永田 |
ええと、
もっとも古い悪行から行ってみようか。
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長田 |
なんだろう、いろいろあるからなあ。
まず小学校行く前に、
発煙筒で遊んでたら
ダンプが燃えちゃったり。
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永田 |
ダンプが!
それ、兄貴は怒られないの?
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長田 |
いやあ、怒られてるの見たことない。
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永田 |
そこがすごいな。
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長田 |
子どもとかさ、わけわかんないじゃん。
親とかに
「なんでそうなったんだ!」って
言われても
「わかんない!」ってなっちゃうからさ、
ある意味完全犯罪なわけよ。
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永田 |
なるほどなるほど(笑)。
ある意味、すげえ頭いいわけだよね。
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長田 |
頭よかったんじゃないの。
わかんないけど。
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永田 |
じゃあ兄貴の悪行を知ってんのは
おまえだけだ?
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長田 |
俺だけ。
いまにしてみると全部覚えてんだけど、
なんで当時言いつけなかったかは
わかんない。
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永田 |
怖いからだろ。
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長田 |
だよなあ(笑)。
エアガンとか手に入れると、
威力の実験は必ずオレだからね。
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永田 |
がははははは。
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長田 |
いきなりバンとか撃ってきて、
「痛い痛い痛い!」って。
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永田 |
(笑)
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長田 |
かっけの実験とかもオレでさあ。
膝、ゴーン!
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一同 |
(爆笑)
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長田 |
上がんねえっつーの! 痛くて!
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永田 |
ひ〜。
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長田 |
しかもカナヅチだから。木じゃないから。
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永田 |
・・・いや、やっぱスゴイわ。
兄弟喧嘩とかすごかったでしょ?
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長田 |
よくしたよお。
いっつも、オレが泣き寝入りなのね。
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永田 |
わははははは。
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長田 |
で、覚えてんのは
中学校2年生の修学旅行の
前の日だったんだけど。
兄貴と喧嘩して、
最初は抵抗してたんだけど、
やっぱ勝てないのよ。
身長オレより高いし、ガタイいいし、
腕っ節強いし。
そんでボコボコにされて、
フテ寝してたのよ。
昼間っから布団潜り込んで
半ベソかいてさ。
そしたら兄貴が・・・
殴り足りなかったらしくてさ。
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永田 |
は? 殴り足りなかった!?
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長田 |
寝てるオレのところに
「てめえええっ!」ってやってきて、
オレの顔を足でボーン、踏みつけてさ。
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永田 |
ちょ、ちょっと、
もう喧嘩は終わってるんでしょ?
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長田 |
もう終わってるんだよ!
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一同 |
(爆笑)
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長田 |
かかとが口にドーン!
血ぃ、ダラー!
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永田 |
おいおいおい!
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長田 |
前歯がキレイに2本折れてさ。
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永田 |
あららららら。
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長田 |
だから修学旅行の写真、
全部オレ歯がないの。
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一同 |
(笑)
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永田 |
そんな話に、オチつけてんなよ。
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長田 |
なあ(笑)。
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永田 |
それもう兄弟喧嘩って言わないぞ。
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長田 |
あと兄弟喧嘩といえばね・・・。
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永田 |
まだあんのか(笑)。
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長田 |
まだまだあるよ。
兄貴はオレの隣の部屋だったんだけど、
また喧嘩のあとに
オレが泣き寝入りしててさ。
そのときは、オレのほうがキレたのよ。
兄貴は部屋でガンガン音楽かけててさ、
もうくやしくて我慢できなくて、
アッタマきたから
兄貴の部屋のほうの壁に向かって
走って行って、
ドロップキックしたのよ。
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永田 |
壁にか(笑)。
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長田 |
うん(笑)。
そんで「うおおおおっ」って叫んで走って、
ドーン! 壁にドロップキック!
そしたら、壁が薄くてさ。
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永田 |
がはははははは。
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長田 |
ベニヤ板みたいな感じでさ。
ベリベリベリ〜って。
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永田 |
ダメっぽい(笑)。
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長田 |
でも、壁と壁のあいだに隙間、
あるじゃん?
だから兄貴の部屋の壁までは
届いてないわけよ。
だからオレの部屋の壁だけブチ抜いて、
ベニヤだから、足が抜けないわけよ。
片足だけ壁に入って、
こんななってるわけよ。
しかもオレ、結構、高く跳んだから。
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永田 |
バカだなあ(笑)。
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長田 |
そしたら兄貴が、
「てめえええっ!」
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永田 |
うわあああ!
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長田 |
「てめえっ、
なに壁に穴あけてんだよっ!」
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永田 |
そういうときはモラリストだな(笑)。
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長田 |
助けてくれるのかと思ったら、
動けないことをいいことに
ボッコボコ(笑)。
オレは足ぶら〜んのままで。
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一同 |
(爆笑)
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永田 |
ちっちゃいときから、
おまえ、やられ役?
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長田 |
やられっぱなしだよ。
細かい話だけど、
野球とかやってると
川にボール落ちるじゃん。
で、「おまえ取って来い」って
ことになんのよ、いつも。
でも、ボールは川に浮いてるから
届かないわけよ。
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永田 |
うんうん。
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長田 |
そしたら兄貴が、
「このヒモにつかまって、
乗り出して取れ」っつーのよ。
「ヒモ持っててやるから」って。
そんでオレ、ヒモにつかまって、
もうちょっとで
ボールに届くっていうところで
イヤ〜な予感して、
兄貴のほうパッて見たら、
ニッタ〜って笑ってんのよ。
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永田 |
あちゃあ(笑)。
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長田 |
案の定、ドッボーン。
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一同 |
(笑)
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長田 |
「や・ら・れ・た・あ〜」。
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永田 |
そのくらいならもう、納得だな。
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長田 |
うん。オレがバカだった。
そうだ。
あとオレ、交通事故に遭ってさ。
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永田 |
うん。
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長田 |
兄貴のチャリンコ、
ロードマン借りて乗ってたら、
交差点のとこで、
ちゃんと青信号渡ってたんだけど、
こう来たクルマにガーンって当たって、
けっこう引きずられたのよ。
で、運転手が女の人でさ、
「大丈夫ですか!」って出てきたんだけど、
オレは結構ぴんぴんしてたのよ。
でも兄貴の自転車メチャメチャでさ。
「やっべえ〜!」
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永田 |
兄貴のロードマンが(笑)!
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長田 |
で、オレも相手も気が動転してて、
相手が「あとで連絡しますから」
って言うから
家の電話番号とか教えて、
しょうがないから
自転車かついで家帰ったのよ。
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永田 |
ケガは?
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長田 |
歩けたけど、足とか、
すっげえ痛いのよ。
でも自転車かついで帰って、
オヤジがいたから
「交通事故遭った」って言ったら、
「加害者はどうしたっ!」って
すげえ怒られてさ。
「ホントに連絡してくんのか!」って
怒鳴られて。
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永田 |
おまえが(笑)。
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長田 |
オレが!
そしたら兄貴が帰ってきて、
「てめええっ、オレの自転車!」
ってまた殴られて。
オレの心配は誰もしないの。
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永田 |
ケガしてんでしょ?
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長田 |
すっげえ足痛えなあと思って見たら、
足にバンパーの跡とかついてんのよ。
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一同 |
(爆笑)
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長田 |
「でもまあいいや、
兄貴の殴りのほうが痛いし」って。
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永田 |
よくないよくない(笑)。
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長田 |
で、すぐ電話きてさ、
オヤジとか超怒ってんのよ。
「いますぐ来ぉーい!」とか
怒鳴ってて。
オレそれ見て
「うわ、オヤジ超怒ってる。
すっげえ怖え。
あの人かわいそうだなあ、
オレじゃなくてよかったあ」って。
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永田 |
おまえ立派に
ハネられてんじゃねえか(笑)。
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長田 |
いいんだよそれくらい。
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一同 |
(爆笑)
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長田 |
そんでけっきょく警察には届けなくて
話し合いで済んでさ。
「自転車も弁償します」
みたいなことになってさ。
兄貴も自転車壊されて
相手にすっげえ怒ってたから、
どんな自転車買うのかなと思ってたら、
その金でラジカセ買ってた。
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永田 |
(爆笑)
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長田 |
当たり屋かよ、オレは。
しかもそのロードマンなんか
乗ってねえわけよ、
オレに貸してるくらいだから。
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一同 |
(爆笑)
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長田 |
ちっちゃいころ
ゲイラカイト流行ってたじゃん。
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永田 |
はいはいはい。
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長田 |
砂浜でゲイラカイト上げてたらさ、
すっごい風で、飛んでっちゃったのよ。
で、兄貴が追っかけてったんだけど、
転んでぐっちゃぐちゃに
なっちゃったのよ。
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永田 |
兄貴が。
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長田 |
兄貴が。そしたらさ、
ゲイラカイトなくしたうえに
服がぐっちゃぐちゃだったらさ、
怒られるじゃん。
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永田 |
ああ、そうだね。
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長田 |
そしたら、兄貴が、
「おまえもぐちゃぐちゃになれ」
つってさ。
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永田 |
わはははは、意味わかんねえ。
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長田 |
オレ、すっごいちっちゃいのに
海に放り込まれてさ。
もう、ちっちゃいから波とかにさらわれて
上がってこれないのよ。
そんで「助けて〜」って泣いてたら、
兄貴それ見てゲラゲラ笑ってんの。
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永田 |
また笑ってんのか。
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長田 |
いっつもそういうとき笑顔だから兄貴は。
「またその笑顔かおまえは」っていう。
それでオレ海嫌いなんだよ。
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永田 |
あ!
そういやお前、泳がないよな。
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長田 |
トラウマだから。キレ〜イなトラウマ。
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永田 |
トラウマにキレイも何もあるか(笑)。
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長田 |
なあ(笑)。
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永田 |
いやでも、わかるよ。
いままでの話、
全部おまえに影響してるもん(笑)。
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長田 |
わかるでしょ?
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永田 |
わかるわかる。
ていうかおまえ、
よく真っ直ぐ育ったなあ。
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長田 |
打たれ強いんだよね。
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永田 |
打たれ強いよな!
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一同 |
(納得)
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永田 |
兄貴はいまはまともなの?
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長田 |
まともまとも。
結婚もして子どももいて、
いいお父さんですよ。
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永田 |
へえええ。
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長田 |
いまは建築関係の仕事やってますよ。
モノぶっ壊してたやつが、
いまはモノ造る仕事してますよ。
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永田 |
オチまでつけてんなよ。
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一同 |
(笑)
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