永田 |
ロックとマンガって、
どう結びつけるのかなと思うんですけど? |
江口 |
要するに、マンガ家ってなんとなく
世界が閉ざされてるじゃない?
ミュージシャンってインタビューが
活動の一環みたいな感じがあるでしょ。
マンガ家もああいう感じで写真撮ったりして
扱ってあげようというかんじなんですよね。
だからその本を制作してる人は、
「行く行くはマンガ家も、
ミュージシャンみたいに
事務所に所属すればいい」って言ってるんだけど。
マネージメントをしっかりして、
プロモーションをどんどんして。 |
和田 |
たしかにその辺は確立されてないよね。 |
江口 |
だから作品が出たときに、
ふつう広告費をかけるじゃないですか。
でもマンガって、
いままでそれをやらなくても売れたんで、
しないんですよね。
そういうのをちゃんとやるべきだというのが
制作者の持論なんですよ。 |
永田 |
最近ですよね、表紙や広告に作者の名前が
でっかく載るようになってきたのって。
「○○が新連載!」みたいな。 |
江口 |
でも顔を出している人は少ないじゃないですか。
本当に閉ざされてますよね。 |
和田 |
名前しかわからないもんね。 |
江口 |
囲うじゃないですか、出版社って。
よそのインタビューは絶対に受けさせないとか。
そういうのも
崩していこうと思ってるんですが。 |
和田 |
そういうのって、
力のある人が先頭に立ってやることだよなあ。
オレなんかが言っても
ぜんぜん説得力ないもん(笑)。 |
江口 |
(笑)。800万部も売ってる人の顔とかも、
ぜんぜん出てないですからね。 |
永田 |
そうですね。たまに『ジャンプ』の
新年号で羽織袴着てるぐらいで(笑)。 |
江口 |
あのぐらいだもんね(笑)。 |
和田 |
あれじゃないよな(笑)。 |
江口 |
マンガとかでも、
何もしなくても売れる時代ってもう過ぎてるし。
いまの人って「これがいいよ」って言われないと
買わないじゃないですか。
自分から捜そうとしないというか。 |
永田 |
なるほど。 |
江口 |
だから売れるのだけは売れるけど、
中間がないというかね。 |
永田 |
それで、インタビューとかプロモーションを
きっちりやれる場を、ということですか。 |
江口 |
そうですね。 |
永田 |
ミュージシャンとマンガ家っていえば、
江口さんのマンガで、マンガ家がライブするやつ
(コンサート会場でマンガ家が
ライブでマンガを描く)
ありましたよね。 |
江口 |
あれ、憧れですよね。ミュージシャンはいいですよ。
曲が育っていくじゃん。
ライブでどんどんよくなったりとか。
かなりうらやましいですよね。 |
和田 |
メチャクチャ消費社会ですわな、マンガは。 |
永田 |
やっぱり同じ表現者としてうらやましい部分が? |
江口 |
うらやましい部分はあるよ。
肉体に直結してる感じが。
だって演奏とか歌って、直接気持ちいいじゃん。
でもマンガって、思いついたときはいいんだけど、
書くときは冷めてたりするし。
描いて気持ちいいっていうのはないから、
その辺のラグが(笑)。 |
永田 |
そうかそうか(笑)。
|