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再入荷のおしらせ

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完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
2月10日(水)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。

カトラリー

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「カジュアルに使えて、
お値段控えめ。
かつ使い心地よく、見た目も美しい。
そんなカトラリーって、
あまりないものだなぁ‥‥と思っていたら、
そのすべてを満たしていたのが、
この『LUCKYWOOD』(ラッキーウッド)の
カトラリー。

オールステンレスなので、
食洗機にも入れられるところがうれしい。
忙しい朝、
こんなカトラリーがあると、
とっても助かります。」
(伊藤まさこさん)

今回の追加販売には、
デザートスプーンとはじめてセットのご用意はありません。
これらも追加販売にむけて準備をしていますので、
もうすこしお待ちくださいね。

日々は続く。

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ほっと、と、ぼーっと、は似ている。
間違えやすい。
両方の時もある。
ぼーっとは悪く言われる場合もあるし。

僕はぼーっとは得意。
ほっとは苦手なような気がする。
人によっては逆だったり。
ほっとの長いのがぼーっとなのか? 
わかっているのはほっとは安心することだ。
安心する瞬間ほっとする、
だけど、分かっているからできるとは限らない。
実にできない。自意識過剰かなとも思う。

AM10時30分頃、仕事を試行錯誤しながら、
お昼ご飯はどこの弁当にしようかと想像しはじめる。
今日はタイ料理屋の弁当を食べるぞと強くこころに誓い、
お昼前に家を出る。
しかし、一歩外に出ればこの世の中は魅力と魔力に溢れ、
五感は狂い方向の感覚すらも失ってしまう。
右に曲がればフォーの弁当だし。
あれっ何曜日? 定休日あったっけ? 
もはや曜日すら曖昧だ。
今日は絶対! タイ! 僕は甲州街道を左に曲がった。
自転車のタイヤが道の凹凸を感じ取りサドルを通じて
僕のお尻にツートンドンッツートントン
(今日はタイ料理屋でガパオライスだね)
と話し出した。
よし! 腹は決まった! 
僕は気が変わらないうちにと全力でペダルを漕ぐ。

目的のガパオライスを手に入れて
ようやく家に戻った頃には
時計の針がちょうど12時を指していた。
哲学者のような顔をして
ゆっくりとドアを開け階段を登る。
正直少し足早になってしまう。
そのままテレビの部屋に向かい、
膝丈くらいの折り畳みの机を出してお弁当を広げる。
麦茶は必須。
TVリモコンの赤い電源ボタンを押す。
すぐに4の番号を押す。
『ヒルナンデス』です。
木でできた会津塗の漆のスプーンを持ってくる。
ようやく腰を下ろし、
僕はガパオライスを口の中に放り込んでいく。
喉に詰まる! 麦茶で流す! 
マチャミは一人で旅に出て盛り上げてすごいな! 
今日のガパオめちゃ辛い! この子ジャニーズ? 
喉に詰まる! 麦茶をお代わり! 春日はリモートだね! 
メールの返信やらないとなあ‥‥。
あっという間にガパオもライスも僕の腹におさまった。
いやー満腹満足。

そのままソファーに座り直して、
テレビで旅の行く末を見ている。
あれ! これもしかしてほっとしてるかも。
ほっとする時間かしら。
しかし僕はいつものように大げさに、
いろんな考えが頭の中を駆け巡り
ごちゃごちゃになってしまっている。
結局2、3個の甘い菓子を握って
仕事の部屋に戻る。
で、日々は続く、口は開いている、風が吹いた。

わたしの心から湯気。

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年末、0歳児から5歳児まで、
みんなでついたお餅を丸くして鏡餅を作った。
今日は、そのお餅を開く日。
そう、鏡開きの日。
こどもたちに「このお餅は
割るんじゃなくて開くんだよ」と伝える。
中に年神様がやどっていて、
刃物を使って切るのではなく、
小槌を使って「開く」のだ。

そう、この中にはみんなの未来が詰まっている。
「みんなでこの未来を開こう」と、
園で一番大きな鏡餅は、
年長児のけやき組さんの数人と開くことにした。
乾燥して硬くなった餅を、順番に木槌で打つ。
最初は3回ずつ。
なかなか開かず、
こどもたちの提案で10回ずつにした。
だんだんとお餅にヒビが入り、開いてくる。
あまりの硬さに思わず
「未来、堅えな」と笑う、はるまくん。
みんなで大笑い。
そのうち「もう手を使った方が早いんじゃない?」
ということになって、
はるまくんとりゅうやくんとたくみくんが
手を使って開くことに。
ウヌヌヌヌと力を入れる3人。
すると鏡餅がバラバラに開いた。
「未来が!! 開いた~!」

私の毎日はこの保育園で暮らす160人近くの子どもたち、
家族、保育者たちとの暮らし、
また家に帰れば夫と息子の3人の暮らしで彩られている。
まさに人と関係性を作り続けるのが日常だ。
人と人の中でのままならない日常を、
どう愛していくかが私の心を照らし動かす。

人や物事に対してマイナスなことが起きた時、
「どうしたらいいのかな」と思えずに、
否定をしてしまったり、むかっと来たりする時がある。
でも、そんな時はおおよそ私の心が、
日のたった鏡餅のように乾燥して堅くなっている時だ。
そう思うと、そんな中でやっぱり大切にしたいのは、
自分をどう温めるか。
実際、人と人の中で生きていく中で生まれる感情は、
人に求めるのではなく、自分がどう思うか、
自分が今どんな状況なのかが大きい。
とはいえ、「全て自分に要因がある」と
ベクトルを向けるほど心が強いわけじゃない‥‥。
だからこそ、できる限り温めてあげたい。
自分を、自分の心を、手と足を。
ほわほわ自分から湯気を出したい。

そんな時には、とにかく温める。
心を蒸し器に入れるのだ。
よもぎ・くこ・どくだみ・クマザサなど
野草が混ざったお茶、
夫作のスパイスカレー、足首を温めるレッグウォーマー、
寝る前に布団に入れる湯たんぽ。
寝る前に読む少女漫画、ジェーン・スーさんのラジオ、
眠る前に思い出す、こどもたちの
「未来が!! 開いた~!」の声。
うんうん、私の、私たちの未来は開いていける。
心を開いて、感性を開いて。
堅い心をゆっくりとしなやかに。
ほらほらちょっとずつ心から湯気が出てきた。
蒸気した心には人が集まる。
悩んだり、戸惑ったり、困ったり、
いつも状況の良い私ではないけれど、
自分の心の温度を感じられるようにしていきたい。
堅くないかな、冷たくないかな、
もしもそんな風に感じたら、たっぷり心を蒸してあげよう。
「心から湯気」。
この冬、私の目標になった。

夕方6時のチョコプレッツェル。

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え、うそでしょ? 
ふふっと、笑っちゃうような
食べものの始まりにまつわる説がアメリカにはある。
たとえば、ツナメルトサンドイッチ。
マヨネーズであえたツナサラダを
チーズと一緒に挟んで焼いた温かなサンドイッチが
発明されたのはダイナーの厨房。
たまたまサンドイッチを作っていた手元に、
どさりっ、ツナサラダのボウルが落下。
パンとチーズの上に運命的に着地したのだという。

ロメインレタスを、にんにく、ウスターソース、
アンチョビやパルミジャーノチーズのドレッシングであえた
シーザーサラダは、大賑わいのレストランで生まれた。
キッチンの食材をほとんど使い切ってしまい、
どうしよう、困ったシェフが、
残っていた野菜やソースを組み合わせて提供した
なんていうか、やけくそサラダ。
それが客に大ウケしたらしい。

ピンクレモネードの起源は、どこかのサーカス団。
レモネードの屋台が売り切れてしまい、
近くにあったバケツの水で、急ごしらえしたのだけれど、
バケツの中身は、団員がピンクのタイツを洗ったあとの
色つきの水だった。とかなんとか。
どうか、うそでありますように‥‥。

ドイツからの移民がアメリカへ持ちこんだという
プレッツェルにも逸話がある。
当時、食べられていたのは、
ソフトプレッツェルと呼ばれるパンに近いもの。
生地を編んで作る、ハートみたいな形はそのままに、
サイズは顔の大きさほど。
塩の粒を散らした外側は艶々のきつね色で、
ひと口かじれば、もちもち。密な食感が楽しめるアレだ。
ドイツ移民が多く暮らした東海岸のペンシルべニア州では、
地元ベーカリーの定番商品だったらしい。
ある日、とあるベーカリーで、
オーブン当番をしていた見習いが居眠りをしてしまう。
不注意により、長時間焼かれたプレッツェルは、
ガチガチに焼き締まった失敗作。
ところが、それが奇跡的においしかった。
というわけで誕生したのがハードプレッツェル、
小ぶりなスナックタイプのプレッツェルというわけ。

ニューヨークでは、ソフトとハード、
二種類のプレッツェルが売られ、食べられている。
ソフトタイプをよく見かけるのは、
街中のホットドッグ屋台。
小腹を満たせる、軽食代わりという感じ。
ハードタイプは、庶民のスナック菓子だから、
スーパーやデリ(コンビニ)なんかで手に入る。

ハードプレッツェルをチョコレートがけした
チョコプレッツェルと呼ばれるお菓子もある。
甘くとろけるチョコレートと、
香ばしいプレッツェルの、ぴりっとした塩味が
口のなかで、おいしく混ざりあう甘塩スイーツ。
私が好んで買い求めるのは、老舗のユダヤ食材店
Russ & Daughtersのもの。
プレッツェルは太めで武骨、チョコレートはビター。
甘すぎないからか、食べだすと止まらない。
プレッツェルがほっそり華奢なタイプもあって、
チョコレートショップLi-Lacのものがそれ。
ミルクチョコとダークチョコ、
ふたつの味は甲乙つけがたく、
いつも欲張って、両方買うはめになる。

さて。夕方6時。
進まない原稿を切り上げて、
いそいそとピノ・ノワールの栓を開けグラスに注ぐ。
澄んだ赤紫色をした、そそる赤ワイン、
つまみにかじるのは、チョコプレッツェルだ。
ガリッ、ボリボリ、ごくり。
はぁ、口のなかが、しあわせ。
しあわせすぎて、あれもこれも(飲む食う以外は)
もう、どうでもいいや。
となる前に、そういえば、
チョコプレッツェルという、この素晴らしきお菓子、
どこの誰が、考案したんだろう。
うそみたいなエピソードを期待して探してみたけれど、
残念ながら見つけることはできなかった。

チョコプレッツェル

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ちょうどいい軽やかさ。

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「つまりは、なんでもあり。
それがこの街の食なのだな」

そう言ったのは、
ニューヨークに住む友人。

私も彼女に連れられて、
何度かあちらこちらの店を食べ歩いたけれど、
たしかにこの街は「なんでもあり」なんだ。

ルールやしきたりになんて、
振り回されない。
洗練も野暮ったさもふくめて、
「すべてどんと来い」という懐の深さ。
こんな街、ほかのどこにもないと思う。

タコスにピッツァ、
フライドチキン、
エッグベネディクトにビーガンドーナッツ‥‥。

ありとあらゆるものを食べた中で、
意外や意外、
おいしさに開眼したのが、
チョコプレッツェル。
そう、あのちょっとしょっぱい
プレッツェルのチョコレートがけ、
‥‥なのですが、
これがね、ひとつ、またひとつと
ついついクセになる味なんです。

なんていうか、
いろいろ考えなくっていい単純なおいしさ。
家で食べるおやつって、
これくらいの軽やかさが
ちょうどいいって思う時があるんです。

映画を見ながら。
パソコンに向かいながら。
本を読みながら。
それから、それから‥‥。

コーヒーを入れて、
ちょっとひと休み。
かたわらには、
weeksdaysのチョコプレッツェルを。
冬のひとときにぜひどうぞ。

わたしなら、このスカートに。 その3 ON/OFFどちらも。 ワインコーディネーター 熊谷良子さん

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熊谷良子さんのプロフィール

くまがい・りょうこ
J.S.A.ソムリエ/C.P.A.チーズプロフェッショナル。
Wine Salon d’Ourse主宰。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、
ワインコーディネーターに。
飲食店や食のイベントプロデュースのほか、
ライターとしてワインやチーズに関する情報も
発信している。
http://iewine.jp/user/1454
http://www.winesalondourse.com/


ワインショップで輸入代行業などを手がけているほか、
飲み頃や旬を大切に、ワインとチーズの魅力を伝える
サロンを主宰している熊谷良子さん。
いつもきちんとした、品のある装いがお似合いです。

「仕事場にも娘の学校にも、
黒や紺、白を基調としたシンプルな服装が馴染むので
長年、トラッドなスタイルを好んで着ています。
最近は少し茶系を取り入れたり
ジュエリーで遊んだりするのも楽しくなってきました」

そんな熊谷さんは、
saquiがデビューしたときからのファン。

「ほぼ毎シーズン、なにかしら購入しています。
このスカートと同じ生地のパンツも愛用していて、
あまりに着過ぎて、着潰してしまいました(笑)。
もう1枚買い足そうと思っているんです」

熊谷さんにとってsaquiは
”いちばん頼りにしているブランド”なのだとか。
落ちついた上品なテイストで、
清潔感がありつつ、
時代に添った雰囲気も反映されているデザインに
絶大なる信頼をおいている様子。

「私はおしゃれに敏感なほうではないけど、
流行やモードを無視したいわけじゃない。
saquiの服はその点、自分らしく着られるんです」

また、仕事では飲料メーカーの
おじさまたちと会うことも多く、
きちんとして見える服ということも必須要素。

「そんなときにも着られるし、
プライベートでも活躍してくれるのもsaquiの良さ。
公私で服装をぱっきり分けてしまうと、
洋服の数がたくさん必要になっちゃうから」

なにより、熊谷さんが大切にしているのは清潔感。

「ワインもチーズも、食べ物を扱う仕事には、
清潔感がいちばん大事だと思うんです。
それはカジュアルなシーンでも
フォーマルなシーンでも同じ。
saquiの服はすべて清潔感があるから安心なんです」

例えば、イベントなどでワインやチーズをサーブするなら、
ネイビーのスカートに白いブラウス、
白いソックスと合わせてきりりと。

「このスカートは、トップスが短めの丈のほうが
バランスよく着られる気がします。
このまま上にボレロジャケットを羽織って
小さめのバッグを持てば、お食事にも出かけられますし」

また、春先になったら
ブラックのスカートに、お気に入りのsaquiの
ネイビーストライプのブラウスを合わせて軽やかに。
トップスをウエストにインしても素敵。

どちらのコーディネートも、
ネイビー×ブラックの色合わせです。

「昔はネイビーはネイビー、ブラックはブラックと
単色で合わせるのが好きでした。
でも最近、好きなブランドから
ネイビー×ブラックの服が出ていたりして、
その組み合わせもいいなと思うように。
どちらの服も手持ちにたくさんあるから、
好きに組み合わせてみています」

靴はたいてい、メンズライクな紐靴か
シンプルなバレエシューズを合わせるのが好きだそう。

「このスカートはどちらも合わせやすいですね。
スリットが大きいので、仕事のときも動きやすくて
パンツと同じ感覚で着られそうです」

わたしなら、このスカートに。 その2 自分らしいミックススタイル。 バイヤー 中澤沙織さん

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中澤沙織さんのプロフィール

なかざわ・さおり
外資系コスメブランドで美容部員として働いたのち、
現在はヴィンテージショップverandah aoyamaで
バイヤーとして働く。
趣味は料理とお菓子作り。
164cm。33歳。
インスタグラムは@saori.a.n


南青山のverandah aoyamaという
ヴィンテージショップで
バイヤーとして働く中澤沙織さん。

もともと接客が好きで、
長く美容部員として働いていたのだとか。
その頃の服装は黒が基本で、
タイトなシルエットのものを
コンサバティブに着ていたと言います。

でもずっと古着を着こなすことに憧れていて、
通っていた美容師さんにverandah aoyamaを
紹介してもらって通うようになり、
今では唯一の女性スタッフに。

中澤さんにとって「古着の魅力は?」と聞いてみたところ、
ルールがないところ、と教えてくれました。

「古着はその歴史を調べて学ぶのも楽しいし、
こうしなきゃいけない、というルールがないのがいい。
他人とかぶらないし、個性を反映できる。
自由な発想で好きなように着ればいいと思うんです」

ちなみに中澤さんが着こなしのお手本にしているのは、
インスタグラムや街中にいる素敵な人なのだそう。

「全身を古着にする必要はまったくなくて
取り入れるくらいで、十分楽しめると思います」

saquiのロングスカート、ネイビーの着こなしも、
中澤さんらしいミックススタイル。

「私はカジュアルなものとレディーライクなものを
ミックスするのが好き。
このスカートは女性らしいから、
スポーティーな黄色い
ナンバリングのトップスを合わせました。
その分、足元は女性らしいヒールにして
バランスをとります。
メイクも服装とリンクさせるのが好き」

トップスに色ものを選んだなら、
チークやアイカラーに色を使わず、
リップだけにするというバランスの取り方は、
さすが元美容部員。

「ジュエリーも、
ゴールドとシルバーをミックスさせるのが好きですね。
さらにヴィンテージも、
現代のものもミックスしています」

一方、ブラックのスカートには、
80年代のブルーのプリントスウェットを合わせて、
中に着たレースのブラウスの大きな襟をポイントに。

「これもやっぱり、ちょっとふざけた感じのトップスで
スカートをカジュアルダウンさせました。
その分、レディライクなファーのコートや
白いタイツ、オールドセリーヌのパンプスで
上品にまとめています」

きっと大人になればなるほど、
いつもと同じ格好、自分らしい格好に囚われがち。
だけどもしかしたら、
いつもの服を古着でハズすという着こなしは
新たなファッションの楽しみの
入り口になるかもしれません。

「ここで働くようになって、まずはトライすることを
楽しむようになりました。
これは私に似合わない、私っぽくない、とかは
決して言わず、ひとまず着てみる。
友人からは、昔と系統が変わったね、と言われるけれど、
幅が広がるってすごく楽しいこと。
お客さまにも、普段と違う雰囲気のものを提案してみて、
それが受け入れてもらえるとすごく嬉しいんです」

saquiのスカートがきれいめだからこそ、
ミリタリーものやスポーツのメンズアイテムも
大人っぽく着こなすことができるのです。
ぜひ、挑戦してみて。

わたしなら、このスカートに。 その1 小さな冒険。 建築家 各務麻衣子さん

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各務麻衣子さんのプロフィール

かがみ・まいこ
薬剤師の資格を持つ建築家。
スケルトンからのリノベーションを得意としている。
料理家の姉と仲が良く、
食べ歩きの旅を一緒に楽しんでいる。
夫も料理が得意で、カガミ建築計画のブログでは
楽しそうなランチの様子が垣間見られる。
162cm、45歳。
http://kagami-reform.com


均整のとれたヘルシーなスタイルの各務さん。
どんな服でも着こなせそうですが、意外と保守派。
ブラックを始め、ネイビー、グレー、ベージュといった
ベーシックなカラーでシンプルなデザインの服が
ワードローブのほとんどを占めています。

「冒険してみたい気持ちもあるけれど、
なんだか気恥ずかしくて」

と照れ屋の各務さん。聞いてみると、
ブラックが好きなのにはもう一つ理由がありました。
というのも、今10歳になる娘を出産した頃は、
なるべくブラックを避けていた反動のよう。

「母に、娘の気持ちが明るくなるように、
子育て中は明るい色を着なさい、
とアドバイスされていて。
黒は仕事着という印象もあって、
社会と繋がっていないとダメと思い込んでいたんです」

娘も育ち、かなり明るいキャラクターに育った今、
その呪縛からも解き放たれ、
好きなブラックを思う存分に着られるようになりました。
今回のスカートも好みど真ん中。

「一見、シンプルで普通なのに
着てみるとシルエットもきれいだし、
なにより着心地が最高! 
ファリエロ サルティの上質な生地と聞いて納得です」

スポーティーな服装か、または
クラシカルなテーラードジャケットスタイルが好きという
両極端な好みの各務さん。

「今回、saquiというブランドを初めて知りましたが、
ホームページを見ていたらどれも可愛くて。
いろいろと着てみたくなりました」

このスカートに合わせるならなにがいいかなと
ワードローブを考えるのも楽しそう。

「実はグリーンやイエロー、
ブルー、ピンクも好きなので
こんなシンプルなスカートに
ポイントとして取り入れたら可愛いですよね」

今日はひとまず、大好きなブラックのスカートに
シンプルなスウェットを合わせてみました。

建築家として働いている各務さんは、
普段ジャケットを着る機会も多いよう。

「お客さまと一緒にショールームに
家具などを選びに行くことが多いのですが、
そんなときはダークトーンの色を着るようにしています。
自分が目立ってしまってはいけないから」

そんなTPOに合わせることもできる
saquiのスカートですが、
タイトスカートや大きなスリットが
各務さん的にはちょっとした冒険。

「パンツスタイルが多く、
スカートは夏のワンピースくらいかも」

「スカートがきちんとした印象だから
上がカジュアルでも仕事着になりそう。
スリットが大きくて歩きやすいし」

家で過ごすときに着ていても、
座ったり立ったりという動作ものびのびとできる生地。

「締め付けが苦手なので、
このストレッチ感はうれしい。
アクティブすぎる娘に付き合うのも
この服なら大丈夫です(笑)」

出かけるときは叔母のお下がりだという
イタリア製のフードジャケットと
大好きなCHURCHのショートブーツを。

「このスカートとメンズ靴は相性がいいですね」

ネイビーも着てみたいということで
ワードローブから取り出したのは
ネイビー×ブラックのボーダーニット。

「これにピーコートとスニーカーを合わせたら
いつものパンツスタイルの延長ですね。
気負いなくタイトスカートが着られます」

saquiのストレートスカート

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ふんわりギャザーをやめてから。

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ふんわりしたギャザースカートに丸首ニット、
足元はヒールの靴。

年を重ねるごとに、
似合う服は少しずつ変わってきましたが、
「ふんわりギャザー」をやめたことが
私にとってかなりの改革。
なんせ10代の頃から、
ずーっと好きなスタイルだったものですから。

ギャザースカートの代わりに、
最近とても活躍しているのが、
saquiのストレートスカートです。

大人っぽいシルエットが、
今の気分にぴったり。
週に3回は履いているんじゃないかな? 
というくらい、
ここ最近で一番のヒットアイテムになっています。

着こなしによって、
シックにもカジュアルにもなる、このスカート。
3人のおしゃれさんに着てもらったコンテンツも、
どうぞおたのしみに。

春に向かって
新しいアイテムを取り入れてみませんか?

わが家のカトラリーの使い方。 その3 テーブルナイフ・デザートナイフ 伊藤まさこ

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お皿/鋼正堂 (オーバル耐熱皿・大)

ナイフが好きで、
何本も持っているのですが、
これはその中でも、もっともスタンダードな形。
合わせる料理や器のじゃまをしない、
テーブルの名脇役ではないかしら? 
そういう形って、
ありそうでなかなかないものです。

フォークとセットで
肉や魚を切るのはもちろん。
でも時おり、
バターナイフとして使うことも。

今日は耐熱皿に軽くトーストしたパンとジャム、
バターをのせてみました。
(耐熱皿だって、「お皿」として使ってもいいんです)
ポイントは斜めに置いたテーブルナイフ。
ステンレスの光が、
全体を引き締めてくれて、
なかなかいいでしょう?


キャロットラペをいれたうつわ/松徳硝子 ガラスのうつわ(小)

パテやチーズは、
デザートナイフを銘々に持って、
好きな分だけ切り分けます。

ワインを飲んではパテを切り、
また飲んでは食べ‥‥、の繰り返し。
おしゃべりしながらの、
こんな時間が大好きです。

ここで登場させたのは、
ちょっと小ぶりなグラスと
デザートナイフ。
気軽なお酒のテーブルには、
これくらいのサイズがちょうどいいんです。

ステンレスなので、
食洗機にだって入れられる。
そんな気軽さも魅力のひとつ。
後片付けが
おっくうではなくなったのも、
ひとえにこのカトラリーのおかげです。

わが家のカトラリーの使い方。 その2 デザートスプーン・スープスプーン 伊藤まさこ

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お皿/東屋 磁器のお皿(オーバル皿 土灰釉・大)

葉野菜のおいしい今の季節、
食べ逃してなるものか! と
毎日のように作っているのが
青菜の炒めものです。

強火で炒めた青菜は、
オーバルのプレートに。
デザートスプーンをそえたら
急いでテーブルへ。

このスプーン、やや大きめなので
こんな風に取り分け用にしてもいいのです。

グラタンや、
大きな型で作ったプリン、
マチェドニアなんかとも相性よさそう。
ふだんのテーブルにも、
またおやつの時間にも。
あらゆるシーンで活躍してくれる、
スプーンです。

スープスプーンは、
ひとつ持っているとスープの時間がたのしくなります。
すくいやすく、
口あたりがやさしい。
これを使ってスープを飲むと、
いつもよりおいしく感じるような気がします。

今日は、
野菜で取ったストックで、
にんじんをまるごとコトコト煮てみました。
味は塩とこしょうだけ。
粒マスタードと黒パンをそえて、
シンプルに味わいます。

明日はかぼちゃのポタージュでも作ろうかな。
それともミネストローネ? 
このスプーン、
春までの間に、
何度となく登場しそうな予感。

わが家のカトラリーの使い方。 その1 デザートフォーク&ナイフ 伊藤まさこ

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お皿/鋼正堂(丸プレート・小)

「デザート」とついているので、
小さめと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、
長さはフォークが188ミリ、
ナイフは219ミリと長め。
我が家は私も娘も手が小さいので、
この大きさをディナーフォークと
ナイフ(スプーンも)代わりにしています。
家族の人数分揃えたいとお考えの方は、
同じ大きさで揃えるのもいいですが、
それぞれ、使いやすい大きさに合わせてえらんでも
よいのかもしれません。

今日は、
ビーツを蒸したものと、
いちじくを白いプレートにのせ、
オリーブオイルと赤ワインビネガーをかけて、
塩で味つけ。
仕上げに黒こしょうをがりがりとふって、
赤い一皿を作りました。
「作る」といっても、お皿の上で仕上げただけ。
フォークとナイフがあれば、
まな板もナイフも出す必要なし! 
おいしいし見た目に美しいし、
なんといっても手軽。
我が家はよくこんな前菜を作ります。

ほかに、
じゃがいもを蒸したものにバターをそえたり、
トマトとモッツァレラチーズをどどんとのせて、
お皿の上で切り分けたりすることも。
カトラリーがあると、
テーブルの上がたのしくなるところがいいんです。

また、このフォーク、持った感じもいいのですが、
刺し心地(?)もとってもいい。
先っぽ部分が、きちんと料理をとらえてくれるので、
使っていて気持ちがいい。
毎日使う道具ですもの、
ストレスないものをえらびたいものです。

はじめてのカトラリー

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景色がいい。

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よく聞かれるのが、
「カトラリー、どこのを使っていますか?」
という質問。
とくに新しい生活をはじめた人にとって、
カトラリーえらびは、
なかなかむずかしいようなのです。

私はといえば、
フランスやイギリスの蚤の市などで
見つけたシルバーのカトラリーを使っています。
箱やかご、または古い引き出しに
ごちゃごちゃと入った中から、
気に入りの一本を探し出すのですが、
これがとってもたのしい。

おかげで、形はばらばら、
味わいもそれぞれ、といったかんじですが、
それはそれで、いい景色! 
なんて思っています。

その、てんでばらばらの中から、
気がつくといつも手にとっているカトラリーがあります。

持った感じがしっくりくるし、
使い心地もすごくいい。
これで揃いがあればいいなぁと思いつつも、
古いものなので、それは叶わないでいたのでした。

今週のweeksdaysは、
その私の気に入りの古いものに、
とてもよく似た使い心地のカトラリーをご紹介します。

ステンレスだから、
あつかいも楽。
「まず最初のカトラリー」として、
踏み出しやすい価格も魅力。
なにより、景色がいいところがじまんです。

明日からのコンテンツもどうぞおたのしみに。

ALWELのスポーツカジュアル、 「ほぼ日」乗組員が着てみました。 その3

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その3 街も歩けるスポーツカジュアル。


さて、ラストを飾るのは
活動的で、3人のなかでは
いちばん「ALWEL的」な服が好き、
という印象があります。
これはもう、たっぷり遊んで
コーディネートをお願いします、
國安さん、内田さん!


「ブルゾンの上に
アルパカのファーベストを重ねました」
と、國安さん。
えっ、ベストはコートの中に着るものじゃ‥‥? 

「そう思いがちですが、こういう短い丈のものなら、
コートやブルゾンの上に着るのも、面白いと思いますよ。
実はポイントとなるのが、
このボリュームのあるスニーカー。
華奢な靴に比べて、上半身とのバランスがよくなります」
(國安さん)

なるほど。
すごくスポーティーなアイテムに、
素材感のあるベストを合わせることで、
街も歩けるコーディネートになっているんですね。

「このブルゾンは脇下にボリュームがあるので、
その上に何かを着るというのは、
抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
ブルゾンって、一番上に着て終わりと思いがちですが、
実は今回のようなベストを重ねたり、
上からコートを羽織っても可愛いんですよ」
(内田さん)

たしかに、コートの下から
このブルゾンの襟部分が見えていたら、
かわいいでしょうね~! 
それに、このブルゾンは薄手なので、
重ねてもモコモコせず、よさそうです。

「パンツは裾に向かってフレアーになっていて、
足がスッキリきれいに見える形です」
(國安さん)

手にしているのは、ボリュームのあるバッグ。

「フェイクスエードなどを作る裏起毛の素材に、
ウレタンを貼ったものです。
すごく丈夫で、傷がつかないし、
雨もはじきますよ」
(内田さん)

では、さらに「なにか小物を足す」としたら?

「やはり、アクセサリーでしょうね! 
より大人っぽく、都会っぽくなります」
(國安さん)

●着用アイテム
TRACK JACKET(ベージュ・S)/ALWEL
LONG SLEEVE ROLL NECK T(ブラック・M)/ALWEL
ベスト ¥39,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
パンツ ¥19,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
バッグ ¥28,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
チョーカー 参考商品/STUDEBAKER METALS(グラストンベリーショールーム)
スニーカー 私物

[お問い合わせ先]
グラストンベリーショールーム TEL:03-6231-0213


~着てみての感想~
もっと遊んで、自由にいつでも。

袖を通したとき、
カットソーやパンツの生地のなめらかさが
とても心地よかったのが印象的でした。

そして、パンツは、ウエストゴムなので、
身体に無理がないのに
とてもラインが綺麗でおしゃれ、
着ているうちにしっくり馴染んでいく感じは
なかなかほかにはない着心地です。

薄手のブルゾンは、
一目見て可愛い! かっこいい! と思いましたが、
着てみるとさらに軽くて温かいので、
頻繁に手に取ってしまいそうです。
上にボアのベストを重ねるという
スタイリングはとても新鮮で、
私は車を運転することが多いため、
この着方はさっそく試したいなと思います。

また、ゴールドのチョーカーを合わせたり、
ダイヤのピアスとか、ブレスレットとか、
さらっとアクセサリーを合わせるのも、
スポーティな印象を
女性らしく柔らかくすることを知りました。
ぜひ真似したいです。

そしてこのバッグ! 
ざっくりなんでも入れられるし、
何も入れなくてもかっこいい。
軽いので、大きさの印象とは異なり、
持っているときの負荷を
ほとんど感じませんでした。

スポーティなアイテムを、
もっと遊んで、自由にいつでも、
着て良いんだなぁと感じた1日でした。

ALWELのスポーツカジュアル、 「ほぼ日」乗組員が着てみました。 その2

未分類

その2 これがスポーツカジュアル?!


もともと大手化粧品メーカーでの勤務経験をもつ

ことばづかいも物腰も落ち着いていて、
装いも、比較的シックな印象です。
ALWELのスポーティな感じはどうなるのかな、
と思っていたら、えっ、これもALWEL?! 
ちょっと驚きの、
ワントーン・コーディネート、ごらんください。


「グレーに、温かみのある白を効かせて、
さらにパールのネックレスを合わせ、
大人っぽい感じにした、
ワントーンのコーディネートです。
バッグがアクセントになっています」
と國安さん。
すごい! この装いからは
「スポーツカジュアル」という
言葉が浮かびませんよ~。

中に着ているのは、カットソー。

「ピタピタではないけどフィットして、
こうして重ね着をするのに、
邪魔にならずちょうどいいんです。
ネック部分も長すぎず、
ちょっとだけくしゅっとさせて
首にフィットするようになっているので、
使いやすいですよ」
(國安さん)

タートルって、
お気に入りを見つけるのがなかなか難しいんですが、
このカットソーはいいですよね。
そしてなにより、
今回「weeksdays」のために
特別に作っていただいたグレーのブルゾンが、
なんとも絶妙に、合っています。
以前販売をしたベージュが好評だったので、
今回、グレーをお願いしましたが、
作っていただいてよかった。
まったく違う印象になりました。

「グレーは少し透け感があるので、
それがまた上品な感じで素敵ですよね」
(内田さん)

いま、右肩からバッグをさげていますね。

「これはクラッチとしても持てるバッグで、
ゴールド系の色のものもあるんです。
それを持っても、この装いに映えますよ」
(内田さん)

このパールのネックレスも素敵で、
エレガントさを足していますね。
こういう装いって、
なにか小物を足すとしたらおすすめはありますか?

「チョーカーなどをつけてもいいですね。
いっそ、じゃらじゃら、
重ね付けしても素敵だと思います」
(國安さん)

●着用アイテム
TRACK JACKET(グレー・M)/ALWEL
LONG SLEEVE ROLL NECK T(ホワイト・M)/ALWEL
シューズ ¥14,000+税/CATWORTH(グラストンベリーショールーム)
バッグ ¥27,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
チョーカー ¥22,000+税/STUDEBAKER METALS(グラストンベリーショールーム)
パンツ、ネックレス 私物

[お問い合わせ先]
グラストンベリーショールーム TEL:03-6231-0213


~着てみての感想~
いつもと違う自分に。

スポーティーなアイテムを
ミックスするコーディネートは
雑誌などで見るばかりの、
おしゃれ上級者なコーディネートだと思っていました。
憧れはあるものの、自分にはおしゃれすぎて
ハードルが高いかも? と。
でも実際に着てみると、
自分で言うのもなんですが
意外とわたしが着てもしっくり来る! 

どのアイテムも普段着に合わせやすそうで、
でも、なんだか「いい感じ」に仕上げてくれる、
とても優秀なアイテムなんだと気づきました。

ブルゾンは、
ショート丈で動きやすく、
生地がうすくて軽いのに、しっかりと温かい。
軽すぎて着ていることを忘れてしまうほどでした。

モコモコのかばんは
肌触りがよく、見た目が文句なしにかわいいので
持っているだけで嬉しくなってしまいました。
このかばんを持っている日は幸せに過ごせそう! 

普段の自分とはちょっと違う
コーディネートを体験させていただいて、
とても新鮮だったので、
これからは、いつもと違うアイテムにも
もっと挑戦してみようかな! と思いました。

ALWELのスポーツカジュアル、 「ほぼ日」乗組員が着てみました。 その1

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その1 あえて、スカーフ&スカートで。


カジュアルで明るく、動きやすい服の好きな
年齢的には彼女にとって
ALWELはちょっとお姉さんのブランドかな? 
と思ったのですけれど、おお、こんなふうに! 
「スポーティなのにエレガント」って、
ALWELならではのムードなんです。


「スポーティーなブルゾンを、スカーフと、
きれいなラインのスカートに合わせることで、
女性らしく、街で着れるような
コーディネートを意識しました」
と國安さん。

このスカーフは、ALWELの母体である
グラストンベリーで出しているもので、
フランス・リヨンのスカーフブランド
「A PIECE OF CHIC(アピースオブシック)」
のものだそうです。
しかもこのスカーフ、本来はメンズなんですって! 

「リヨンはもともとシルクの町で、
『A PIECE OF CHIC』は
メンズに向けたブランドなんです。
でも、そのトーンが逆に
レディースにもいいなと思い、扱っているんですよ。
今回のコーディネートに、この色、合うでしょう?」
(内田さん)

今回、事前に写真を見ていただいて、
「色物が似合そう」と直感したそう。
会ってから実際のコーディネートをと思いつつ、
いざ撮影になったら、予想通りだったそうです。

「今回のアイテムは、普段、
自分も着ていることもあって、
とてもコーディネートがしやすかったです。
いわゆるモデルさんに着てもらうような
攻めた、やや難しいコーディネートではなく、
アクセサリーやスカーフなどで、
“ちょっと+αするだけで、
普段の感じと違う着方ができますよ”
ということが、ご提案したくて」
(國安さん)

このコーディネートに、
なにか小物を足すとしたら、
何がいいでしょう?

「脇に抱える系の、女性らしいバッグかな。
色は何でも合いますよ」
(國安さん)

同じスカーフを、頭に巻くスタイリングも追加。
新色ブラウンのカットソーのカラーとマッチして、
とても素敵でした。

●着用アイテム
TRACK JACKET(ベージュ・S)/ALWEL
3/4 SLV HIGH NECK T(ブラウン・M)/ALWEL
スカート ¥18,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
スカーフ ¥18,000+税/A PIECE OF CHIC(グラストンベリーショールーム)
レギンス ¥21,000+税/ALWEL(グラストンベリーショールーム)
シューズ 参考商品/Sanders(グラストンベリーショールーム)
ピアス 私物

[お問い合わせ先]
グラストンベリーショールーム TEL:03-6231-0213


~着てみての感想~
照れずに着られるスポーティさです。

ALWELは前から存じ上げていたものの、
こんなにスポーティーなムードなんだ! 
と意外でした。
どのアイテムもロゴが入っていつつ、
そのあしらい方がカッコよくて、
照れずに着られるなあと感じました。

今回着用してまず驚いたのは、
ブルゾンのあったかさです。
薄手で軽いのに
しっかり風をシャットダウンしてくれて、
冬のおでかけ時、急に冷え込んだ時の対策に
持ちたいなと思いました。

デザインも、スポーティーでありつつ、
袖に丸みがあったり丈が短かったりして、
女性がかわいく着られる工夫を
されているんだなあと思いました。
スカーフやジュエリーと合わせて違和感ないのも
シックに抑えられたデザインだからなんですね。

ブルゾンに合わせたアイテムも
ぜんぶかわいかったです。
とくにレギンスは、形もユニークで
素材も2種類使われているという面白いアイテム。
こんなの、初めて見ました! 
これを主役にしたコーディネートもしてみたいです。
たとえば、おなじ白のワンピースと合わせるとか‥‥?

ハイネックのTシャツは丈が長めなので、
ボトムスにインしたり、
ベルトマークして、チュニックっぽくしてもよさそう。
秋から春まで、重宝しそうなアイテムでした。

スカートは、一見エレガントで、
ハイブランドっぽいデザイン! ながらも、
スポーツウェアらしい高機能素材、というのが
意表をつかれて楽しいです。
しわになりにくい、というのもうれしいですよね。

ALWELのスポーツカジュアル

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「いかにも」にならないよう。

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最近になって、
スポーツを始めた、という人が
私のまわりにとても多いことに気がつきました。

家でのデスクワークが多くなって、
ハッと気がつくと、
体がバキバキ。
これではいけない、そう思ってのことのようです。

まずはウォーキングからはじめたという人、
ジムに入ったという人、
その他、
ヨガにピラティス、
中にはノルディックウォーキングなんて友人もいて、
体の動かし方にも、
いろいろあるものだなぁと感心するばかり。

そこで気になるのは、
友人たちのスポーツウェア。
ふだん、自分らしいおしゃれをたのしんでいる彼女たち。
何を着ているんだろう? ってね。

一番多かったのは、
気に入りのブランドの中から、
動きやすい服を探して着ている、
という人。
みんな口をそろえて言いました。
「だって、急にスポーツウェアを着ても、
似合いそうにないものね」と。

わかるわかる、その気持ち。

私がえらぶのは、
ジムの行き帰り、
どこかに寄り道するときでも、
「いかにも」にならない、
スポーツカジュアル。
ふだんの服にも合い、
かつ動きやすい、
大人ならではの服。

今週のweeksdaysは、
去年、発売して好評いただいたALWELの服。
今の季節に活躍しそうな、
ロングTシャツと、
新色もくわわりましたよ。
どうぞおたのしみに。

わたしたちの中に眠るもの。

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伊藤
樋口さん、コロナ中は、
どんなふうに過ごされてたんですか。
樋口
まず、ものを捨てました。
伊藤
おお!
樋口
とにかく、気になっていたものを捨てて、
それでも残った物をどうするか、ってなったときに、
収納法を考えて、通販で組み立て式の家具を買いました。
伊藤
組み立てたんですか!
樋口
そう。ものすっごく大変なんですよ。
伊藤
糸井さんは?
樋口
糸井はダメなんです、まったく。
ほんっとうに、そういうことが。
家事とか、物を組み立てるとか、
引っ越しの準備とか、
まっっっっったく、できない人なので。
伊藤
へぇーー!
樋口
うちの大工仕事は、だいたいわたし(笑)。
伊藤
あら!
樋口
ものぐさで、しないんじゃなくて、
苦手だから、しょうがないんですよ。
これだけ付き合ってくると、
はっきりこの人は苦手なんだな、
っていうのがわかる。
だから、組み立てるのは、わたし。
ただ、最後に壁にしっかり付けるのだけは、
わたしの力ではできなかったので、
そこだけは糸井に声をかけましたが、
それまでは必死になって組み立てましたよ。
そんなことをしていましたね。
伊藤
まず捨てて、残ったものはちゃんと収めて。
お片付けをしたっていうことですよね。
樋口
ふだんも、時間があったら何をするかって、
捨てることから入りますね。
次は、うーん、‥‥緑。
伊藤
みどり?
樋口
ちょっと観葉植物にハマりました。
いままでそんなことは思わなかったんです。
京都に行けば、ふんだんに自然の緑があった。
でも、京都のうちを手放していたので、
緑が見たくなってきたんですね。
それで、ネットとか、近くの花屋さんとか、
YouTubeでこの観葉植物のお店がいいですって、
そういう情報を調べて、買いに出かけたり。
伊藤
なるほど。
じゃあ、これからしたいことは何ですか。
樋口
着物を織りたい。
いま、織りとしては、帯が完成したんです。
だから次には着物を織りたいと思って、
どういう着物を織ろうかなぁと、
そういうことを考えています。
縦糸の色をまず決めなくちゃいけないので、
どういう色がいいかなぁとか、
なんべんも、なんべんも、試行錯誤して。
伊藤
着物を織る! すごいですね。
樋口
わたしの通っているのは
東京の「アトリエシムラ」なんですが、
そこにはこれまで練習機(れんしゅうばた)しか
なかったんです。
それでは着物を織ることができないんですよ。
そもそも、着物って、
機のことからなにからぜんぶを勉強して
はじめて織るものだと思うんだけれど、
いまは京都に通うこともできない。
そうしたら、京都から、東京に、
おおきな機がやって来ることになって。
伊藤
へぇーー!
樋口
それを使わせていただいて、なんとか、
1枚着物を織りたいと思っているんです。
伊藤
わたし、じぶんに、
その根気がないと思うんですよ。
樋口
いや、それは織ったことがないからそう言うの。
わたしも、いままで取材で、
機を織る人のところに行ったり、
そういう経験をいっぱいしてきたんだけど、
織ることには、まったく興味がなかったの。
伊藤
それが、どんなきっかけで?
樋口
TOBICHIで、ふくみさんのお孫さんである
志村宏さんの染めのワークショップを受けたんです。
それがあんまりにもたのしくって、
それを志村ふくみさんの娘さんの
洋子さんが知ってくださった。
それで、京都にあったうちと、
志村ふくみさんのところが歩いてすぐだったので、
「染色がおもしろいんだったら、
うちの藍甕で藍染めをしてみたら?」
って、おっしゃってくださった。
藍甕で染めるなんて、
ふつうなら絶対できないことなんですよ。
藍甕の藍というのは、
みんなが毎日毎日手をかけないと、
育っていかないものなんです。
伊藤
生きてるものなんですよね。
樋口
そう、生きものなんですよ、ほんとに。
しかも、ぜんぜんいい匂いじゃない。
なんともいえない、不思議な、生きてる匂い。
手を入れると、ちょっとドロっとしてる。
まるで生命体の中に手を入れたような感じ。
それに、すごく感動してしまって。
「もう織らなくちゃ失礼でしょ」というか、
「織りたい」という気持ちになったんです。
そうしたら、3年前かな、
東京に工房ができたので通うことにしたんです。
だからね、まさこさん、いままで、
わたしやだ、って思っていたことでも、
スイッチが入ると、人間っていくつになっても変わる。
伊藤
へぇーー!!
樋口
わたしも機織りなんか
絶対好きじゃないと思っていたもの。
伊藤
よかった。
わたしもじゃあ、いつか、やれるかも。
樋口
やれる、やれる。
みんな、ほんとに目覚めてないだけで、
それを持っていて、スイッチさえ入れば、できる。
織るという作業は、
苦手な人はいるかもしれないけど、
やってみたら好きだという人が、
だいぶ出てくると思う。
体の中に入ってるっていうのかな。
だって、もともと農村とかで、
なんにも教えてもらわないで、
お母さんから受け継いだことでしょう。
農閑期、うちに機があったので、織ってます、
みたいに。
伊藤
そうですよね。
組み込まれているのかもしれないですね。
樋口
それがいま目覚めてないだけで、
出てこない人はいっぱいいると思ってる。
こぎん刺しの話に戻っちゃうんだけれど、
農閑期に、女の人が、
着古した麻の生地に木綿の糸を使って、
糸を細かく刺繍すればあたたかくなるだろうと
刺していったものだけれど、
ただあたためるだけだったら。
たくさん糸を通せばいいだけの話。
それを「やっぱりきれいにしたい」というところから、
あんなにきれいな模様ができていった。
その緻密さとともに、
じぶんだけの時間を
たのしんでいたんだろうなと思うんです。
そう、たのしんでいるんですよ。
それが今でも感じられるんです。
手作りのものの感動って、そこですよね。
伊藤
せっかくやるんなら、きれいなものがつくりたいし、
きれいなものがつくれたら、うれしいですしね。
樋口
きれいなものが見たいっていうのはね、
どんな環境でも救いになる。
日本の女の人には、
それを緻密に繊細につくる力があると思う。
いま、便利だし、あたたかいものがいっぱいある。
みんな、そんなことする必要がないから、
やらないけれど、
でも、眠ってるんだなと思う。
機織りに行って、
じぶんの中に眠る手作業のたのしさが。
わたしも、眠っていたものが、
起こされる感じがした。
だから、言いたいの、
もったいないよ、みんな眠ってるよ、って。
伊藤
それぞれに、あるのかもしれないですね。
樋口さん、きょうはたくさん
おしゃべりをさせていただいて
ありがとうございました。
人に会う機会が少なくなりましたが、
こうして久しぶりにおしゃべりすると、
ほんとうにたのしいです。
樋口
こちらこそありがとうございました。
やっぱり、すごくしゃべりたいよね。
じぶんがこんなにしゃべりたかったんだ、って。
伊藤
「weeksdays」のミーティングで、
毎週木曜日にみんなと会うんですけど、
そのときも、ずっとリモートで、
それが解放されて、みんなで会ったときの
うれしさたるや!
雑談から生まれるものもあるし。
樋口
あるの、うん。
伊藤
リモートだと、これ決めて、これ決めて、はい、
箇条書きを消していっておしまい、
みたいな感じだったんですけど、
集まって話すと、全くちがって、うれしかった。
そういえば、コロナでステイホーム中、
一度、しらすをお送りしたときに、
樋口さんがお電話をくださって、
そのときは、ほんとうに
誰とも会ってないときだったので、
すっごく、うれしかったです。
樋口
電話、いいんです。
いまメールだけど、
電話だけでもずいぶん助かる。
伊藤
助かりました。
そのあと、一人暮らししてる友達に、
電話しまくりましたもん。
樋口
たのしいね、電話。
伊藤
メールやメッセージのやりとりでもいいんですけど、
やっぱり、声のトーンとか調子とか。
樋口
うん、大事。
メールだと、隠しこんじゃうこともあるけれど、
しゃべればいろんな話題が出てくるし。
伊藤
あのときは、声を聞くのって、
すっごいいいんだなぁ、
人恋しかったんだなぁと思いました。
樋口
こんなに人恋しい、しゃべりたい。
伊藤
またおしゃべり、させてくださいね。
樋口
もちろん。そうだ、一緒に気仙沼に行こうよ。
伊藤
ぜひ! ありがとうございます!

じぶんを救うもの。

未分類

伊藤
仕事のこともそうですし、
買い物の失敗もそうですし、
なにに対しても、気に病んだり、
怒ったりいらいらするより、
たのしいほうに向かおうと思うのって大事ですよね。
樋口
うんうんうん。
伊藤
樋口さんもきっとそうですよね。
樋口
そう。悔やむより、
次の対処法を考えたほうがいいですね。
悔やむ時間がもったいない。
伊藤
うんうん。
樋口
対処法を考えるほうが、
前よりもよくなったりする。
悲しいことが起こったら、
女優としてもこれは生かさないと悔しい。
学生時代、女優になる前も、
とても悲しいことがあったとき、
「あれ、わたしどんな顔してるんだろう?」
と思ったことがありました。
その顔が知りたくて鏡を見て。
伊藤
え!
樋口
いま思うと、それはわたしのなかの、
お芝居の資質だったのかもしれません。
じぶんの悲しみにひたるというよりも、
ぽーんと離れて見たい、と思ったんです。
わたしいまどういう顔して泣いてるんだ、って、
そっちの興味が湧いちゃうの。
伊藤
へぇ‥‥!!
樋口
そうか、こういうふうに泣くのか、とか、
あら、ここが赤くなって、みたいなことですね。
学生のときから、
自分観察というのがすっごく好きだったんですよ。
だから、悲しいことが起こると、
その悲しいことだけを考えて悶々とするんじゃなくて、
その悲しいことがもったいない、
せっかく悲しいことがあるのに、
なんとかそれを活かしたい、
どうせ泣いてるんだったら、
その顔はどう泣いてるのか知りたいって。
伊藤
気持ちの持って行きかたというのは、
どうされてるんですか。
樋口
持って生まれたもんじゃないかと思うんだけど(笑)。
伊藤
やっぱり! それ、ありますよね。
樋口
人によって、
同じようにはできないだろうと思うんです。
伊藤
そうですよね。
樋口
だから、どこか楽天的だし、
たのしいと思うほうが、じぶんが楽。
それは、自分を防御する方法なんですよ。
きっと、悲しいことに、
ものすごく弱い人だと思うんです。
でも、育ってきたなかで、
「あ、次のことを考えれば楽になる」って、
たぶん、体で自然に覚えてきたんだと思います。
伊藤
糸井さんがおっしゃったんですが、
ブイヨンが亡くなってしまったとき、
樋口さんがいつにも増して家事をしているって。
樋口
あのときは、体を動かさないと、もたなかった。
伊藤
ほんと、そうですよね。
樋口
織り(手仕事)をしたっていうのもそうです。
ブイヨンが亡くなったとき、すごく悲しかったので、
手を動かすということで、すごく紛れたんですね。
もちろん、織ること、染めることが好きだったんだけれど、
頭が真っ白になって、そのことだけしか考えない、
という時間が、すごく、ありがたくって、
手仕事というのは、すごく、
それだけに集中させるものなんだ、と。
伊藤
精神科医の方の著作を読んだとき、
悩みや怒りは、過去や未来のことで、
現在進行形のことについては、
そうは考えないんだと。
だから、料理って、
すごく気が紛れるんですって。
「いま」に集中するから。
樋口
そうそう!
伊藤
織りや、掃除も、そうなんでしょうね。
樋口
そうだと思う。
たまたま「ほぼ日」の気仙沼の事務所の近くに
「こぎん刺し」の達人というのがいらして。
ものすごいんですよ、こぎん刺し。
もともと興味があったんですけれど、
やったことは、まったくなくって。
「気仙沼ニッティング」の立ち上げで、
編むことの好きなかたが集まったなかに、
ひとり、すばらしい手芸の達人の
手芸屋さんがいらして、そのかたが
「こぎん刺しをやるのよ」と。
伊藤
手芸屋さんなんですね。
樋口
そう。しかも、姉御肌の人なんです。
それで、うちに来なさいよ、と誘ってくださった。
すると、わたしの興味あるこぎん刺しが、
もうすっごい数、置いてあって、
織物、機(はた)もあって、
セーターもいっぱい。
伊藤
こぎん刺しって刺繍ですよね。
樋口
刺繍です。
伊藤
じゃあ、刺繍も、編み物も、
織りもされるかたなんですね。
樋口
そうなの。
こんな手芸の達人見たことない! っていう人です。
そんなかたに
「気仙沼のほぼ日」に行ったおかげで出会って、
こぎん刺しを習いました。
そのかたがおっしゃるにはね、
地震、津波の被害の大きかったなかでも
手を動かしていたと。
そのむかし、船乗りだったご主人が
亡くなったときも、
手を動かしていたから、
わたしは乗り越えられたんだ、って。
伊藤
‥‥。
樋口
そうかぁ、って、すごくジンとしてしまって。
手仕事というのは、
なにかを救うんだなぁ、って。
伊藤
ちゃんと成果が見えますよね。
これだけ進んだっていう。
樋口
うん。
伊藤
料理もそう。
できあがりがちゃんと見えるし、
手を動かすの、いいんですよ、きっと。
樋口
そうね。
で、ブイヨンが亡くなったときも、
その悲しみを埋めるために
赤い布を織ったら、
なんだか元気がでそうな気がしたの。
伊藤
うんうん。
樋口
蘇芳(すおう)っていう、
真っ赤に染まる染料があるんですが、
ちょうど志村ふくみさんの
『わたしの小裂たち』という本に、
真っ赤な布が出ていたので、これは織りたい、と。
そうすると、じぶんが楽になるような気がした。
じっさいに、真っ赤な蘇芳の織りをしたとき、
ほんっとに、楽になったんです。
伊藤
へぇーー‥‥!
樋口
じぶんが好きなもの、求めてるものを、
どこかしら引き出しに収めていたんでしょうね。
その手芸の達人に出会ったときに、
ビビッと反応したのも、そうでした。
やっぱり、好きなものの引き出しというのは、
じぶんを救うんだなって。

キャパとエンジン。

未分類

樋口
最近食べたおいしいものは何?
伊藤
最近だと、パネットーネっていう
イタリアのお菓子です。
樋口
どんなお菓子?
伊藤
ドーム型をした天然酵母の菓子パンで、
ドライフルーツが入っていて
ちょっと甘酸っぱいんです。
ほんとうはクリスマス前に食べるんですけれど、
LESSっていうお店には一年中あるんですよ。
つくるのに3日かかるんですって。
樋口
どうして3日かかるの?
伊藤
パネットーネ酵母という酵母を、
長時間熟成して
発酵させるらしいんです。
作るのにとても手間暇がかかるらしくて。
樋口
どんなふうにおいしいの?
伊藤
口に入れると、鼻に抜ける香りが
「嘘!」っていうくらい、よくって。
イタリアの人たちは、
3週間くらいかけて、
熟成させながら少しずつ、
味の変化をたのしむらしいんですけれど、
わたしはすぐ食べ終わっちゃうんです。
だから3台、
いろんな店のものを買いました。
娘と「これで持つね」と話しています。
樋口
へぇー! ほかには?
伊藤
お寿司屋さんでイカの握りを頼んだら、
ほんのちょっとだけ、海苔が挟まってて、
それがすっごくいい仕事をしてたんですよ。
海苔が隠し味なんだけれど、最高においしくて!
樋口
そういう話をするときのまさこさん、
うれしそうだよねぇ。
この姿を見て、まわりのみんなが
しあわせになるわけです。
「おいしい」って言うとき、
ほんっとにいい顔するのよ。
こっちまで食べたような気さえするもの。
伊藤
(笑)あと、なんだろう。
秋の一番は、栗おはぎでした。
樋口
どこの、どこの?
伊藤
岐阜の中津川のものです。
私は毎年、
栗の時期に京都に行って食べていたんですが、
今年は行けなくて。
そうしたら、料理雑誌の編集者をしている友達が
取材に行って、その日に食べないとだめ、
という栗おはぎを
買ってきてくれたんです。
樋口
うんうん。
伊藤
取材を終えた足で、
品川で新幹線を降りて、
届けてくれたんですよ。
樋口
フットワークが軽い! 
あなたのまわりの人。
伊藤
そうなんです。
「いま、どこどこの交差点です」
と連絡があったので、
「わかった!」と、通りに出て、
「はいっ!」。
樋口
はやい!
伊藤
一刻を争うおいしさなんです。
「はやく食べて!」
「わかった! 今すぐ食べる!」みたいな。
樋口
まわりの人もおんなじなのねぇ。
おいしいものにかける情熱。
伊藤
「今日中だからねっ!」って。
樋口
そういうとき、まさこさん、怖い声を出すのよ。
(低い声で)「今日中だからねっ!」
“超マジ”な声で、真剣になる。
伊藤
あははは。そうです。
で、6個いただいて。
樋口
えっ(笑)。それをその日じゅうに?
伊藤
娘と3つずついただきました。
それがもうほんとうに軽やかなんですよ。
樋口
そんなに食べたの(笑)!
おはぎ3つ。
伊藤
うれしかったなぁー。
樋口
しみじみしてる(笑)。
伊藤
しあわせなことがしていたいです、ずっと。
樋口
特にやっぱり「食」ね。
「食」の次はなあに? 
洋服?
伊藤
うーん? 仕事が好きです。
樋口
仕事ね。
伊藤
仕事を通じて人と会うのも好きです。
結局、人が好きなんだと思います。
おもしろい人がまわりにいっぱいいるので。
樋口さんはどうですか? お孫ちゃんの次は。
樋口
わたしはね、キャパが狭いんですよ。
以前、糸井に言われたんだけど、
エンジンが小さいって。
伊藤
そうなんですね。
樋口
集中して、短距離で、
ガーッと行くのは得意なんだけれど、
持続というのが難しい。
そして人の受け入れ体制が、
すごくちっちゃいんです。
つまり、エンジンもキャパも小さい。
まさこさんのように、まわりに人がいたら、
もうくたびれてしょうがないんです。
好きな友達、何十年の友達はいるんだけど、
人数は少ないですよ。
だから、あなたがすごくうらやましい。
行くとこ、行くところに
友達がいるっていうあなたが。
伊藤
わたしの言う
「みなとみなとのいいオンナたち」は、
わりと年上のかたが多くて、
「まさこちゃんが来たなら、案内するわ」みたいな、
人生の先輩みたいな人なんです。
樋口
ちゃんとかわいがられるタイプなのね。
でも、年下だって大丈夫でしょ。
伊藤
年下、大丈夫です!
樋口
やっぱり、キャパがすごく広いのよ。
伊藤
すっごく、いろんな先輩に
よくしてきてもらったから、
いま、年下に返す番かなぁと思っているんです。
樋口
へぇ!
伊藤
でもね、樋口さん、
わたしがキャパが広い、というのは、
ちょっと違う気がするんです。
だって、いっしょにご飯を食べに行くのは、
ほんの一握りの人ですよ。
誰でもウエルカム、というタイプの
キャパの広さではないんだと思います。
樋口
そうなのね。
伊藤
仕事の相談も、よく
「ピンとこない」と断るんです。
ひどくないですか、その一言。
でも、なんだかピンとこないとしか
言いようがなくて。
樋口
いやいや、
それだもの。
それが基本だもの。
伊藤
そうですか! よかった。
糸井さんから
「相手が断りやすいように頼みなさい」って。
樋口
ん?
伊藤
断る側が気持ちよく
断ることができるように依頼しなさい、
ということですよね。
「どうしても!」なんて言っちゃダメ。
断られて「どうしてですか!」もよくない。
なんとなく、っていうのも断る理由だから。
樋口
受けてもらわないと困る、
みたいになってくると、
相手にとって、負担になるものね。
──
伊藤さんと仕事をしていていいなと思うのは、
企画を立てるとき、
「ダメなら次はない」ということですね。
たとえば今回、樋口さんはお受けくださったけれど、
もし樋口さんに断られても、
「じゃあ、お正月の対談に、
別のどなたかを探しましょう」は、ないんです。
それは断った人に失礼でしょう、って。
だからもし樋口さんがNGだったら、
この連載は、対談ではなく、
別のことを考えていたと思います。
伊藤さんは「もしダメだったら、
わたしが1週間書く」とおっしゃっていた。
樋口
そこもちゃんと考えてる。
ダメならちゃんとわたしが責任取りますっていう
心構えがある。
それがあるから、まわりも気持ちがいいし、
ほかのアイデアを考えたくなるし。
男前、ですよ。
あははは、男前。
伊藤
ある程度、仕事をする人には、
男前な女性、多いですよね。
樋口
そうじゃないと仕事が前に進まないから。
伊藤
そうですね。
いまチームが大きくなってきてるから、
わたしがどんどん決めていかないと、進まないです。
‥‥あれ? おかしいな、
樋口さんのビューティーの秘密を知りたかったのに、
いつのまに、仕事の話に。
樋口
ビューティーはねぇ(笑)、
うちの母が、肌がきれいなんです。
92になるんですけれど、
いまでも、はじめて会う人が、
お化粧してるんですか、と言うくらい。
伊藤
へぇーー!
樋口
これはもう、母の血で、
手入れいらずなんです、ほんとに。
伊藤
目、まんまるです!
樋口
(笑)しょうがない。
母ですよ、母の血が、
やっぱり助けてくれている。
そりゃあ、仕事のときはメンテナンスしますよ。
泳ぐし。
伊藤
泳ぐ?
樋口
仕事に入るとき。
いま、ずっと仕事をしていないから、
ご無沙汰しているけれども、
次の仕事はこれで、ドラマの撮影がこう入る、
とわかっているときには、
それに合わせて、逆算して、体を締めていきます。
そうすると、泳ぐことが、
わたしにとっては一番楽なんです。
仕事のときは、エステもちゃんと行きます。
ほかの人の力を借りて、
じぶんでも仕事に見合うように
きれいになろうと思っていると、
きれいになります。
伊藤
気持ちが大事ですね。
樋口
そう、気持ち。
きれいになろう! 
って思う気持ちがないとダメ。
伊藤
メモメモ。
樋口
仕事を通して、そう言えます。
伊藤
なるほど。
でも、いま仕事してないっておっしゃってて、
この美しさなんですけど。
樋口
それが、母なのよ。
伊藤
そっかぁ。

お孫ちゃん。

未分類

樋口
きれいじゃないの、まさこさん。
いいもの食べてるから(笑)。
伊藤
わたしは、何にしても、
我慢はしてないんです。
樋口
それ、わたしも同じ。
伊藤
そっか。
「我慢しない」。
樋口
好きなことをする。
やなことを考えると、やな顔になる。
ここ(眉間のあたり)にくるんですよ。
じぶんでは気がつかないんだけれど、
人を見ると、気づく。
何でも絶対悪く言う、
っていう人がいるでしょう。
晴れれば、今日はなんだか乾燥して、って言うし、
雨が降ったら降ったで、
今日はじとじとしてるって言う。
そういう人の顔は絶対よくないの。
伊藤
気の持ちようって、ほんとに、
すべてに出ますよね。
樋口
そう。だから、
常に気持ちのいいコンディションでいるために、
ということは考えます。
三食きちんと食べる、とか。
伊藤
三食きちんとですか。
樋口
一食が少なかったりすることもあるけど、
三食をきちんと食べる。
そうしないとイライラする。
お腹がすくのが弱いんですよ(笑)。
イライラすると、みんなに悪いし。
人と一緒の時は、みんなとたのしくしたいから
なるべくいい状態にしておきたいの。
伊藤
たのしいほうの気持ちへの
持って行き方って、
どうすればいいんでしょう。
樋口
(笑)まさこさんが何言ってるの! 
あなたのほうがすごいじゃない。
逆返ししたいぐらい!
伊藤
ということは、性格ですよねぇ。
樋口
あっはっはっは。そうね。
まさこさんには、お母さんとか、
お父さんからの影響はない?
伊藤
ありますね! うちの母は
「もう考えたってしょうがないじゃない?」
みたいな感じです。
コロナのことにしても、できることはやるけれど、
愚痴は言いません。
たのしかった旅行のことを振り返っても、
「いま行けない、チェッ」
みたいに思うんじゃなくて、
「楽しかったね」と言う。
家にいても、庭に出て土をいじれば気が紛れるから、
旅に行かなくたっていいじゃない? みたいな。
樋口
お母さんもそうなんだ。
伊藤
やっぱり、持って生まれた性格っていうのが、
すごくありますね。
それは育った環境にもつながるし。
樋口
そうそう、そうだよね。
伊藤
樋口さんのお母さまは、どうですか。
樋口
うちの母も、そうです。
大変なことが起こると、
すとんと肝が据わるタイプ。
それはわたしも似てる。
大変なことが起こると、
「ん!」とどっしり肝が据わるのは、
母に似てるんじゃないかなと思いますね。
起こったことはしょうがない。
パニックにはならない。
伊藤
そうそう。
わたしは、一瞬うろたえても、
すぐに「もういいじゃん」と流します。
それから、決めなくちゃいけないことが
10個あったとして、
順番に考えているうちに、
5つで頭がいっぱいになったら、
残りの5つは「今、決めるのをやめるね。
宿題にさせて」というふうに、
結論を急がないことにしています。
判断を間違えちゃうから。
樋口
見事だねぇ。
伊藤
胃袋と同じで、
情報が入りすぎたら、
パンクしちゃうんです。
樋口
ふふふ、胃袋として考えるよね、まさこさんは。
伊藤
入る量って決まってるじゃないですか。
じぶんの中でおいしく処理できる食べ物の量と、
頭で処理できる情報の量って、似ているなって。
いっぱいになっちゃうと、
ちょっとイライラしたりして。
そんなふうにイライラしてる人を見たら、
みんなも気分が悪いでしょって思います。
樋口
じぶんがイヤなんだよね。
伊藤
はい。じぶんがそういう人になるのがイヤですよね。
樋口
うん、うん。
わたしは、いま大変なことは何かとか、
大事なことは何かって迷ったとき、
その「一番」はなんなのか、を考えます。
一番が決まると、二番が決まるんですよ。
それから、三番、四番、
ぜんぜん考えなくていいことは何か、もわかる。
だから「一番」を中心に考えるんです。
そうすると、じぶんが気持ちがいい。
伊藤
なるほど。
樋口
だから、引っ越したい、
京都に行きたいなと思ったら、
そのときはそれが一番なんだから、
誰がなんと言おうと、
その気持ちを通したい、と、
その「一番」だけを考えるんです。
伊藤
それ、すごくシンプルだけれど、
なかなかできないことですね。
樋口
そう、なかなかできない。
ちゃんと思わないと、
一番って決められない。
だから、とことん悩みます。
わたし、悩まないように
見えているかもしれないけど、
すごく悩みます。
こうしたらこれがダメになるんじゃないか、
ということは、これは一番ではない、と。
さらに順番を変えて考えて、じぶんが、
「あ、これを一番にすると、すっごくすっきりする」
ということを考える。
伊藤
いまは、ブイコですか。
暮らしの一番は。
樋口
いや、そうじゃないですよ。
「暮らしでたのしい」の一番は、
お孫ちゃん(笑)。
糸井のデレデレ、すっごいですよ。
伊藤
「俺はそんなではないぞ」って
おっしゃるんですけれど、
そうですよねえ。
樋口
すごいもん、恋人を見るよう(笑)。
あんなにデレデレになるとは思わなかった。
今は可愛いだけじゃなく、成長の仕方がおもしろくて。
伊藤
昨日はできなかったこんなことが、
今日はできた、とか。
樋口
そう! 昨日しゃべれなかったのが、
もうしゃべれるとか、
その成長の度合いがね。
伊藤
あと、子どもって、
機嫌のいいときと悪いときに
嘘がないっていうのが好きです。
樋口
正直。
お孫ちゃんは、すんごく、海苔を食べるの。
やめなさいっていうぐらい。
「ほぼ日」で売ってる海苔が一番好きで、
こんなにちっちゃいときから
あの海苔のおいしさを覚えたら、
ほかの海苔が食べれなくなるぐらい、
「ほぼ日」の海苔が好きなの。
──
ありがたいです。
あれ、樋口さんがいなかったら、
ありえなかったプロジェクトですよ。
樋口さんが最初に、交渉してくださった。
樋口
え? そうだっけ?
──
おすし屋さんで使っているおいしい海苔が
どこのものかを教えてもらった
糸井さんと樋口さんが、
うちでも食べたいねと相談して、
樋口さんが林屋海苔店に電話をしたとききました。
そしたら、当時社長だった
相沢さんのお母さんが出られて、
「ふつうの家に、あんなにいい海苔はいらないから、
こっちにしなさいね」みたいに言ったんですって。
樋口さんはそれでも
「いえ、あの海苔がほしいんです」と押して、
分けてもらったその海苔が、
のちの「海大臣」につながるんですよ。
だから最初の交渉係は、樋口さんだったんです。
樋口
ああ、そっか! 思い出した、そうだ、
じぶんちで食べたかったの、その海苔を。
わたし、おいしいものには、押しが強いんですよ。
伊藤
わかります。
樋口
ダメならダメでいいんだけど、
「ダメなの?」って一押し。
あちらも、おいしいから電話してきたんだ、
ということを、わかってくださって、
飲食店にしか卸さない海苔を、
うちに、分けてくださることになった。
伊藤
言ってみるだけ言ってみよう。
糸井さんもそうですか。
樋口
糸井はそんなわがままなことを言わないです。
相手に負担がかかるようなことは一切言わない。
だから、そういう押しの強さが必要なときは、
わたしに「電話して」って(笑)。
わたしは食べ物や好きなものに対しては押しが強いから。
ほんとうにダメなら、諦めも早いけど。
伊藤
うんうんうん。

嘘をつかない。

未分類

樋口
わたしは「相手が好きなこと」にすごく関心があるの。
それを聞くと、その人がわかるので、
はじめて会った人にものすごく質問するんです。
何が好き? 
あれが好きなの? って。
伊藤
わたしはそこまでの余裕がないかな‥‥。
樋口
余裕じゃないの。
わたしはそれがたぶん好きだから、
知りたい人には、すっごく質問して、
とにかく好きなことを聞く。
まさこさん、何が好き? 
伊藤
食べることです!
樋口
そうよ、あなたは、
わたしの知り合いの中で
いちばんの食いしん坊(笑)。
とにかくいままでね、62年生きてきたけど、
いちばんの食いしん坊。
伊藤
えー。
糸井さんも食いしん坊じゃないですか。
樋口
いやいや、桁が違うんだって(笑)!
伊藤
桁! そういえば、
わたしがもりもり食べてるのをご覧になって、
すっごい、よっく食べるわねーと、
感心してくださいましたよね(笑)。
樋口
量もそうだけど、量だけじゃないの。
興味というか、その探究心というか。
伊藤
そうですか!
樋口
やっぱり、根っこはとにかく
食べ物が好きっていうこと。
伊藤
しあわせなんです。
樋口
だからうらやましいのよ、
ものすごくうらやましい。
まわりがそんなあなたを見て、
うれしくなるじゃない。
伊藤
そっか!
樋口
まさこさんと一緒に食事をする人は、
すごくたのしいと思う。
まさこさんが、すごくおいしそうに、
しかも、ちゃんと量を食べるから。
伊藤
(笑)
樋口
おいしそうに食べる人と食べることほど、
うれしいことはないのよ。
それは、あなたは、やっぱりいちばんよ。
伊藤
でも、逆に、てきとうにつくった
てきとうなものを食べなきゃいけないとき、
ものすごく「はぁ‥‥」(ため息)と。
樋口
それがいいの、正直だから。
嘘をつかない。
それは、絶対、信用ができる人ってこと。
みんながこんなにまさこさんを好きなのは、
ひとつ、この人は信用できるなぁって感じがあるからよ。
いろいろな良さがあるだろうけれど。
伊藤
好きなものしか紹介してないです。
樋口
それが通じるのがいいの。
義理があって紹介してるとか、
だからこの食べ物をおいしいって言ってるとか、
それがない人だとわかる。
糸井にも言ってるんだけど、
まさこさんは、いま黄金期。
伊藤
黄金期ですか! 
そんな会話を、おうちで(笑)?
樋口
わたし「ほぼ日」の「weeksdays」に
ハマってますから。
伊藤
チームのみんなが嬉しくて泣いてますー。
樋口
この歳にならないと、
黄金期とは言い切れなかったと思う。
人に紹介するという醍醐味というのかな、
紹介することで、また、じぶんのよろこびにできる。
その背景には、ちゃんとこの歳まで
いろんなものを見てきた、
その尋常じゃない数があるんですよ。
じぶんで好き嫌いのアンテナをはたらかせて、
よりすぐってきた。
それはたぶん持って生まれたアンテナですよ。
伊藤
50歳になりました。
樋口
いいですよ、
ますますいいですよ、うん。
伊藤
いま、いちばんたのしいかもしれないです。
娘も手が離れたし、仕事もうまくいって、
いいチームに恵まれて。
樋口
いま、やっぱりね、体も頭もいい感じで動いて、
いままで貯めてきたものを、
「ほぼ日」という場所で出して。
伊藤
いま、まさにそうですね。
これをやりたいとか、つくりたいとか、
この歳になってできることが増えました。
エッセイをお願いする人とかも、
じゃあ、あの人とあの人に声をかけて、って。
樋口
それが、ここまで嘘をつかないでやってきた人の
信用ですよ。
伊藤
若い頃からお金を使ってきました。
まず自腹切らないとダメだわ、と。
樋口
それは感じる(笑)! 
ほんとにそう。
伊藤
先ほどのお話じゃないですけど、
たとえば服を提供しますと言われても、
どこかで着ないといけないかなぁ、というのが嫌で。
だから気持ちに合わないものは
すみませんと断ります。
樋口
うんうん。
逆にそれって、ものすごく難しいことです。
それができるのはすごい。
伊藤
正直に仕事してきて、よかったんですね。
正直っていうか、わがままっていうか。
樋口
いやいや、わがままじゃないところがすごいのよ。
いないんですよ、なかなかそんな。
でも、黄金期ってそれで終わりじゃないからね。
その上がまたあるんだから。
これで終わりじゃないのよ? 
あるのよ。
伊藤
うれしいです!
‥‥でも、わたしの話はいいですよ!
今日は樋口さんのビューティーについても
訊きたいと思っていたんです。
樋口
ビューティー? 
ビューティー、弱いなぁ‥‥。
伊藤
まずお着物のこと。
志村ふくみさんから
糸井さんがいただいた反物だと聞いて、
もうちょっと地厚なのかと思っていましたが、
さっき触らせていただいたら、すごくしなやかで。
樋口
打ち込みがしっかりしているんですって。
伊藤
打ち込みって、緯糸を通したあとの、
トントン、っていうあの作業ですね。
樋口
そう。ふくみさんがしっかり打ち込んでいるから、
しなやかなのに、しっかりしているんですよ。
きれいでしょう? 
白い結び糸が時々しゅっしゅって入って、
じっと見てると糸の宝石みたいなの。
仕立てていつか着たいと思っていたんだけど、
この対談で叶いました。
伊藤さんも着るでしょう、着物。
伊藤
最近ぜんぜん着てないんです。
樋口
着てないの? でも、ほら、きょうの草履。
ここでこの草履を持ってくるってところが、
センスがいい!
伊藤
ほんとは、
わたしも着物にしようと思ったんですけど、
まさか、樋口さんと一緒に着物を着るなんて、
できないなあと。
樋口
えっ、着ればいいじゃない。
まさこさん似合うのに。
素敵な着物持ってるのに。
伊藤
今年は特に着ていないんです。
外出することもなかったし。
じぶんでは
人前に出るような着付けはできなくて。
樋口
それはわたしも同じ。
家で練習するけれど、
忘れちゃって。
どうやって習ったの?
伊藤
20年ぐらい前に、教室で。
樋口
いつがいちばん、着物を着ていたの?
伊藤
10年ぐらい前ですね。
だんだん着なくなってきました。
樋口
ほんと、そうなの。
わたしも着ないと忘れちゃう。
伊藤
この着物、こんなこと言ってはなんですが、
糸井さんより‥‥。
樋口
そうでしょ! 
絶対わたしのほうが似合う。
伊藤
(笑)ところで樋口さん、
ほんとうに肌がきれいですよね。
小耳に挟んだんですけど、
お風呂にすごく入られてるって。
樋口
うん、よく入る。
それから、寝るのは仕事。
伊藤
やっぱり睡眠ですか。
樋口
そう、睡眠。
寝ないと、次の日に頭も回らないし、
肌の調子も落ちるし、
とにかく寝るのは仕事と思って。
伊藤
それは撮影の前だから、
とかではなく、普段から?
樋口
そう。でも糸井はもうね、
寝るのが朝の4時とか。
伊藤
それぞれの生活する時間帯が違うから、
ふたりで暮らしていても、
わりとひとりの時間が多いよって、
糸井さんがおっしゃってました。
あの人、早く寝るからね、って。
夜中は糸井さんの時間。
樋口
夜中はね。
わたしが寝るのは、
ブイコが来てから、10時ですね。
ブイコが早起きで、
6時過ぎぐらいに散歩行くので、
それに合わせるためには、
10時ぐらいには寝なくちゃいけない。
前よりだいぶ早く寝るようになりました。
糸井は変わらないので、そうね、
夜は糸井の時間ですね。
伊藤
お風呂は好きだから入られるんですか。
樋口
お風呂は好き。
あったまるのが好き(笑)。
わたしは寒がりだから、
お風呂も入るし、冷たいものを飲まない。
伊藤
わたしは、その‥‥。
樋口
暑がりさんでしょ、ねぇ。
うらやましい。
伊藤
夏は水シャワーです。
樋口
うわぁ、寒がりのわたしとしては信じられない!
わたしは真夏でも、とにかく湯船に入る。
伊藤
わたし、湯船を再開したのは10月末です。
それも、短時間。
もうなんか、浸かってらんねぇ! みたいになって。
樋口
ええー! 信じられない!
憧れですよ、暑がり。
わたし寒がりだから、うらやましい。
髪もショートだから、
首のうしろも寒いんです。
伊藤
襟付きのものじゃないと寒い、
って、以前、おっしゃっていましたね。
わたしは、襟がついてると暑い。
樋口
(笑)逆です。
伊藤
それで、その肌の美しさのために、
お風呂と睡眠のほかには、何をされてるんですか? 
何もしてないって言わないでほしいです! 
樋口
(笑)うーん?
伊藤
エステとか?
樋口
このあいだ、何年かぶりに、
『美しいキモノ』という雑誌の仕事をしたんです。
それで慌ててエステに行ったのが、
今年、はじめてですよ。
仕事のためになら行くけど、
そうじゃなかったら行かない。
伊藤
どうすればいいんだろう、
わたしたちが少しでも
樋口さんのビューティーに近づくためには。
樋口
(笑)ビューティーに行きたいのね。
伊藤
行きたい!

キング・オブ・バンブー。

未分類

樋口
そういえば、あなた、
わたしのこと「竹」だって
糸井に言ったでしょう(笑)。
伊藤
はい、竹を割った性格、友人知人の中でNo.1。
「キング・オブ・バンブーですよ」って
糸井さんと話しました!
樋口
竹のキング!
伊藤
そうしたら糸井さんが、そうだそうだと言いつつ、
「俺たちさぁ、キングとか言ってるけどさぁ、
あの人、女の人だよね」って。
「いや、もう、キングってことにしましょう!」
樋口
そこも、なんだか(笑)。
わたし、そんなにはっきり竹って
糸井にも言われたの、はじめてですよ。
伊藤
「竹」の感じがします。
樋口
はっきりしてるからでしょう、きっと。
ダメならダメ、いいならいい。
伊藤
むかしからそうですか。
樋口
むかしからそう。
伊藤
そうなんだ。
樋口
たぶん、女優という仕事は、
はっきり言っていかないと、通用しないんです。
女優さんたちは、特に仕事場で、
はっきりした人が多い。
伊藤
へぇー。
はっきり言う女優さんが求められるんですか。
言わないと、どんどん違う方向に行ってしまう?
樋口
言わずに捉えどころのないような人もいるんだけど、
そういう人も、
またチャーミングなんです、これが(笑)。
それはそれで、羨ましいなって思う。
じぶんがその世界でバランスを取っていく生き方って、
たぶん、人によって違うと思うんだけれど、
女優さんには竹派が多いような気がする。
そして、わたしはたぶん女優の中でもとくに竹派(笑)。
伊藤
そっか、そうですよね。
樋口
みんなの前で表現するのは、
要は「見てください!」ってことですよ。
自分の「モゴモゴ‥‥」っていう(内気な)部分を
捨てないといけない仕事ですから。
伊藤
ほんとですね。
すごいお仕事ですね。
それは、やっていくうちに
気づかれていったんですか。
樋口
そう、やっていくうちに。
若い頃は違っていたと思います。
でもね、こうして「竹」って言われたの、
わたしにとっては、衝撃でした。
それがわかるのは、あなたも竹だからよ。
伊藤
そうかなぁ。
樋口さんを見ていると、
その竹ぶりにみんなが付いていく感じが
かっこいいなぁと思うんです。
樋口
あなたもそうじゃない(笑)。
違う竹かもしれないけれど、竹は竹。
伊藤
よく、「めんどくさい」って言うんです。
なんていうのかな、女子が噂話をする場所が苦手で、
もう帰ろう、みたいな。
樋口
「めんどくさい」は、わたしも言う。
ちょっと端折りたいのよね、そういうことを。
伊藤
そういうことを少しずつやめていったら、
居心地がよくなったんです。
会う人も限られてくるけれど、
それでいいや、って。
樋口
うんうん。
まさこさんは、ものが好きだから、
ものすごい数のものを見るわけじゃない? 
それで、購入したりして、
じぶんのところに入ってくるものの
数も多いんだと思うけれど、
いつもスッキリしている。
どうやって出していくの? 
溜め込まないでしょう。
伊藤
たとえば、服はみんなに着てもらってます。
樋口
ものは?
伊藤
ものも「持ってって」と、
ほしい人に譲って、
家の中のものの分量を
一定にしていますね。
樋口
循環がいいのね。
ものの流れが。
伊藤
そう! 淀むのがいやで、
いっつも、なにかしら、
入ってきた分を出すようにしています。
樋口
うんうん。
それが上手なのよ。
すっごく上手。
伊藤
ものは好きなんですけど、
ものに執着がぜんぜんなくて、
これはもうわたしにはいいや、と思ったら、
たとえば、友人にあげるでしょう。
そうすると
「あの人んちにあるのなら、もうそれでいい」
と思えるんです。
樋口
わたしもね、それに似たところがあって、
京都のうちを手放したんです。
すっごく好きなうちだったんだけど、
さすがにひとりで世話をするのが大変になって。
行き来はそうでもないんだけれど、
やっぱりメンテナンスっていうのかな。
伊藤
着いてすぐくつろげるわけじゃないですものね。
窓を開けて、お掃除して‥‥。
樋口
それで、京都のうちを手放すときに、
家具とか、ぜんぶ、
どうしようかなと思ったんだけれど。
伊藤
置いていかれた?
樋口
そう!
伊藤
(笑)え! あたり。
樋口
それは、あのうちに合わせて選んだもので、
選ぶのが、とてもたのしかったんです。
何箇所かの家具屋さんを、じぶんで探して歩いて。
選ぶときも、絶対掟破りなんだけれど、
ひとつはテーブルの家具屋さん、
ひとつはイスの家具屋さん、
2つの家具屋さんに同時に来ていただいて、
両方をうちで合わせてみて、
合ったら両方からいただくことにするけれど、
合わなかったらごめんなさい、っていう。
それをしてくださる家具屋さんを見つけて。
伊藤
それ、家具屋さんもうれしいと思いますよ。
樋口
そうかなぁ。
伊藤
だって、そんなじぶんにぴったりのものって、
最初からひとつの家具屋さんで
見つけられないじゃないですか。
樋口
そうですよね。
そこに置いてみないとわからない。
それだけして選んだ家具なので、
あのうちに置いておくのが、
家具にとってベストだと思って。
最初、家具は別々に誰かに譲ろうかと、
ちょっと思ったんですけど、
ぜんぶそのままにしました。
で、そう決めたら、まったく惜しいとも思わないの。
なんだろう、「全うした感」があって。
伊藤
よくわたしも
「断捨離ですか?」と言われるんですけど、
そうじゃないんですよ。
樋口
そうなの。そこが訊きたかった、そこ。
伊藤
断捨離っていうと、もういらない! みたいな、
ちょっと突き放した感じ。
そうじゃなくて、わたしも大事にしたし、
大事にしてくれる人がいたら譲ろう、
その人が大事にしてくれるんなら手ばなそう、
ということなんですよ。
樋口
やっぱり、ものに愛があるんですよ。
ただ捨てるっていうんじゃなく、
そのものの行方までもちゃんと考える。
伊藤
そうですね。
大事にしてくれる人のところにって思います。
樋口
そっか。あれだけの膨大なものを
どうやって回転させてるのかなというのが、
不思議だったの。
伊藤
昨年「まさこ百景」という展示を
渋谷パルコでさせてもらって、
ほうきとか、掃除道具とか、
家の中で使っている100の好きなもの、
というのをテーマに、
じぶんの家にあるものをたくさん並べたんです。
そのときに、海外や、国内のあちこちから
大事に持って帰ってきたけれど、
使わなくなってきた鍋や器を出して、
「まさこフリマ」という、
フリーマーケットのコーナーをつくりました。
お客さまに使ってもらおうと思って。
樋口
へぇー!
伊藤
お客さまもよろこんでくださって、
その後も、こういうふうに使ってますと
教えてくださったり。
樋口
それは、よろこぶよ。
伊藤
きっかけは、ちょうどコロナのステイホームで、
ずっと家にいたときのことでした。
うちは娘とふたりなのに、
こんなに食器を使うのかなぁと思って。
収まってはいるんですけれど、
「なんだろう、このものの多さ?」と。
樋口
うんうんうん。
伊藤
そしたら、すごく家の中の空気がすっとした。
フリマに出したら、食器棚がひとつ空いて、
そこに文房具などを収納したら、
こんどは仕事場がすっきりして。
樋口
うらやましい! 
ほんっとうに、うらやましい。
糸井に聞かせてやりたい(笑)。
伊藤
糸井さんって、なんかこう、
うっかりいろんなもの買ってきちゃうとか?
樋口
そう、うっかり‥‥っていうか、
自然に買ってきちゃうのね。
ふつうに家にものが入ってきます。
伊藤
それ、樋口さんがどう思うかなぁとか、
考えないで? 噂によると、
おうちには配送できないものは、
会社に届けてもらってるとか‥‥。
樋口
そう思ってくれるものはいいけれど、
思わないもののほうが、
家に、膨大にあるわけです。
そういうものは処分したいのだけれど、
いきなり処分するわけにもいかないので、
このスペースからはみ出てきたら、
そろそろと思って、
3分の1は処分しますよ、とか、
そんなふうに、少しずつですね。
全部いっぺんには言わないですよ。
伊藤
なるほど! 
それは、糸井さん、
素直に「はい」っておっしゃる?
樋口
そんな、いい返事じゃないですよ(笑)。
「うん? うーん‥‥」みたいな。
伊藤
樋口さんはどうなんですか。
糸井さんになにか言われるような買い物、
絶対にしないでしょう? 
なにこんなの買って! とか。
樋口
それは、たぶん、
糸井は性格的に言わないですね。
伊藤
でも、うっかり買っちゃった、
っていうものは、ないでしょう、樋口さん?
樋口
ありますよー。
でも、うっかりしたときは、すぐに手ばなします。
人にあげたりします。
伊藤
そうなんですね。

いつもたのしく。

未分類

樋口
お正月、一月一日に掲載になるのね。
うれしいな。
伊藤
はい。お引き受けくださって、
ありがとうございます。
樋口
こちらこそありがとうございます。
いい年になりますように。
伊藤
ほんとですね。
対談をお願いするにあたって、
企画書をどう書こうかと迷ったんです。
でも、わたしが伝えたいことは
「樋口さんに会いたい」、それだけで。
樋口
えっ、え(笑)?
伊藤
いつもは、暮らしのことを、とか、
テーマをこちらから提案するんです。
でも、樋口さんには、
ただ会いたい、それだけ。
しばらく、お会いすることがなかったので。
樋口
あははは。
それがテーマ?
伊藤
はい、テーマです。
もちろん「あのことが訊きたい」ということも
あるんですけれど、それを伝えるよりも、
雑談をさせてください、ってお願いしたんです。
それじゃあ断られても仕方がないけれど、
それがほんとうにしたいことだったんですよ。
樋口
まさこさんからの依頼ですもの、
即決です。
伊藤
ありがとうございます。
「weeksdays」でも
よく、お買い物をしてくださっていると、
糸井さんからうかがいました。
樋口
すごく、してます。わたし。
じぶんで頼むのがたのしいの。
ポチッと入力するのが。
ほしいものが完売になってしまっても、
今日は買えなかった! って、それがいいの。
残念だっていうこともふくめてたのしい。
次に気になるものがあったら、
発売日の11時を待って、すぐに頼もう! とか。
伊藤
ありがたいです。
樋口
ほんとう、まさこさんの選び方と、
あとね、丁寧さ。
紹介の仕方が、はやくて、丁寧。
伊藤
はやくて、丁寧。
樋口
丁寧というのは、じぶんでちゃんと企画して、
じぶんで出て、紹介して、品物をつくって、
作り手さんのところもちゃんと取材している。
はやいというのは、
コロナでマスクが必要だとなって、
世の中では売り切れて困っていたとき、
糸井が、まさこさんマスクつくってよ、
って相談したら、
翌日にはもうコンテンツにしていたでしょう?
「ハンカチでつくればいいんじゃない」って。
伊藤
はい、次の日にできました。
樋口
すごくはやかった! 
それから「weeksdays」のコンテンツで、
海外在住のお友達に
リモートでインタビューするシリーズ
伊藤
海外に住んで、
いまどうやって過ごしてるんですか、って。
樋口
あれ、びっくりしたの。
はやいし、その人脈にもびっくりしたのよ。
よく、各地に、ちゃんと!
伊藤
みなとみなとに、いいオンナがいるんです。
樋口
(笑)それがすごいよね。
その人たちと、ちゃんと付き合ってきたのがわかる、
そんな会話になっているのが、とってもよかったの。
あのときに、まさにそれが
みんなの知りたいことだった。
伊藤
なんだか、不安だったんですよね。
だから「みんなどうしているの?」って。
あの取材は、ウェブだからこそ、できることでした。
あと、わたしのお友達の
みなとみなとのいいオンナたちも、
写真を撮るのが上手だったりして。
樋口
そう、その人たちのセンスもいい。
写っているものが、
かわいかったり、きれいだったり、
生活を見ていて、すてきだなって思う。
なぜそんなに、みなとみなとに、いるの?
伊藤
なんでだろう? 
なんでかなぁ。
樋口
人が好き?
伊藤
人、好きです!
好きな人が、好きです。
樋口
ふふふ。
ほんと、すごいね。
はやいしね。
伊藤
たしかに、はやいかもしれません。
でも最近、みんなに任せていますよ。
だからチームとしてのスピードです。
樋口
そりゃあ、ぜんぶを自分ではできないだろうけど、
商品紹介でも、作り手さんの気持ちを、
まさこさんの言葉で、
ちゃんと品物に乗せるでしょう。
だから「はやくて、丁寧」。
伊藤
チームのみんなも妥協しないんですよ。
「ま、これでいいだろう」がない。
立ち上げ当初は
てんやわんやでトラブルもありましたが、
3年目に入って、
だんだん慣れてきたんだと思います。
樋口
そんなになるのね。
伊藤
それでも時々予期せぬトラブルが起きます。
明後日からコンテンツを
始めるはずのアイテムが、
トラブルがあって発売中止が決まったり。
中止は仕方のないことだったんですが、
1週間、すっぽりと穴を空けちゃうことになるのが、
2日前に決まった。
そのとき「おやすみしようかな」という気持ちが
うっすら出たんですよ。
「weeksdays」を始める前、糸井さんから、
「どうしても毎日更新するんだと決めすぎず、
じょうずに休むといいよ」というアドバイスを
いただいたのを思い出したりして。
ところが、みんなにまったく
そんな気持ちがなかった。
樋口
へぇー。
伊藤
「弱りましたねぇ、じゃあ、なにします? 
すぐに準備できることを、考えましょう」みたいな。
そこで、以前紹介して、
いまはトップページから埋もれてしまっているけれど、
まだまだ紹介したいと思うものを掘り起こして、
前面に出し、
「ほぼ日」のみんなのおすすめコメントを集めて、
紹介しなおすコンテンツをつくりました。
そうやって、3年目になりましたが、
慣れてくると、わたし、
新しいことをはじめたくなっちゃうんです。
次は何をしようかな? って。
樋口
尽きないのがすごいのよ。
ほしいものがいつもあるっていうのが。
伊藤
わたし、買い物をしてばっかりです。
樋口
好きなんでしょう、買い物が。
伊藤
大好きです(笑)。
樋口
ほんとに好きで選んでるなって感じが、
伝わるのね。
伊藤
なんでこんなにほしいのがいっぱいあるんだろう。
樋口
そう、それはなに? 
それが訊きたかったの。
なぜ、いつも、そんなに、
ほしいものがちゃんとあるの?
伊藤
なんでかなぁ‥‥? 
じぶんじゃ、わからないんです。
(ここで、カメラの有賀さんから、
撮影位置についての提案があり)
‥‥顔に陽があたっちゃってる? 
ちょっと、ずれましょうか。
樋口
(有賀さんに)
縁側じゃなくてもいいんじゃない(笑)?
すてきな場所、いっぱいあるんだもの。
しゃべってるところでもいいと思うのよ。
伊藤
そうですね。決めすぎなくても。
樋口
ぜーんぜん。
「ほぼ日」だもん。
伊藤
有賀さん、緊張してる? そうだよね。
わたしもですけれど。
樋口
わたしだって緊張するのよ(笑)。
とくに「ほぼ日」だから、緊張する。
だって、みんな、
ブイヨンやブイコの人間のお母さんとしての、
ふだんのわたしを知ってるじゃない? 
逆に、女優としてこういう仕事で出てくると‥‥。
伊藤
そっか、女優の樋口さんに会ったことがないから、
わたしも、緊張しているんですよ。
以前、都内を車で運転しているとき、
樋口さんをお見かけしたのを思い出しました。
お店に入って行かれたところで、
帽子をかぶって、マスクをしてらっしゃったけれど、
なんだかほかと違う人がいる! って。
樋口
(笑)それ、なにか間違ってない? 
違う人なんじゃない? 
伊藤
いえ、あれは樋口さんでした(笑)。
ふふふ。
樋口
緊張していると言うけれど、
いつもたのしそう、まさこさんって。
伊藤
樋口さんもそうですよ。
今日も、別々の部屋でメイクをしていたんですが、
隣から樋口さんのたのしそうな声が。
樋口
あなたもそうだったよ。
どっちの部屋でも、
メイクされてる人がしゃべってるの。
ほんとは、メイクされてる人って、
いちばんしゃべっちゃいけないのよ。
でもね、ふだんは、もっとしゃべるの。
これでも抑えてるの、コロナだから。
ほんとうのことを言うと、もっとしゃべりたい。
出不精なんだけれど。
伊藤
出不精なんですか、樋口さん。
樋口
うん、出不精ですね。
糸井が誘っても、
「それはちょっと」っていうことが多いかな。
出かけても、出かけた先で、
「ごめん、今日はもういいわ」みたいな。
伊藤
人に見られてしまうから? 
樋口
ううん、違う、そういうことじゃないの。
なんだろう、じぶんがね、つらくなる。
伊藤
おうちにいるのは好きですか。
樋口
好きですね。
すごく好きです。
伊藤
お洗濯とかお掃除とか、
樋口さんがされてるでしょ。
樋口
うん。
伊藤
それ、すごくびっくりして。
樋口
だって、誰がするの(笑)。
伊藤
樋口さんのことをよく知らなかった頃は、
お手伝いのかたがいらっしゃるのかなって
思っていたんです。
樋口
お手伝いのかたはいないよ(笑)。
伊藤
「ベットメイキングしておいてね」みたいな?
樋口
いま、そんな人、あんまりいないってば(笑)。
伊藤
それが、わたしの知り合いにいるんです。
「なぜ?」と訊いたら、
夫が毎日シーツは絶対変えてほしいって言うから、
お手伝いのかたにお願いしているって。
樋口
あら‥‥!
伊藤
樋口さんはそういう感じじゃない、と思いつつ、
「女優さん」っていうと、
ひょっとしてそうなのかなって。
樋口
いまの人たちは、自分でやると思う。
伊藤
そっか、そうですよね。
樋口
わたしぐらいの世代からは、
人に頼むと、逆に不自由だと考えていると思うな。
わたしより前の世代の女優さんたちは、
ひょっとしたらお手伝いさんとか、
そういうかたに頼むことがあるのかもしれないけど、
わたしから下の年代の人たちは、
じぶんでやっちゃったほうが自由だと
考えていると思う。
逆に「女優さん」っていう囲いが
不自由だなぁと思い始めた、
そういう世代なんじゃないかな。
そんなの取っ払ったほうが、
いろんなところに行けるし、って。
伊藤
なるほど。
樋口
いつも人が近くにいて、
お世話されるということを、
仕事場ではやってもらうけれど、
わたし生活のところまでお世話されたら不自由だし。
じぶんでやりたいんですよ、きっと。
同年代の人たちを見てきて思うのは、
みんなじぶんで子育てもやっていた。
そのほうが自由だから、なんじゃないのかな。
伊藤
そうですよね。
お話しするようになってから、
樋口さんはそういう樋口さんで、
女優の樋口さんではなかったので、
逆に、今日、
こんなふうにお目にかかるのが初めてで! 
なんだろう、正視できない‥‥。
樋口
それは、メイクのちからです(笑)。
でもね「ほぼ日」の人たちも、
ふだんのわたしへの対応は
難しいんだろうなと思うときもあって。
伊藤
ふーん。そうなのかな? どうですか。
──
女子はみんな
「どんな顔して接すればいいんだろう」って。
樋口
やっぱりそうかぁ、それは感じる。
わたしのうしろに、
なんだか、わからないものがあるんですよ、職業的に。
伊藤
ああ!
樋口
なんとか消せないものかと思うんだけど、
やっぱりそれは無理で、
「ほぼ日」のオフィスにあんまり行かないのも、
みんなが気をつかうだろうなって思うと、
申し訳ないなぁと思うところがあって。
伊藤
でも、お会いできたら、すごくうれしいですよ、
たのしみ展に来てくださったときの、
みんなの喜びよう!
樋口
だから、ひとりで行くの、ぱっと。
友達とも行かない、なるべく。
伊藤
そういうところがいいんです。
じぶんの時間の過ごし方の潔さが、
竹を割ったようで。
樋口
竹ね(笑)。

少しずつ暗くして。

未分類

冬の、
すっかり日が落ちてからの時間が好きです。

部屋の灯りは、最小限。
天井にダウンライトもついていますが、
あまり出番はありません。

暗くないの? 
と聞かれることもありますが、
ぜんぜんへっちゃら。
レストランや店も、
煌々と明るいところより、
薄暗い場所が好き。
包み込まれるようで、
落ち着くのです。

ごはんを食べて、お風呂に入って。
あとはもうベッドに入るだけとなったら、
つけていた照明をひとつ、
またひとつと消していきます。

眠りにつく前は、
こんな風に少しずつ暗くして、
部屋と自分を夜に馴染ませるようにしています。

眠る前の2時間くらいは、
テレビを消して、
パソコンもスマートフォンも
閉じてしまいます。
ついついしていた、
これらの習慣は、
一度やめてみることをおすすめします。
眠りの質がだんぜんよくなるはずだから! 

ひっそり静かな冬の夜、
ハーブティーでも入れて
(私はウィスキーのことの方が多いけれど)
ひとりのんびりしてみませんか? 
たまには、
夜と友だちになるのもいいものです。

(伊藤まさこ)

好きな色。

未分類

クローゼットにかかっている服は、
ネイビーと黒と白がほとんど。
我ながら、好きなものに偏りがあるなぁと
びっくりします。
着ていて落ち着くから、というのが
えらぶ理由のひとつかな。

さて、では部屋はというと、
白をベースに、グレーからブルーにかけての
「何色」とは一言で言い表せない、
微妙な色合いが多いことに気がつきました。

ハタと自分の手元を見てみると、
指に塗ったネイルもそんな色。


▲色合いが気に入って買ったソファはデンマークのもの。
その上に置いたピカソ柄のクッションは、
パリで見つけました。

ネイビーや黒が着ていると落ち着くように、
薄いブルーやグレーに囲まれていると、
どうやら落ち着くみたい。

どこを旅しても、
結局は「家が一番」と思う理由は、
色にも関係するのかもしれません。


▲20年ほど使っている気に入り。
和、洋、中、
意外なほどいろんな料理にしっくり合うんです。

このプレートとカップは、
イタリア人の陶芸家によるもの。
母が旅先で買ってきてくれたものですが、
あら、これもブルーグレー! 
私が好きだからえらんでくれたの? と聞いたところ、
「忘れちゃったわ」との返事。

何も考えていないように見えて、
でも意思がはっきりありそうで。
なんとも言えない表情が気に入って買った、
陶器のオブジェ。
この人も顔以外は、薄い水色でした。

友人は、自分のテーマカラーを黄色と決めていて、
自身のショップカードや、
ここぞという時の服は必ず黄色。
今では、
黄色を見ると彼女を思い出すくらい
印象づけられていますが、
そういう色がひとつあるのも
いいものだなぁなんて思います。

もしかしたら、
器をえらんでくれた母も、
潜在的に私の色と思ってくれていたのかしら?

(伊藤まさこ)

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