NAGATA
怪録テレコマン!
hiromixの次に、
永田ソフトの時代が来るか来ないか?!

第57回 仮装大賞へのエントリーを本気で考える
〜分析編〜


いろいろあって、ある日突然、
仮装大賞へエントリーするための企画について
話し合うことになった大人が3人。
あまりにも自由で、取っかかりのない命題を抱え、
呆然とするまま時間は過ぎる。
とにもかくにも、まずは糸口を捜さなくては。
踊る会議はどこへ流れていくのか。


針生 ともあれどこから始めます?
永田 ええとね、とりあえず決めときたいのは、
季節ネタを狙うのかどうか。
針生 ん? どういうこと?
永田 放映時期の季節ネタっていっつも何個か入るのよ。
お正月だと『かどまつ』とかさ。
もしそれを狙うなら、話が絞りやすくなる。
天野 季節ネタって、たいてい1番最初になりますよね。
だから今回、3月の放送だとすると、
「さあ行きましょう、1ばん『卒業式』!」とか。
針生 ははあ、なるほど。
天野 そんで、最初はなんとなくの勢いで合格しがち。
永田 それでいいじゃん!
針生 それじゃダメじゃん!
永田 ……あら?
針生 ちょっと待ってよ、目標はなんなのさ?
永田・
天野
優勝!
針生 じゃあ、1番に季節ネタで出たらダメでしょ。
永田 あ、そうか。
そういや、過去に季節ネタが優勝したことは……。
天野 なかったような気がしますね。
(注:後日調べたところ1987年放送の第20回で
その年の干支をテーマにした『うさぎ』が優勝)
針生 だとしたら、季節ネタは外すべきでしょう。
だいたい、ただ出たいわけじゃないんだから
……あれ? 俺がいちばん積極的に話してる?
天野 (笑)
永田 じゃあ季節ネタは除外する方向で。
あと、基本的な方向というか、系統を決めとく?
針生 系統?
永田 うん。やっぱ分析していくと系統があるじゃん。
たとえば第1回の優勝作品
『蒸気機関車』に代表される、
そのままの姿を表現するようなものから
パッと変化するからくりモノ、
インパクト勝負の一発モノ、
新体操みたいなフォーメーションモノ。
針生 はいはいはい、なるほど。
天野 とりあえず、いまの時代、
『蒸気機関車』みたいな直球で
上位は難しいんじゃないかなあ。
永田 やるなら完成度を恐ろしく上げないとね。
『カブト対クワガタ』くらいに。
天野 そうか、そうですね。あれがあった。
針生 ……やばい、『カブト対クワガタ』、覚えてる。
天野 やっぱ、見てんじゃん(笑)。
針生 あれ、すごかったね。『カブト対クワガタ』。
永田・
天野
すごかったすごかった。
針生 覚えてるもんだなあ。
天野 『アジのひらき』とか覚えてるでしょ?
針生 覚えてる覚えてる。大爆笑した。
永田 あと何覚えてる?。
針生 ええと、『バスケットボール』ってあったよね?
天野 あ、影のやつ?
針生 じゃなくて──。
永田 頭がボールになってるやつ?
針生 そうそう。あれ好きだった。
天野 あ、そっちか。
永田 影のやつは優勝したじゃなかったっけ?
天野 優勝でした。
(注:第67回優勝『バスケットボールの影』)
永田 あれは見事だった。大好き。
針生 どんなの?
永田 シュートするところの、
地面に映った影を表現したやつ。
針生 ああ、あったあった!
天野 見てんじゃん(笑)!
針生 あれすごかったねえ。
天野 あれってそのまえの回で優勝した
学校の廊下の鏡のやつの影響があるのかなあ。
(注:第66回優勝『学校の鏡』)
永田 いや、あれとは系統が違うでしょ。
鏡モノ自体は昔からあるわけだし。
天野 ああ、そうかそうか。
永田 鏡モノの集大成が、あの学校の廊下のやつでしょ。
天野 そうですねえ。あれはよかった。
永田 あれで俺、クラス全員参加モノを見直したもん。
針生 ……あれ、よかったねえ。
永田・
天野
見てる(笑)!
天野 そう考えると、最近の優勝作品に共通するのって
チームプレイなんですよね。
永田 っていっても、人数任せでやるんじゃなくて。
天野 うん。フォーメーションの完成度。アンサンブル。
永田 だね。アイデア+アンサンブル。
針生 じゃあ、一発モノはダメってこと?
永田 いや、ダメじゃないよ。あくまで傾向の話。
個人的にも笑える一発モノは大好きだし。
針生 いま『アジのひらき』が出たらどうなんだろ。
永田 あれはいま見てもおもしろいと思うけどな。
まあ、いざとなったら、天野が小物を使って
一発芸を10個くらいやればいいんだけどさ。
天野 勘弁してくださいよ。
永田 「ジャカジャカジャン!」とか合間に言いながら。
針生 黒と白のタイツかなんかで。
永田 そうそうそう(笑)。しかもひとり。
天野 勘弁してくださいよ。
永田 俺、大好きだけどな、ああいうの(笑)。
天野 俺だって好きですけど、自分じゃできないスよ。
永田 あと、系統でいうと、なんかの瞬間を
うまくとらえたものがいいと思うんだ。
たとえばその、ビールの泡が出る瞬間、とか。
針生 あ、シャンプーでやったやつだ。
(注:第11回優勝『ビールのあわ』)
天野 見てんじゃん(笑)。
針生 ……見てるなあ。
天野 ストップウォッチのやつとかもそうですね。
(注:第61回優勝『200M決勝』)
永田 最後にゴールするやつね。あれもよかった。
あのへんが最近の入賞作の主流じゃないかな。
なんか、大学生くらいの集まりで、
アイデアも時間も体力もある人たちが
きちんとアンサンブルを練習してるっていう。
天野 そうですね。そのへんの傾向を踏まえつつ──。
永田 よし! いよいよ、企画を出し合おう。
天野 …………。
針生 …………。
永田 …………。
天野 …………。
針生 …………。
永田 なんで具体案に入ると
ぱったり黙っちゃうんだよ!
一同 (失笑)

────次回、踊る会議は具体案編へと続く。



2003/02/21 若林
※過去作品のデータに関しては、
 公式ページの資料を参考にしましたが、
 筆者の記憶に間違いがある場合もあるかと思います。
 ご了承ください。

2003-03-07-FRI

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