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環境もかわるし、自分も変化する。

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伊藤
茂田さんこんにちは。
よろしくお願いします。
いま、どちらですか?
茂田
僕は東京のオフィスです。
わりと、普通に出社しているんですよ。
ただ、OSAJIは高崎と東京の2拠点なので、
ぼくが感染したらどちらの同僚にも、
高崎に住んでいる家族にも迷惑ですから、
まめに検査をして移動しています。
伊藤さんは?
伊藤
誰かにお目にかかるのは最小限にしよう、
というのは、昨年から変わらないですね。
だからほとんど家にいるんです。
茂田
むしろおうちの生活を楽しんでいるようですね。
伊藤
そうなんです。家にいる時間が長くなったことで、
「香り」について意識することも増えましたよ。
今も、うしろに見えるかな、
今回のサンプルの“Bonjour”を使っているんです。
茂田
あ、いいですね!
伊藤
香りをたのしむのに、
いろんな方法がありますよね。
わたしは垂らしておくだけ、なんですけれど、
焚くとか、加湿のときに足すとか‥‥。
茂田
う~ん、垂らしておくだけでも
いいんじゃないかなってぼくは思います。
伊藤
どんなふうにアドバイスしていますか、茂田さん。
茂田
「このくらいの強さの香りがほしい」という感覚は
人によって違いますから、一概には言えないんですが、
たとえばゆっくりとリラックスされる時間のお供や、
ベッドサイドなどに置いてお休みいただくとき、
ほのかに香っていてほしいなという希望に対して、
個人的におすすめなのが、
耐熱のグラスなどに熱めのお湯(70~80℃)を入れ、
ブレンドエッセンシャルオイルを1、2滴垂らす方法です。
火などを使わず安心ですし、
ホテルなどの出先でも手軽ですよ。
ただ、グラスに入れるときは誤飲に注意することと、
使用後はグラスを
きちんと洗っておくことが必要ですけれど。
伊藤
なるほど!
茂田
最近、溶岩に垂らしておく人もいますよね。
通販で、まとまった量の溶岩を安く買って、
器にガサッと入れて、垂らしておくんですって。
溶岩って、けっこう精油を吸ってくれるんですよ。
だから、「垂らすだけ」派の人にはいいかも。
伊藤
今回の撮影では、もう使わない器や、
いっそヒビが入っちゃったお皿などを使う、
そういう提案もしています。
茂田
そうだ、小っちゃい器なら、
消毒用のアルコールや、香りのないウォッカに、
エッセンシャルオイルを垂らしてもいいですよ。
伊藤
えっ、え? ウォッカ?
茂田
アルコールの揮発と共に
香りが飛んでくれるんです。
伊藤
少量でいいんですか。
茂田
少なくていいです。
エッセンシャルオイルは
そんなに短時間で揮発しないけれど、
アルコールに入れることで、
リードディフューザーといって、
ちょっと揮発のスピードが早まるんです。
すると、エッセンシャルオイルそのままに比べて、
香りの立ち方が変わりますよ。
伊藤
じゃあ、手指消毒用のサニタイザーに
エッセンシャルオイルをちょっと入れておくと、
ローズの香りのサニタイザーができるってことかな?
茂田
ぼくらメーカーは、
それを推奨することはできません。
法律違反になっちゃいます。
伊藤
あっ! そうですよね。
茂田
アルコールに垂らしたものは、
直接手指につけるのではなく、
大きめのスプレーボトルに入れて
ファブリックミストとして布に吹きかけるとか、
小っちゃいスプレーボトルに入れて、
ピローミストとして寝室で使うとか、
そんな使いかたがおすすめです。
寝る時に、シュッシュッと、
枕のまわりにかけるといい香りですよ。

column

ブレンドエッセンシャルオイルを
スプレーで使うとき。

用意するもの

・50mlのスプレー容器(アルコール対応のもの)
・アルコール 30ml
・精製水 10ml
・アロマオイル 5滴程(お好みで調整して下さい)

つくり方

① スプレー容器にアルコールを入れ、精油を垂らします。
② ①の蓋をしっかり閉め、振ってしっかり混ぜます。
③ ②に精製水を加え、さらにしっかり混ぜて出来上がり。

使い方

布に吹きつけて香りをお楽しみください。
色落ちが心配な布には、
目立たない部分につけて
変色や色落ちがないか確認してからご使用下さい。
枕など、肌に触れる部分に使用される際は、
お肌の弱い方はアルコールや精油に
反応してしまう恐れがあるため、ご注意下さい。


伊藤
知り合いのかたが、
ローズの香りが好きで、
枕の近くにエッセンシャルオイルを
数滴垂らして眠ったら、
あまりに濃厚な香りで、
とっても不思議な夢を
見たって言っていました。
男性のかたなんですけれど。
茂田
(笑)ローズやゼラニウムの香りは、
女性ホルモンであるエストロゲンの
活性を高めると言われているんですよ。
医学の研究論文で、
更年期障害を緩和するという報告もあるようです。
女性のための香水にローズの香りが多いのは、
そんなことと関係しているかもしれませんね。
あるいは生理前の不調、だるさを和らげるとか。
枕にというのも、意味があって、
ホルモンバランスって睡眠中に整うんですね。
伊藤
なるほど。ローズを使った
今回の“Bonne nuit”は、
仕事が終わって、パソコンを閉じて、
一日の気持ちが解放された時や、
夜、眠る前の時間に使ったら
いいな、って思っています。
そこに、本能的な理由があったのかもしれないですね。
逆に、朝いちばんで使う気分ではないので、
朝のために、別の香りがほしいとお願いをして、
今回もうひとつ“Bonjour”をつくっていただいて。
茂田
それ、すごく正しいと思います。
“Bonjour”は針葉樹系の香りですが、
これは、朝、自律神経を整えてくれると言われます。
朝、倦怠感や憂鬱さが来る人にも
効果があるという報告がありますよ。
伊藤
やっぱり気分としては、朝は針葉樹系ですね!
わたしは朝から元気なんですけれど(笑)、
カラダが求めているのかな、
「よし!」って起動する、みたいな印象です。
茂田
実際に、朝の森林浴って、気持ちいいですもんね。
ところで女性って、
香りの感じ方、好きな香りが
1カ月のなかで変わるんだそうですよ。
そんな研究もあるんです。
伊藤
へぇ!
茂田
生理周期の中で、女性ホルモンがリッチになったり、
逆に男性ホルモンがリッチになったりする。
そうすると香りの感覚も変化するんですって。
だからいいと思っていた香りが、
とつぜん、好きじゃなくなることもある。
味もそうだと言われます。
しょっぱさとか、甘さの感じ方が変わるんですって。
伊藤
そういえば、妊娠中、
自分が犬になっちゃったのかな、
っていうぐらい、香りに敏感になりました。
こんなに家の中や、外にも香りがあったんだって、
その変化にびっくりしました。
やっぱり妊娠っていう、
極端にホルモンバランスが変わる時だから、
起きたことなんですね。
茂田
そうかもしれないですね。
伊藤
ところでこの企画は、
コロナと関係なく進めてきたことですが、
いま、できあがって、販売できることが、
よかったなって思います。
わたしもそうですが、
お家にいる時間が長いから。
茂田
家で食事をとることも多いですよね。
料理をすることも、配達で届けてもらうことも増え、
以前より、家でごはんを食べるようになった。
だから、より、部屋に独特な匂いがつくんです。
なかには部屋で焼肉をやる人もいるくらいですから。
伊藤
そっか、そっか。
茂田
以前より、家に食べ物臭がついて、
気になるという方が増えているんです。
食べ物の匂いって、その日は気にならなくても、
翌朝残っていると、不快だったりするでしょう?
伊藤
嫌ですよね。
茂田
そんなとき、家の香りの調整をするという意味でも、
香りは重要だと思います。
もちろん換気も大切ですけれど。

OSAJIの精油

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見えないものなのに。

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「日々、どんな風に気持ちを切りかえていますか?」

先日、取材でこんなことを聞かれました。

家にいることが多くなり、
時間をうまく使いこなすことができずに、
なんとなく過ごしてしまったという人が多いとか。

私はもともと仕事場と家が一緒ということもあって、
働くときと、そうでない時の区切りは
つけている方かもしれません。

1日のはじまり、
モップがけをする。

お茶を入れる。

窓を開けて空気を入れ替える。

書き出すと、
まあふつうなのですけれど、
するとしないのとではやっぱり違うものです。

その中で最近、
「おお、これは‥‥!」と感心しているのが、
香りがもたらす効果です。

朝、掃除とストレッチが終わったら、
オイルをたらして、
部屋にすがすがしい香りを行き渡らせる。

夜、眠る前のひととき、
気持ちを落ち着かせるための、
ちょっとぜいたくなオイルを石に2、3滴たらす。

よしがんばるぞという気分にしてくれたり、
リラックスさせてくれたり。
見えないものなのに、
その効果のすごいことったら!

今週のweeksdaysは、
OSAJIと作ったふたつの精油、
BonjourとBonne nuitをご紹介。
イラストレーターの山本祐布子さんが、
それぞれの名前にぴったりな文字を描いてくれました。

OSAJIの代表、茂田さんとの対談も
どうぞおたのしみに。

わたしがミモザを飾るなら。[3] 春の報せ。 岡宗真由子

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岡宗真由子さんのプロフィール

おかむね・まゆこ

ライター。
1975年東京生まれ東京育ち、
小学生と高校生の娘の母。
夫は「weeksdays」で
「男子について。あるいは愛についての鼎談。」
山本康一郎さんとともに登場した
フリーランステレビディレクターの岡宗秀吾さん。


ミモザはなんといっても春を告げる花。
あたたかくなる予感がする季節、
桜の一歩先に咲くのです。

▲壁紙を剥がし、
コンクリート打ちっぱなしのままにしている寝室。
ミモザは、原色使いの油絵とも意外に好相性でした。
リースは程よく小さめなので、
ドリームキャッチャーに見立てることもできます。

10年ほど前、
植栽ボランティアをしている公園の花壇に、
ミモザの木を植えました。
30センチくらいの小さな苗が、
あっという間にすくすく大きく育って
たくさんの花を咲かせてくれました。
公園の規則で2メートルまでに
高さをおさえなければいけなくて、
気の毒に思いながらも、
“強剪定して大丈夫”というネットの情報をたよりに、
枝をたくさん落としていました。
それでも毎年元気だったミモザですが、
素人剪定のやり方が間違っていたのか、
病気にかかってしまったのか、
5年目の冬に枯れてしまい、突然のお別れ‥‥。
そういえば近隣でも、
去年まで見事だったミモザが伐採されたり、
忽然といなくなったりしているの
をちょくちょく見かけます。
日本古来の植物ではないから、
やはり長年元気でいてもらうのは難しいのかもしれません。

公園のミモザが教えてくれたのは、
「黄色の花の美しさは遠くまで届く」ということ。
育てるのが難しいミモザのことは諦めて、
今ではその場所に“ゴールドバニー”という
黄色のバラを育てています。

▲観葉植物をたくさん育てています。
西側を向くベランダにはモンステラ、
ピレア・ぺぺロミアオイデス、トックリラン。
華やかなリースが、
観葉植物に花が咲いたような印象をもたらしてくれました。

ミモザは、ユーカリなどと同じく
オーストラリア出身の植物。
オーストラリアンプランツは今の流行で、
セロリア、ピンクッション、プロテアなど
乾いた葉や独特の珍しい花形がどれも魅力的です。
人気ゆえなのか、
オーストラリアンプランツの生花は値段が高い。
植物は大好きなのですが、
ものぐさな私は生花にプレッシャーを感じてしまう。
毎日水を替えて、水切りをして、
1日も長く持たせなければいけない、と。
手間もかからない上、気長に家を彩ってくれる
生花リースは、ありがたい存在でした。

▲白いタイルと生花の組み合わせも新鮮でした。
無機質なキッチンに瑞々しい明るさをもたらしてくれます。
リースは軽いので、
簡単なテープでつけたフックにかけることができました。

食べるもので生き返るように、
視覚からも元気付けられることがあります。
ミモザの黄色は、見るだけで人を覚醒させる色。
「春だ」と直感させる色です。
そしてこのリースは、目に鮮やかなだけでなく、
箱を開けたとき、
閉じ込められていたフィトンが揮発して立ちのぼり、
一足早い春を、なお一層感じさせてくれました。


▲麻紐のマクラメハンギングやドライフラワーなど、
乾いた自然素材とも生花リースの相性はいいようです。

わたしがミモザを飾るなら。[2] 花瓶にいけられた花よりも。 長田佳子

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長田佳子さんのプロフィール

おさだ・かこ
foodremediesという屋号で活動する菓子研究家。
パティスリーやレストランで経験を積んだ後、
YAECAのフード部門、PLAIN BAKERYを経て独立。
心と体に優しく寄り添うお菓子は、
ひと口食べるとほっとする味わい。
著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、
『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)
などがある。
「weeksdays」では
「あのひとのかごのつかいかた。」にも登場。

Instagram


私のもとにやってきたミモザのリースは、
どんなふうに手にとろうか、
すこし戸惑うくらいの、
ふわふわの赤ちゃんのような印象でした。

普段、黄色という色は華やか過ぎて
すこし遠い存在に感じていたのですが、
コロナ禍で、春を待つ気持ちも先走るのか、
黄色をはじめ赤やピンクなどの明るい色に
心が動くようになっているようです。
箱の中で輪を描くミモザを隅々まで眺めて、
両手でゆっくり取り上げました。

一日励ましてもらえる場所に居てほしいと思い、
アトリエの風が抜けるすこし大きなドアや
ガラスの前に飾ることに決めました。

リースが届いた時は
ちょうどアトリエのリフォームの際中で、
空間も訪れる人々も、
すこし緊張しながら時間を過ごしていました。
しかし、不思議なことに花瓶にいけられた花よりも
人々の心を惹きつけおしゃべりにさせるのか、
ミモザを通して会話をする機会が増えたのです。

花がやわらかい時期は光のぬける低い位置に飾り、
ドライになるとすこし日陰の高い場所へ飾り、
距離を楽しみました。

まっすぐに伸びる健やかなミモザも良いけれど、
輪になっていると
さらにあたたかなエネルギーを感じられるもの。

今回は私に送っていただきましたが、
私からは、妊婦の友人やレストランで働く友人など
誰かの思いに応えようと頑張っている人たちに
プレゼントしたいと思いました。

わたしがミモザを飾るなら。[1] 神棚とケーキ 鶴見 昂

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鶴見 昂さんのプロフィール

1986年神奈川県生まれ。パティシエ。
東京・Café Lisette、
大阪・ELMERS GREENなどのカフェをプロデュース。
2016年熊本市で地元の果物を使った
ジャムやパフェのお店
「FLAVÉDO par Lisette」
(フラベド パー リゼッタ)をオープン。
現在熊本に暮らす。
著作に『Café Lisetteのお菓子』
(エンターブレイン)がある。
「weeksdays」ではエッセイ
「あなたには赤が似合わない。」を寄稿。

Instagram


生活に花があってよかった。

自粛期間中に気分が滅入ったとき、
一人で暮らしていてふと寂しくなったとき、
何度となく自分の家に飾った花を見てはそう思った。
頑張って難しい理由を探さなくても、
花はそこにあるだけでただただ可愛いから
眺めていると気持ちが解(ほぐ)れる。

ただし、リースとなるとまた話は別。
正直に言うと花のリースを愛する自信が無い。
なんとなくクリスマスと同じように
幸せなファミリーの象徴のような気がして、
一人暮らしの我が家にミモザのリースが届いたとき、
生活に取り入れることができるのか不安になった。
自分の店にリースを飾ることはあっても、
家に飾ったことは殆どないし、
お正月にしめ縄も飾らない。

とはいえ、折角リースを飾る
素敵な機会をいただいたのだ。
全力で愛してみたいと思う。

「さて、何処に飾ろうか」と考えても、
手狭な(それでいて断捨離ができない。
ときめくものしかない)我が家である。
さっそく飾る場所に困った。
リースが際立つようなプレーンな壁もなければ、
目立つところに飾るのも気が引ける。
そんなこんなで両手にリースを抱えて
右往左往しているうちに
あっという間に日が暮れてしまい、
初日は諦めて大人しく寝ることにした。

翌朝ふたたび飾る場所に悩んでいたら、
ふと、もしかしてリースって
壁にかけなくてもいいんじゃない? 
と思いたち、棚に置いてみることに。

我が家には「神棚」と呼んでいる
棚の無駄遣いスペースがある。
神棚といっても神様を祀っているわけではない。
何か特別役に立つこともないけれど、
私の心を和ませてくれる間抜けなものを
飾っている場所があるのだ。

少し勿体ないかなと思いつつ、
この場合、自分が毎日リースを目にして
気持ち良い状態にすることが大事だから、
この神棚に平置きしてみることにした。

ポンポンと小さな黄色い花が連なり、
まるで作り物のようにファンシーなミモザの花。
家に飾っていると日に日に
ビビットなレモンイエローから
落ち着いたトーンに退色して、
棚の上で朽ちていく様子が美しい。
リースの前を通るたびに
青い果物のような甘い香りが漂ってくるのにも
気分がアガる。
プラスチックや金属の無機質なものに囲まれていて、
それだけが有機的な香りを発し、
時間と共に当たり前に変化していくのだ。
家の中にこもっていると、
そうした自然の姿に癒されている自分に気付く。

花器を探したり水を換えたりしなくても、
ただ棚にリースを置いただけで
自然と生活のシーンに溶け込んでくれる
懐の深さに驚いた。
今まで変なイメージを抱えていてごめんよ。
先日までの苦手意識はどこへやら、
手のひらを返したようにリースの魅力を語っている
自分の軽薄さにも驚愕した。

平置きにするときはリースの奥を少し持ち上げてやると、
あまりのっぺりとせず静かにその存在感を放ってくれる、
と私は思う。

ミモザといえば、3月8日の
「ミモザの日」はスルーできない。
この日は1975年から「国際女性デー」
(女性の地位向上と差別撤廃を訴える記念日)に
制定されていて、同じ時期にミモザの花が咲くことから
イタリアでは「ミモザの日」と呼ばれている。
「ミモザの日」には、
女性へ感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈り、
家庭ではミモザケーキを焼くのが習わしなのだそうだ。

ミモザケーキ。
サフランで黄色く着色したスポンジ生地と
カスタードのケーキ。
仕上げに細かく砕いたスポンジ生地で
表面をフワフワと覆って、ミモザの花を表現する。
あぁ、スポンジケーキとカスタードの組み合わせって
なんであんなに魅力的なのだろう。
萩の月やかすたどん‥‥
地方の銘菓でもおなじみの組み合わせだが、
ミモザケーキほどフワフワで
心を掴む見た目のものを他に知らない。

何より家庭で作るフレッシュなケーキの味わいには
お店で買えない格別の温もりと美味しさがある、
と私は信じている。
3月といったら露地物のイチゴも安く出回るから、
小ぶりのイチゴを少しの砂糖でマリネして香りを立たせ、
ミモザケーキにたっぷりと添えて食べるともう最高なのだ。
こうやって好きな果物を食べたいだけ
ふんだんに添えることができるのも
家庭のお菓子ならではの魅力だと思う。

恋人や友人に直接会う機会は減ってしまったけれど、
今年の春は暫く会っていない大切な人を思って
気軽な気持ちでミモザの花を贈ってみてはどうだろう。
花を贈るのに記念日である必要はないが、
照れ臭い男性諸君のために
「ミモザの日」という口実もあるのだし。
もしかしたら美味しいミモザケーキにありつけるかも。

ミモザのリース、 こんなふうにつくられています。

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春を告げると言われるミモザは、
ヨーロッパでとても人気がある花のひとつです。

主要産地であるフランスのニース近郊の町、
マンドリュー = ラ = ナプール
(Mandelieu-la-Napoule)では、
1931年にはじまったといわれるミモザ祭りが
毎年2月に開かれます。
その頃は、町のいたるところにミモザの花が飾られ、
ミモザの女王投票や山車、
パレードで盛り上がるのだそう。

またイタリアでは3月8日の
Festa della Donna(=女性の日.国際女性デー)を
別名「ミモザの日」と呼び、
男性が女性に敬意と感謝を込めて
ミモザの花を贈るのがならわしです。
パートナーだけではなく、
母親や祖母、友人、仕事仲間など、
自分にとって大切な女性に贈るのだそう。

そんな、ロマンティックで愛にあふれる花を
インテリア性の高いリースに仕立てました。
秋あじさい、2度のクリスマスのときと同じように、
「weeksdays」が日比谷花壇と組み、
オリジナルで制作をしました。

リースの材料となるミモザは、
静岡県浜松市の湖北地区と呼ばれる、
水はけがよく、傾斜地が多い、
みかんの生産にも適している土地で生産されました。
ほかの地域と比べ、冬も気温が高めで、
ミモザのような「枝物」(えだもの)の生産も、
古くから行われてきたのだそうです。

生産者は、JAとぴあ浜松、アカシア分科会に所属する
山村敬一さん。
もともとはみかん農家で、現在も続けていますが、
今からおよそ50年前、みかんとともに管理がしやすい
作物として、ミモザに着目したそう。
みかんの収穫は10月下旬から1月下旬ですから、
1月下旬から3月にかけて収穫するミモザは、
作業時期としてもぴったりだったのだといいます。

山村さんの畑が傾斜地であることも、
ミモザの栽培に味方しました。
原産は温帯から熱帯の、感想した場所ですから、
湖北地方のこの場所はぴったりだったのです。

栽培のスタートは、春先に行われる種の採取から。
山村さんは「どの木から種を取るか」を
注意深くえらびます。
ポイントは、葉がきれいに揃っていること、
枝がすらっと、長く、しっかりしていること。
採取した種は、入梅の頃に播種(はしゅ=種まき)、
秋のはじまりに定植を行ないます。
長いあいだかけて丁寧に育てると、
リースに使う切り枝の収穫ができるようになります。

枝の収穫のめやすは、
蕾がうっすら黄色く色づく頃。
花を手で揉むと粉になる、
つまり花粉ができているタイミングを選びます。
すこしでも早いと、その後、きれいに開花しないのだそう。

収穫後は、枝を束ねて作業場へはこび、
下葉を取り、長さを揃え、
葉の状態や花つきのわるいものを省いたら、
枝をそろえて束ね、水にいける作業です。
この作業、とても手がかかるので、
山村さんだけではなく、奥さま、娘さんの3人で
行なっているんですって。
収穫のピーク時は、とても忙しく、
午前中に収穫~選別をしたのち、
午後もういちど収穫、夜に選別、
というふうに、1日2回、
作業をくりかえすほどだそうですよ。

そうしてたっぷり水を吸わせたミモザの枝の束は
「室」(むろ)へ運ばれます。
1月でも、湿度と室温がコントロールされている中で、
花を開かせるんです。
これを「蒸らし」と呼び、ここで失敗すると
きれいなミモザの花が咲きません。
事前にしっかり水を吸わせ、
葉がパリッと水を蓄えた状態にしておくのは、
ここで花を散らせてしまうことがないようにするための
作業だったんですね。

※こちらは今回のリースに使う品種とは異なります。

そうして愛情ぶかく山村さんのもとで育てられたミモザは、
出荷され、リースづくり専門の
チームのもとへと運ばれます。
作業場では、1点ずつ、手作業でリースに。
葉と花のバランスをみながら、
まるいリースに編んでいく作業は、
たいへんですけれど、とてもたのしいものだそう。
「香り豊かな黄色いリースですから、
お届け先で、目を向けるたび、
お部屋に太陽の光が降り注いでいるかのような、
そんなイメージで受け取っていただけたらいいなと
考えながらつくっています」
と、チームのかた。

ちなみに、このリース、生花をつかっていますが、
保水はしていません。
ドライフラワーになりやすいのがミモザの特徴ですから、
自然に乾燥した状態で、
長くおたのしみいただけたらと思います。

飾る場所は、直射日光や、
暖房などの強い風が直接あたらない、
けれども風通しよく湿気の少ないところがおすすめ。
ミモザの特性上、こまかい葉や花、花粉が落ちますので、
日常的によく開閉するドアなど、
衝撃の多い場所はさけてくださいね。

再入荷のおしらせ

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完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
2月18日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。

DELIVERY TOTE ENAMEL
(SMALL, MEDIUM)

▶︎商品詳細ページへ

どんな洋服にもあわせやすく、
一年を通して持てるエナメル素材のバッグを
「TEMBEA(テンベア)」に作っていただきました。

「weeksdaysオリジナルは、
持ち手の端を内側にし、よりシンプルに。
それから、
バッグ本体と持ち手を留める金具を
シックなゴールドにして、
大人っぽい仕様にしました。
トートの大きさはふたつ。
用途に合わせておえらびくださいね。」
(伊藤まさこさん)

BAGUETTE TOTE ENAMEL


▶︎商品詳細ページへ

長いものを入れても肩にかけやすく、
また肩にかけたまま物の出し入れができる、
縦長の形のトートです。

「持ち手はひとつ。
肩かけできるすっきりとしたフォルムが美しいバッグです。
ちょっと深めなこういう形ってなかなかない。
持っていると、
『どこの?』なんて聞かれることまちがいなしです。
エナメルの持つ、
上質で、軽やかな質感をたのしんでください。」
(伊藤まさこさん)

この花を知ったのは。

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ミモザという花を知ったのは、
小学生の時のこと。

7つ上の姉が持っていた
お菓子のレシピブックの中にあった、
ミモザケーキがきっかけでした。

こまかくしたふわふわのスポンジを
全体にあしらうそのケーキは、
おいしそうだし、
見ているだけでなんだかしあわせ。

その後、何年もして本当のミモザを見た時に、
そうか、あのケーキのふわふわは
たしかにこの花によく似ている、
そう思ったのでした。

このなんともいえないかわいらしい花を見ていると、
「ああ、春が来たんだなぁ」と毎年思う。
毎年、花屋で枝を一本買ってきては、
瓶にさして愛でていたミモザを、
今年はリースにして部屋に飾ります。

今週のweeksdaysは、ミモザのリース。
春のかおりと一緒にお届けします。

感覚を呼び覚ます。

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伊藤
マグカップって、何を入れてもいいですよね。
持ち手がついているけど、
たとえばビスコッティを挿してもいい。
中里
お抹茶をマグカップでいただくっていう方も
いらっしゃるんですよ。
伊藤
え、ここでシャカシャカ?
中里
ええ。ちょっと大きめだから、
抹茶を気軽に飲めるって。
なんていうんですかね、
ほんとに抹茶ってインスタントティーなので。
伊藤
ほんと! そうなんですよね。
中里
急須いらずだから、すごい楽チンなんですよ。
伊藤
インスタントコーヒーみたいな気軽さで。
中里
だからマグでもいいし、って。
伊藤
きれいでしょうね、
ここに抹茶の泡が浮かんだら。
中里
食いしん坊な方って、
冒険心豊かな人が多いんでしょうね。
伊藤
みなさんがどういう組み合わせで買われるのかにも
興味津々で。
白だけで統一するとか、
家族で一個ずつ別の色にするとか。
中里
インテリアですとか、
お手持ちのほかの器との相性もおありでしょうし、
器選びってお洋服と一緒だと思うので、
これとこれの相性がよさそうだなとか、
そんなふうに考えていただいてもいいですよね。
伊藤
でも、結構、みなさん、
お洋服は選べるけど器はどうしよう? って。
中里
そうなんですか。
伊藤
「好きなものを買えばいいんですよ」って
言うんですけれど。
ピンときたものを。
中里
そうだと思います。
確かに、慣れていないときは、
どこから選んでいいかわからないっていうのは
あるのかもしれないですね。
ほんとに日本っていろんな種類の食器があるから。
けれど、使っていくと
自分の好みってわかってくるものだと思うんです。
私はアメリカに行っても
このことを紹介したいなと思っているのが、
日本の器の使い方なんですよ。
器のまとめ方のコンセプトで根本的に違うのが、
洋だと全部同じ色でまとめちゃうんです。
セットで。
お皿もディナープレートもランチプレートも
スープボールもマグカップも、
すべてブルーならブルー、
こういうテイストの器で、って。
それはそれでまとまりがあるんですけど、
日本ってそうじゃないじゃないですか。
いろんな器がいっぱいあって、
そのコーディネートを楽しむっていう文化がある。
そこはアジアでもまれな食卓の捉え方なんですよ。
伊藤
確かに。
中里
しかも、陶磁だけじゃなくて、
木があったり、ガラスがあったり。
だから、そもそも日本の方って
器の楽しみ方を知ってらっしゃるんじゃないかなって。
伊藤
普段目にする機会が多いですしね。
中里
雑誌やお料理の本を見ても、
いろんな器がありますし。
だから、見慣れてらっしゃるとは思うんだけれど、
自分が何が好きかっていうとこまでいきつくには、
やっぱり使わないとわからないかもしれません。
年齢で、好みも変わってきますしね。
伊藤
確かに。じゃ、気になったら
どんどん使ってみるっていうことですね。
中里
そうですね、うん。
伊藤
何を入れてもいいし、
たとえばマグの「大」だったら、
持ち手があるけれど、片手じゃなく、
スプーンを使うのでもなく、
両手で持っていただく、というのも、
きっと、いいですよね。
なんだかそうやって持ちたくなるかたちなんです。
中里
そう! おっきい器を両手で抱えながら飲むと、
ホッコリ感が増すんですよね。
伊藤
手が、あったかいし。
中里
特に寒い時期は。
伊藤
わたしは早速抹茶を入れてみます。
確かにこっちのおっきい方だったら、
シャカシャカできますものね。
そうそう、質問があるんです、
高台(底)の部分に釉薬がかかっていないので、
置くとちょっと水滴がついたりするのは、
そんな気にしなくていいですよね。
私はちっちゃいコースターを使ったり、
トレーにのせたりしています。
中里
そう、焼くときに棚板にくっついちゃうので、
その部分に釉薬はかけていないんです。
西洋とか中国のものは
全部釉薬をかけていることが多いんですけど、
底に釉薬がかかってないのは、日本的な作り方なのかも。
「土味(つちあじ)」といって、
その高台を見るという文化もあるんですよ。
茶事の場面でも高台をひっくり返しますが、
あれって土味を見る所作なんです。
もともとの土はどういうものなんだろう、
削り具合はどうなんだろう、って、
シャープさとか粗さを確認するところでもあるんですよ。
私は高台をそこまで表現の一部として
目立たせることはしたくないんですけど。

monohanako

伊藤
土味! 2度目になっちゃいますけど、
こうやって伏せて乾かしてるときに、
その様子がすごいかわいいというのも、
全部ツルッとしてなくて逆によかったというか。
すごくいいことを聞きました! 
それに、手に持つとその土の部分を感じるんです。
それがちょっとうれしいというか。
中里
そうですね。
食器洗いをするときに、
私はそこをよく感じるんです。
裏を見て楽しむ、じゃないけど、
触って楽しんだりとか。
今回制作したマグの土は、
そこまで土っぽい粗さがなく、
ちょっと半磁器っぽいニュアンスで、
やや、ツルッとした感じもありますが、
それもそれでその土のキャラクターです。
全部釉薬がかかってると、
そこはあんまり感じられない。
伊藤
そうですね。
中里
釉薬がかかってないぶん、
日本の器は、
ちゃんと乾かさないと、
そこからシミになりやすいとか、
そういう難点も確かにありますけど。
伊藤
でも、一晩置いておいたら乾くので、
そんなに手入れがややこしいなっていうイメージは、
私は全然受けなかったですよ。
中里
はい。唐津焼って結構砂気の多い土を使うので、
やや乾きにくいっていうところはあるんですけど、
今回のマグの土に関しては、きめの細かい土ですし、
そんなに乾きづらいってことはないと思います。
伊藤
花子さんから、お客様に向けて
伝えたいことはありますか?
中里
やっぱり焼き物っていうのは、
ビジュアルで楽しむところも
大きいかもしれないんですけど、
やっぱり五感で楽しむものだと思うんですよね。
手に持って、その重さですとか、
口当たりですとか、
ちょっとおっきいマグだと両手で包み込むようにとか、
そういう感覚をダイレクトに刺激するものだと思う。
好き嫌いは個人差、主観がありますが、
自分にフィットする焼き物が一番だと思いますし、
それが私の器であれば幸いです。
器を通じて、
感覚的なことを呼び覚ますような
お手伝いができればいいなっていう想いがありますね。
伊藤
特に今回のマグは、からだに近いですね。
持って口につけるし、両手で持ってもいいし。
中里
そこが気持ちよければ、
「ああ、このマグ、ちょっと完璧じゃないけど好きだな」
と思っていただけたらいいなって思います。
伊藤
そうですね。花子さん、ありがとうございました。
ほんとはそちら(唐津)に取材に行きたかったんです。
中里
でも、いつかぜひいらしてください。
今は大変な時期ですけど。
伊藤
今日はありがとうございました。
中里
こちらこそ、ありがとうございました。
みなさんお元気で。

monohanako

八方美人であってほしい。

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伊藤
花子さんは、ご自身で作られた器を、
お家で使われていますか?
中里
はい。個人的にも使ってます。
このマグで、今、白湯を飲んでいますよ。
伊藤
ステキ! 
いま背景に映っている様子も、
すごくいいですよね。
場所によって器も印象が変わる、
という意味では、
東京と唐津でもまったく違いますよね。
中里
そうですね、物って、場所で変わる、
それがすごく面白いことですよね。
だから自分の器は、
どんなとこでもスッと入れるような
八方美人であってほしい。
使い方のルールとか、
こうやって使ってくださいとかは
言いたくないんですよね。
やっぱり使い手がその環境で
使いたいように使っていただくのが
いちばんいいかなって。
伊藤
そういえば、初めてお会いしたとき、
花子さんは洋々閣(ようようかく)という
唐津の有名な旅館で個展をされていたんです。
わたしはその旅館に泊まるところで、
着いたその日が個展の初日だったので、
お風呂あがりに会場を訪ねて、
静かに買って静かに帰ったんです。
中里
私、そのとき、会場にいて、
「あれっ、どっかでお見かけしたことある方だな?」
と思いながらも、そんなズケズケ
「どなたですか?」なんて訊けないし、
それが伊藤さんだったことが
あとからわかりました。
失礼しました。
伊藤
とんでもない! 
それで連絡をくださって、やりとりがはじまって。
わたしが買った器を「何に使おうかな」って
思いをめぐらしていると伝えたら、
花子さんが「なんでもいいんですよ」って。
そのとき、そっか、
使い手が自由にできるっていうのは、
とってもうれしいことなんだなって思ったんです。
確かに、なんでもいいよね、って。
中里
私ったら、スタイリストの方にそんなことを言って、
怖いもの知らずですよね(笑)。
伊藤
いえいえ(笑)。その言葉を聞いて、
スッキリしたんですよ。
「そうだよね、家に持って帰ったら
自分のものになるわけだし」と。
なんていうのかな、自由になったっていうか、
もう自由に使おう! って思いました。
中里
ありがとうございます。
伊藤
そのとき住んでいた部屋は、
古い、外国人仕様のマンションで、
和食器がしっくりくるかっていうと、
そんなでもなかったんですよ。
でも、そのとき買った花子さんの器は
「あ、なんかしっくりくる!」と思ったんです。
さっき八方美人っておっしゃったんですけれど、
そういうことだったのかもしれないですね、
どのお家に行っても、しっくりくる器なんですね。
その時から、
いつかお仕事を一緒にできたらいいなと
思っていたんです。
中里
光栄です。
伊藤
それで、断られてもいいからとお願いしたことが、
今回、こんなふうに実現しました。
よかった。とてもうれしいです。
中里
器がつなげてくれました。うれしいです。
伊藤
ほんとですね。

monohanako
唐津にある中里さんの工房

中里
唐津って焼き物の町で
すごく古いイメージがありますよね。
私も古唐津(こがらつ)が好きですけど、
やっぱり自分の住んでいる生活環境は、
全部が全部そうだというわけじゃないんですけど、
ちょっと違和感がある部分もあるんです。
現代に生きている日本人のみなさんも
ほんとに「ザ・和」みたいな生活空間をお持ちの方って、
少ないと思うんですよね。
だから、自分だけでなく、
いろんな方の生活の空間にスッと
すんなり溶け込むようなものを作りたいなっていうのが、
基本にあるんです。
伊藤
実際使われてる方の様子を
目にすることとかってありますか?
「あ、こういうふうに使ってるんだ」とか。
中里
たまにありますね。
私が親しくしてる東京の方なんですけど、
結構食事に招いてくれたりして。
すごくお料理上手な方で、
その人のお料理にちゃんと溶け込んでるな、
っていうところを見るとうれしいです。
伊藤
その方は、どういう感じのお料理を?
中里
いろいろですね。和もされますし、
イタリアンとか洋っぽいものもあったり、
アジアンチックなものも。
実際にお料理を教えていらっしゃる方なんですけど、
一緒に食べることが好きな人で、
私も胃袋でつながってる感じ(笑)。
伊藤
そうそう、食いしん坊ですよね、ご実家の中里家は。
みなさん、作陶をなさって、料理もなさって。
中里
そうですね、食い意地だけはすごい家です(笑)。
お昼ご飯を食べながら夕食のことを話すような。
伊藤
器って、これだけで置いてももちろんステキだけど、
料理や飲み物が入って完成というか。
中里
そうですね。使ってこそ意味がある。
飾りじゃないですからね。
インテリアの一部としての用途もいいんですけど、
一つの器でもお料理を替えるだけで
その器の見え方が違ったりもするから、
そういうところも楽しめますよね。
伊藤
今回、例えば、チャイを入れました、
あと、カボチャのスープがこれに合いました。
とってもかわいいの。
中里
あっ、よさそうです、うん、うん。
伊藤
料理を盛った姿にもハッとするんですけど、
6種類をシルバーのトレーの上に置いて、
いつもリビングに置いている姿もかわいくて。
あと、洗って拭いた後、
釉薬のかかっていない底の部分を乾かすために、
キッチンにひっくり返しておくんですが、
その、並んでる様子もいいんです。
使うことで、一つの器で
いろんな姿が見れるなって思って。
中里
うれしいです。
たまにインスタで写真をシェアしてもらうんですけど、
こうやって使ってますよ、みたいな、
自分とは違う空間の中で自分のつくった器を
見させていただくと、
「あっ、うちの子が育ってる」じゃないけど(笑)、
そういう気持ちになりますよ。
伊藤
今回も、たのしみですね。
中里
はい。これまで世の中に出てるのは、
白とブルージーンズだったんですが、
それも何回かしか作ったことがないんですね。
今回はコラボ企画ということで、
ちょっと特別感があった方がいいのかなと思って、
大小、3色を作らせてもらいました。
だからどういう反響があるか楽しみでもあるんです。
伊藤
わたしたちのお店にとっても、
作家さんのつくるものを
ネットで販売するというのは冒険だったんです。
先日、作家さんの器を初めて売ったんですけれど、
ひとつひとつ、全然違うじゃないですか。
もちろん手で作ってるものだからなんですが、
届いたものがイメージと全然違うとか、
複数買ったらばらつきがありすぎる、
というご意見があったら、
どうしようとドキドキしてたんですけれど。
それがうれしい、ひとつひとつのゆがみも、
逆に自分だけのものだと感じると
思ってくださるお客様がすごく多かったので、
ホッとしたんです。
中里
やっぱり手作りのよさって、そういうところですよね。
ひとつずつ違うっていうのが。
伊藤
そうなんですよ。
今回も、たとえば釉薬の厚い部分、
逆に薄い部分があったり、
全体がマットな印象なものもあれば、
ツヤのある印象のものも。
逆にそれが完璧に揃うのが量産のプロダクトで、
そういうよさもあるんですけれど、
作家ものは、そんなばらつきが、
むしろ自分だけのものになる、
それが、すごくうれしいんですよ。
中里
私のmonohanakoっていう工房の名前も、
MONOってひとつだけだという、
オンリーっていう意味も引用しているんです。
それと焼き物の「もの」と、物体としての「モノ」。
例えば、「カップ」とか名称がつくと、
やっぱりカップっていう意識しかないんですけど、
モノっていうと、何だっていいんですよ。
ほんとにルールがない器っていう。
そういう意味のモノと、
一つだけのもの、オンリーという意味をこめて。
伊藤
そういう意味だったんですね!
中里
たまにケモノハナコって言われますけど(笑)。
ケはいらない! 
伊藤
(笑)

アメリカから日本をみる。

未分類

伊藤
花子さん、こんにちは! 
お元気そうです。
このたびは、ありがとうございました。
中里
いえ、こちらこそありがとうございました。
おっきい荷物が届いたでしょう? 
伊藤
はい。7個ぐらい大きい段ボールが。
花子さんがとても丁寧に梱包してくださっているって、
チームのみんなが開けながら感動していましたよ。
中里
よかったです。
伊藤
今回のマグ、3色ずつ、大小の6種類、
1カ月半ぐらいかな、
家で使わせていただいてみて、
あらためて驚きました。
和食器なのだけれど、洋の食卓にも合うし、
おやつにも合うし‥‥なんていったらいいのかな、
あらゆるシーンで使えるんですね。
これがポン、とテーブルにあるだけで、
その場が「いい感じ」になるんですよ。
中里
ありがとうございます。
伊藤
「ブルージーンズ」という名前の、
ブルー系の色のものがあるんですが、
わたし、家の食器はほとんど白が基本なんです。
そんななかで、初めての色で、
かなり冒険だなぁと思っていたんですが、
すんなりと木のテーブルに合って。
中里
よかったです。最初にご提案したサンプルと、
同じ釉薬(ゆうやく)なんですけれど、
ロットが変わったせいか、
発色がちょっとだけ違うんですよね。
でも、それがアンニュイな感じに、
グレーっぽい仕上がりになって、
なかなかない色ですし、
私も個人的に好きな色なんです。
みなさん、結構、反応をされますね、
「あっ、見たことない!」みたいに。
伊藤
昔からある古伊万里とかの藍とはまた全然違って。
そもそもこれは
どうやってできあがったものなんですか?
中里
2012年ぐらいから
アメリカでも仕事をしているんですが、
そこが電気窯なんです。
ここ、唐津ではガス窯で焼いていて、
ちょっと専門的な言い方になりますが、
還元と酸化という2種類の焼き方ができるので、
いろんなバリエーションの器が作れるんです。
ところが電気窯は焼き上がりがちょっとサラッとして、
ガス窯に比べると、ちょっと面白くないんです。
もともと私は白や黒のモノトーンのものを
作っていたんですけれど、
なんとなく物足りないな、と思っていて、
電気窯を使うなら、
ちょっとカラフルなものをと思い始めました。
アメリカではメイン州というところに
住んでるんですけど、
そこは自然がすごく豊かなところで、
光がとてもきれいなんです。
きれい、っていうか、
色って光に影響されますけど、
空の色や海や山の景色の移り変わりに、
すごく幅があるというか。
それでカラーを意識し始めて、
グリーンのものですとか、
ブルー系のものを作り始めるようになりました。
唐津とメイン州を
半年ずつ行ったり来たりしているなかで、
日本にいるときにもアメリカの影響が出てきたり、
逆に唐津で作ったものがメイン州で引き継がれたり。
タイムラグはあるんですが、
お互いに影響し合っている、という流れなんです。

monohanako

monohanako

伊藤
アメリカの光でこれを作ってみたい、
この色ができたっていうものを、
日本にもってきたとき、どんな印象でした? 
やっぱりちょっと違うなって思われたのかな。
中里
やっぱり土も違いますし、
それに、日本に帰ってくると、
作るものも若干違ってくるんです。
伊藤
その気分の違いってどういう感じなんですか?
中里
たとえばサイズ感ですね。
日本にいると、小物を作ってみたくなる。
ふだん使う器のサイズも違うんです。
向こうだと大皿とかパスタ皿、
マグもおっきめなものを作るんですけれど、
こっちに帰ってくると、
豆皿とか、そういう小さなものも作ります。
あんまり意識はしてないんですけれど、
「その場じゃないと作れないもの」があるんですね。
伊藤
アメリカと唐津の行ったり来たりが、
いい具合になっている。
中里
そうですね。
伊藤
確かに、使う人も違えばサイズ感が変わりますよね。
光が違うのも、もちろんだし、すごく面白いです。
中里
最初は、アメリカで作ったものを
日本に持って帰ってきていたりも、してたんですよ。
そうすると、サイズ感の違いが明らかに現れる。
もうほんとギョッてするぐらいおっきいんですよ(笑)。
伊藤
でも、花子さんの大きさは変わらないじゃないですか。
中里
そうですね(笑)。
伊藤
やっぱりアメリカに行くと大きな気持ちに?
中里
家のサイズが違うので、それに合わせるんでしょうね。
伊藤
天井の高さとかも?
中里
はい。テーブルの大きさだったり、
スペースの感覚が違うので、
感覚が麻痺しちゃうんでしょうね。
伊藤
面白ーい!
中里
だから、アメリカから帰ってきてすぐ日本で作りだすと、
若干ちょっとサイズが大きかったり(笑)。
それも、徐々に慣らしていくんです。
私は基本、作るときにサイズを測らず、
自分の感覚で作るんですよ。
そのへんは自然な流れに任せています。

monohanako

伊藤
今回「weeksdays」で販売させていただく
この形というのは、以前から作られていたんですよね。
中里
以前から、というよりも、
何回か作ったことある、ということですね。
そんなにロングランではないんですが、
たまに気分で
「あっ、こういう形を作ってみようかな」って。
伊藤
初めてこの形を作られたときの気分って、
どういう気分だったんですか?
中里
うーん、どうだったかな(笑)?!
伊藤
この形がすごくかわいいので、
わたしの想像ですけれど、
これが飲みたいとか、そういう目的意識じゃなく、
形として作ってみたい、と思われたのかなって。
中里
そうですね、特に意識はしていなかったですけれど、
定番でずっと作っているマグに、
「バンブーマグ」っていうタイプがあるんです。
竹のように、ちょっと節があるような。
それはそれでシュッとした感じで好きなんですけど、
もうちょっとずん胴な感じがあってもいいかな、
みたいな。
伊藤
たしかに、すごく安定感があります。
中里
ええ。
‥‥でも、私は、作るとき、
あんまりそんなに深いことは考えていないんですよ。
伊藤
作り始めはそうでも、手を動かして形になるまでに、
いろんなことを考えたりはしますか? 
中里
考える、というよりも、
無意識のうちに影響されることって
あると思うんです。
特に、ビジュアルで入ってくるもの。
環境ですとか。
私は唐津でもアメリカでも田舎に住んでいるので、
自然界の中にある形に影響されてるのかなって思います。
でも、それはあとから気づくことなんです。

中里花子さんのマグカップ、 わたしの使い方。 伊藤まさこ

未分類

一日のはじまりに。
[ブルージーンズ・小]

たっぷりのカフェオレやミルクティーに
ぴったりな大きなサイズは、
スープにもいいんです。
お皿の上に、
スープを入れたカップとパンをおいて、
朝ごはん。
一日のはじまりに、ぴったりではありませんか? 
かぼちゃのスープに合わせたのは、
ブルージーンズ。
この色合わせ、最近とても気に入っています。

「白い器を使うことが多い」という方は、
勇気がいる色かもしれないけれど、
じつはふだんから染つけの器を目にしている
私たち日本人にとって、なじみのある色。
暮らしにすーっと入ってきてくれるので、
ぜひとも使ってみていただきたい!

3色あるので、悩む方も多いと思いますが、
揃いでなくてもいい(ひとつでも)のが
マグカップのいいところ。
持っていなかった色に挑戦してみる機会です。


飲み物だけじゃなく。
[ブルージーンズ・大と小]

大きめマグにはコーヒーをたっぷり。
小さめマグにはお菓子を盛って。
持ち手がついているから、
つい飲みものを‥‥と思うかもしれないけれど、
「こういう形の器」だと思うと、
使い道が広がります。
見た目もほら、新鮮。

コーヒーの時間にと、
えらんだのはブルージーンズ。
「かわいい!」とweeksdaysチームでも
盛り上がったネーミングが気に入っています。

男の人の部屋にも似合いそうな、
マグカップ。
プレゼントにもいかがでしょう?


ならべておく。
[ばらばらに、ぜんぶ]

家で毎日使っていてわかったこと。
それはいつ眺めても、何度見ても、
「いいなぁ」って思う器だということ。

ふだん食器棚に収納せず、
こんな風にシルバーのトレーに並べて、
ダイニングの一角に並べているのですが、
ふとした時にこの様子が目に入ると、
うれしくなる。
気に入った絵を見た時の気分と同じなのです。

色はあえてそろえず、
「今日はこれ使おう」なんて、
その日の気分で変えてもいい。
朝と夜で使うマグを使ったっていい。

マイマグカップにして、
自分の色を決めるのもいいなぁ。

洗って乾かす時に目にするこの光景も好きです。
もともとは
釉薬がかかっていない底の部分を
乾かすためにしていたのですが、
使う前、出番を待っている様子とも、
お茶などを入れた時の様子とも違う。
裏返った、ころんとした様子が
なんともいえずかわいいんです。


一口大のポトフカップに。
[3色・大]

大きなサイズは間口がおよそ9・5センチ。
ポタージュスープだけでなく、
一口大に切ったポトフだっていけます。

ちょっと温かい何かを飲みたい時、
こんな風に盛れば、きっとみんな喜んでくれるはず。
お腹も気持ちもほっとする時間を作ってくれます。

色はぜんぶ変えてみましたが、
それぞれにポトフが似合っている。
スプーンをそえてどうぞ!


朝食に、グラノーラとフルーツを。
[ホワイト・大]

ホワイトのマグに、
グラノーラとヨーグルトといちごを入れました。
やっぱりかわいい、白と赤の組み合わせ。

ブルージーンズには、
バナナとヨーグルトと
メイプルシロップが似合いそう、とか、
ダークブルーには、
ブルーベリーのヨーグルトが似合いそう、とか‥‥
朝ごはんの妄想が広がります。

中里花子さんのマグカップ

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リネンのように。

未分類

とくに予定のない日は、
家のあちらこちらを見回して、
掃除したり、整えたり。

この前の雨の日曜日は、
なぜだか急にアイロンがけがしたくなって、
かごの中に無造作に(といったら聞こえはいいけれど、
じっさいは、ぐちゃっと)入れていた、
テーブルクロスや
ナプキンに片っ端からアイロンをかけ、
きれいにたたんで、
棚にしまいました。

その棚の上から3段目に置いたのが、
ベルギー旅行の記念にと買った、
白からブルー、藍にかけてのナプキン。

しなやかで美しいそのナプキンを、
時々、引っ張り出してきては、
「ここぞ」というテーブルセッティングに
使っているのですが、
眺めていて思ったんです。
あれ? なんだか、
花子さんのマグカップの色合いによく似ているぞ、って。

今週は、
weeksdaysのために、
中里花子さんが作ってくださった、
3つの色のマグカップをご紹介します。

色はホワイトとブルージーンズ、ダークブルーの3色。
このマグに合わせて、
リネンのナプキンも毎日使おうかな。
ここぞという時だけじゃ、
もったいないものね。

再入荷のおしらせ

未分類

完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
2月10日(水)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。

カトラリー

▶︎商品詳細ページへ

「カジュアルに使えて、
お値段控えめ。
かつ使い心地よく、見た目も美しい。
そんなカトラリーって、
あまりないものだなぁ‥‥と思っていたら、
そのすべてを満たしていたのが、
この『LUCKYWOOD』(ラッキーウッド)の
カトラリー。

オールステンレスなので、
食洗機にも入れられるところがうれしい。
忙しい朝、
こんなカトラリーがあると、
とっても助かります。」
(伊藤まさこさん)

今回の追加販売には、
デザートスプーンとはじめてセットのご用意はありません。
これらも追加販売にむけて準備をしていますので、
もうすこしお待ちくださいね。

日々は続く。

未分類

ほっと、と、ぼーっと、は似ている。
間違えやすい。
両方の時もある。
ぼーっとは悪く言われる場合もあるし。

僕はぼーっとは得意。
ほっとは苦手なような気がする。
人によっては逆だったり。
ほっとの長いのがぼーっとなのか? 
わかっているのはほっとは安心することだ。
安心する瞬間ほっとする、
だけど、分かっているからできるとは限らない。
実にできない。自意識過剰かなとも思う。

AM10時30分頃、仕事を試行錯誤しながら、
お昼ご飯はどこの弁当にしようかと想像しはじめる。
今日はタイ料理屋の弁当を食べるぞと強くこころに誓い、
お昼前に家を出る。
しかし、一歩外に出ればこの世の中は魅力と魔力に溢れ、
五感は狂い方向の感覚すらも失ってしまう。
右に曲がればフォーの弁当だし。
あれっ何曜日? 定休日あったっけ? 
もはや曜日すら曖昧だ。
今日は絶対! タイ! 僕は甲州街道を左に曲がった。
自転車のタイヤが道の凹凸を感じ取りサドルを通じて
僕のお尻にツートンドンッツートントン
(今日はタイ料理屋でガパオライスだね)
と話し出した。
よし! 腹は決まった! 
僕は気が変わらないうちにと全力でペダルを漕ぐ。

目的のガパオライスを手に入れて
ようやく家に戻った頃には
時計の針がちょうど12時を指していた。
哲学者のような顔をして
ゆっくりとドアを開け階段を登る。
正直少し足早になってしまう。
そのままテレビの部屋に向かい、
膝丈くらいの折り畳みの机を出してお弁当を広げる。
麦茶は必須。
TVリモコンの赤い電源ボタンを押す。
すぐに4の番号を押す。
『ヒルナンデス』です。
木でできた会津塗の漆のスプーンを持ってくる。
ようやく腰を下ろし、
僕はガパオライスを口の中に放り込んでいく。
喉に詰まる! 麦茶で流す! 
マチャミは一人で旅に出て盛り上げてすごいな! 
今日のガパオめちゃ辛い! この子ジャニーズ? 
喉に詰まる! 麦茶をお代わり! 春日はリモートだね! 
メールの返信やらないとなあ‥‥。
あっという間にガパオもライスも僕の腹におさまった。
いやー満腹満足。

そのままソファーに座り直して、
テレビで旅の行く末を見ている。
あれ! これもしかしてほっとしてるかも。
ほっとする時間かしら。
しかし僕はいつものように大げさに、
いろんな考えが頭の中を駆け巡り
ごちゃごちゃになってしまっている。
結局2、3個の甘い菓子を握って
仕事の部屋に戻る。
で、日々は続く、口は開いている、風が吹いた。

わたしの心から湯気。

未分類

年末、0歳児から5歳児まで、
みんなでついたお餅を丸くして鏡餅を作った。
今日は、そのお餅を開く日。
そう、鏡開きの日。
こどもたちに「このお餅は
割るんじゃなくて開くんだよ」と伝える。
中に年神様がやどっていて、
刃物を使って切るのではなく、
小槌を使って「開く」のだ。

そう、この中にはみんなの未来が詰まっている。
「みんなでこの未来を開こう」と、
園で一番大きな鏡餅は、
年長児のけやき組さんの数人と開くことにした。
乾燥して硬くなった餅を、順番に木槌で打つ。
最初は3回ずつ。
なかなか開かず、
こどもたちの提案で10回ずつにした。
だんだんとお餅にヒビが入り、開いてくる。
あまりの硬さに思わず
「未来、堅えな」と笑う、はるまくん。
みんなで大笑い。
そのうち「もう手を使った方が早いんじゃない?」
ということになって、
はるまくんとりゅうやくんとたくみくんが
手を使って開くことに。
ウヌヌヌヌと力を入れる3人。
すると鏡餅がバラバラに開いた。
「未来が!! 開いた~!」

私の毎日はこの保育園で暮らす160人近くの子どもたち、
家族、保育者たちとの暮らし、
また家に帰れば夫と息子の3人の暮らしで彩られている。
まさに人と関係性を作り続けるのが日常だ。
人と人の中でのままならない日常を、
どう愛していくかが私の心を照らし動かす。

人や物事に対してマイナスなことが起きた時、
「どうしたらいいのかな」と思えずに、
否定をしてしまったり、むかっと来たりする時がある。
でも、そんな時はおおよそ私の心が、
日のたった鏡餅のように乾燥して堅くなっている時だ。
そう思うと、そんな中でやっぱり大切にしたいのは、
自分をどう温めるか。
実際、人と人の中で生きていく中で生まれる感情は、
人に求めるのではなく、自分がどう思うか、
自分が今どんな状況なのかが大きい。
とはいえ、「全て自分に要因がある」と
ベクトルを向けるほど心が強いわけじゃない‥‥。
だからこそ、できる限り温めてあげたい。
自分を、自分の心を、手と足を。
ほわほわ自分から湯気を出したい。

そんな時には、とにかく温める。
心を蒸し器に入れるのだ。
よもぎ・くこ・どくだみ・クマザサなど
野草が混ざったお茶、
夫作のスパイスカレー、足首を温めるレッグウォーマー、
寝る前に布団に入れる湯たんぽ。
寝る前に読む少女漫画、ジェーン・スーさんのラジオ、
眠る前に思い出す、こどもたちの
「未来が!! 開いた~!」の声。
うんうん、私の、私たちの未来は開いていける。
心を開いて、感性を開いて。
堅い心をゆっくりとしなやかに。
ほらほらちょっとずつ心から湯気が出てきた。
蒸気した心には人が集まる。
悩んだり、戸惑ったり、困ったり、
いつも状況の良い私ではないけれど、
自分の心の温度を感じられるようにしていきたい。
堅くないかな、冷たくないかな、
もしもそんな風に感じたら、たっぷり心を蒸してあげよう。
「心から湯気」。
この冬、私の目標になった。

夕方6時のチョコプレッツェル。

未分類

え、うそでしょ? 
ふふっと、笑っちゃうような
食べものの始まりにまつわる説がアメリカにはある。
たとえば、ツナメルトサンドイッチ。
マヨネーズであえたツナサラダを
チーズと一緒に挟んで焼いた温かなサンドイッチが
発明されたのはダイナーの厨房。
たまたまサンドイッチを作っていた手元に、
どさりっ、ツナサラダのボウルが落下。
パンとチーズの上に運命的に着地したのだという。

ロメインレタスを、にんにく、ウスターソース、
アンチョビやパルミジャーノチーズのドレッシングであえた
シーザーサラダは、大賑わいのレストランで生まれた。
キッチンの食材をほとんど使い切ってしまい、
どうしよう、困ったシェフが、
残っていた野菜やソースを組み合わせて提供した
なんていうか、やけくそサラダ。
それが客に大ウケしたらしい。

ピンクレモネードの起源は、どこかのサーカス団。
レモネードの屋台が売り切れてしまい、
近くにあったバケツの水で、急ごしらえしたのだけれど、
バケツの中身は、団員がピンクのタイツを洗ったあとの
色つきの水だった。とかなんとか。
どうか、うそでありますように‥‥。

ドイツからの移民がアメリカへ持ちこんだという
プレッツェルにも逸話がある。
当時、食べられていたのは、
ソフトプレッツェルと呼ばれるパンに近いもの。
生地を編んで作る、ハートみたいな形はそのままに、
サイズは顔の大きさほど。
塩の粒を散らした外側は艶々のきつね色で、
ひと口かじれば、もちもち。密な食感が楽しめるアレだ。
ドイツ移民が多く暮らした東海岸のペンシルべニア州では、
地元ベーカリーの定番商品だったらしい。
ある日、とあるベーカリーで、
オーブン当番をしていた見習いが居眠りをしてしまう。
不注意により、長時間焼かれたプレッツェルは、
ガチガチに焼き締まった失敗作。
ところが、それが奇跡的においしかった。
というわけで誕生したのがハードプレッツェル、
小ぶりなスナックタイプのプレッツェルというわけ。

ニューヨークでは、ソフトとハード、
二種類のプレッツェルが売られ、食べられている。
ソフトタイプをよく見かけるのは、
街中のホットドッグ屋台。
小腹を満たせる、軽食代わりという感じ。
ハードタイプは、庶民のスナック菓子だから、
スーパーやデリ(コンビニ)なんかで手に入る。

ハードプレッツェルをチョコレートがけした
チョコプレッツェルと呼ばれるお菓子もある。
甘くとろけるチョコレートと、
香ばしいプレッツェルの、ぴりっとした塩味が
口のなかで、おいしく混ざりあう甘塩スイーツ。
私が好んで買い求めるのは、老舗のユダヤ食材店
Russ & Daughtersのもの。
プレッツェルは太めで武骨、チョコレートはビター。
甘すぎないからか、食べだすと止まらない。
プレッツェルがほっそり華奢なタイプもあって、
チョコレートショップLi-Lacのものがそれ。
ミルクチョコとダークチョコ、
ふたつの味は甲乙つけがたく、
いつも欲張って、両方買うはめになる。

さて。夕方6時。
進まない原稿を切り上げて、
いそいそとピノ・ノワールの栓を開けグラスに注ぐ。
澄んだ赤紫色をした、そそる赤ワイン、
つまみにかじるのは、チョコプレッツェルだ。
ガリッ、ボリボリ、ごくり。
はぁ、口のなかが、しあわせ。
しあわせすぎて、あれもこれも(飲む食う以外は)
もう、どうでもいいや。
となる前に、そういえば、
チョコプレッツェルという、この素晴らしきお菓子、
どこの誰が、考案したんだろう。
うそみたいなエピソードを期待して探してみたけれど、
残念ながら見つけることはできなかった。

チョコプレッツェル

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ちょうどいい軽やかさ。

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「つまりは、なんでもあり。
それがこの街の食なのだな」

そう言ったのは、
ニューヨークに住む友人。

私も彼女に連れられて、
何度かあちらこちらの店を食べ歩いたけれど、
たしかにこの街は「なんでもあり」なんだ。

ルールやしきたりになんて、
振り回されない。
洗練も野暮ったさもふくめて、
「すべてどんと来い」という懐の深さ。
こんな街、ほかのどこにもないと思う。

タコスにピッツァ、
フライドチキン、
エッグベネディクトにビーガンドーナッツ‥‥。

ありとあらゆるものを食べた中で、
意外や意外、
おいしさに開眼したのが、
チョコプレッツェル。
そう、あのちょっとしょっぱい
プレッツェルのチョコレートがけ、
‥‥なのですが、
これがね、ひとつ、またひとつと
ついついクセになる味なんです。

なんていうか、
いろいろ考えなくっていい単純なおいしさ。
家で食べるおやつって、
これくらいの軽やかさが
ちょうどいいって思う時があるんです。

映画を見ながら。
パソコンに向かいながら。
本を読みながら。
それから、それから‥‥。

コーヒーを入れて、
ちょっとひと休み。
かたわらには、
weeksdaysのチョコプレッツェルを。
冬のひとときにぜひどうぞ。

わたしなら、このスカートに。 その3 ON/OFFどちらも。 ワインコーディネーター 熊谷良子さん

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熊谷良子さんのプロフィール

くまがい・りょうこ
J.S.A.ソムリエ/C.P.A.チーズプロフェッショナル。
Wine Salon d’Ourse主宰。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、
ワインコーディネーターに。
飲食店や食のイベントプロデュースのほか、
ライターとしてワインやチーズに関する情報も
発信している。
http://iewine.jp/user/1454
http://www.winesalondourse.com/


ワインショップで輸入代行業などを手がけているほか、
飲み頃や旬を大切に、ワインとチーズの魅力を伝える
サロンを主宰している熊谷良子さん。
いつもきちんとした、品のある装いがお似合いです。

「仕事場にも娘の学校にも、
黒や紺、白を基調としたシンプルな服装が馴染むので
長年、トラッドなスタイルを好んで着ています。
最近は少し茶系を取り入れたり
ジュエリーで遊んだりするのも楽しくなってきました」

そんな熊谷さんは、
saquiがデビューしたときからのファン。

「ほぼ毎シーズン、なにかしら購入しています。
このスカートと同じ生地のパンツも愛用していて、
あまりに着過ぎて、着潰してしまいました(笑)。
もう1枚買い足そうと思っているんです」

熊谷さんにとってsaquiは
”いちばん頼りにしているブランド”なのだとか。
落ちついた上品なテイストで、
清潔感がありつつ、
時代に添った雰囲気も反映されているデザインに
絶大なる信頼をおいている様子。

「私はおしゃれに敏感なほうではないけど、
流行やモードを無視したいわけじゃない。
saquiの服はその点、自分らしく着られるんです」

また、仕事では飲料メーカーの
おじさまたちと会うことも多く、
きちんとして見える服ということも必須要素。

「そんなときにも着られるし、
プライベートでも活躍してくれるのもsaquiの良さ。
公私で服装をぱっきり分けてしまうと、
洋服の数がたくさん必要になっちゃうから」

なにより、熊谷さんが大切にしているのは清潔感。

「ワインもチーズも、食べ物を扱う仕事には、
清潔感がいちばん大事だと思うんです。
それはカジュアルなシーンでも
フォーマルなシーンでも同じ。
saquiの服はすべて清潔感があるから安心なんです」

例えば、イベントなどでワインやチーズをサーブするなら、
ネイビーのスカートに白いブラウス、
白いソックスと合わせてきりりと。

「このスカートは、トップスが短めの丈のほうが
バランスよく着られる気がします。
このまま上にボレロジャケットを羽織って
小さめのバッグを持てば、お食事にも出かけられますし」

また、春先になったら
ブラックのスカートに、お気に入りのsaquiの
ネイビーストライプのブラウスを合わせて軽やかに。
トップスをウエストにインしても素敵。

どちらのコーディネートも、
ネイビー×ブラックの色合わせです。

「昔はネイビーはネイビー、ブラックはブラックと
単色で合わせるのが好きでした。
でも最近、好きなブランドから
ネイビー×ブラックの服が出ていたりして、
その組み合わせもいいなと思うように。
どちらの服も手持ちにたくさんあるから、
好きに組み合わせてみています」

靴はたいてい、メンズライクな紐靴か
シンプルなバレエシューズを合わせるのが好きだそう。

「このスカートはどちらも合わせやすいですね。
スリットが大きいので、仕事のときも動きやすくて
パンツと同じ感覚で着られそうです」

わたしなら、このスカートに。 その2 自分らしいミックススタイル。 バイヤー 中澤沙織さん

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中澤沙織さんのプロフィール

なかざわ・さおり
外資系コスメブランドで美容部員として働いたのち、
現在はヴィンテージショップverandah aoyamaで
バイヤーとして働く。
趣味は料理とお菓子作り。
164cm。33歳。
インスタグラムは@saori.a.n


南青山のverandah aoyamaという
ヴィンテージショップで
バイヤーとして働く中澤沙織さん。

もともと接客が好きで、
長く美容部員として働いていたのだとか。
その頃の服装は黒が基本で、
タイトなシルエットのものを
コンサバティブに着ていたと言います。

でもずっと古着を着こなすことに憧れていて、
通っていた美容師さんにverandah aoyamaを
紹介してもらって通うようになり、
今では唯一の女性スタッフに。

中澤さんにとって「古着の魅力は?」と聞いてみたところ、
ルールがないところ、と教えてくれました。

「古着はその歴史を調べて学ぶのも楽しいし、
こうしなきゃいけない、というルールがないのがいい。
他人とかぶらないし、個性を反映できる。
自由な発想で好きなように着ればいいと思うんです」

ちなみに中澤さんが着こなしのお手本にしているのは、
インスタグラムや街中にいる素敵な人なのだそう。

「全身を古着にする必要はまったくなくて
取り入れるくらいで、十分楽しめると思います」

saquiのロングスカート、ネイビーの着こなしも、
中澤さんらしいミックススタイル。

「私はカジュアルなものとレディーライクなものを
ミックスするのが好き。
このスカートは女性らしいから、
スポーティーな黄色い
ナンバリングのトップスを合わせました。
その分、足元は女性らしいヒールにして
バランスをとります。
メイクも服装とリンクさせるのが好き」

トップスに色ものを選んだなら、
チークやアイカラーに色を使わず、
リップだけにするというバランスの取り方は、
さすが元美容部員。

「ジュエリーも、
ゴールドとシルバーをミックスさせるのが好きですね。
さらにヴィンテージも、
現代のものもミックスしています」

一方、ブラックのスカートには、
80年代のブルーのプリントスウェットを合わせて、
中に着たレースのブラウスの大きな襟をポイントに。

「これもやっぱり、ちょっとふざけた感じのトップスで
スカートをカジュアルダウンさせました。
その分、レディライクなファーのコートや
白いタイツ、オールドセリーヌのパンプスで
上品にまとめています」

きっと大人になればなるほど、
いつもと同じ格好、自分らしい格好に囚われがち。
だけどもしかしたら、
いつもの服を古着でハズすという着こなしは
新たなファッションの楽しみの
入り口になるかもしれません。

「ここで働くようになって、まずはトライすることを
楽しむようになりました。
これは私に似合わない、私っぽくない、とかは
決して言わず、ひとまず着てみる。
友人からは、昔と系統が変わったね、と言われるけれど、
幅が広がるってすごく楽しいこと。
お客さまにも、普段と違う雰囲気のものを提案してみて、
それが受け入れてもらえるとすごく嬉しいんです」

saquiのスカートがきれいめだからこそ、
ミリタリーものやスポーツのメンズアイテムも
大人っぽく着こなすことができるのです。
ぜひ、挑戦してみて。

わたしなら、このスカートに。 その1 小さな冒険。 建築家 各務麻衣子さん

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各務麻衣子さんのプロフィール

かがみ・まいこ
薬剤師の資格を持つ建築家。
スケルトンからのリノベーションを得意としている。
料理家の姉と仲が良く、
食べ歩きの旅を一緒に楽しんでいる。
夫も料理が得意で、カガミ建築計画のブログでは
楽しそうなランチの様子が垣間見られる。
162cm、45歳。
http://kagami-reform.com


均整のとれたヘルシーなスタイルの各務さん。
どんな服でも着こなせそうですが、意外と保守派。
ブラックを始め、ネイビー、グレー、ベージュといった
ベーシックなカラーでシンプルなデザインの服が
ワードローブのほとんどを占めています。

「冒険してみたい気持ちもあるけれど、
なんだか気恥ずかしくて」

と照れ屋の各務さん。聞いてみると、
ブラックが好きなのにはもう一つ理由がありました。
というのも、今10歳になる娘を出産した頃は、
なるべくブラックを避けていた反動のよう。

「母に、娘の気持ちが明るくなるように、
子育て中は明るい色を着なさい、
とアドバイスされていて。
黒は仕事着という印象もあって、
社会と繋がっていないとダメと思い込んでいたんです」

娘も育ち、かなり明るいキャラクターに育った今、
その呪縛からも解き放たれ、
好きなブラックを思う存分に着られるようになりました。
今回のスカートも好みど真ん中。

「一見、シンプルで普通なのに
着てみるとシルエットもきれいだし、
なにより着心地が最高! 
ファリエロ サルティの上質な生地と聞いて納得です」

スポーティーな服装か、または
クラシカルなテーラードジャケットスタイルが好きという
両極端な好みの各務さん。

「今回、saquiというブランドを初めて知りましたが、
ホームページを見ていたらどれも可愛くて。
いろいろと着てみたくなりました」

このスカートに合わせるならなにがいいかなと
ワードローブを考えるのも楽しそう。

「実はグリーンやイエロー、
ブルー、ピンクも好きなので
こんなシンプルなスカートに
ポイントとして取り入れたら可愛いですよね」

今日はひとまず、大好きなブラックのスカートに
シンプルなスウェットを合わせてみました。

建築家として働いている各務さんは、
普段ジャケットを着る機会も多いよう。

「お客さまと一緒にショールームに
家具などを選びに行くことが多いのですが、
そんなときはダークトーンの色を着るようにしています。
自分が目立ってしまってはいけないから」

そんなTPOに合わせることもできる
saquiのスカートですが、
タイトスカートや大きなスリットが
各務さん的にはちょっとした冒険。

「パンツスタイルが多く、
スカートは夏のワンピースくらいかも」

「スカートがきちんとした印象だから
上がカジュアルでも仕事着になりそう。
スリットが大きくて歩きやすいし」

家で過ごすときに着ていても、
座ったり立ったりという動作ものびのびとできる生地。

「締め付けが苦手なので、
このストレッチ感はうれしい。
アクティブすぎる娘に付き合うのも
この服なら大丈夫です(笑)」

出かけるときは叔母のお下がりだという
イタリア製のフードジャケットと
大好きなCHURCHのショートブーツを。

「このスカートとメンズ靴は相性がいいですね」

ネイビーも着てみたいということで
ワードローブから取り出したのは
ネイビー×ブラックのボーダーニット。

「これにピーコートとスニーカーを合わせたら
いつものパンツスタイルの延長ですね。
気負いなくタイトスカートが着られます」

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