAQUIのテーパードリボンパンツ。
私も何本も持っているアイテムですが、
靴やトップスとのバランスで、
ちょっと長めが欲しいな、
そう思うことが何度かありました。
そこで岸山さんにお願いして作ってもらったのが、
今回の新・テーパードリボンパンツ。
「丈違いは違う服」なのです。
新たに、秋冬の中からえらんだ
テーパードジョガーパンツもご紹介。
これもまた、すごくいいんですよ。
コンテンツは岸山さんに、
新しいパンツについていろいろとうかがいました。
どうぞおたのしみに。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
9月19日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
SAQUI
フレアワンピース
一枚でさらりと着られて、
様になる服って意外に少ないものです。
きちんと見えながら、
でも着心地は窮屈じゃない。
かつシワにもならず‥‥と
「いいところ」をあげるとキリがない
(けして大げさではなく)のが、
SAQUIのこのフレアワンピース。
ウエストの切り替えがデザインのポイントになっていて、
エレガント。
袖丈やスカート丈もほどよく、
一枚持っていると、何かと役に立ってくれそうです。
卒業や入学、
ちょっとあらたまった集まり、
またお別れのシーンにも。
デザイナーの岸山さんのお話もぜひ参考にしてくださいね。
(伊藤まさこさん)
オックスタックパンツ、こんなコーディネートで 02 岡本敬子さん
岡本敬子さんのプロフィール
おかもと・けいこ
服飾ディレクター。
文化服装学院スタイリスト科卒業後、
スタイリストオフィスを経て、
大手アパレル会社のPR部門で
国内外のブランドのプレスを担当。
2008年に独立し、ファッションブランドの
ものづくりからPR、店舗の計画など、
「おしゃれ」に関する幅広い仕事に携わる。
2011年に立ち上げたブランド「KO」は、
流行は追わないけれどスタイリッシュでいたい、
人と同じものはつまらない、エイジレスでいたい、
というひとたちに向け“旅のMIXスタイル”をテーマに、
ジュエリー、革小物、アイウェアなどを展開。
オーガニックコットンの
nanadecor(ナナデェコール)では、
KO by nanadecor という、岡本さんのラインをもち、
2017年からは東京・千駄ヶ谷の「Pili」というお店の
ディレクションも担当。
編集者の夫・岡本仁さんとの共著に、ブログを書籍化した
『今日の買い物。』
『続・今日の買い物。』が。
現在は発信のベースをインスタグラムにうつし、
おおぜいのフォロワーの支持を集める。
著書に『好きな服を自由に着る』
『好きな場所へ自由に行きたい』
『私の定番』
(いずれも光文社)などがある。
「weeksdays」では
座談会「Le pivotの定番服のつくり方」
「わたしたちの好きなちいさなもの」などに登場。
長年ファッションに関わる仕事をしていることもあって
持っている服の数はそれなりに多い方だと思います。
でも年齢を重ねてくると
「バリエーションがそれほど無くてもよいのでは?」
という気持ちになってきて
少しずつ自分のワードローブも
変化しているような気がします。
具体的には、本当に着心地がよくて
気に入ったアイテムを色違いで揃えること。
Le pivotのオックスタックパンツも
そんなアイテムのひとつです。
あまりにも好きすぎて
6本も持っていることに笑われることも。
でも実は、恥ずかしながら
この夏の新色もすでに手に入れたので
とうとう合計7本になりました。
1週間毎日違う色を穿けちゃいますね(笑)。
これだけ持っているタックパンツについて
好きな理由をあげるとすれば、
素材はオックス生地で張りはあるけど柔らかく
ドライタッチで肌にまとわりつくことがないのがよいこと。
ウエストのタック部分が
気になるお腹周りをカバーしてくれるし
ワイドシルエットにありがちな重さがなく
シルエットがスッとしていて綺麗なので
小柄でもスッキリと穿けること。
そして、生地が丈夫なので
家で洗濯できるイージーケアだというのが
なによりもうれしいんです。
そんなタックパンツに惚れ込んだ私の
ある日のスタイリングをご紹介します。
まずはターコイズカラーのオックスタックパンツ。
美しくて上品なターコイズカラーは好きな色のひとつ。
白やネイビーと合わせるのももちろん素敵ですが
この日はスカイブルーの
シルクのフェミニンなブラウスと合わせて
ブルーのグラデーションと
ブルーと相性抜群のキャメルの小物で
スタイリングしました。
つぎにチャコールグレーのオックスタックパンツ。
メンズライクでハンサムカラーのチャコールグレーには
レディな要素を入れたかったので
リブニットとメリージェーンシューズに
それぞれ赤を差し色に。
ジャケットはダークなカラーではなく
ベージュカラーにすることで軽やかに。
差し色の赤が効いてくるスタイリングです。
そして、アイボリーのオックスタックパンツ。
どんなスタイルにも合わせられそうな
便利なカラーということもあり
私が穿いているのを見た友人たちも
こぞって購入してくれました。
冬はオフホワイトのタートルニットに合わせ
ワントーンスタイリングをしていましたが
まだ暑さの残る今の時期は
シアーなレモンイエローの
少しだけオーバーシルエットのトップスに
バッグは竹カゴを。
柔らかいイメージのシアーなアイテムには
クールなタックパンツで
メリハリあるスタイリングが出来上がりました。
同じ形のパンツでも、差し色や小物ひとつで
スタイリングが自由自在に変化できる楽しみがあります。
年齢問わず小柄な方や大柄な方にも
なぜかフィットするこの脚長効果抜群である
(マジックパンツだと個人的には思っている)
オックスタックパンツに
ぜひみなさんチャレンジして頂きたいなぁと思っています。
オックスタックパンツ、こんなコーディネートで 01 伊藤まさこ
クローゼットの中にあるLe pivotのタックパンツ、
1枚2枚‥‥と数えていったら、
なんと7枚もありました。
最初に買ったのは、
今回weeksdaysでも販売するターコイズ。
私が今まで穿いてきたパンツと比べると、
シルエットはかなりワイド。
身長156センチとそう高くはないので、
当初、大丈夫かしら‥‥と思っていたけれど、
そんな心配は杞憂でした。
サイズ感も丈もぴったり。
タックが取られているので、
腰まわりがゆったりしていて、穿いていて楽。
なのに「きちんと」見える。
シャツや薄手のニットをインしても、
すっきり見える、という素晴らしいパンツ。
トップスは、
Tシャツ、ニット、シャツ‥‥となんでも。
ジャストサイズのニットや
Tシャツとの相性は言わずもがな、なのですが、
オーバーシルエットのジャケットを合わせると、
新鮮なシルエットに。
これも合う!
あれ、これもいける。
‥‥と、なんだかコーディネートが楽しくなって、
いろいろと合わせたのですが、
友人たちから好評だったのが、
少しフォーマルなジャケットとのコーディネート。
インナーはジャケットと同色の黒にし、
靴はぺたんこのバッグストラップ(写真下左)、
黒のかごバッグを持つ、
というスタイルに何度助けられたことか。
(今回販売する、どの色のパンツとも相性よし、でした。)
合わせる靴はヒールのあるものから、
ぺたんこのもの、
スニーカー、真夏はビーサン(!)も。
もう少し涼しくなってきたら、
薄手のニットにジャケット、
冬が近づいてきたら、ざっくりしたタートルニットに、
バレエシューズを合わせてもいいなぁ。
タックパンツを前に、
夢は膨らむばかり。
やっぱり秋っておしゃれしたい気分になりますね。
それ、どこのですか?
外国を旅すると、
いつもより見知らぬ人と話す機会が多くなる。
たとえばパリの街角。
信号待ちをしている隣のマダムから、
「あなたのコートすてきね。似合ってる」
なんて褒められたり、
ニューヨークのスーパーのレジ係の人に、
「そのワンピースすてき! どこのブランド?」
と、はじけんばかりの笑顔で尋ねられたり。
だからこちらもうれしくなって、
ありがとう! とか、
タグを見せて、このブランド、チェックしてみて。
なんて言ったりする。
こんなやりとり、
日本でももっと頻繁にあったらいいなと思って、
私はどんどん話しかけちゃう。
エレベーターで乗り合わせた人、
蕎麦屋で隣りに座った人‥‥。
その時その場所を一緒にいたという、
(勝手な)連帯感がそうさせるのかもしれないなぁ。
このパンツを穿いていると、
「それ、どこのですか?」
と尋ねられることが多いんです。
おおー! シャイな日本人もつい声に出して、
尋ねたくなるパンツなのだな。
もちろん、答えますとも。
元気よく、Le pivot のです! ってね。
今週のweeksdaysは、
一本買うと、色違いで欲しくなっちゃう、
Le pivot のオックスタックパンツ。
3色展開ですよ。
どうぞおたのしみに。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
9月12日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
Le pivot
バックサテンベイカーラフパンツ
若い頃に着ていたカーキ色の古着のパンツ。
それが妙に気になり始めたのが去年あたりから。
とはいえ、気合いで穿き倒すおしゃれ心、今はないんです。
欲しいのは、
手強い服より、やさしい服。
そして今の自分に似合うもの。
そんな時に見つけたのが、
Le pivot のバックサテンベイカーラフパンツ。
一見、ハード?
でもよくよく見ると、すごーくシンプル。
シンプルだから、華奢なヒールだって似合っちゃう。
バレエシューズやスニーカー、
真夏はビーサンもよさそうです。
バッグ部分がゴムになっているからベルト要らず。
股上の深さや腰まわりのゆとりも絶妙。
そしてなによりすごいのは、柔らかい履き心地。
ごわっとした素材に見えるでしょう?
でも、すごーくやさしいんです。
素材や形など、デザイナーの小林さんにうかがった
コンテンツと合わせてどうぞ。
今回、weeksdaysのために、
通常サイズに加え、
丈を4センチ短くしたものも作っていただきました。
身長156センチの私が穿くとほどよい丈なんです。
色はオリーブとブラックの2色ですよ。
(伊藤まさこさん)
撮る、見る、選ぶ
- 伊藤
- ご自分で、何を撮るのが好き、とかありますか。
気がつくと、こういうものが多いなあ、とか。
- Kanoco
- 以前は「光」でした。
光の入ったお部屋とか、
太陽が差し込んでいる、
ちょっとキラッとした様子が好きだったんです。
それをフィルムで撮っていたんですよ。
- 伊藤
- カメラを持ち歩いて?
- Kanoco
- 2台持ちで肩からさげて。
- 伊藤
- そうなんだ!
2台は、ちがうカメラなんですか。
- Kanoco
- はい、マニュアルカメラだったり、オートだったり。
別々のレンズをつけていたので、
写りも違うんですよ。
でも長男が生まれてからは、
重い荷物をできるだけ減らしたいと、
フィルムカメラを持つ機会が
すっかり減っちゃいました。
今はスマートフォンで子どもたちを撮ることが
うんと増えました。
- 伊藤
- フィルムカメラの時は、
あんまり人は‥‥?
- Kanoco
- 人はあんまり撮っていなかったですね。
- 伊藤
- 撮る行為が好き?
それとも撮ったものを眺めるのが好き?
- Kanoco
- 撮ったものを眺めるのが好きです。
- 伊藤
- それが何かの形になったりとか。
- Kanoco
- 『SPRiNG』という雑誌で
「カノコの観る世界」という連載や
『OZmagazine』という雑誌で
「Kanocoのハローアゲイン」という
写真の連載をしたこともあります。
もともと「何を撮ろうかなあ」って
気にしながら歩くのが好きでした。
そういうひとりの時間っていうのが
すごく好きなんです。でも今はもう
「晩御飯何にしよう?!」と考えながら
歩いてるものですから‥‥。
もうちょっと経って、
再開できたらいいなって思うんですけど、
- 伊藤
- なるほど! 写真を撮るのって
ちょっと心の余裕がないと
できないことなのかもしれないですね。
- Kanoco
- そうなんです、できないです。
- 伊藤
- 時間があって写真を撮る気分のときって
景色も違って見えませんか。
何気ないものが目に入ってくる。
わたし、春にマンホールや
塀のすき間から出てくる緑が
すごく好きで、写真におさめるんです。
でも、もしカメラがなかったら
見過ごしてたかもしれないって思います。
- Kanoco
- わかります。
フィルムカメラを持ち歩いていた時は、
(両手で横長の長方形をつくって)
こういう縦横比でいろんな場所を見ていた気がします。
- 伊藤
- わかる! それはちょっと職業柄もあるのかも。
たぶんKanocoさんの場合はその中に
どう自分が収まるか、
わたしの場合はどうモノを配置するかを
考えているんですよ。
- Kanoco
- うん、きっと、そうですね。
- 伊藤
- 横長の長方形を意識するというのは、
スマートフォンの今も?
- Kanoco
- そうですね、考えています。
伊藤さんは正方形ですよね。
- 伊藤
- わたし、ずいぶん昔、
インターネットのない頃でしたけれど、
パリに行って撮ったフィルム写真の紙焼きを、
正方形に切って、アルバムに並べていたんですよ。
写真は正方形の方が収まりがいいなあ、
って思うことがあって。
- Kanoco
- へえー。
- 伊藤
- 今はInstagramもあるので、
もう、完全に、正方形で考えています。
weeksdaysの写真もそうですし、
目が正方形を意識している感じです。
日めくりカレンダーは、
サイズと写真の入れ方を考えるときに
「ポラロイド写真のように」って思ったんですよ。
- Kanoco
- そっか、ポラロイド写真も正方形ですね。
- ──
- サイズや余白もポラロイドフィルムと同じなんです。
- Kanoco
- 私、Instagramも頑なに
ずっとフィルムサイズの縦横比で
載せ続けているんです。
横向きの、長方形。
- 伊藤
- あ、なるほど、なるほど。
フィルム写真の名残なんですね!
- Kanoco
- 手間なんですけどね。
Instagramって長方形の写真をそのまま載せると
一覧のサムネイルがすべて正方形で表示されてしまう。
そこも長方形にしたいので、
あえて余白をつくって、データとしては正方形で、
白枠の中に長方形の写真が入るように
加工をしているんですよ。
- 伊藤
- そっか!
長方形と正方形ということで、
わたしたち、それぞれ見る目が違うのかもしれないですね。
とても面白いです。
だからいろんな人の日めくりカレンダーが
あったらいいなって思うんですよ。
もしKanocoさんが
日めくりカレンダーをつくるとしたら
どういう構成にするんだろう?
- Kanoco
- 伊藤さんが、季節を感じさせながら、
同じようなテーマの写真は連続しないようにと
おっしゃっていたのと逆に、
私は同じような写真を
続けて載せるかもしれないです。
- 伊藤
- そっか、なるほど!
この週はずっとこのテーマ、
みたいな構成、面白いかも!
- Kanoco
- 白いものだけ続けるとか、
しばらく黒いものだけ載せるとか。
ルール好きの、ルーティーン人間なんです。
決めたがり、ですね。
「継続の鬼」なんです、私。
- 伊藤
- わたし、ノールール人間。無継続の鬼。ふふふ。
- Kanoco
- でもルーティーン人間になったのは
自分がその方が楽だからなんです。
そうすれば考えなくてもいい、というか。
出産してからは特にそうですね。
「この時間にはご飯」「この時間にお風呂」と
決める方が動きやすいので、
自分が楽になるためにそうしてる気がします。
- 伊藤
- それをクリアしたときの喜びとかもあるんですか。
- Kanoco
- クリアをすることがあたりまえなので、
イレギュラーにめちゃくちゃ弱いんです。
「あああ、どうしよう」ってなっちゃいます。
でも仕事に影響することはなくって、
自分の中で完結できる範囲で、ですね。
- 伊藤
- 撮影のときとっても落ち着いているKanocoさんを見て、
すごいなあ、プロだなあって感じてました。
まったくあたふたしないで、
わたしたちが思ってる以上の表現をしてくださった。
すごかったです。
- Kanoco
- ありがたや!
撮影は別なんです、まったくあたふたしない。
- 伊藤
- ものづくりをしていく上ではどうですか。
思い掛けないトラブルがあったりしますよね。
そのときはあたふたする?
しなさそうな感じが‥‥。
- Kanoco
- そうですね。ものづくりでは、
あたふたしないですね。
- 伊藤
- どんなときにあたふたするんだろう。
- Kanoco
- 完全にプライベートのときです。
- 伊藤
- 子育てでどんなにあたふたしていても
仕事に来ちゃえばもう大丈夫、みたいな?
- Kanoco
- そうですね。
- 伊藤
- 撮影の時に話していたんですけれど、
プラムを食べた次の日の写真がプラムだったりして、
お子さんと喜んでくださったとか。
- Kanoco
- そう、まさしく! っていうタイミングでした。
ヤングコーンを息子に出した次の日の写真に
ヤングコーンが出てきた! とか。
そんなふうに喜んでいるので、
子どもも楽しいらしいんですよ、
だから「今日のカレンダーなに?」って
言ってくれるようになりましたね。
「今日まだめくってないよ!」とか。
- 伊藤
- うわぁ、かわいい!
面白いのかな、毎日めくるって。
- Kanoco
- 日めくりは生活の一部なんだなって思いました。
とっても生活に密着した商品なんだなって。
- 伊藤
- ほんとにありがたいなあと思ってます。
その一年、ずっとその人の生活とともに
あるものだから。
- Kanoco
- それに、モノとしてかわいいですよ。
部屋に置いておきたいですもん。
- 伊藤
- ありがたいー。
ちなみにどこに置かれてるんですか。
- Kanoco
- 今は子ども用の背の低い箪笥の上に置いてます。
そうそう、私の母は英語の塾をやっていて、
60才でやめちゃったんですけど、
教室にいつも日めくりがありました。
毎年、誕生日に「ほぼ日手帳」をプレゼントするので、
ことしは日めくりカレンダーもあげようかなと。
- 伊藤
- とっても嬉しいです。
わたしも母に、キッチンと寝室用で
2つプレゼントしています。
めくったものは、買い物などの
メモにしているみたいです。
- Kanoco
- その使い方もいいですね!
- 伊藤
- Kanocoさん、モデルも、対談も、
ほんとうにありがとうございました。
また日めくりの使い方、見せてくださいね!
- Kanoco
- こちらこそありがとうございました!
一日が始まった!
- 伊藤
- Kanocoさんが、こんな写真を
Instagramに上げてくださってるのを見ました。
「weeksdays」の日めくりカレンダーの裏を
使ってくださっているんだとわかり、
チームみんなで、とっても喜んで。
-
▲ある日のKanocoさんのInstagram。
- Kanoco
- 3才になって、描くことが楽しいらしくて。
だからめくったカレンダーをとっておいて
裏をお絵描き用にしているんです。
カレンダーを毎日めくる、ということで、
息子も“日にちが変わる”ことを
理解した気がします。
- 伊藤
- そんな成長の役にたって!
こういうお絵描き、捨てられませんね。
- Kanoco
- 捨てられないです。
- 伊藤
- 日付もあるわけだから、
それをとっておけば、
この年のこの日はこうだったんだ、
という記録にもなるわけですね。
- Kanoco
- 素敵ですね。
- 伊藤
- 「weeksdays」のものをお使いいただく前から、
日めくりカレンダーはお使いだったんですか。
- Kanoco
- そうですね、毎年かならず‥‥ではないですけれど、
とても好きで、使ってきました。
- 伊藤
- じつは日めくりカレンダーを作るというのは、
わたしの発想ではなかったんですよ。
それまで「weeksdays」では
「暦帖」という自分で描き込む式の
シート型のカレンダーをつくっていたんです。
美篶堂の手製本で、
とてもきれいな製品だったんですが、
一部の方には支持をいただいたものの、
なかなか広く受け入れられるものではなく、
継続を断念することにしたんです。
でもチームから
「weeksdays」のカレンダー的なものが
ないのは寂しいという話が出て。
そこでチームと相談をし、
わたしの写真で作ってみようということに。
- Kanoco
- そうだったんですね。
私、大好きですよ、日めくり。
- 伊藤
- その“日めくりが大好き”なところって、
やっぱり毎日変わるから?
- Kanoco
- そうですね。それに、日めくりって、
一日の始まりと終わりがはっきりしますよね。
- 伊藤
- なるほど。
何時頃にめくる、ってありますか。
- Kanoco
- 朝がいちばん多いですね。
めくるのは息子の仕事になってます。
そうすると「一日が始まった!」って思うんです。
- 伊藤
- そうなんだ。
しかもめくった日のカレンダーを
とっておいてくださって。
- Kanoco
- こんなふうに
対談に呼んでいただくとは思っていなかったんですが、
とっておいてよかったです。
こうして缶に入れているんですよ。
息子がお絵描きしたものもいっしょに。
- 伊藤
- とってもかわいいですね。
これはアルファベット?
- Kanoco
- ABCを覚えたばかりなんです。
それでこういう文字を書いたりも。
- 伊藤
- わたしたちが思いつかない使い方です。
Instagramを見ていると、
味噌を仕込んだ日のカレンダーを
容器に貼り付けておく、
というかたもいたりして、
なるほど! いろんな使い方ができるんだな、
って思いました。
- 伊藤
- ところで、Kanocoさんって
書くことがお好きなんでしょうね、
さっきもメイク室の傍らにノートが置いてあって、
いつも何かを書いていらっしゃるんだなって思いました。
- Kanoco
- そんな、全然、たいしたものではないんです。
洋服のデザインとか、いろいろですね。
- 伊藤
- わたしは、全然、メモをとらないんです。
昔からそうで‥‥。
画像ならスマートフォンで撮影して、
言葉で思いついたことで
共有したいことがあったら
「weeksdays」のチームLINEや、
メールで伝えているんです。
- Kanoco
- 今は、そうですよね。
- 伊藤
- でも書いておいたほうが
いいものがあるのはわかります。
ずっと残すかどうかは別にして。
- Kanoco
- そうなんですよね!
残したいと思って書いてるわけではないんですよ。
昔は日記を書いても、
1年が終わったら捨てていました。
たとえばちょっと嫌なことだったり、
頭の中から取り出しておきたいことを
日記帳に移行するみたいなイメージで書いていたんです。
だから読み返すものでもありませんし、
誰かに見られたら嫌だなぁ、と思って。
- 伊藤
- つまり、Kanocoさんにとってノートや日記は、
そのときの考えを一時的に移行しておくものなんですね。
- Kanoco
- そういうことなんでしょうね、
その習慣が今も続いている感じです。
- 伊藤
- お洋服のデザインとかはどういうふうに?
絵を描かれるんですか。
- Kanoco
- 言葉で書き留めておくことの方が多いです。
というのも絵がすごく下手なので。
「ほぼ日」の「Cacco」の制作アイデアも、
言葉で伝えつつ、たまに絵を添える感じです。
- 伊藤
- それでちゃんと形になってきたのなら、
それでいいんだと思いますよ。
自分がパターンを引いたり絵が描けなくても、
言葉で欲しいものを伝えることで、
理想のものってつくれますよね。
ちゃんとその思いが通じる
プロフェッショナルなチームと一緒なら。
わたしもよく、そのことを思うんです、
- Kanoco
- ほんとに! ひとりだと絶対にできないことが、
チームだとできるんですものね。
ありがたいですよね。
- 伊藤
- 「Cacco」のデザインの発想はどんなところから?
- Kanoco
- コンセプトは、私の好きなもの、好きなこと、
記憶のなかの宝物をかたちにしていく、
とうことなんですけれど、
同時にそのアイテムの撮影のことを考えちゃいますね。
その服をつくってどう撮るか、ということを。
- 伊藤
- それはプロのモデルさんとして
いつもそういう場面にいらっしゃるからでしょうね。
でもね、お客様に届くきっかけは、
その撮影した写真から、だから、
すごくいいと思うんです。
- Kanoco
- そうですね。
伊藤さんはどんなふうに?
- 伊藤
- どこで着るかとか、どこで使うかを想像するかも。
とくに「もの」は使う様子や置く場所を考えます。
でも、Kanocoさんといっしょで、
洋服だと、こう撮ったらかわいいな、
ということを、同時に、いつも考えていますね。
日めくりカレンダーのつくりかた
- 伊藤
- Kanocoさんが「weeksdays」の
日めくりカレンダーを使ってくださっていると知り、
とっても嬉しくて。
今日は、モデルもやっていただいて、
そのうえ、対談まで、
ほんとうにありがとうございます。
- Kanoco
- こちらこそありがとうございます。
そうなんです、この日めくりカレンダー、
季節感があって、毎日楽しくて。
- 伊藤
- 嬉しいです。季節感があるのは、
なるべく撮った日に近い並びにしているからかな。
- Kanoco
- 伊藤さんはふだんから、たくさん
写真を撮ってらっしゃるんですよね。
こんなふうに365枚も選べるって、すごいです。
- 伊藤
- 1年目は、過去5年分の写真から選んだんです。
でも2年目、ストックがないぞ、どうしよう? って。
コロナ中で旅もしていなかったので
ちょっと苦労しました。
2025年版が3年目で、
この1年は旅にも出かけられたので、
選ぶのも楽しい作業でしたよ。
ぜひ、できたばかりの2025年版、見てください。
- Kanoco
- じゃあ‥‥まず、自分の誕生日のところを。
- 伊藤
- あ、やっぱり?
- Kanoco
- 2月の6日は、っと。
- 伊藤
- あら、わたし、2月9日です。
- Kanoco
- 近いですね! 嬉しいです。
2025年版の2月6日は‥‥、
わぁ、好きです。
めっちゃかわいい。
- 伊藤
- よかったあ。
これはヨーロッパのおみやげのクッキーです。
- Kanoco
- 嬉しいな。
- 伊藤
- 誕生日って特別ですものね。
だから一日もおざなりにできない。
- Kanoco
- そう。どの日も、絶対、誰かの誕生日ですものね。
並び方の工夫は、季節感のほかにも?
- 伊藤
- そうですね、今回は旅の写真もあるので、
同じ旅先や国の写真が続かないようにしています。
- Kanoco
- へえー、すごい。
- 伊藤
- それから、ものを撮るとき、
撮影の角度が斜めのこともあれば、
真上からの場合もあるので、
同じ角度の写真が続かないようにしたり。
- Kanoco
- それを考えるのってたいへんですよね。
具体的にはどうやって進めているんですか。
- 伊藤
- まず候補の写真を多めに選んで、
日めくりカレンダーのサイズでプリントアウトします。
それを大きな紙に、月間カレンダーのように、
1か月単位で貼っていくんです。
そこで並び順を考えて。
- Kanoco
- それは大変ですね!
- 伊藤
- 「食べ物が続かないように」
「景色ばかりが続かないように」
「硬いものが続かないように」なんてことも
考えながら並べていますよ。
- Kanoco
- 硬さ‥‥まで?!
- 伊藤
- そうなんです。
生ものが続かないようにとか、
同じような色が並ばないようにとかも。
- Kanoco
- なるほど、そういうことって、
理詰めというよりはきっと
伊藤さんの「感覚」ですね。
- 伊藤
- そうなんだと思います。
でも月間カレンダーに貼って並べる作業って、
ちょっと集中し過ぎちゃうんですよ。
だからちょっと時間を置いて見直したり。
- Kanoco
- そういうつくり方なんですね。
きっとその作業、楽しいと思います。
- 伊藤
- そう、つくるのも楽しいんです。
同じ素材でも並べるのがKanocoさんだったら
また違うカレンダーができると思いますよ。
たとえばこの中からだったら、
どういう写真がお好きですか。
美味しいもの?
- Kanoco
- 美味しいもの、大好きです。
たとえばこんな、お正月のなます。
東京のお正月、っていう感じがします。
- 伊藤
- これは、姉が、葉っぱつきの柚子を送ってくれたとき
思いついて撮ったものなんです。
- Kanoco
- あとは‥‥、私、丸いものが好きなので、
たとえば、こんな、雨粒の写真とか。
- 伊藤
- 雨粒。わたしも大好きです。
タクシーの中から撮ったんです。
- Kanoco
- わかります。
タクシーの中って、
いい雨粒、撮れますよね。
それから卵が並んだ写真。
- 伊藤
- 台湾の露店で、
卵が道端にわーって並んでいた様子ですね。
- Kanoco
- そうなんですね。
それから、大好きなソフトクリーム。
- 伊藤
- すごく美味しいんですよ、これ。
ヴィソンっていう三重の商業施設の中に、
白いものだけを置いてるギャラリーがあって、
そこのちょっとした小窓から買えるんです。
- Kanoco
- アイス好きにはたまらないです!
こういった写真を撮るのに、
伊藤さんはカメラをお使いですか。
それともスマートフォンで?
- 伊藤
- スマートフォンの前はカメラを持ってました。
でも、写真を撮るのはすごく好きなんですが、
そんなにたくさんは撮らなかったんですよ。
「カメラって、ちょっと面倒だなぁ」
なんて思ってもいたんです。
でも時間があるときはプリントしたものを
ちゃんとアルバムに貼ってました。
iPhoneを使い始めたのが十何年か前で、
これで写真が撮れるのであれば、
「これでいいんだ!」って思ったんです。
出かけるとき、電話って自分とセットでしょう?
だからちょっとしたかわいいものとかを、
まめに撮るようになったんですよ。
思えば、それがいい形になったのが
この日めくりカレンダーなのかもしれません。
Kanocoさんも写真を撮りますよね。
- Kanoco
- はい。写真、大好きです。
ずっとフィルムカメラで撮ってきたんですけれど、
長男が生まれてからもうぜーんぜん撮れなくて!
いまはスマートフォンで撮ることが多いです。
- 伊藤
- そっかそっか。
いまお子さんがふたり?
信じられないです。
- Kanoco
- ふふふ、大騒ぎしながら育児してますよ。
大きな声で「早く何々しなさい!」ばっかり。
なんでもない日に
ガラス窓についた雨粒。
夏の終わりのフルーツゼリー。
蚤の市で見つけた古いボタン。
プールの向こうの青い空。
母の庭で摘んだミント。
一日、一週間、一ヶ月‥‥
そして一年。
カメラロールを振り返ると、
いろんなことがありました。
絶好調な日もあれば、
冴えない日もあって、
そんなこんなを繰り返しながら、
私の毎日が過ぎていく。
なんでもない日こそ大切だと思えるようになったのは、
大人になった証かも?
今週のweeksdaysは、
日めくりカレンダー。
あなたの一年のおともにぜひ。
t.yamai parisの開襟シャツ、あのひとに着てもらいました 木本真帆さん
木本真帆さんのプロフィール
きもと・まほ
パリを拠点に活躍する
ファッションバイイングコーディネーター。
1995年に渡仏、
ソルボンヌ大学にてフランス語を習得し、
その後、現職につく。
一男一女の母。
自子さんの「わたしが着たいから」
という、とてもシンプルな
理由でつくられたこの開襟シャツは、
それだけあって、やっぱりとてもよくお似合い。
「全体的にベージュ系のカラートーンで
コーディネートしました。」
シャツに合わせた光沢感のある
コットンモールスキン素材のパンツは、
裾が少し広がるシルエット。
バランスがよく見えるようにと
足元は同系色の厚底のサンダルを選んだそう。
カジュアルさとエレガントが同居する、
ほんとうにこのシャツのよさを
知り尽くしているさすがの着こなしです。
そして、ご友人の木本真帆さん。
30年来のご友人だそう。
真帆さんのスタイリングも
ベージュのワントーンでまとめられていますが
自子さんとはまた違った雰囲気に
このシャツの幅の広さを感じます。
「シンプルなブラウスなので
ボリュームのあるアクセサリーと合わせたい」と
首元にはゴールドのネックレス。
そして「このシャツは合わせやすいんです」
と真帆さんがいう通り、
デニムやキャップ、スニーカーとの
スタイリングもとてもすてきです。
襟の開き具合がとても女性らしいので
カジュアルになりすぎない
大人っぽいデニムスタイルになるんですね。
アクセサリーやヘアスタイルを変えて、
自分の気分次第で
どんな雰囲気にも寄り添ってくれるシャツは
一枚あるときっと心づよい。
あらためて、フランス生まれのブランド、t.yamai paris。
やっぱりパリがよく似合うんですね。
普通のシャツではないんです
- 伊藤
- 山井さん、自子さん、
きょうは、開襟シャツのお話を伺えたらと思います。
前回、「グリーン」があっという間に
完売してしまったので再販をするにあたり、
新色をお願いして、つくっていただいて。
- 自子
- 「キナリ」ですね。
これ、すごくいい色だと思いますよ。
- 山井
- 光沢があって、
シャンパンみたいな色合いですよね。
伊藤さんから、
カラーサンプルで依頼をいただいたとき、
僕たちもこの色がいいなと思っていたので、
とても嬉しかったんです。
- 伊藤
- ほんとうにいい色!
ありがとうございます。
パールを合わせても似合いそうですよね。
- 自子
- もちろん似合いますよ。
- 伊藤
- 色はもちろんなんですけれど、
この開襟シャツ、何より形が好きで。
実はわたし、メンズっぽい普通のシャツの襟の形
(台襟つきで高さのあるもの)が
どうも似合わなくて‥‥。
でも襟付きのシャツは着たいんです。
- 自子
- わかります。
私もそうだから。
- 伊藤
- えっ、自子さんも?
ボタンダウンとか、
メンズっぽいシャツが
お似合いになるイメージなんですけれど。
- 自子
- それが、着てみると、全然ダメなんです。
似合う・似合わないっていうのは、
首の長さとかにも関係があるのかな?
って思っちゃう。
- 山井
- 襟の「形」に、好き嫌いがあるのかもしれないですね。
でも、襟が立っている普通のメンズシャツと違って
このシャツは襟が寝ているから、
ずいぶん印象が変わるでしょう?
- 伊藤
- ええ。
わたしと同じように首が詰まる感じの襟が苦手な方でも、
この開襟シャツなら
きっと心地よく着られるだろうなと思います。
- 山井
- そう思います。
寒い季節には下にタートルネックを合わせても
いいですし。
- 伊藤
- それはいいですね!
このシャツは秋冬向けのアイテムということですけれど、
どうして寒い季節のための開襟シャツを
つくろうと思われたんですか?
- 自子
- ふふふ。
私が着たいからかな。
- 伊藤
- なるほど!
- 自子
- でも、襟が開いているだけではなくて、
ディテールの部分で、
「普通のシャツではない」ようにつくっています。
- 伊藤
- たとえばどういったところでしょう?
- 自子
- アームホールは太めなんですけれど、
袖口にかけて細く絞っていたり、
後ろにギャザーを入れたり。
- 山井
- このギャザーがポイントになっているから、
うしろ姿がすごくカッコいいんですよ。
- 伊藤
- そういえば以前、
街でグリーンのシャツを着ている人を
見かけたんですよ。
うしろ姿で「t.yamai paris のシャツだ!」って
すぐにわかりました。
- 自子
- そうそう。
一見、普通のシャツのようで、
うしろ姿が印象的なシャツなんですよね。
- 伊藤
- このギャザー、
ほんとうにすごく素敵です。
- 山井
- ギャザーの量も、
この素材に合っていると思います。
- 伊藤
- 端までたっぷり入っていますものね。
光沢感もあるから、
黒いパンツと合わせたりしたら、
お食事にも行けますね。
- 山井
- 全然行けますよ。
この微妙な色合いも
エレガントさがあって素敵だし。
- 伊藤
- 肩の落ち感もすごくきれい。
これなら、いろんな肩幅の人にも合いますね。
- 自子
- ええ。
どなたでも着ていただけるものがいいなと思って、
サイズは設定していないんです。
うちはほとんどのアイテムがフリーサイズ。
- 伊藤
- そう言われれば、そうですね。
t.yamai paris のお客様は、
どれくらいの年代の方が多いんですか?
- 山井
- 30~50代くらいの方でしょうか。
- 伊藤
- そうなんですね。ちなみにあのジャケットは
20代のうちの娘も着てましたよ。
「なんか今年っぽい雰囲気になった!」
なんて言ってました。
- 山井
- へえー!
- 自子
- 若い方にも気に入っていただけて
うれしいです。
- 伊藤
- このシャツは、
今後も色違いで展開していかれるご予定ですか?
- 自子
- そうですね。
次はきれいめなコットンの素材で、
ストライプで作ってみようかと考えています。
もちろんギャザーを入れてね。
- 伊藤
- ギャザーは欠かせないですね!
- 山井
- このデザインは、
うちの開襟シャツの定番になっていますからね。
- 伊藤
- たのしみにしていますね。
今日はどうもありがとうございました。
- 自子
- こちらこそ。
またお越しくださいね。
あなたのうしろ姿
家の前の坂道を下っていると、
前を歩く女性のうしろ姿に目が留まりました。
ああ、きれいだな。
というのがまずはじめの印象。
でも、
「きれい」だけじゃなくって、
なんだか見覚えがあるような、
懐かしいような。
しげしげと(でも怪しまれない程度に)
見ていると、
分かったんです。
t.yamai parisのシャツを着ているんだ、ということに。
わたしも持っているから、よく分かる。
自分からは見えないけれど、
このシャツはうしろ姿が美しい。
身体を動かすたびに、
ひらひら、
ふわふわと流れるように布が動く。
背中にその様子を感じると、
着ている自分がうれしくなるのです。
今週のweeksdaysは、
t.yamai paris の開襟シャツ。
山井さんにお願いして、
weeksdaysのためにふたたび作っていただきました。
あなたのうしろ姿を、
きれいに見せてくれるシャツですよ。
PAS Stool、わたしの使いかた 伊藤まさこ
これまで、weeksdaysのスツールは、
座面がオーク、脚がナチュラル。
それから、
座面がオーク、脚がブラックの2種類。
ふたつとも同じ形なのですが、
脚の色が違うと雰囲気ががらりと変わる。
私が家で使っているのは、
オーク×ブラックなのですが、
そのままはもちろん、
冬はグレーのファーのシートパッドを敷くと、
また違う雰囲気に。
私のまわりでは、
オーク×ブラックをえらんだ人が多く、
その理由は、
「オークの椅子をたくさん持っているから」。
ちょっと目先の変わった色合いの椅子が
欲しくなったんですって。
なるほど。
今回、北の住まい設計社にお願いして、
作ったのが新色のオーク×グレー。
ナチュラルともブラックとも違う、
おだやかでやさしい色合いは、
グレーからブルーにかけての、
壁や小物が多い我が家にぴったり。
ナチュラルな木の肌合いと、
グレーの組み合わせって、
なんて相性がいいんだろう!
新色のスツールの出来栄えに、
大満足したのでした。
白い壁には、
グレーの脚がポイントに。
また、ブルーのドアの前に置いて、
馴染ませたりと、
家のどこに置いても、新鮮な空気を漂わせてくれる。
スツールって、
小さな家具だけれど、
ただ座るだけじゃない。
「その場の空気を変える」
そんな役割も担ってくれるのでした。
花を飾ったり、
サイドテーブル代わりにしたり。
また、
メーク道具一式や、
ライトを乗せたり‥‥と、
使い方は自由。
いつもの部屋を、
ちょっと変えたい。
そんな方にぴったりなアイテムではないかな、
と思うのです。
PAS Stool あのひとの使いかた 四宮慎太郎さん・七絵さん
四宮慎太郎さん・七絵さんの
プロフィール
しのみや・しんたろう/しのみや・ななえ
長野県御代田町に居を構える。
2024年春、インテリアと暮らしをeditするユニット
LOSKAをスタート。
カーテンやブラインドといった窓周りから
家具、カーペットまで
住まいのインテリアをトータル提案するほか、
印刷物デザイン、インテリアスタイリングなど
インテリアや暮らしに纏わるさまざまな仕事を手がける。
七絵さんは以前「weeksdays」のコンテンツ
「saquiのサマーテーパードパンツ、
3人の方に着てもらいました。」
「小ひきだし、あのひとの使いかた」に登場。
白い壁に木の床。
窓の外は木々の緑が広がって‥‥。
それだけで、
ずっとここに居たい‥‥
という気持ちになる四宮家なのですが、
それにプラスして、
くつろいだり、
ちょっと腰掛けたり、
あるいは花を飾ったりできる椅子の存在が、
その居心地のよさに一役買っているような気がします。
それもそのはず。
慎太郎さんも七絵さんも、
「大の椅子好き」なのだそう。
「ダイニングで使っているセブンチェアは、
前の職場で廃棄予定になっていたものを譲り受けました。
その後、自分たちの好みに塗り替えて‥‥」
と慎太郎さんがいえば、
「このグランプリチェアはカフェの閉店セールで。
その日、仕事で行けなかったので
友人が私の分まで買ってきてくれたんです」
と七絵さん。
一人暮らしをしていた七絵さんの部屋から持ってきたもの、
建築家だったおじさまから受け継いだもの‥‥と、
椅子との思い出もたくさんのよう。
さて、weeksdaysのスツールは、
どこに‥‥とキョロキョロすると、
案内されたのはバスルーム。
白い空間に、ブルーグレーの脚がよく映えてる。
バスルームに新色のスツール、いいなぁ。
「ここでお風呂上がりに座って
スキンケアをすることもあるんですよ」と七絵さん。
腰掛けて背筋をスッと伸ばすと、
鏡に顔が届くのだとか。
「だから姿勢がよくなるんです!」
ですって。
今日はグリーンを飾りました。
「スツールにもタイプがあって、
座ったり踏み台代わりにする質実剛健なものは、
花があんまり似合わないのですが、
weeksadaysのこのスツールは、
グリーンや花を飾っても絵になりますね。
フォルムがきれいだからかな」
美しい木目がポイントのスツール、
自然光が入るバスルームにぴったりです。
この日、キッチンやリビング、
ベッドルーム、お風呂、
ウォークインクローゼットまで見せていただきましたが、
どこもかしこもすっきりピカピカ。
椅子たちも、この家で幸せそうな顔をしていましたよ。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
8月22日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
Lue
大スプーン(栗型)
口当たりのやさしさ、
それからすくいやすさ。
ほどよい大きさもよくて、
使わない日はない、と言ってもいいくらいな、
Lueのスプーン。
実家の母にプレゼントしたところ、
すっかり気に入り、
「チャーハンはこれでないと」というほど、
母娘で定番となっています。
チャーハンはもちろん、
ドライカレーや、
チキンライス、タコライスなどにもぴったり。
「最後の一口」を、
気持ちよくすくってくれます。
小さなサイズは、
お茶やデザートの時間に重宝。
真鍮の輝きは和洋問わず、
幅広い器に合うところも気に入っています。
(伊藤まさこ)
毎日ちょっとずつ
ここ数年、
夏は家の中でひっそり過ごすことにしています。
理由は、とても単純。
暑いから!
もともとの暑がりにくわえて、
年々、加速する猛暑に、もうお手上げ。
無理できない年頃なのかもしれません。
でもね、
いいこともあるんです。
それは、
家と向き合う時間がたっぷりあること。
ある日は、リビングの家具を移動して。
またある日は、チェストの中を整理整頓。
今日はスツールの上を、
ほんの少し模様替え。
涼しい家の中とはいえ、
やりすぎは禁物。
「毎日、ちょっとずつ」
が基本です。
今週のweeksdaysは、
北の住まい設計社のPAS Stool。
好評いただいている2色にくわえて、
新しい色が仲間入りです。
どうぞおたのしみに。
小ひきだし、わたしの使いかた 伊藤まさこ
つい先日、
思い立って小ひきだしの中をすべて出して、
整理しました。
我が家には、小ひきだしがふたつありまして、
ひとつは文房具系、
もうひとつは豆皿を入れているのですが、
中のものをすべて出すと、
え? こんなに入っているんだ‥‥
と、思わず呟いてしまうほどの量でした。
この小ひきだしのうれしいところは、
収納力がありつつも、
見た目に「美しい」というところ。
それってなんだかすごいことなのでは? と思うのです。
今回、実現したのは、
横幅が1.5倍になった「ひろびろタイプ」。
なんとこのひろびろ、
わたしのノートパソコンがちょうどおさまるのです。
収納力も増えたため、
文房具関係とパソコン、ちょっとした資料も入る。
これ一台あれば、
私の仕事道具はほぼすべて収まります。
うれしくなって、
いろいろなものを入れてみました。
まずはメイク道具。
ビューティに関しては、
スキンケア重視の私。
なのでメイクアップの道具はこの引き出しひとつで十分。
広くなった分、
ハンドクリームや老眼鏡もまとめて入れることができ、
さらにすっきりです。
裁縫道具も過不足なく収納。
お箸やカトラリー、レンゲを入れて。
横にすれば、長めのサーバーも入ります。
お茶とお茶関係の道具もぴったり。
カップ&ソーサーや、
お菓子を入れて、
そのままテーブルへ、なんて
トレーのようにも使えるのです。
この「ひろびろ」小ひきだし、
ちょっと足りないなとか、
もう少し大きかったらいいのにな、
なんてことがない、
わたしの暮らしにちょうどいいサイズ感。
ジュエリー、薬、ネクタイ、領収証、文房具、小銭、
それからあとは‥‥。
ちょっとした身の回りのものを、
使いやすく、そして美しく見せてくれる、
魔法のような引き出しなのです。
小ひきだし、あのひとの使いかた 02 引田かおりさん
引田かおりさんのプロフィール
ひきた・かおり
Dans Dix ans/gallery fève オーナー
「吉祥寺においしいパン屋をつくりたい」
という思いを実現すべく、
夫であるターセン氏の退職をきっかけに、
2003年に「Dans Dix ans」(ダンディゾン)を
夫妻で開業。
同じ建物の2階には、引田夫妻が
「素敵だと感じるもの」を紹介するギャラリー
「gallery fève」を同時にオープンさせた。
著書に『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社)
「たぶん だいじょうぶ」(大和書房)がある。
「weeksdays」では
「鋼正堂のうつわ、あのひとのつかいかた」
「weeksdaysのハンドソープ、
あのひとに使ってもらいました」などに登場。
■Dans Dix ansのwebsite
■gallery fèveのwebsite
「引き出しが大好き」という引田かおりさん。
お部屋を見回してみると、
あるある。
仕事のデスクまわりは、
グレーのBISLEYが。
食器棚の片隅には、
weeksdaysの小ひきだしが!
かおりさんのすごいところは、
引き出しに入れたらそれでおしまい、ではなく、
時々、見返して、
中を使いやすくアップデートしているところ。
それは引き出しの中だけでなく、
おいしいものやファッション、美容、
健康のこと‥‥と幅広く、
お会いするたびに刺激を受けているのです。
「weeksdaysの小ひきだしは、
初回か、その次くらいの応募で当たったの。
私、くじ運強いんです」
とかおりさん。
ありがたいことに、
weeksdaysのコンテンツを、
よく見てくださっているよう。
「あれ欲しい!」
「これ買ってみたらすごくよかった」
そんな言葉がどれだけ励みになっていることか。
「杉工場さんとは、
フェブ(吉祥寺のgallery fève)でもおつきあいがあって、
テーブルや棚を販売したこともあるんです。
仕事がとてもていねい。
そしてどの製品も使いやすくてきれい。
安心感があります」
今回、使っていただいたのは、
今までのものより横幅が1.5倍広くなった、
「ひろびろ」タイプ。
まるで前からここにあったみたいに馴染んでいる!
「ダイニングとキッチンの間の
カウンターに置いてみました。
どちらからも引き出せるので、
すごく重宝」
お茶のセットを入れたり、
紙ナプキンを入れたり。
切手や封筒などの、
手紙関連のものを入れたり。
「トレーのような使い方ができるところもいいですね」
とかおりさん。
なんと一番下の段には、
お孫さんが夢中というアイロンビーズが入っていました。
「小さなお子さんがいるおうちは、
お知らせのプリントなど入れてもいいかもしれませんね」
なるほど。
何段目に学校関係、
何段目に保険証や診察カード、
なんて家族内で決めておけば、
あれどこにあるの?と必要な時にバタバタしない。
小さな時から、
「出したらしまう」を身につけておけば、
お片づけも自然とできるようになるのかも。
「使ううちに、あ、これもいいかもって、
新たな使い道を発見する」というかおりさん。
いつかまたアップデートされた引き出し、
見せてくださいね。