怪録テレコマン! hiromixの次に、 永田ソフトの時代が来るか来ないか?! |
第1回 Sという量販店にて 鼠穴でイトイさんに会い、 「何か手伝えることはありますか」と言ったところ、 半分寝かかっていたイトイさんが 「あるぞ!」と言って飛び起きた。 それであれこれ話していたのだけれど、 僕がインタビューの仕事をしていることもあって、 「とりあえずいろんな人に話を聞いてみるか」 ということになった。 詳細は決まらなかったけれど、 「まずはやるのさ」 と言ってイトイさんはニヤリと笑った。 それで僕はテレコを買いに新宿へ出掛けた。 テレコというのはテープレコーダーのことで、 要するに取材用のウォークマンを買うことにしたのだ。 僕はふだんはゲーム雑誌の編集をやっているので、 仕事用の録音機材を持っているのだけど、 ちょっとばかしそれは機動力に欠けるのだ。 具体的に言うと、 テープが特殊なやつだし、 マイクが外付けのものだし、 電池が2種類必要なのだ。 あと、バッグに詰めるとかなりの重さになる。 会議室でのインタビューを録音するのには最適だけど、 「とりあえずいろんな人に話を聞いてみる」ことには あまり向いてなさそうだ。 イトイさんの言葉を借りると、速度が足りない。 だからまず僕はテレコを買うことにした。 メディアはカセットテープで、 マイクは内蔵されていて、 普通の電池を使う、あんまり高価じゃないやつを。 それで新宿の電気街に行ったわけだけど、 僕にはテレコを買う以外にもうひとつ計画があった。 その売場で1回目の取材を行ってしまおうということだ。 とりあえずSという量販店で物色する。 「お探しですか」と声をかけて回っている店員がいる。 メガネをかけた短髪の若い店員で、 名札を見ると「しらいし」とあった。 誠実そうな物腰。 名前の横には、丁寧に接客しまっせ的なキャッチコピーも。 好都合。歓迎、しらいしさん。 さっそく呼び止めていろいろ質問する。 まずは取材以前にきちんとした購入準備を。 音質をチェックしたい旨を伝えて実際に録音させてもらう。 そのへんのやりとりはこんな感じだ。
そんなこんなで僕は無事テレコを買うことができたわけです。 レジでお金を払うときに、しらいしさんに 「これひょっとしたら掲載しますけどいいですか?」 と聞いてみたところ、「どうぞ」と快諾。 その勢いで、彼にすすめられた3年間の保証システムに 500円払ってあっさり加入してしまいました。 それで帰り道に考えたんだけど、 これって会話のスナップ写真のようなものじゃないかしら。 一眼レフとかじゃなくて、 使い捨てカメラに近い感じの。 ちょっとローテクなメディアを使って 適当な会話を適当にクリップする。 現像する代わりに僕はそれを文字にする。 それが具体的な何かを生まなくても、 並べておけばパラパラ眺めるアルバムができる。 ともあれ、 僕は今日買ったソニーのTCS-60を これから毎日持ち歩こうと決意したのでした。 2000/01/04 新宿 |
2000-01-21-FRI
戻る |