NAGATA
怪録テレコマン!
hiromixの次に、
永田ソフトの時代が来るか来ないか?!

第19回 
江口寿史さんの家に和田ラヂヲさんとおじゃまする 
 〜その3〜


いま「ロックとマンガの融合」をテーマにした
新雑誌を制作しているそうです。
今日はそのへんの話から広がっていきます。


永田 ロックとマンガって、
どう結びつけるのかなと思うんですけど?
江口 要するに、マンガ家ってなんとなく
世界が閉ざされてるじゃない? 
ミュージシャンってインタビューが
活動の一環みたいな感じがあるでしょ。
マンガ家もああいう感じで写真撮ったりして
扱ってあげようというかんじなんですよね。
だからその本を制作してる人は、
「行く行くはマンガ家も、
ミュージシャンみたいに
事務所に所属すればいい」って言ってるんだけど。
マネージメントをしっかりして、
プロモーションをどんどんして。
和田 たしかにその辺は確立されてないよね。
江口 だから作品が出たときに、
ふつう広告費をかけるじゃないですか。
でもマンガって、
いままでそれをやらなくても売れたんで、
しないんですよね。
そういうのをちゃんとやるべきだというのが
制作者の持論なんですよ。
永田 最近ですよね、表紙や広告に作者の名前が
でっかく載るようになってきたのって。
「○○が新連載!」みたいな。
江口 でも顔を出している人は少ないじゃないですか。
本当に閉ざされてますよね。
和田 名前しかわからないもんね。
江口 囲うじゃないですか、出版社って。
よそのインタビューは絶対に受けさせないとか。
そういうのも
崩していこうと思ってるんですが。
和田 そういうのって、
力のある人が先頭に立ってやることだよなあ。
オレなんかが言っても
ぜんぜん説得力ないもん(笑)。
江口 (笑)。800万部も売ってる人の顔とかも、
ぜんぜん出てないですからね。
永田 そうですね。たまに『ジャンプ』の
新年号で羽織袴着てるぐらいで(笑)。
江口 あのぐらいだもんね(笑)。 
和田 あれじゃないよな(笑)。
江口 マンガとかでも、
何もしなくても売れる時代ってもう過ぎてるし。
いまの人って「これがいいよ」って言われないと
買わないじゃないですか。
自分から捜そうとしないというか。
永田 なるほど。
江口 だから売れるのだけは売れるけど、
中間がないというかね。
永田 それで、インタビューとかプロモーションを
きっちりやれる場を、ということですか。
江口 そうですね。
永田 ミュージシャンとマンガ家っていえば、
江口さんのマンガで、マンガ家がライブするやつ
(コンサート会場でマンガ家が
ライブでマンガを描く)
ありましたよね。
江口 あれ、憧れですよね。ミュージシャンはいいですよ。
曲が育っていくじゃん。
ライブでどんどんよくなったりとか。
かなりうらやましいですよね。
和田 メチャクチャ消費社会ですわな、マンガは。
永田 やっぱり同じ表現者としてうらやましい部分が?
江口 うらやましい部分はあるよ。
肉体に直結してる感じが。
だって演奏とか歌って、直接気持ちいいじゃん。
でもマンガって、思いついたときはいいんだけど、
書くときは冷めてたりするし。
描いて気持ちいいっていうのはないから、
その辺のラグが(笑)。
永田 そうかそうか(笑)。


「何もしなくても売れる時代は終わった」。
最近、ほんとによく聞く言葉です。
今回は少々固めの話になってしまいました。
つぎは思いっきりライトに行きますよ。


2000/07西荻窪

2000-09-02-SAT
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