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思わず頬擦りしたくなる。
「大人は、
肌に触れるものほど、
上質ないいものをえらびましょう」
なーんて、
雑誌に書いてあっても、
そうなんだ‥‥と、
遠いものとして感じていたという友人。
今年、40歳を迎える彼女は、
言いました。
「でもね、最近その意味がやっと分かってきた。
大人のたしなみとしてというより、
肌感覚で、ってことなんだ」
そうなんです。
歳を重ねるごとに、
上質なものを欲するようになるんです。
ワードローブにカシミヤやシルクのものが増えてきたのは、
けっして贅沢ではなくって、
肌の質感とか水分量とか、
若い頃と比べると、
ずいぶんと変化した自分のからだを、
いたわってあげてもよいのでは? という思いから。
そういえば私も、40歳になる少し前くらいから、
肌がいいものを求め始めたっけ‥‥
そんなことを思い出しました。
今週のweeksdaysは、
思わず頬擦りしたくなる、
シルクのスリップとワイドパンツ。
纏うと、
一瞬で夢見心地。
自分へのもてなしに、ぜひ。
「水」でトクするニッポンのお洗濯。
- 茂木
- 日本の洗濯事情ってけっこう特殊で、
洗濯機の機能として、常温の水を使って洗うんですよね。
真冬の水道水の10℃いかない水温でも、
真夏に30℃になる水温でも、
同じように洗濯をして汚れが落ちる、
そんなところ、あんまりないんですよ。
- 伊藤
- それは洗剤のおかげなんですか?
- 茂木
- 洗剤もありますが、水のおかげとも言えますね。
- 今井
- 日本は、水が豊富ですから、
洗濯に恵まれているのだと思います。
だからつまり洗濯について深く追求をしないでも、
あまり深く考えないでいられるというか、
そこそこ、きれいに仕上がるんです。
世界の各地で、洗濯をするのに
不便な場所に住んでいる人たちのほうが
もっと便利にしようとか、効率よくしようって、
考えるんだと思います。
水をいかに使わないか、ということも含めて。
- 茂木
- 日本には着物の「洗い張り」の習慣がありますよね。
着物をほどいて、反物の状態に戻してから洗い、
ピンと張って糊をつけ、シワをのばして乾かす。
そしてもういちど仕立て直すという。
昔は、1年から数年に1度行なったそうです。
- ──
- そのときに、ほころびを直したり、
破れた着物どうしをつなぎ合わせたり、
くたくたになったら産着にしたり、おしめにしたり、
いよいよとなったら裂いてはたきにしたり、
重ねて刺し子にして仕事着をつくったり。
そんなふうに布を大事にしてきたわけですね。
- 茂木
- 「洗う」っていうことと、
「長く使う」ということが、
日常的な文化として根付いているんですよね。
そしてそういうことって、
僕らにしみついていると思うんですよ。
そこで、水の豊富さとともに、軟水であることも、
大きなメリットになっています。
海外の、うんと硬水の地域では、
温度を上げて洗わないと、
そもそも汚れが落ちないです。
- 伊藤
- そういえば、パリだったかな、
アパートホテルに滞在したとき、
水温を80℃で使う洗濯機がありました。
- 茂木
- 90℃まで上がるタイプもありますよ。
- 伊藤
- そうか、水の問題。
- 茂木
- そして、洗濯機で洗う時間もちがいますね。
日本の場合は、全自動でも洗いだけで15分くらい、
すすぎ、脱水も入れて30分、40分で終わります。
ただこれが海外の硬水の地域だと、
洗うだけで1時間以上かけるような仕様になっています。
すすぎと脱水まで入れると、3時間ぐらいかかることも。
パリなんか、そうじゃなかったですか。
- 伊藤
- そうでした。かかりますよね。
- 茂木
- しかも、クリーニングを仕事にしている者からすると、
あんまり汚れが落ちていない。泡立ちも悪いし。
‥‥ということを考えると、
日本って、すごく洗濯に向いている
国かもしれないなって思うんです。
- 伊藤
- それ、うれしいですね。
- 茂木
- 日本の洗濯の品質って、世界各国と比べて、
家庭でもプロの世界でも、いいんですよ。
じつは日本のクリーニング代金って
めちゃめちゃ安いんです。
ロシア駐在の方に聞きましたが、
スーツ一着で、だいたい6000円ぐらいかかるそうです。
だから日本に帰ってきたときに
まとめてクリーニングに出すと。
いっぽう、アメリカは、フランチャイズ展開が流行って、
ちょっと安くなってます。
その代わり、縮むんですけれど‥‥。
- 伊藤
- 日本では、縮むなどの事故はとても少なく、
安く仕上げてくれますよね。
- 茂木
- 本業のぼくは、
日本のクリーニングサービスは世界一ですよって
胸を張って言いたいくらいです。
- 伊藤
- そうだ、今日は、洗濯のしかたで
プロに尋ねたいことがあるんです!
ニットを洗う時、
脱水加減には気を遣っているんですけれど、
わたしは、部屋干しをして、
80%ぐらい乾いたなと思ったら、
スチームアイロンをかけているんですね。
それは正しいのでしょうか?
- 茂木
- 80%のタイミングでなくてもいいと思います。
- 伊藤
- もっと早くても?
- 茂木
- いえ、逆に、乾燥してからのほうがいいですよ。
- 伊藤
- そうですか!
乾いてしまうとシワが伸びないのかなという心配があって。
- 茂木
- 「シワ戻り」っていうのがあるんですよ。
たとえば6割ぐらいでスチームアイロンをかけて、
シワを伸ばしたつもりになっていても、
そこから乾燥する過程でシワが戻るんです。
ですからプロの仕上げは、
一回、きちんと乾燥させてからです。
乾燥した状態からシワを伸ばしてあげるほうが、
衣類が元の寸法に戻りやすい。
- 伊藤
- そうなんですね!
- 茂木
- ニットってどうしても縮んじゃうんです。
だから、蒸気を当てて、アイロンがけをすることによって
元の状態にもどしてあげる。
それが最後の工程で必要だし、
虫食いを予防することにもなります。
- 伊藤
- クリーニング屋さんは、最後に蒸気を吸って仕上げると
聞いたことがあります。
- 茂木
- はい、蒸気をかけたあとは、バキュームといって、
掃除機みたいな仕組みで湿度を吸ってあげるんですよ。
- 伊藤
- じゃあ、家庭では、完璧に乾いてから、
スチームアイロン、さらに乾かしてできあがり?
- 茂木
- はい。その時、
ハンガーにかけたままスチームをあてると、
逆に伸びちゃうので、
できれば平置きでかけてください。
普通のスチームアイロンの蒸気でだいじょうぶです。
ただし衣類の裏側からあててください。
そのほうが傷みがないですし、
裏側から当ててあげることで、
表の毛がフワっとなってくれるんです。
とくにモヘアは、裏側から当ててあげると、
すごくいいですよ。
- 伊藤
- ありがとうございます、やってみます。
案外、ちゃんとしたことって知らないものですね。
でも、正しい方法を教われば、
家でニットを洗っても、
きれいな仕上がりになりそう。
- ──
- 今回、weeksdaysと、
この「シルク&ウール」の洗剤、
とても相性が良さそうですね。
これまで販売をしてきたアイテムも、
この洗剤で家庭で洗えるものが増えます。
- 茂木
- いいものほど、応えてくれますよ。
この洗剤で洗うと。
作り手がしっかりと、いい生地を選んで、
いい縫製をしたものって、ほんとに長く着用できる。
そのお手伝いができます。
- 伊藤
- そうなんですよ。
ほんとに応えてくれました。
- 茂木
- スタート時から僕らの考えは一貫していて、
「お気に入りの服を長持ちさせる」ことですから。
そうそう、僕の知り合いに、
このシルク&ウールの洗剤が出来たおかげで、
シルクのブランドを立ち上げられたかたがいます。
これがなかったら、作っていなかったと。
- 伊藤
- すごいですね!
- 茂木
- さきほどの伊藤さんのお話と一緒で、
クリーニングに出していたものが、
自分で洗えるようになったと喜んでくださって。
そのニュースは、僕らとしてもうれしかったです。
- 伊藤
- そうですよね。
これから「weeksdays」も、
この洗剤があるからこそ、という服作りが
ひろがりそうです。
そうそう、三宿には、ほんとうに伺いますね。
- 今井
- ぜひいらしてください。
- 茂木
- 「これどうやって洗うのがいいのかな」
という服、どうぞお持ちください。
そこで自分でも洗えますし、
- 伊藤
- はい、ぜひ!
茂木さん、今井さん、今日はありがとうございました。
- 茂木
- ありがとうございました。
- 今井
- ありがとうございました!
お洗濯ワークショップ。
- 伊藤
- アーティストの特別なステージ衣裳を洗うという
お仕事からはじまって、
一般の方も使えるような洗剤を開発なさった。
今、わたしのまわりのお洋服好きな友達も、
こぞってリブレヨコハマの洗濯洗剤を
使うようになっています。
そんなふうに新たな客層が増えたことで、
なにか変化はありましたか。
- 茂木
- 基本的に僕らのスタンスはブレていないんです。
僕らはアーティストの衣裳を
担当することが多いですけれど、
今回、三宿に出したお店は、どちらかというと、
自分たちのプロフェッショナルな仕事を、
みなさんとシェアしましょう、っていう店なんですよ。
だから、通常のクリーニング業務と洗剤の販売のほかに、
ワークショップ型のコーナーをつくりました。
- 伊藤
- ワークショップ?
- 茂木
- クリーニング屋なのにお客さんが洗うんです(笑)。
「自分が洗いたいものを持ってきてください」
ということで、
たて型とドラム式の洗濯機があって、
ガス衣類乾燥機も置いています。
そしてぼくらはお金をとらずにアドバイスをします。
こないだは、2時間かけて、
お客さんと一緒にニットを洗いました。
- 伊藤
- わぁ、楽しそう!
- 茂木
- そういうお店を三宿にオープンした理由としては、
実際、クリーニング屋さんに持っていったって、
受付で渡したあとは、
何をしているのかはお客さまは知らない。
また、僕らが、
家庭でこうやって洗ってくださいって言っても、
伊藤さんみたいにうまくいくケースはいいんですけど、
そうならないケースも、やっぱりあるんですよ。
でもプロの技って、
「このポイントが急所です」っていうものがある。
その急所を理解するには、実践がいちばんなんです。
だからワークショップがいいんですよね。
それをシェアするサービスをしよう、
と考えたのが、三宿のお店なんです。
- 伊藤
- いま茂木さんがおっしゃった、
直接だったら伝えられる
プロならではの洗濯のポイント、急所というのは、
たとえば、どんなことがあるんですか?
- 茂木
- そうですね、例えば、
脱水をした時の水の重みを理解すること。
- 伊藤
- えっ、えっ? 水の重み?
- 茂木
- これぐらいの脱水力でこのくらいの時間だと、
このくらいの水が抜けますよ、ということです。
脱水、みなさん、するじゃないですか。
手洗いをしても、洗濯機で脱水をしないと
水が切れないわけですから。
その、脱水した時のあんばいで、
縮むか縮まないかが決定するわけですから、
抜くべき水の重みを理解してもらいたいんです。
脱水し過ぎると縮みますよ。
- 伊藤
- なるほど。うちの洗濯機だと、
全自動で任せっきりが基本仕様で、
脱水は何分にするか、みたいな
細かな設定はないんです。
だからわたしは勝手に、
シルクのワンピースだから1分くらいかな、
と想像して、横で洗濯機の様子をみながら
「よし、今くらいかな?」と、
ピッと終了ボタンを押します。
その時考えているのは、
「あんまり脱水しすぎないこと」。
つまり、しわにならない程度の
水分が残っている状態で取り出そうということです。
‥‥って、かなり自己流が入りましたが、
そういういうことでいいんでしょうか。
- 茂木
- はい、素晴らしいです。それが一番いいです。
ようは水分を含ませながら
脱水をし終わらないといけない。
水分がなくなればなくなるほど、
衣類にシワが増えるんですよ。
そして、縮みにもつながっていく。
- 伊藤
- はい。
- 茂木
- 洗濯前の準備もそうです。
洗濯機に入れる前、たっぷりの水に洗剤を溶かして、
どれくらい泡立てたかは大事です。
でも、たとえば手洗い用の桶があるとして、
どれくらいの泡を立てて混ぜたらいいのか、
本を読んだだけではわからないですよね。
それもプロの急所ですが、
実際にお見せするとわかりやすい。
あるいは白Tをきれいにしたい時も、
急所を外すとそうならないんです。
先日も、あるお客様で、
1万円以上の白Tを買ったのだけれど、
それが黄ばんでしまったので、
うちの白Tが洗える洗剤を買って洗った、
でもきれいにならなかったとおっしゃる方がいました。
その白Tを拝見したら、
たしかに全然きれいに落とせていなかった。
- 伊藤
- それはなぜなんでしょう?
- 茂木
- 皮脂汚れって、酸化してしまうと
黄色っぽくなるじゃないですか。
それを落としたいという方には、
僕らのつくる粉洗剤をご案内してるんですけれど、
じつは前準備がすごく重要で、
「プレウォッシュ」という工程が必要ですよと
ご案内をしているんですが、
そのお客さまは、なさらなかったんですね。
- 伊藤
- プレウォッシュって、
洗剤をつけて、ブラシでトントンする?
- 茂木
- はい、そうです。生地に入り込んだ
汚れを浮かせる工程ですね。
面倒ゆえ、その手間を省きたいお気持ちはわかるんですが、
それをしないと、こびりついた黄ばみは、
洗濯槽のなかだけでは落としにくい。
で、僕らがそのTシャツをお預かりして、
いつものやり方で洗ったら、きれいに落ちたんですよ。
洗剤を変えたわけじゃないんです、
プロが作っている洗剤なので、自己流の前に、
プロ仕様の洗い方で使っていただきたいということです。
- 伊藤
- そうですよね。
- 茂木
- 洗剤を作ってるメーカーはいっぱいありますけど、
そういうハウツーを伝え歩いて、
しかもクリーニングを受け入れる会社って、
ほかにはないんですよね。うちしかやっていない。
- 伊藤
- うんうん。たしかに。
- 茂木
- 僕らはほんとに自信を持って商品を作っているので、
それをお客様と共有したいわけです。
クリーニングを母体に、
アーティストの衣装を洗うという
難しい仕事もしていますけれど、
一般のお客様に衣類のケアを伝えるのも大事です。
三宿のお店には、
プロの洋服のスタイリストの方もいらっしゃいますし、
一般の方も来られますよ。
- 伊藤
- 行きたいです。予約制なんですか。
- 今井
- いや、普通に来ていただければ、
誰かしら、対応のできるものがいます。
- 伊藤
- ちゃんとした洗濯の方法を知ると、
衣類を長持ちさせることができますよね。
逆に言うと、みなさんは
「衣類を長持ちさせるための洗剤」を
つくっているとも言えますね。
- 茂木
- はい。僕らはずっと、
そのことを考えています。
洗うのって楽しい!
- ──
- ところで、伊藤さんは
「ほぼ日」の洗濯ブラザーズの連載を読みこんで、
オリジナル洗剤を使いこなし、
いつのまにか洗濯の達人化していましたね。
驚きました!
- 伊藤
- いえいえ、達人じゃないです(笑)!
ただ、いままでクリーニングに出していたような服も、
あの洗剤だったら家で洗えるとわかったんです。
最初は小物からはじめて、
カシミヤのコートまで、洗濯機で洗いましたよ。
- 今井
- すごい、カシミヤのコートを?!
- 伊藤
- あっ‥‥、大丈夫ですよね?
あんまり言っちゃいけなかった?
- 茂木
- いえ、大丈夫なんですけれど、
「なんでも簡単に洗濯機で洗えるよ」
という表現をしてしまうのは、
僕らとしては避けているものですから。
伊藤さんはおそらく、勉強をなさって、
かつ、かなり慎重に洗われたんだと想像しますが、
お使いの洗濯機によって、また、洗い方によって、
デリケートな衣類が縮んでしまうこともあるんです。
ちなみに、どちらの洗濯機をお使いですか。
- 伊藤
- 国産のタテ型の全自動洗濯機です。
ごく一般的なものですよ。
家の洗濯機置き場に大きいタイプが入らないので、
かなりコンパクトなほうだと思います。
- 茂木
- ドラム式じゃなくて、タテ型ですね。
- 伊藤
- はい。洗濯ブラザーズのコンテンツどおり、
水をいっぱいためて、洗剤をちゃんと溶かして、
って実践しました。
じつはその前にストールやニットを洗ったら、
すっごくきれいになったので、
だんだん「大物」に挑戦するようになったんです。
感激しましたよ、なんていうんだろう、洗う前よりも、
洗ったあとのほうが、質のよさを感じるんですよね。
「これはすごい!」と思いました。
- 今井
- おおっ。
- 伊藤
- 洗濯って、いままで、自分の中では、
家事のなかでちょっと片手間の位置づけだったんです。
なにかをしながら、お洗濯も、というような。
ところがこの洗剤を知ってから
「洗濯が楽しい!」となって、
家事のなかでも好きな時間になりました。
- 一同
- おお~!(拍手)
- 伊藤
- それから洗濯にはまってしまって、
来る日も、来る日もお洗濯。
- 今井
- 来る日も来る日も(笑)!
- 伊藤
- あれも洗える、これも洗えた、
よし、これはコートもいけるって。
それで、洗って、うまくいったので、
友だちに見せたら「えーっ!」。
前の年までは、クリーニングに出す秋冬の服が
たくさんあったのに、
今年はほとんど自分で洗いましたよ。
- 今井
- すごい変化ですね。
- 伊藤
- 洗濯に向き合う姿勢が、ほんとうに変わりました。
- 茂木
- うれしいです。
- 伊藤
- ところで、洗濯ブラザーズの拠点である
「リブレヨコハマ」、
お店は店名どおり横浜なんですよね?
- 今井
- 横浜市都筑区すみれが丘です。
でも最近、三宿(みしゅく:東京都世田谷区)にも
クリーニング店をつくったんですよ。
- 伊藤
- そうなんですね!
そこに空きボトルを持って行けば、
定番の洗剤の補充って
してもらえるんでしょうか。
- 今井
- はい、それは横浜店でも、
三宿店でもやっていますよ。
- 伊藤
- いいこと聞きました!
今度、お伺いしますね。
- 今井
- ぜひ!
- 伊藤
- プロのお仕事って、わたしたちには想像のつかない
たいへんさがありそうですね。
- 茂木
- そうかもしれません。
あるグループアーティストのコンサートだと、
500着のステージ衣裳を一日で洗って、
次の日に納品をすることもあります。
そういう仕事なんですよ。
- 伊藤
- 500着?!
- 茂木
- 500着です。
歌い手、踊り手、バンドメンバーがいて着替えると、
1ステージで500着っていうのは、
そんなに驚く数でもないんですよ。
- 伊藤
- そっか、メインで出演している人だけじゃなく、
バックダンサーのかたがいたりしますものね。
そういうかたがたが衣裳替えをしたら、
そのくらいの数に。
それを、翌日仕上げで?
- 茂木
- そうです。
- 伊藤
- ああいうステージって、汗をかいても衣裳は洗わず、
消臭剤をかけて乾かすだけなのかな、
って想像していたんです。
- 茂木
- ステージ衣裳に対する考えはそれぞれで、
消臭剤と、強めのスチームアイロンをかけて済ます、
というところもあるでしょうね。
- 伊藤
- でも、きれいな状態で、毎日、
歌ったり踊ったりできるというのは、
アーティストのモチベーションにもなるでしょうね。
毎日ちゃんと清潔なものを着るのって、
毎日の生活でも、大事ですもの。
- 茂木
- はい。僕らにお任せいただければ、
ちゃんとケアします。大丈夫です。
- 伊藤
- ステージ衣裳のなかには、
洗うのがたいへんなものもあるでしょうね。
- 茂木
- 全身に電飾が付いているものがありました。
- 伊藤
- えっ? それも、引き受けられたんですか。
- 茂木
- 引き受けました。洗いました。
- 一同
- ええっ!
- 茂木
- さすがに水だと危ないですし、
洗えたとしても、電気の接点がおかしくなって、
ステージで点かなくなっても困りますから、
ドライクリーニングをしましたけれど。
香りは「ほのか」がいい。
- 伊藤
- こんにちは、茂木さん。
ずっと、洗濯ブラザーズの三男である
今井さんとやりとりをさせていただいていたので、
こうしてお話しするのははじめてですよね。
- 茂木
- そうなんです、はじめまして、
洗濯ブラザーズ次男の茂木康之です。
- 今井
- よろしくお願いします。
- 伊藤
- ほんとうに、今回、ありがとうございます。
洗濯ブラザーズの拠点である
リブレヨコハマがプロデュースするおしゃれ着用洗剤
「ランドリーディタージェント シルク&ウール」の
香りをアレンジして、
「weeksdays」特別仕様の洗濯洗剤を
つくっていただきました。
すごく素敵なものができて、うれしいです。
- ──
- みなさんは、これまでにも
いろんなチームとコラボしていますね。
私たちが最初に知ったのは、
ヴラスブラムというブランド用に
麻のシャツを洗う洗剤をつくられたとき。
それから最近では自転車屋さんの洗剤がありました。
- 今井
- ナリフリですね。
スポーツウエアに特化した洗剤です。
- ──
- 今回は、シルク&ウールの本来の香り「ローズ」から、
オリジナルのものに変えられるかを相談したら、
「洗剤の香りを変えることって、
実はそんな簡単じゃないんですよ」と。
- 伊藤
- けっこう時間をかけましたね。
- 今井
- 専門のラボ(研究所)に依頼をして
半年ほど、確認する時間をいただきました。
そもそも安全設計はできていますし、
香りづけに天然のオイルを使うのにあたり、
いろいろな成分を配合して、
洗剤としてのバランスをとってつくっていますが、
冷所、温度の高い所など、
日本の四季をちょっと過剰にしたぐらいの環境をつくって、
ちゃんと洗濯用の洗剤として使えるかどうかを
テストしたんです。
- 伊藤
- 結果、洗剤に使えますよという香りを絞り込んでいただき、
全種類、サンプルの洗剤をつくっていただいて、
わたしも自宅で洗って、乾してみました。
まるで道で花の香りに出会うように、
ふと季節を感じるような
印象であってほしいと思っていましたが、
それがみごとに実現されていて、とても嬉しかったです。
「ほのか」であることが、とってもいいと思います。
リブレヨコハマの洗剤を使って驚くのは、
どれも香りが「ほのか」だということです。
しかも「ほのかに香る」のが、洗濯中ですよね。
そこにすごく、自分だけの時間を感じるんです。
- 茂木
- 僕たちが使用している洗剤には、
天然の香料、主にオイルを使用しています。
香料ってピンキリでして、
安価に手に入る人工香料は使っていません。
じつは、一般的な洗濯洗剤には
香りってあんまりついてないんですよ。
柔軟剤のほうに強めに香りをつけている。
逆に言うと、「洗濯洗剤がきちんと香る」のは珍しい。
僕らの商品ぐらいしかないんじゃないかな?
- 伊藤
- そうなんですね!
- 今井
- 柔軟剤の香料って、
あえて、衣類に香りを残すために入れているんですよね。
僕らのは、洗濯中に楽しんでいただくためのものだから、
そもそも、考え方が違うんです。
うちのは、洗濯中に香り、
完全に乾ききったときには、
ほのかに香りがするかな? ぐらいだと思います。
- 伊藤
- そうですよね。
- 茂木
- 洗濯に関する製品での、香りの配合量って、
大手のメーカーさんが2%以上、
リブレヨコハマは1%、高いもので1.5%です。
香料は、あまり強くし過ぎると、
プラスに働くだけじゃなく、その油分ゆえに、
デメリットも出てきてしまうんですよ。
オイルって酸化すると、黄色くなりますよね。
もし、洗剤の中の油分が酸化してしまったら、
白いTシャツを洗って、
黄色っぽくなってしまったりすることも考えられます。
そういうことを危惧して、
うちは香料の配合量の上限を決めているんです。
それゆえに「ほのかな香り」になっています。
- 伊藤
- 「ほのか」の秘密は、そこにあるんですね。
柔軟剤の香料って、海外製品が、
とくに強いという印象がありますが、
最近は日本のものも、その流れになっていますね。
- 茂木
- 今、アロマブランディングが流行していて、
製品の香りを持続させたいという傾向にあるので、
柔軟剤の香りも強めになっているんでしょうね。
そもそも、柔軟剤は、
硬水地域、欧米でよく使われるものです。
環境が違い、水が違い、その水の使い方が違うと、
香りに対する考え方も僕らとちょっと違います。
たとえば、僕らのように湯船に浸かることは少なかったり、
そもそもお風呂に入る回数が
少ないという生活スタイルから、
身体にパフュームをつける文化がうまれたとききます。
そういうなかで、硬水で洗って硬くなった布を、
やわらかくするという目的と、
強く香りをつけることが求められて、
柔軟剤が進化をしたのだと思います。
- 伊藤
- わたし自身、香りは好きなんです。
その日の気分で、つけたいか、
つけないか変わりますけれど、
時々、シュッシュッとつける時もあります。
でも毎日使う洗剤には、
そんなに香りの個性は求めていないんです。
でもお洗濯中、ほのかな香りに気づいて、
「ああ、気持ちいい、いい香り!」
って思うのはうれしいんですよね。
リブレヨコハマの洗濯洗剤って、
そのバランスがいいんですよ、
もちろんきれいに洗い上がるっていうのもあるんですけど、
香りの強弱のバランスがすごくいいなって思います。
そういえば、リブレヨコハマには柔軟剤がありませんね。
- 茂木
- 開発当初、柔軟剤が必要か考えたんですけれど、
われわれがやっているそもそもの仕事は、
アーティストのステージ衣装を
早くスムーズに洗って仕上げることでしたから、
柔軟剤の工程を一つ追加することで、
水をまたためて、すすいで、脱水して、
という時間がかかる。
それがロスになるんですよね。
- 伊藤
- なるほど!
- 茂木
- 今日受け取った衣裳をすぐに洗って、
明日なるべく早く納品する、
というようなスピードを求めると、
洗濯のすすぎですら、一回で終わらせたい。
ところが、すすぎって、
市販の合成洗剤だと1回っていうのは難しくて。
じゃあ、すすぎ性がいい洗剤って何だろう?
となった時に、天然成分のほうがいいと。
そこで天然のヤシ由来の石けんをベースに、
オリジナルの洗剤をつくったんです。
そこにグリセリンなど、保湿系のものを足すことによって、
洗剤だけでも、柔軟効果は十分にあるものができました。
- 伊藤
- できあがるまでには、苦労があったのではないかと
想像しています。
- 茂木
- そうですね。海外の製品から学ぶことも多くて。
たとえばオーガニックについての知見です。
これはアメリカやヨーロッパから根付いたものですが、
僕らが見てきたところで言うと、
2012年ぐらいから、オーガニック洗剤が、
アメリカでフューチャーされはじめました。
それでリブレヨコハマでも、
USDAオーガニック認証がついた
オーガニック原料の洗濯洗剤を仕入れたんです。
アメリカの農務省が厳しい審査基準のうえで認証した
「やさしい」洗剤なんですけれど、
たしかにめっちゃくちゃやさしいのはいいものの、
ぼくらのプロ基準で、
アーティストの衣装を洗おうというレベルだと、
汚れが落ちなかったんですね。
家庭で、普段着の、
あんまり汚れていない衣類を洗うんだったら、
それでいいんですけれど。
結果的に、天然のムクロジの実、
泡ができる種のナッツを使うとか、
そういう原材料についての大きなヒントになりました。
話が遠回りしましたが、
結果、できあがった洗剤には
衣類をやわらかくする効果もあったので、
より強く柔軟効果を上げるための柔軟剤は
必要がないと考えたんです。
- 伊藤
- なるほど、そういうことだったんですね。
家庭でもそのひと手間がいらないわけですね。
- 茂木
- いらなくなります。
節水にもなりますし、エコだと思いますよ。
すすぎを何回もやらないといけない洗剤は、
大量に水を使いますから。
僕らの洗剤は、最初の水は
たっぷりためてもらったほうが
汚れ落ちはいいんですけれど、
トータルで考えると、節水になりますね。
わたしの洗濯革命。
一年に二度ある衣替え。
冬から春に変わる今の時期は、
夏から秋への準備よりも、
気持ちがうきうきするものです。
気に入りのコットンのワンピースや、
リネンのブラウスにパンツ‥‥。
ああ早く着たいなぁ、
あったかくならないかなぁ、
なんて思いながらの春支度は楽しいもの。
でも、それと同時にしなくてはいけないのが、
冬ものの片づけです。
じつはここだけの話、
今まで、冬もののほとんどを
クリーニングに出していました。
めんどうというのもあるけれど、
失敗したら悲しい。
そんな思いから、
プロにまかせよう、
まかせるしかない。
そんな思い込みがあったのでした。
それが変わったのは、去年の春。
洗濯ブラザーズのコンテンツを読んでから。
ほうほう、ちゃんとした洗濯方法が分かっていれば、
家でも失敗なく洗えるんだ! と目から鱗。
さっそく試してみると、
あれ? なんだか洗う前より、
洗った後の方が
服が美しくなっているではありませんか。
2021年の春は、
私の洗濯革命と言っても大袈裟ではない、
記念年となったのでした。
今週のweeksdaysは、
洗濯ブラザーズと作ったデリケート用の洗剤をご紹介。
なんとうれしいことに、
春らしいオリジナルの香りが2種類できました。
あなたの洗濯革命にもきっとなる、
とびきりの洗剤。
パッケージのかわいいイラストを描いてくださったのは、
勝山八千代さんですよ。
島さんのうつわで、 わが家の食卓を。 [3]新しい器は、いろいろな場所で。 伊藤まさこ
朝顔鉢(大)に、
金柑をごろごろ入れてテーブルへ。
季節の変わり目、
一日のうちに何度か、ここから取っては
おやつがわりに食べています。
そのおかげか(?)もう何年も風邪知らず。
テーブルの上に乗った様子も気に入っていて、
金柑がテーブルにある風景は、
この季節の我が家の風物詩になっています。
同じ器に、
一口大に切ったデコポンを盛りました。
黒い器の肌合いに、
柑橘のオレンジが映えます。
横には、葉っぱをちょこんと添えて。
気に入りの取り箸や、
取り分けのスプーン、
それから葉っぱ‥‥。
器と料理にプラスして、
何か添えると、器の中にリズムが生まれて
見た目に楽しい一皿に。
新しい器は、
リビングやダイニング、キッチンなど
いろいろな場所に移動して、
上から見たり、横から見たり。
光の当たる場所に移動したり、
夜、照明の下で眺めます。
同じ器でも、
その時々で見える表情が違うところがおもしろい。
食器棚の居場所が決まるまでしばらくの間、
こうして過ごすうちに、
だんだんと器との距離が縮まる感じがするのです。
島さんのうつわで、わが家の食卓を。 [2]いつものごはんも。 伊藤まさこ
黒釉のめしわんは、
ごはんが映えます。
白米や、
黒米を混ぜて炊いたきれいな紫色のごはん、
お赤飯もいいなぁ。
今日は、いただきもののおこわを盛って、
大根のお味噌汁と一緒にいただきます。
一汁一菜の、シンプルなご飯を盛り立ててくれるのは、
やっぱり器の力。
お腹にも、そして見た目にも満足する
朝ごはんになりました。
十穀米を混ぜて炊いたごはんに、
切り干し大根の煮物や、焼きたらこ、
柴漬けを乗っけて、
ささっと昼ごはん。
仕事の合間の一人の食事は、
案外いつもこんな感じです。
めしわんの横には、同じ黒釉のお湯のみ(小)を。
中に入っているのはお白湯。
地味だけれど、
こんな食事が私を支えてくれているような気がします。
スタイリングに欠かせないのは、
木や塗りのお盆。
テーブルと器との間を取り持ってくれる、名脇役です。
原稿書きの時は、
ピッチャーにお茶をたっぷり用意。
お湯のみ(大)も一緒にトレーに乗せて、
いざパソコンに向かいます。
お湯のみは大小ありますが、
気分で使い分けています。
どうやら、仕事の途中は大きい方、
お客様には小さい方を出す傾向にあるみたい。
同じ「お茶を飲む」時間でも、
器えらびに違いがあるのは、
今回の発見。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
3月17日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
なお、テーパードリボンパンツに、
あたらしく40サイズが加わります。
saquiのテーパードリボンパンツ
(ブラック、ネイビー)
白いシャツと。Tシャツと。
今の季節は薄手のニットと。
冬にかけては、
だぼっとした厚手のニットと
合わせてもかわいいだろうなぁ。
‥‥なんて、一年通して大活躍しているパンツです。
ウェストがゴムなので、
はいていて楽なのですが、
きちんとして見える計算されたパターン。
とにかくシルエットがきれいなのです。
コーディネートによって、
カジュアルにも、ちょっとおめかし風にもなるので、
1枚持っているととても重宝。
シワになりにくい素材は、旅のおともにも。
「飛行機や新幹線の移動はかならずこのパンツ」という人は
私をふくめてまわりにたくさん。
(デザイナーの岸山さんもそうらしいですよ。)
旅における「シワ問題」が解決されて、
旅がより楽しくなりました。
(伊藤まさこさん)
saquiの丸衿プルオーバー(ホワイト)
首や手首の出るバランスが絶妙なプルオーバー。
おしりがかくれるか、かくれないかの丈も
またいいかんじなのです。
同素材のパンツと合わせてセットアップにしても。
写真のように前身頃の裾を少しだけパンツに入れると
表情が豊かになります。
日中はスニーカーで街歩き。
夜、食事に出かける時はヒールの靴にはきかえて‥‥。
同じプルオーバーとパンツでも、
小物使いで変化がつけられるのもいいところです。
(伊藤まさこさん)
島さんのうつわで、わが家の食卓を。 [1]黒がつくる「額縁」。 伊藤まさこ
朝顔鉢(大)に、
豆もやしのナムルを盛りました。
この器、本当に万能で、
サラダや煮物、和えもの、一口おにぎり‥‥と
なんでもござれのすごいやつ。
ことに、このナムルのような白い料理は、
コントラストがはっきりするから、
盛ると、ハッとするほど映えるんです。
コツは盛りつけ箸で、
もやしを山高く盛ること。
これさえ守れば少々、失敗しても大丈夫。
器がドーンと受け止めてくれて、
料理を美しく見せてくれるから。
ポテトサラダも相性よし。
今日は、そら豆を入れました。
白いものもいいけれど、
こんな黒いおかずも相性よし。
上と同じ朝顔鉢に、ひじきの和えものを盛りました。
さっと茹でたひじきに
食べやすい大きさに切ったきゅうりとちくわ、
白ごまを加え、
醤油、ごま油、酢で味つけ。
仕上げにカリッと焼いたお揚げを乗せると、
食感が楽しい一品に。
たっぷり作って、テーブルの中央に置いておくと、
知らないうちに空っぽになる、我が家の人気者。
ふだんのおかずも、
黒い器がちょっと特別な感じにしてくれるところも
うれしいんです。
糸こんにゃくと芹のナンプラー炒めは、
朝顔鉢(中)に。
お皿のリムが額縁のような役割をしてくれるから、
盛った料理が、品よく見える。
せっかく作った料理ですもの、
見た目も美しくしたいものです。
島るり子さんの白と黒のうつわ
毎日手にとって。
島さんの手によって、
ひとつひとつ作り出される器。
だからなのか、
特別に愛着があるんです。
毎日手にとっては、
いいなぁと眺め、
料理を盛っては、
おいしそうだなぁと、
うんうんうなづく。
そんな人は、
どうやら私だけではないみたい。
西の方に住む、ある木工作家さんは、
「島さんの器と、自分の器だけで
もうほかにはいらないかも」
そう冗談めかして言うほど、
気に入っている様子。
「だって、そこにあるだけでうれしいから」
と言っていたけれど、
その気持ち、わかるなぁ。
おととし初めてweeksdaysで紹介した、
島さんの器。
今年は、新たに黒がくわわりました。
どんな料理とも合い、
テーブルの上を引きしめてくれる。
使い勝手のとてもいい器なんです。
使い方のコンテンツも、
合わせてご覧くださいね。
たとえばこんな コーディネート。 その3 SLOANE 2WAYプルオーバー・アイボリー
一枚持っていると、
着回しのきくアイボリー。
デニムとの相性もいいけれど、
ここではあえて、少しきちんとした印象の
タック入りのデニムパンツを合わせました。
髪はキュッと結び、
首まわりを美しく、そしてすっきりとさせます。
足元はグレーのスニーカーでシンプルに。
バレエシューズや、
スリッポンタイプのオペラシューズとも
相性がよさそうです。
あえて、足元をスニーカーにしたのは、
後ろ姿がちょっと色っぽいから。
ニットの下に、
ゴールドのラメが入ったブラジャーを合わせたのでした。
前から見るとシンプル、
でも後ろ姿はちょっとドキッとさせて。
品よく見せてくれるのは、
アイボリーのなせる技なのです。
Vネックを前にするとこんな感じ。
横を向いたり、ちょっと俯き加減になったりと、
顔の向きを変えると、後ろのリボンがチラリとのぞく。
時には、こんなコーディネートもいいものです。
たとえばこんな コーディネート。 その2 SLOANE 2WAYプルオーバー・グレー
シックなグレーは、
たっぷりとシルクを使った黒のパンツと合わせました。
ちょっと気が早いけれど、
足元はサンダル。
グレーと黒の大人のコーディネートですが、
メイクは極力控えて、
自然なナチュラルさを出したい。
ここの足し引き具合が、
おしゃれ上手に見えるかどうかの差のような気がします。
メイク控えめな分、
背中のお手入れはきちんとしましょう。
ヘアメイクの草場さんに教えてもらった、
背中のお手入れ、ぜひ参考ください。
背中が開いた服を着る時、
もしもインナーが心配だったら、
バックシャンタイプのブラキャミがおすすめ。
ニットと同系色のグレーもいいけれど、
あえて、黒やグリーンにして、
ニットから透けて見えるのもすてきです。
バッグ部分にパールがちょこんとついた
ネックレスで後ろ姿をより引き立たせて。
Vネックを後ろにするか、
それとも前にするか。
ちょっとの違いに見えるけれど、
自分の見え方は全然違う。
おしゃれって楽しいものですね。
たとえばこんな コーディネート。その1 SLOANE 2WAYプルオーバー・ライトイエロー
たたんである姿は、一見とてもふつう。
なのに、着ると驚きの立体感と
きれいなシルエットになるのが、
SLOANEのニットのすごいところ。
この2WAYプルオーバーもまたしかりで、
なんとなく試着してみたところ、
あれ? なんだか新鮮! 欲しい!
‥‥となったのでした。
まずは丸首の方を前にして、
つるりとした素材の生成りのパンツを合わせました。
レモンのようなライトなイエローが印象的なので、
ここではあえてアクセサリーはなし。
ニットを一枚さらりと着ただけで、
様になるのは、襟ぐりの開き具合が絶妙なのと、
ほどよいウェスト位置に、
裾がたまるデザインだから。
後ろ姿はこんな感じ。
最近、背中の開いた服をよく見かけます。
が! 試したいなぁと思いつつ、
背中を見せるのはちょっと‥‥
という方もいらっしゃると思うんです。
でもこのニットなら安心。
程よい開き具合がいいのです。
今の時期は白いスニーカーが気分ですが、
もう少し暖かくなったら、
華奢なサンダルを履いても。
コットン100%が気持ちいい、
春にぴったりなニットです。
SLOANEの2WAYプルオーバー
家も、からだも。
おばあちゃんになったら、
ホテル暮らしをするのが夢です。
それはまぁ叶わないと思うから
家をできる限り、
ホテルのように整えようと、
日々、努力をしています。
ベッドリネンをぴしっと整え、
バスルームは水気を拭いてこざっぱりさせる。
一番気をつけているのは、
あるべきところに、
ものが収まっている状態にするということ。
そりゃ、時々は散らかるけれど、
子育てもひと段落して、
散らかす人もいない我が家では、
習慣づけると、
そう難しいことではないんです。
友だちが突然きても大丈夫。
家のどこをみられてもいいように、
という緊張感もきっと、
整える習慣を持続させてくれているのかな。
そんな風にも思っています。
今週のweeksdaysは、
2WAYで着られるニットをご紹介。
背中が開いた新鮮な形は、
あたたかくなってくるこれからの季節にうってつけ。
堂々と着こなせるように、
背中の手入れもしないといけません。
家ばかりでなく、
からだも隅々まで整えないとね。
だって春がやってくるんだから。
Trench Coat Olmetex Gabardine あのひとのコーディネート。その2 志賀朋子さん
志賀朋子さんのプロフィール
しが・ともこ
都内在住。夏の間は軽井沢で過ごす。
趣味や習い事で毎日アクティブに暮らしている。
ファッションと旅行が大好き。
このコンテンツにご登場いただいた須永理世さんに、
トレンチコートが似合いそうな方、
どなたかご存知ないですか? と相談を持ちかけたところ、
「お客様でとってもすてきな方がいらっしゃるんです!」
と真っ先に候補に上がったのが、
志賀朋子さんです。
理世さんが推薦してくださるのなら‥‥
とお会いするのをとても楽しみにしていた私たち。
撮影当日、カメラの前に、
さっそうと現れた志賀さんのお姿に、
「おおー!」と一同どよめき。
「写真は苦手」とおっしゃいますが、
スックとした立ち姿のなんとかっこいいこと。
襟を少し立ち上げたり、
袖口をほんの少したくし上げたり‥‥と、
コートをすっかりご自分のものにされています。
「ネイビーは着慣れた色だから、
袖を通した瞬間からしっくりきました」。
中に合わせたニットは、
あえてボタンを外してカジュアルダウン。
「デザインがおもしろくて崩せる余裕のある服が好き。
私ね、服はまともに着ないのよ」
と志賀さん。
ボタンの間からチラリと覗く首元の肌の見せ方も絶妙です。
ニットは、気に入りのブランドのもので、
なんとメンズ!
しなやかなカシミヤは、
見るだけで気持ちよさそうです。
「一度、好きになった服は長い間着る」という志賀さん。
少し高いかな‥‥とためらう値段でも、
10年、20年と着るから、
それを考えると安い買い物になるんですって。なるほど。
買い物の失敗などはしないのですか? と尋ねると、
「買って家で着てみて、あれ? と思うことはあるけれど、
そういう場合は何年か寝かせるの。
そうすると熟成されて、
いつかしっくりと着られる日がやってくるのよ」
アクセサリーは、
ジョージジェンセン。
小さなバッグも、少しヒールのある靴も、
コートのコーディネートに一役買っていますが、
何よりもすごいのは、そのスタイル。
体重は毎日測り、
少し増えたら元に戻すようにしているのだとか。
「1キロ、2キロ増えただけならすぐに戻せるでしょ?」
ジムにもエステに行ってないのだそう。
この日はなんと、ノーファンデーション。
日焼けも気にされないとか。
「だって夏は焼けるのが自然だから」
でもその代わりに、
化粧水やウォータースプレーは忘れずに。
日頃の心がけが美しさの秘訣なのかな。
ベージュは普段あまり着ないという志賀さんですが、
ネイビー同様こちらもまるでご自分の服のように
馴染んでいます。
トレンチに合わせたのは、
ファーのバッグ。
「これも20年選手。かわいい! と思って買ったけれど、
何にも入らないの。だからアクセサリーね」
トレンチとファーバッグ、髪の色が同じトーン。
デニムとの相性もぴったりです。
お好きなバッグやアクセサリーを目立たせるために、
服はベーシックに。抑え目に。
朱色のインナーはフレンチスリーブ。
これもずっと大切に着ているものだとか。
「一枚だけでは着られないから、最近は中に着る用。
ジャケット着る時、袖があるともたついちゃうでしょ、
それがいやで」
コーディネートの理由をひとつひとつ尋ねると、
淀みなく明確な答えが返ってくる。
これはお洒落に年季が入っていないとできないことです。
お年をうかがうと、70代半ばという驚きのお答えが。
二人のお嬢さんは、
お母様のおさがりを心待ちにしているとか。
一緒にお買い物に行くこともしょっちゅうなんですって。
こんなかっこいいママ、羨ましいなぁ。
Trench Coat Olmetex Gabardine あのひとのコーディネート。その1 須長理世さん
須長理世さんのプロフィール
すなが・みちよ
テキスタイルデザイナー。
軽井沢で北欧インテリアと手工芸・雑貨のお店「NATUR TERRACE」(ナチュールテラス)、障がいのあるクリエイターの原画を使った洋服、文具、雑貨などを製作するデザインブランドとショップ「NATUR home & RATTA RATTARR(ラッタルラッタル)」、となりの御田代町で姉妹店「lagom」(ラーゴム)の運営に、夫の須長檀さんとともにたずさわっている。
■NATUR
●website
●Instagram
■RATTA RATTARR
●website
●Instagram
■lagom
●website
●Instagram
夫の須長檀さんとともに、
軽井沢でナチュールというお店を営まれている理世さん。
檀さんは家具デザイナー、
理世さんはテキスタイルデザイナー。
長く北欧で活動していたお二人が提案する、
手仕事の家具やテキスタイルは、
ものすごく私好み。
森に囲まれた軽井沢だけでなく、
東京の暮らしにもしっくり馴染むところがうれしいんです。
軽井沢といえば、冬が長い土地柄。
北欧の人々が春を待ち焦がれるように、
理世さんもきっと‥‥?
春一番のアイテムとして、
weeksdaysがセレクトしたトレンチの着こなしを
ぜひ見せていただきたいとお願いしました。
「ふだんのコーディネートは
2色でおさめるようにしているんです」
というその言葉通り、
理世さんらしいすっきりさっぱりしたコーディネート!
理世さんのトレードマークになっている、
ショートカットと、
スウェーデンのPALMGREN(私も大ファン!)の
藤のバッグが、
ネイビーのワントーンコーディネートを
軽やかに見せています。
ところでテキスタイルデザイナーさんなのに、
「色や柄をあまり使わない」のはなぜ?
と訊ねたところ‥‥。
「店に立つことも多いので、
置いている器やテキスタイルを引き立てるように」
しているんですって。
なるほど!
でもその代わりに、RATTA RATTARRの柄物の靴下で、
楽しい気分を盛り上げるのだとか。
(須永檀さんがディレクターとして携わっている
RATTA RATTARRは、こちら。)
ワンピースもその下に重ねたパンツも、
店で扱っているもの。
ご自身がセレクトしているだけあって、
さすがよくお似合い。
「同じものをいく通りにも考えて着回すうちに、
いろいろと分かることがあるんです。
このパンツにはどんな雰囲気のシャツが合うか、とか」
理世さんの経験は、
きっとお客様へのアドバイスにつながるんだろうな。
ベージュのトレンチは白でまとめた
「いかにも春!」っぽい着こなし。
さりげなくつけているアクセサリーは、
お店でも扱っているEverday Earringsのもの。
ピアス風に見えるけれど、
じつはイヤリングなのだとか。
イヤリングというと、
金具が目立つものという印象でしたが、
こんな軽やかなのもあるんですね。
しかも、長時間つけていてもちっとも疲れないんですって。
生成色のパンツは少し折り返して、
RATTA RATTARRの靴下をちらり。
「ふだんノーカラーのコートばかりなので、
トレンチに挑戦するのは初めてなんです」
なんと!
初トレンチの感想をうかがうと、
「すごく軽くて着心地がいいですね!」
といううれしい言葉をいただきました。
撮影場所は、軽井沢からほど近くに
昨秋オープンしたlagom。
壁の色とコーディネートとを合わせてくださったのかな?
と思うくらい、
色合わせがぴったりなのでした。
Tie Collar Dress こんなコーディネートで。
リボン部分を結ばず、
第二ボタンまで外して、首元を出しました。
こうすることですっきりした印象に。
ラフな感じもいいんです。
ワンピースに合わせてタイツも同系色に。
白いブーツでちょっと軽めにするのが早春の気分です。
リボン部分を、後ろに半周させてちょこんと結びました。
一瞬、タートルネックのようにも見えるこの結び方、
あまり考えずに「さりげなく」を心がけて。
大振りのピアスなどつけても。
スタンダードに蝶々結び。
首元にリボンがくると、
一気にかわいらしい雰囲気になりますが、
落ち着いた色合いが、
かわいらしさを程よく抑えてくれます。
両方のリボン部分を後ろにさっと持っていき(結ばず)、
首元にシルクのスカーフを巻きました。
ダブルリボン使いなのですが、
ワンピースもスカーフもしなやかなので、
布を重ね合わせても、重たくなりません。
顔まわりに柄物を持ってくると、
また違った印象になるので、ぜひお試しあれ。
こちらは、ホワイト。
色が変わると印象もガラリと変わるものです。
合わせたのは、
発色のよいグリーンの長袖Tシャツと、
デニム素材のパンツ。
それから白い革のスニーカーで春らしく。
Tシャツの色を見せたいので、
ボタンはあえてすべて外して、
軽ーく羽織る感じに。
ボタンを閉めて、
マフラーのように片方だけくるりと巻いてみました。
羽織っただけとは、印象が変わって新鮮に見えるとともに、
じつはちょっと寒い時にストール(軽めの)代わりにもなってくれて一石二鳥。
夏はキャミソールドレスと合わせて、
少し寒くなってきたら、薄手のニットと。
今買って、初秋まで重宝してくれるアイテムです。
Honneteのトレンチコートとワンピース
重いコートを脱いで。
これを書いている今日、
東京の天気予報は大雪です。
でも、出かける予定があるものだから
何を着て行こうかとか、
靴はどうしようかとか、
手袋もしないととか、
なんだったらもう出かけるのをやめてしまいたい‥‥
なんて朝からぐずぐずしています。
2月も中旬に差しかかった頃、
気持ちはすっかり春に向いているのに、
まだまだ寒い。
ああ、早く軽いコートやワンピースを着たいなぁ‥‥と
もうすでに準備している春の服を
うらめしく眺める毎日が続いています。
さて、
春じたく、始まっていますか?
まだという方も、
そろそろという方も、
ぼちぼち始めているという方にも、
weeksdaysがおすすめするのは、
去年、好評いただいたトレンチコートと
軽やかなワンピース。
コートは色違いが登場しました。
コンテンツは、ワンピースの着こなし例と、
二人のすてきな方に
トレンチコートを着ていただきました。
そちらもどうぞお楽しみに。
かわいさと、実用性と。
- 藤井
- みんなに言っていることなんですが、
私は「KEnTe」、
乾(ほ)しているときが好きなんです。
- 伊藤
- あっ、乾しているとき?
- 藤井
- 乾してかわいくない下着は、買いたくない。
- 伊藤
- 分かる、分かる、分かる~~~!
- 榎本
- そうですよね、ホントにそう思います!
- 藤井
- ね?
- 伊藤
- すっごい分かる~!
- 藤井
- 着てるときは別にね、自分を鏡で見ても
「かわいい!」ってなるわけじゃないの。
そこは自分の体だから‥‥。
- 榎本
- それも、すっごい分かります。
- 伊藤
- うん。
- 榎本
- 私も、どれを買おうかなと、色で迷ったら、
洗濯物として乾す場面を想像します。
「これじゃ、新品なのに、色あせた下着に見えるかも?」
なんて考えることも。
- 伊藤
- 買うときに、乾している景色が浮かびますよね。
それでなんだかわびしい気分になる下着は、ね。
- 藤井
- 下着は特別ですよね。アクセサリーみたいなもの。
- 伊藤
- 自分だけのね。
- 藤井
- そう、自分だけのものが、いちばん幸せ。
- 伊藤
- 実用的な話をすると、
「KEnTe」さんの製品をいくつか使って思ったのは、
洗濯しても色あせがしにくくって、
いつまでたってもキレイな状態を保ってるんですよね。
- ──
- 今回、色は、どうやって決めたんですか?
- 伊藤
- わたしたちの肌になじみ、
乾しているときにきれいなこと。
2色つくったので、そのひとつは、
あんまりベーシックじゃないカラーがほしくて、
わたしのわがままでえらびました。
この色、すごく好きなんです。
- 榎本
- ミント、ですね。
- ──
- キレイですね。
レースも、伊藤さんが?
- 伊藤
- 生地見本から、
志織ちゃんとふたりでえらびました。
- 榎本
- これ福井県でつくっているレースですね。
国産の、丈夫なレースです。
海外のレースって、
いちど洗濯機に入れてしまうと
穴があくほど繊細なものがあるんですが、
ここのレースは、同じくらい繊細に見えつつ、
ストレッチ性がとても高いんです。
- ──
- この柄をふたりが選んだことについて、
榎本さんはどんなふうに思われましたか。
- 榎本
- さすが、オシャレな方の選ぶ柄だと感じました。
この柄行きとか、ホントに素敵だなって思います。
- 藤井
- ショーツのウエストの部分は、
レースの幅をそのままいかしているんですよ。
- 榎本
- そのまま使うということは、縫い目が少ないので、
肌にあんまりストレスがかからないんです。
- ──
- チラッと見せたりする着方もあるんですか?
- 伊藤
- どうなんだろう?
例えば白いシャツを着ていても、
これだと目立たないけど、
やっぱり、ちょっとは透け感で分かるかな、
とは思います。
- 藤井
- 人によっては「あえて見せる」のも
いいのかもしれないですね。
若い人が、これにモヘアのふわっふわの
カーディガンとか着ていたら、
すごくかわいいと思う。
でも大人たちは。見せずに中に着ましょう、
という感じかな?
- 伊藤
- 大人たちはね。
- 藤井
- 心の中だけで、
「今日はこのモヘアの下は」って。
- 伊藤
- あえて見せるのではなくても、
例えば肩のストラップが、
ちらっと見えてしまったりするとき、
そのストラップの印象って大事じゃないですか。
「あ、見えちゃった」というとき。
- 藤井
- そう! 超・大事です。
- 榎本
- 大事ですね。
- 藤井
- そうですよ、その点、
これは、すっごくかわいくできましたね。
- 伊藤
- ずいぶんいろいろ検討しましたよね。
- 藤井
- 下着っぽくないものをえらびました。
わりと多いのが、光沢があって太いタイプ。
- 榎本
- 今回は、通常の2分の1から3分の1ぐらいの太さで、
光沢が全くないものを選んでいただいて。
- 藤井
- この細さを実現できたのは、
胸の下のレースがあるからですよね。
ブラジャーの形状だったら、
この細さでは支えきれない。
支えるとなると、やっぱり伸びちゃうし、
くいこんで痛くなっちゃうし
- 榎本
- そうですね。
- 藤井
- これは見えても、ホント、いやらしくなくて、
洋服の一部みたいになるんです。
- 伊藤
- あと、ちょっとコロッとしてる感じがいいですよね。
丸みがある。
- 榎本
- はい。
- 伊藤
- これならちょっと見えても‥‥。
- 藤井
- 大丈夫です。
- 伊藤
- 「あ、見ちゃった‥‥」と、
人を嫌な気持ちにさせることは、回避したいですよ。
- 榎本
- 見てはいけないものを見た感覚、
人に与えたくないですよね。
これは、見えても大丈夫です。
- 藤井
- 私、なで肩だし、
最近、背中があいた服も多いから、
絶対に、肩のストラップの形状は大事です。
- ──
- 胸は、パットではなく、
何枚か、生地をかさねているんですね。
- 榎本
- カップの部分って、
ウレタンみたいなものを使うことが多いんですけど、
これは綿100%の蒸れにくい生地が
何層にも重なっているんです。でも、極限まで軽く薄く。
そして肌に当たる部分はシルクを使っています。
ショーツのマチの部分もシルクですね。
-
西山さんのコメント
カップ部分に肌側にシルク100%のフライス生地、
内部は綿100%生地を重ねて、
通気性の良い、適度な厚みを持たせて作っています。
お洗濯時にもそのまま洗えるので、
パッドを出し入れする手間も省けます。
- 伊藤
- カップは、洗濯するときに外れるのが嫌で。
- 榎本
- 分かります。どれがどれだか
分からなくなっちゃうんですよね。
- 藤井
- だからつけないってなる。
- 榎本
- はい、つけなくなっちゃいます。
- 藤井
- でも、これぐらいだとしっくりなじみます。
パットは絶対ほしい、という人にも、
大丈夫だと思っていただける仕様だと思います。
- 伊藤
- この下着と真逆の「寄せて上げる系」の下着って、
今ってどんなふうに受け入れられているんですか。
- 榎本
- コロナ禍になってから、逆に需要が増えたイメージですね。
- 藤井
- ええっ、どういうこと?
- 榎本
- たぶん、ちょっと自分に厳しくしなくちゃ、
という意識だと思います。
- 藤井
- ボディメイク的な?
- 榎本
- はい、自分に向き合うぞ、と。
マスクをつけっぱなしで口元が見えない状態だと、
ちょっと口元がゆるんでくる、みたいなことがあって、
下着も、たまに寄せて上げる系をつけよう、という方が、
すこしだけ増えたんだと思います。
- 藤井
- 寝ているときにかたちを崩さない
「ナイトブラ」も増えましたね。
- 榎本
- いずれも「自分のために」という感覚ですよね。
- 伊藤
- それもまたそれで、自分のため。
- 藤井
- その人の個性、体型、肌やお肉の特徴にもよりますよね。
細くて胸のない人は、それで自信が生まれて
幸せになれるなら、アリだと思うんです。
大きすぎて困っているという人は、
ふだんからちゃんと支えてくれる下着がいいでしょうし。
- 伊藤
- 服にもいろんなタイプのブランドがあるように、
下着も、わたしはここが好きっていうふうに選べる、
その選択肢がだんだん増えてきたような気がします。
そのなかのひとつが、
「weeksdays」オリジナルの「KEnTe」だと
思っていただけるといいですね。
- 榎本
- はい。
- 藤井
- 私としては、1回、着てみてほしいです。
このかわいさを体感してほしい!
- ──
- 「weeksdays」のお客さまにも
「レースの下着、私はちょっと‥‥」という方も
いらっしゃると思いますので、
そういう方に、ひとこと。
- 伊藤
- ラクですよ!
- 藤井
- ラクで、気持ちもいいです。
胸に当たる部分はシルクですし。
- 伊藤
- 志織ちゃんが「ラクでかわいくて、
持ってて気持ちが上がる下着が欲しい」と言ったのが
そのままコンセプトになりましたね。
ラクばっかりでもヤだし、
きれいでもちょっと気になる部分があるのもヤだし、
あと洗濯して乾すときも大事だしって。
あ、ふたりは、部屋乾しですか?
- 榎本
- 部屋ですね。
- 伊藤
- わたし、部屋乾しするとき、
自分から見えるいちばん手前はバスタオルを乾して。
ゴチャゴチャしたものが目に入らないようにしてます。
- 藤井
- なるほど!
- 榎本
- 私は浴室乾燥です。
- 伊藤
- そうか、それだったら大丈夫ですね。
- 藤井
- 私は日光と風を当てたくて、外で乾してます。
下着、タフに使ってますね。
シルクだけは、ちょっと気をつけてますけれど。
- ──
- お洗濯は、デリケートなおしゃれ着用洗剤で、
手洗いで大丈夫ですか?
- 榎本
- そうですね。基本は手洗いを推奨しています。
品質表示にもそう書かせていただきました。
- 藤井
- 私の個人的な意見としては、
きちんとネットに入れれば洗濯機で大丈夫です。
ワイヤーもないし、
洗剤さえちゃんとチョイスすれば。
でも周りの人は、お風呂に入るとき、
洗面器で手洗いするという人も多いですよ。
- 伊藤
- そうですね。
ホントに素敵なものができて、よかったです。
- 榎本
- 私たちも、嬉しいです。
- 伊藤
- ありがとうございました。
- 藤井
- ありがとうございました!
-
西山さんのコメント
優しいリラックスした着心地で機能性も◎。
見た目には程よい個性と華奢さもあって。
気分もあがる、とってもいいとこ取りな
ランジェリーが完成したと思っています。
自分のために。
- 藤井
- ホント、かわいくないですか? 下着って。
- 伊藤
- かわいい! けど、わたしは、
引き出し見るだけでいいかな(笑)。
でも下着の話をするのはすごく好きですよ。
- 藤井
- そう! そういう話ができる人が増えた気がします。
前はあんまり下着の話のできる人が少なかった。
それが最近、インスタに載せるのも、
以前に比べてはばかられることがなくなって。
「つくりました」って載せたときは、
男性陣からは「いいね! が、できない」
とDMをもらいましたよ。
やっていることはいいって思うんだけど、って。
男性のみなさん、そんな気をつかわず、
「いいね!」してくれていいのにな。
アイテムとしてこれかわいくない? みたいなことで、
洋服を載せるのと一緒の感覚の人が、
女性には、最近、すごく増えたなと思います。
- 伊藤
- フランスの人とか、旦那さんや恋人が
一緒に下着を買いに来ていますよね。
試着室をのぞいて「あ、いいね」みたいな。
そういうのって、わたしたちには、ないものね。
- 藤井
- デパートの下着売場も、長らく、
必要品を買う、みたいなイメージでしたものね。
高いものは高いもので、
強めのラグジュアリー感があったり。
- 伊藤
- わたしは海外の通販サイトで、
下着のセレクトショップを使ってました。
- 藤井
- 教えていただきましたね。
商品も見せ方もかわいいですよね。
- 伊藤
- そんなやりとりをしているなかで、
「ブラレット、いいね」という話になって。
流行りはじめているんじゃない? って。
- 藤井
- ワイヤーもパットもついていないから、
締め付け感がなくって着心地がいいんです。
バストラインをキレイに見せるし、
ちらっと見えても大丈夫。いいですよね。
‥‥と、つくりはじめたんですが、
意外にたいへんでした。
-
西山さんのコメント
何回も何回も、
胸のところの生地の重ね方を検討して、
試作をくりかえしましたね。
- 伊藤
- 結果、こういったレースの下着は、
セクシーになっちゃうことがあるけれど、
できあがったものは「KEnTe」ならではの
「さっぱり、かわいい」ものになりました。
ブラレットと、セットアップのショーツ、
きれいにまとまりましたね。
「KEnTe」さんのラインナップには
ショーツの股上が浅いものもあるんですが、
わたしたちが一緒につくったものは、股上が深いんです。
それがいい。
セットアップで着ると、
ボディスーツみたいに見えますね。
-
西山さんのコメント
ショーツに関しては、
ハイウエストの2種類(レース2種)が
ありますが、どちらとも、
程よいレースの透け感と身体に沿う心地よい履き心地、
響きにくさを実現したデザインになっています。
前身頃にはレースの下にチュールを重ねており、
程よい透け感です。
マチ部分には肌あたりの優しい
シルク100%の生地を使用しています。
ハイウエストで、
腰位置が高めに見える分、足長効果も期待できます。
程よい透け感で軽い見た目なので、
ハイウエスト未経験な方にもおすすめです。
- 藤井
- おなか、ほぼ、あかない。
- 伊藤
- かわいいですよね。
- ──
- これは「weeksdays」のオリジナルですね。
- 伊藤
- はい、オリジナルです。
自分が着て気分が上がるものがつくれて、
よかったなと思ってます。
- 藤井
- でもね、ブラレット、
私が持っていた別のブランドのものは、
薄いレースだけのものだったんです。
それは着ることで
とても気分の上がるものなのだけれど、
機能的ではなかった。
ちょっと、自己満足だったんですね。
- 伊藤
- うん、でも、そういうものって、かわいいよね。
- 藤井
- ええ、そう思っていたんだけれど、
今回のサンプルができあがって
試着したときにおどろいたんです。
気分が上がるだけじゃなく、機能的だって。
動いても胸がずれない。安定するんですよ。
ブラレットって、胸の下に
ぐるりとした部分があることが、
すごく大事なんだってわかりました。
- 榎本
- アンダーのレースの部分ですね。
- 藤井
- はい、レースの下着なのに、ちゃんと機能的って、
なかなかないことだったんですよ。
レースにストレッチがきいていることが、
機能性を高めていますよね。
- 榎本
- よかったです、ありがとうございます。
-
西山さんのコメント
レースの生地は平面なので、
身体のカーブラインに沿わせるためには、
裁断する時のパターン(バストの立体感だったり、
ゴムをレースにつける部分)で、
全てのカーブラインが身体に沿う様、
立体感をださなければならないんです。
そのため、全体のバランスを見ながら、
パターンのラインをmm単位で調整したり、
レース生地のいせ込み分量を調整することで立体的に、
自然に身体のラインに沿うように仕上げています。
プラス、ランジェリーの端にある
レースのスカラップを出す事で、
アウターに響きづらく、
かつ、繊細な雰囲気も演出しています。
レースの柄を生かした、シンプルなデザインだからこそ、
シルエットをこまかく考えながら
パターンを作成していきました。
ほんとうは下着の話がしたい。
- 伊藤
- わたしも、志織ちゃん経由で「KEnTe」を知り、
「買って、使ってみたい!」と、
最初はシルクのブラとショーツ、
ほかにもいろんな素材のものを着てみて、
「あ、いいなぁ」と思いました。
わたし、自分には、
胸を強調させるパットつきのブラは
合わないと思っているんです。
べつにそんな、なくてもいいじゃない? と。
誰のためでもなく、自分がいちばんラクで、
かわいいものをつけたいから、
無理してかたちつくらなくてもいいと。
- 藤井
- うん、うん。
- 伊藤
- コロナ禍の前ですが、たまたま娘とパリに行ったときに、
彼女が安いブランドの下着をいっぱい買ったんです。
かわいいんですよ。
そのなかに、この「ブラレット」という、
キャミソールのような
ブラジャーのようなものがありました。
- ──
- 「ブラレット」。
- 伊藤
- そのときは知らなかったんですけれど、
これかわいいな、って。
娘のはふんわりした印象のものでしたが、
外国のもので、レースの下着って、
きれいで、服に影響をしないのが
いいところではあるんですが、
バストトップがわかってしまうほど透けていて。
- ──
- ヨーロッパの方は平気だといいますね。
- 伊藤
- フランスに住んでいる知人も、
パリだったら気にならないと言いますね。
でも日本ではやっぱりいろいろ気にすると。
- 藤井
- 「ポチ問題」という言い方もあり、
みんな気にしてはいますよね。
- 伊藤
- そうそう。だから、その配慮もしつつ、
着心地が良く、かわいいレースの下着が
「KEnTe」だったらつくれるんじゃないかな、って。
下着って「これだけあればいい」というものではなく、
シチュエーションによって替えたいものなので、
そのひとつに、あったらいいな、と。
それにね、こういうタイプの下着で
上下を揃えるのって、すごく気持ちが盛り上がる。
- ──
- みなさんは、朝、服を決めてから下着を?
逆のこともありますか。
- 伊藤
- わたしは靴と服を決めて、
下着はあとから考えます。
みんなは?
- 藤井
- どっちもありますよ。
すごくかわいい下着を買ったばかりなら、
それをつけたい気持ちが先かな。
そのあとに服を考えます。
- 伊藤
- そっか。まわりの人に聞いたことがないけれど、
どれぐらいの割合なんでしょうね、
服と下着を選ぶ順番って。
- 藤井
- 下着が好き、という女性は、
増えている気が、すごく、します。
- 榎本
- 私の周りは、下着の業界にどっぷりなので、
やっぱり下着から選ぶ人が多いと思います。
そもそも、職業柄、下着の量が、
たぶん人の10倍ぐらいあると思うんですよ。
くらべたことがないんですけれど、
サンプルを着用する機会も多いですし、
たぶん、お洋服より多いです(笑)。
- ──
- じゃあ、下着から選んで洋服を決めることは当たり前。
- 榎本
- そうですね。
- 藤井
- 男性は、トランクスから決めるとか、
下着がファッションを左右することは
あんまり多くないかもしれないですね。
でも男性の下着にも流行りがありますよね。
以前はトランクスだけだったのが、
ブリーフになってビキニが出て、
ボクサーになって、と。
- ──
- 快適さと、下着一枚になったときに
そんなに恥ずかしくないというところが、
ボクサーショーツが流行っている
ポイントかもしれないですね。
- 伊藤
- なるほど。わたしも、例えば、
温泉とかで脱ぐ機会があったりすると、
ちょっと水着っぽくみえる、
ブラキャミとショーツが上下お揃いのタイプがいいかな、
と思うことはありますよ。
- 藤井
- なるほど、シチュエーションから選ぶことも
ありますね。
- 伊藤
- でもね、わたしは、下着って、
引き出しに入っていて美しい状態が
すごく好きなんです。
- 藤井
- 伊藤さん、そのために引き出しを買ったんですよね(笑)。
- 伊藤
- そうそう、引き出しを買ったんですよ! 下着用に。
専用というわけではなくって、
上の浅い段はピアスなどを入れる
ジュエリーボックスがわりにしたり、
下にはスカーフを入れたりしています。
いい感じですよ。
- 藤井
- それって、下着好きにとって、最高の夢です。
- 伊藤
- でもね、入れ替えていて思ったんですけど、
「こんな数、ほんとうは、いらないのかも?」。
- 藤井
- (笑)まさこさんっぽい考え方!
- 伊藤
- 季節ごとに、いいものを、
ちょっとずつ買えばいいんじゃない? って。
それは靴下もそう思ったんです。
- 藤井
- 私は「いろいろ」が好きだから、
たくさんあったほうがいいな。
- 伊藤
- いろいろ‥‥選びたい? 毎日。
- 藤井
- そう、選びたいんです。
周りの、下着にあまり興味のない人に聞くと、
シンプルで安いものを買って、
傷んだら捨てて、というふうに使っているみたいです。
パターンはあんまり持たないし、
黒、寄せる系、ラクな系、
ぐらいのバリエーションという人が多かったですよ。
- 伊藤
- そっか。「KEnTe」の打ち合わせで、
世の中には下着をいかに効率よく収納するか、
その目的の収納用品はあるんだけど、
見て盛り上げるみたいな感覚のものはないね、って
話になりましたね。
榎本さんはどうやって収納してますか?
- 榎本
- 私は、浅い引き出しに、
仕切りだけで売っている収納用品を使って、
たたんで入れていますよ。
- 藤井
- 色分けとかしますか?
- 榎本
- そうなんですが、好きな色が偏っちゃって、
結局同じような色ばっかりになっちゃうんです。
- 伊藤
- ちなみに、引き出しを買うまでは、
クローゼットの中に、ポリプロピレンのボックスを入れて、
そこに収納をしていたんです。
それをやめて、その空間に棚をつくり、
自分でペンキを塗ったりして活用して、
下着は引き出しに引っ越しました。
- 榎本
- まさこさんのその引き出しの中、
きっと、かわいいでしょうね。
- 藤井
- ちらっと見せていただきました。
すっごくかわいいんですよ。
そうそう、「この下着かわいい!」って、
女性どうしで見せたりします?
私は旅行先で自慢します(笑)。
「かわいくない? これ!」って。
- 伊藤
- お友達も見せてくれるの? 旅行のときに。
- 藤井
- 見せてくれる子もいますね。
「志織が紹介してたの、私も買ったよ」
っていう子もいれば、
「いいね、いいね」って言ってくれるけど、
自分のはべつに見せない子も。
私も「見せて」とは言わないから気づいてないけど。
自分が見せることに夢中だから。
- 伊藤
- (笑)そうなんだ!
- 藤井
- それに私、女性の前だったら
着替えるのも平気だから、
見せるつもりがなくても見られているかも。
「こないだ、志織が着てたのさ、ここのでしょう?」
って言われたりしますよ。
それはそれで嬉しいっていうか、
下着に興味がでる人が増えるのはすごい嬉しい。
- 伊藤
- そうですよね。
- 藤井
- 見せなくても見えてるなんて、
なんだろう、幸せでしょうがない(笑)。
- 伊藤
- (笑)
大人が着られるかわいさを。
- 伊藤
- わたしに「KEnTe」を教えてくれたのが藤井志織さん。
その志織ちゃんが「KEnTe」を知ったのは、
インスタグラムがきっかけだったとか?
- 藤井
- そうなんですよ。
- 榎本
- 私から、藤井さんのインスタグラム経由で
お声掛けをさせていただいたんです。
藤井さん、ときどき、
ランジェリーのお話をされているのを知って。
- 藤井
- もともと「KEnTe」のファンだったんです。
最初に着用したのは、「KEnTe」のリブ素材で、
テラコッタ色のものでした。
それが、とてもかわいくて、
自分のインスタで紹介したんです。
ほかにもいろんな場所で
「すごく好きで」と伝えたりしているうちに、
お声掛けをいただいて、
「一緒にやってみませんか」と。
- ──
- 志織さんは、編集やライティングのお仕事を
なさっている方と認識しているんですけれど、
こういったプロデュースのお仕事も!
- 藤井
- いえ、商品づくりの経験はありませんでした。
すこしだけやっていたと言えば、友達のお店を手伝って、
バイイング(買い付け)に参加しているくらいで。
でも、出版社にいた時、通販ページ担当だった経験もあり、
商品開発っておもしろい仕事だなと感じてはいたんです。
「好きなことだったらやってみたい」と。
- ──
- それでインスタでやりとりが始まって?
- 藤井
- はい。そして、すぐに会いに行きました。
- 伊藤
- すごいですね、インスタって。
- 藤井
- でも、ホント、最初は、
ただ好き勝手に「KEnTe」がいかに好きかを
話すだけでしたね。
そうしてじっさいに下着をつくることになったんですが、
その時は、かなり数を絞っての生産でしたから、
そんなに大きな仕事をしたとは言えないんです。
- 伊藤
- もともと「KEnTe」さんは、
いろんなかわいい下着をつくっていますよね。
母体となるRAVIJOUR(ラヴィジュール)
という会社の中には、いくつも下着のブランドがあって、
なかにはとてもセクシーなタイプもある。
そんななかで、「KEnTe」はちょっと違いますよね。
- 榎本
- はい。「KEnTe」を最初につくったのは、
西山まりというデザイナーです。
彼女が、40代になって思ったことが、
ラヴィジュールのなかには
自分の世代に合うものが少ないということでした。
そこで、幅広い年代の人が楽しめるような
下着をつくりたい、ということで、
「KEnTe」を立ち上げたんです。
大人でもやっぱりかわいい下着という選択肢がほしい。
そのイメージで話し合ってつくっていきました。
KEnTeの構想は2018年よりスタート、
そして2019年2月にローンチしました。
- 藤井
- ルックは毎シーズン、イメージが変わるんですが、
いつもかわいい。
ただ、世の中の「かわいい」とは違っていて、
これ、表現が難しいんですけれど、
「ふんわりとかわいい」下着は世の中にあったんです。
でも「KEnTe」は、そういうものではなく、
なんて言うんだろう、「サッパリしてた」んです(笑)。
- ──
- サッパリしてて、かわいい?
- 藤井
- そう。モデルの女の子もかわいくて。
- ──
- 過剰に色っぽいわけではなく?
- 藤井
- そう。だけど、スポーティなわけでもないし、
無機質で、女性らしさを感じさせないというわけでもなく、
ちゃんとオシャレで。
どちらかといえばお洋服みたいな感じでしたね。
- 伊藤
- そうそう、色づかいとかも、かわいかったですよね。
- 藤井
- いまの「KEnTe」も
そのコンセプトを継承しているのだと思うんですけど、
ブランドを続けてこられたなかで、
いろんなタイプの下着が増えましたね。
- 榎本
- はい、そうですね。
- 藤井
- 最初はレースの下着もなく、
ノンワイヤーだけでした。
いまはちょっと、ワイヤーのタイプもある?
- 榎本
- そうですね、でも、ボーンだけですね。
全体を支えるワイヤーとは違い、
脇の部分だけに、支える板状のものを入れるんです。
- 藤井
- ワイヤーが強く入っていると、
ちょっと苦しいんですよね。
それで脇だけ、ボーンを。なるほど。
ちょっとあるだけで、お肉が流れないですからね。
- 伊藤
- きっと、西山さんがデザインしたものを、
専門のパタンナーのかたが立体にしていく、
ということなんですよね。
- 榎本
- はい、「KEnTe」のものづくりは、
西山が考えた基本のスタイルを、
周りのチームがかたちにしていく、
というイメージです。
- 藤井
- 「KEnTe」はパタンナーのかたもすごいんですよ。
母体のラヴィジュールが下着メーカーですから、
とても専門性が高く、優秀な人が多いんです。
下着ってとっても難しいんですって。
- 伊藤
- そうですよね、肌にいちばん近いものだし。
- 藤井
- 縫製も違うし、服より誤差が厳しい。
だからパターンも難しいんです。
-
西山さんのコメント
今回は、締め付けすぎず、シンプルなデザインで
いかに自然に身体のラインに沿わせるようにするか? が
大変なところでした。
全体のシルエットにある、
カーブラインのパターンの微修正を、
何度も何度も行なっています。
景色よく、気分よく。
去年の秋に、
チェストを買いました。
深さ10センチ。
引き出しは5段。
開けた時に、
お気に入りの下着が、
一目で見渡せる。
ずっとそんなチェストが欲しかったのです。
大きすぎず小さすぎず。
程よいサイズのその中に入れているのは、
ふだん大切にしている下着類。
ことに気に入っているのは、
一番上の段におさめた、
繊細なレースやシルクの下着。
この引き出しを開けるたび、
きれいだなとうっとりしたり、
なんてかわいいんだろ、とニヤニヤしたり。
時々並べ替えては、
ひとり楽しんでいるのです。
最近、この引き出しに、
仲間入りをしたのはKEnTeの下着。
これがくわわって、
引き出しの中の景色が
さらに美しくなったような気がしています。
今週のweeksdaysは、
KEnTeのレースブラレットとレースショーツ。
「美しい」はもちろん、
つけ心地も抜群。
つけている人の気持ちを豊かにさせてくれる、
そんな下着なんですよ。
人生は決断の連続。
- 伊藤
- わたし、ウー・ウェンさんのレシピの
「肉団子のスープと青菜の炒め物」を
よくつくっています。
ほぼ、それで、うちは暮らしているようなものです。
- ウー
- ありがとうございます(笑)。
- 伊藤
- ウーさんの料理って、ひとつレシピを覚えると、
バリエーションがいっぱいできるんです。
- ウー
- そうです! ひとつ覚えとけばね。
- 伊藤
- ウーさんの料理教室に参加したとき、
中国料理の基本はほんとにシンプルで、
「いい油といい塩」だと知りました。
そのときに印象的だったのが、
「調味料の味、しないでしょう?
素材の味がするでしょう?」というウーさんの言葉。
ほんとうにそうだって、ハッとしました。
- ──
- お2人はいつからのお知り合いなんですか?
- 伊藤
- 3年ぐらい前ですよね。
- ウー
- そうです。
- 伊藤
- あ、でもわたしはもちろん、
存じ上げてはいましたよ。
- ウー
- それは、お互い、そうでしたよね。
年齢は違うんですけれども、
多分、私がデビューしたときと、
まさこさんのデビューは、近いですよね。
1997、8年頃ですね。それからも
「まさこさんがウーさん大好きなんだよ」って、
いろんな方から聞いていましたよ。
ただ、なかなかご一緒する機会がなかった。
- 伊藤
- そうですよね。
- ──
- きっかけはなんだったんですか?
- 伊藤
- 小麦粉料理の本の改訂版をつくるというときに、
スタイリングで参加させていただいたんです。
- ウー
- 出会ったのはその前よ、
私の教室にね、来ちゃったんですよ~!
なんでまさこさんが来ちゃったんだろうね~って、
びっくりしちゃった。
- 伊藤
- (笑)「来ちゃった」って!
すごぉーーーく、楽しかったです!
- ウー
- だけど全然、初対面だと思えなくって、
ほんとにこんなに気が合う人がいるんだと思いました。
- ──
- ウーさんの教室って、
きっと、面白いんでしょうね。
- 伊藤
- すごーく、面白いの!
わたしぐらいの年で、
かなり料理をしてきた感じの人も多いんです。
「今日はこのレシピを教わりました。
それを家に帰ってつくりましょう」
という感じではなく、
ウーさんのデモンストレーションを見て、
講義を聞く、みたいな感じなんですけれど、
なぜ調味料が少なくてシンプルなのかとか、
いろんなことに応用できる料理の基本を教えてくれる。
ウーさん、1時間半ぐらいずっとお話をなさいますよね。
そのパワーってすごい! と思って。
- ウー
- 頑張って日本語を喋ってるの。
- 伊藤
- すごいと思いますよ。
撮影で通っている間にも感じましたが、
いつもなにか拭いているし、
どんなに手間のかかる料理をつくっていても、
あたりがグチャグチャにならないんです、全然!
小麦粉の料理で、黒いエプロンをしているのに、
きれいなままなんですよ。
ウーさんいわく
「黒いエプロンが真っ白になるのは下手なのよ。
小麦粉がかわいそうでしょ、
エプロンが汚れるのを小麦粉のせいにして、皆」
とおっしゃって!
- ウー
- ほんとよ(笑)。
だって小麦粉は汚してないでしょ?
汚すのは人間なんだから。
- 伊藤
- ほんっと、きれいに料理ができていくのが、
すっごい面白いんです、ウーさんの教室。
- ──
- それはウー先生の真似をすると
できるようになるんですか。
- 伊藤
- うーん? ‥‥すぐにはできないけれど、
コツは教えてもらえるから、上達しますよ。
あとね、「中国の主婦は、餃子の皮を伸ばしながら
冷蔵庫に何があったかなって、中身を決めるのよ」とか、
そういうお話も楽しくて。
- ウー
- 餃子はそうですね。
その後、本の改訂版の依頼をさせていただいたんですが、
もう、まさこさんはスタイリストというよりも
プロデューサー、作家としてご活躍なさってるから、
お皿を選んでもらう仕事はなさらないかもと思いつつ、
編集の方に「ダメ元で聞いてみてくれる?」って。
- 伊藤
- その編集者というのが、「weeksdays」でも
記事を書いてくれている、藤井志織さんだったんです。
- ──
- なるほど、そんなつながりだったんですね。
- 伊藤
- そりゃもう「やります、やらせてください!」ですよ。
もう是非にと。
- ──
- それで1冊丸ごと改訂版をつくった。
- ウー
- 改定版と言っているけれど、
ぜんぶ、新しくしましたね。
- 伊藤
- ウーさんとお仕事をして、
ウーさんのまわりがいつもスッキリしている理由が
そこかしこにあることに気づきました。
なにしろ判断が速いですしね。
「や、それは嫌い」「それいいわね!」と、
なんでも決断が速い。
- ウー
- だって世の中のことって、
それぞれの結論があるじゃないですか。
それが欲しいか欲しくないかだって、
結論を出さないといけないわけですよ。
あまり考えずに買わないと決めて、
後から買えばよかった、なんて、絶対嫌でしょう?
やっぱり一期一会、出会いの大切さですよ。
いらなかったらいらないで、相手があることでも、
「あ、そっか、これはやっぱり合わなかったんだ」って
諦めがつく。
モヤモヤさせることのほうが失礼だと思うから、
速く決断するんです。
- 伊藤
- ね?
- ウー
- 「またあとで‥‥」とかって、
期待させるのもよくないし。
- 伊藤
- 決断が速いのっていつからなんですか?
- ウー
- 小さな頃からそうかもしれない。
性格的なものかもしれません。
大人になってからも、欲しいものは絶対欲しいから、
値札を見ないで買っちゃうんですよ。
レジに持って行って
後悔することもあるんですけど(笑)。
あとブランドは見ない。
というか、ブランドに左右されずに、
自分の目でこれがいいかどうかって考えます。
- 伊藤
- 欲しいもの=(イコール)買うもの、ですもんね。
「その決断が潔い空間を生む」っていうことですね。
決断の連続ですもんね、毎日。
- ウー
- そう。決断しないと進められないから。
- ──
- どうしよっかなって思ったら、
やればいいじゃないの、ってことですね。
- ウー
- そうです。あるいは「やらない」と決める。
ハッキリさせる。
- 伊藤
- そうそう。後回しにはしない。
掃除も後回しにはしない。
- ウー
- しません。すぐにやります。
- 伊藤
- お料理を仕事にされる方って、
清潔感は大きな信頼ですものね。
- ──
- 最近また、お2人で組んでのお仕事を?
- 伊藤
- そうなんです。炒め物の本をつくりました。
- ウー
- そう。炒め物の本!
4月に発行予定です。
- 伊藤
- まだすこし先ですが、
楽しみにしていてほしいです。
そこに掲載されるウーさんの麻婆豆腐、すごいですよ。
これがつくれたら、ちょっと自慢できます。
ほんともうビックリの連続でした。
「火加減はそれでいいんだ?!」とか、
火にかけるまでの作業が、
調理の工程の大事な部分の
70パーセントぐらいなんだだとか。
- ウー
- そうですよ! 炒め物は下ごしらえですから。
炒め物だけではなく、料理全般も、生活もそう。
皆、結果ばっかり見てるでしょ?
たとえばまさこさんはきれいな空間に住まわれてるな、
って、そういう憧れがあると思うんですけど、
見えないところの努力は、誰も見ていないじゃない。
料理も一緒ですよ。
美味しいか美味しくないか、それは結果なんだけど、
それに至った努力が大事です。
やっぱり努力をしないと。
何にしても簡単にはできないと思うんですよ。
- 伊藤
- ほんとうに、そうですね。
- ウー
- うん。それを伝えるのに、
炒め物が一番、説得力があるかなと思っています。
- 伊藤
- ウーさんとのお仕事は楽しいですよ。
もちろんあらかじめメニュー名や材料はわかるんですが、
切り方もそれぞれだし、まさしくライブでしたよ。
わたしも「あ、じゃ、このお皿で!」みたいな。
炒め始めてから器を決めていました。
- ウー
- あのスピードと判断はね、
もうまさこさんしかできないと思う。
- 伊藤
- そんなことはないですけれど、
切っているときに「あ、ナス、あれぐらいに
おっきく切るんだ?! じゃあこのお皿じゃダメ」とか。
- ウー
- ほんとにライブです。
私たちの作業の様子を
取材していただきたいくらいです。
- ──
- ウーさん、普段のご自身の料理は、
器を先に決めることはあるんですか。
- ウー
- 決まってないですよ。
だって、おんなじキュウリにしてもおんなじナスにしても、
毎日、違うでしょ。
先にお皿を決めてそこに盛ることも、
できないわけじゃないですけど、
できあがったものから器を考えるほうが、
気持ちがいいです。
まさこさんとの仕事が楽しいのは
その気持ちよさを共有できるから。
私が先にスタートするかもしれないけど、
おんなじ目的で、途中で伴走してもらって、
最後に一皿にまとめるというところに
到達していくっていうのは、ほんとにね、気持ちいい。
私、もう、楽しみでしょうがないの。
どんなお皿に盛るんだろうなぁと。
「この子の住まいはどこになるんだろう」って。
チームの皆、緊張してはいるんだけれど、
その最後の目的が同じだから、楽しいのよ。
まさこさん、また1冊つくるって言ったら、やってくれる?
- 伊藤
- 是非!
- ウー
- よかった!
- 伊藤
- ウーさん、今日はありがとうございました。
最後はタオルの話じゃなくなったけれど、
お話できてよかったです。
- ウー
- こちらこそありがとうございます。
またね、まさこさん。
手や身体を拭いたあとは。
- 伊藤
- このタオル、発売当初は
バスタオルとフェイスタオルの
2サイズだったんですが、
今回、ハンドタオルもつくったんですよ。
コロナ禍のなかで手を洗う回数が増えて、
使うたび洗うので、ちっちゃいのがあったらいいなぁ、
と思ったんです。
- ウー
- それこそ、ハンドタオルが、今、すごく欲しいのよ。
私、タオルは厚みがないと嫌なんですね。
いまは京都の老舗旅館のものを使っていて、
フワフワでしっかりしているのだけれど、
パイルがすこし長いので、洗った後にちゃんと
こう(空気を含ませるようにしっかり振ることを)しないと
乾いたときにゴワゴワになっちゃうんです。
その点、「weeksdays」のタオルはいいですよ。
ハンドタオル、うちは、全部、これで揃えます。
- 全員
- わぁ~!(拍手)
- 伊藤
- ありがとうございます。
そうなんですよ。全部同じもので揃えるって、
気持ちいいんですよね。
タオルの入っている棚や引きだしを
開けたときも気持ちいい。
ウーさん、そんなふうに、
同じもので統一をするのが好きで、
たとえばお掃除のときはこのウェア、
外に出るときはこのウェア、って、
決めていらっしゃるって。
- ウー
- 豊かな人生じゃないんです。私(笑)。
まさこさんの世界は私の憧れ、柔らか~いでしょ?
私はカチンカチンすぎて、つまらないと思うんです。
- 伊藤
- いや、潔くてかっこいいです。
たくさん揃えてくださっているんですが、
「これはお客さま用」というわけじゃ、ないんですよね?
- ウー
- こういうものって、お客様のためにと、
皆、用意をしていると思うんですよ。
でもね、そんな必要はないと思うの。
お客様にも私とおんなじものを使っていただくのも、
ひとつのおもてなしだと思うから。
だってホテルに行ったら、
毎回自分のためだけに用意しているわけじゃないでしょ?
誰が使ってもいいように、常に清潔にしているわけで。
おんなじことだと思うんですよ。
だからうちに来ていただいているのであれば、
私とおんなじものを使ってもらう。
それが、私も嬉しいんですよ。
ここに来たら「うちの人」だと、
私はそういうふうに思ってるの。
だから全部同じもので揃えたい。
- 伊藤
- お客様用だと区別をしていないけれども、
いつでもお客様を呼べるようになっている。
つまり、ご自身がちゃんとしている。
散らかってないんですよ、絶対。
- ウー
- いつもそうだから。毎日掃除するもの。
私、お客様が来るからと、わざわざ掃除をしないですよ。
- 伊藤
- いつも、朝起きてすぐにお掃除をなさるから。
- ウー
- この空間は自分のためじゃないですか。
なら毎日キレイにするのが一番じゃない?
- 伊藤
- お掃除が好きというよりも、
キレイな状態がお好きなんですよね。
- ウー
- そうなの!
- 伊藤
- それ、わたしもそうです。
- ウー
- やる気が出るでしょ。
- 伊藤
- 出る出る。
- ウー
- グチャグチャになっている台所でご飯をつくろうと思うと、
1回片付けてからになる。
そうすると、もう気持ちは冷めてしまうのよ。
ここに立って、すぐ何かスタートできる、
っていうような状況を一番につくりたい。
- 伊藤
- おんなじです!
ウーさんとわたし、
全然タイプが違うように見えて、
言ってることが同じ。
- ──
- まさこさんも朝起きたときに、
全て片付いた状態で1日が始まって欲しいから、
夜のうちにちゃんと片付けると
おっしゃっていますよね。
- 伊藤
- 片付ける時間は一緒だもの。
- ウー
- そう。いつやるかっていうことですよね。
朝起きて散らばったものを見るのは、すごく嫌ですよ。
せっかくのいい朝なのに。
‥‥って、すみません、偉そうね。
- 伊藤
- とんでもないです。
これを買って下さったと聞いたときに思ったのは、
「ウーさんのあのキレイなおうちに
これが並ぶんだ!」っていうイメージでした。
- ウー
- 私ね、バスマットも欲しいの。
- 伊藤
- マット!
そうですよねぇ。
- ウー
- そうすると、うちはホテルになるんだもん(笑)。
- 伊藤
- そうですね。
以前、いちど、薄手のリネンで
大判のバスマットをつくったことがあります。
でもきっと、ウーさんの思っているのは、
もっとホテルっぽいものですよね、きっと。
1人ずつ変えるイメージですか?
- ウー
- マットはね、1人1枚ずつはいらないと思う。
家族が2人なら1枚で十分じゃない?
今私が使っているのは、
丸い石畳が並んでいるかのような、
凹凸のある厚手のタイプです。
最初は、すっごく大きなものを買ったんだけれど、
洗って乾かすのが大変で、
特に湿気の多いときには乾かなかったので、
今は、ちっちゃいものを使ってるんです。
- 伊藤
- ポコポコしてるんですね、なるほど。
バスタオルのサイズは大丈夫でしたか?
「weeksdays」のタオルは68センチ×130センチです。
- ウー
- バスタオル、強いて言えば、
私にはもうちょっと小さくてもいいかもしれない。
それは今使っている旅館のタオルが
60センチ×120センチだから。
- 伊藤
- 使い慣れたサイズってありますものね。
以前、欧米のホテル仕様の大きなタオルに憧れて、
買って使ったことがあるんですけれど、
厚くて大きいので、洗濯しても乾かなくって。
それで現在のサイズに落ち着いたんですが、
ウーさんには、ちょっと大きく
感じられるかもしれないですね。
- ウー
- でもフェイスはこれ(34センチ×80センチ)で
いいと思います。
- 伊藤
- サイズ感って難しいですよね。
髪の長いかたは、大きめがいいとおっしゃったり。
ちなみに、わたしの知人のご夫婦のところでは、
バスマットを使わないそうです。
バスルームの中で全身を拭いて、
最後に足裏もきれいにして出るんだそうです。
しかも、最後に使った人は、
浴室全体をタオルで拭いて、
そのまま洗濯機に直行、だそうです
- ウー
- それ、私もそうだけど?
- 伊藤
- え?!(笑)
- ウー
- 私、お風呂上がりに、
使い終わったバスタオルで
浴室を全部拭きますよ。
着替えてから、
洗面所のすみずみをピカピカに拭きます。
- 伊藤
- 着替えてから‥‥。
わたし、してない!
- ウー
- だって、どうせ洗っちゃうんだから、
同じタオルで全部拭いちゃえばいいんですよ。
お掃除をして、拭いて洗濯機に入れれば、
浴室もタオルもどちらもキレイでしょ?
とくに夏は、なかなか浴室内が乾かない。
うちは全体が真っ白だから、カビが生えてくると、
すっごく気持ち悪いんです。だから拭くの。
洗面所も同じです。
使ったタオルで洗面ボウルまわりを
全部拭いてからお洗濯。
- 伊藤
- それはわかります。
わたしもハンドタオルを1日何回か替えるんですが、
そのたびに、全部拭いてます。
蛇口とかピカピカにします。
- ウー
- 私も蛇口をいつも拭きます。
- 伊藤
- ウーさんは、いつもどこかを拭いているんですよね。
汚いとすごく気持ち悪い。
水垢とかも溜めちゃうから取りにくいのであってね。
- ウー
- すぐ拭けばキレイになる。
放っておくと、洗剤を使わなければ取れないでしょう?
それは環境にもよくないですよね。
だから拭けばいいの。
- 伊藤
- そうですよね。
インスタグラムがきっかけで。
- 伊藤
- ウーさん、今日はありがとうございます。
嬉しいです。
- ウー
- こちらこそありがとうございます。
- 伊藤
- 前にわたしがインスタで
「タオルをグレーに買い替えた」って書いたら、
すぐに反応して下さって、
同じタオルをたくさん買って下さったんですよね。
- ウー
- そうなんです。
でもね、私、インスタをはじめたの、
去年の3月ですよ。
まだ1年にもならないの。
- 伊藤
- ご自身で更新を?
- ウー
- とんでもない! できるわけがないですよ。
- 伊藤
- (笑)
- ウー
- 私の考えですと、
本をつくったり、雑誌のページを任されて、
時間をかけて
完成度が高いものをつくるのが表現なんですね。
でもインスタには、
速報や生放送みたいなイメージがあるので、
自分にはできるわけがない、と思っていたんです。
- 伊藤
- なるほど。
- ウー
- 子どもたちにも注意されたんです。
「何人が見ているか分からないよ、
1回出したものは、迂闊なことを書いたと気づいても
広まってしまって回収ができないから、
無理してやらなくていいよ」って。
写真にしても、「インスタの写真と、
ママの本でプロが撮ってくれる写真は、
全然違うんだからね」って。
「見て下さる方たちとの距離感がないようにするのが
インスタの写真の撮り方だ」と。
もうすっごく、上から目線なの(笑)。
- 伊藤
- そうでしたか。
子どもたちのそういう意見ってすごく大事ですよね。
- ウー
- そう、すっごく大事だなぁと思って。
- 伊藤
- 編集者の人たちは、
そんなふうに言えないですもの(笑)。
子どもに気づかされることは多いです。
うちもそうですよ。
- ウー
- そうですよね。
「ママは多分無理だと思うよ」って、
もう完全に100パーセントのダメ出し。
そう言われて「たしかに!」って。
でも出版社の方たちからは、
「ぜひインスタを開設してください。
絶対面白いものができるから」と。
普段、私が言うような一言、二言でも、
みんなにとっては必要なこともあると思うと。
それを聞くと私もやる気満々になるのだけれど、
子どもたちの話を聞くと、やっぱりダメだ、って、
もう、自信が、喪失するんですよね。
- 伊藤
- そうなんですね。
- ウー
- 私、ず~っと休んでたんですよ。
コロナ禍で一昨年の3月からず~っと。
料理教室はこの2年間に2、3回だけ。
生徒さんたちには、
最初は月に1回メールを送ったりしていたのだけれど、
もっと、伝えるのに、他の方法がないかしらと、
インスタというものがあるのなら、
皆が喜んでくれるかなぁ、
そろそろ始めようかな、と思ってはいたんです。
コロナ禍の終わりが見えない中だったので、
インスタをやることは、いいんじゃないかなって。
もっと手軽にできるのだったらいいなって思うんですが、
若い子たちの感覚についていくのがたいへんで。
私、来年は還暦ですから、
そこまで頑張らなくていいのかも? とも。
- 伊藤
- インスタ開設に、そんな葛藤があったんですね。
- ウー
- そんな中、まゆ──、息子のお嫁さんが
一昨年の11月に我が家に来ました。
そのとき「まゆがいればできるかなぁ?」
って思ったんです。
彼女も手伝ってくれると言うし、
子どもたちも、それなら安心だということで、
やっと、始めました。
- 伊藤
- よかった!
インスタ、いいところがありますよね。
それこそライブじゃないけど、
雑誌とか本だと撮ってから数ヶ月先に発表になるから、
その間に変わっちゃうこととかもありますけれど、
インスタならスピーディに伝えることができる。
そのインスタがご縁で、
ウーさんが「weeksdays」のタオルを
買ってくださったわけですから、
やってくださってよかったって思います。
何枚買ってくださったんでしたっけ。
- ウー
- 12枚です。
- 伊藤
- 1ダース!
ありがとうございます。
- ウー
- 私ね、タオルにはすっごくうるさいの。
だって毎日のことだから。
本来であれば、タオルは全部真っ白のほうが
理想なんですけれど。
- 伊藤
- わたしもです。
- ウー
- でも、無理よ~! うちでは。
絶対無理ですよ。
- 伊藤
- ご本の中で、どうしても汚れちゃうと書かれていましたね。
- ウー
- そう、白いタオルが汚れると、
お家の洗濯機で洗って元に戻すことは至難の業。
だから、ず~っとね、
どんな色がいいのかなぁって思っていたところに、
これ(グレーのタオル)に出会ったんですよ。
- 伊藤
- 髪の毛をカラーした後に拭くのに、
真っ白だと気をつかうじゃないですか。
- ウー
- そう! そうそう!
- 伊藤
- それで、グレーがあればいいんだと思って、
それでつくったんですよ。
- ウー
- 男女とわず、誰にもいいでしょう? この色であれば、ね。
- 伊藤
- まずうちの娘が「うちには何で白いタオルしかないの?」
って言いだしたんですよ。
カラーするときに困るからと、
量販店で茶色いバスタオルを買って来て。
その姿を見ていて、それまで
「タオルは真っ白」っていう考えだったんですけど、
色付きもいいんだと思ったんです。
グレーだったら男の人の部屋にも、
うちにも合うかな、と思って。
- ウー
- そう!
いろんな色があるのは、ちょっと嫌なんですよ。
なんでもかんでも同じものを
数を揃えて買うのが好きなんです。
- 伊藤
- ウーさん、全部そうですよね。
菜箸はここのもの、エプロンはここのものって、
全部決まってますよね。
- ウー
- そうなの。だからね、人生がね、すごく狭いの。
- 伊藤
- (笑)そんなこと、ないですよ!
- ウー
- いえ、ほんとに狭いですよ。
もう「これ!」しかできないんです。
情報がたくさんあるこの時代だからこそ、
どれが一番いいのか、選びづらくなっている。
まさこさんが身近にいてよかったです。
これだったら見ないで買っても
絶対間違いないと思うもの。
そして、買うなら12枚。
いまはお客さまが来ないけれど、
いずれまたいっぱい来る日もあるだろうと。
そういうときのためにもね。
- 伊藤
- 嬉しいです。