NAGATA
怪録テレコマン!
hiromixの次に、
永田ソフトの時代が来るか来ないか?!

第64回 パイロットの日常 〜その2〜

知り合いを通じてお会いした
現役のパイロットさんにお話をうかがっています。
本人にとってはあくまでも日常の話なので
どの話も当たり前のようにサラッと語られるのですが、
いや、聞き流せない話が続きます。

永田 あの、飛行機の操縦というのは、
夜も昼も、難度としては変わらないんですか?
木下 やっぱり昼の方が楽です。
当たり前ですけど、
昼のほうがよく見えますからね。
永田 ああ、そうですね。バカな質問ですいません。
でも、バカな質問が続くと思いますが(笑)。
木下 はい(笑)。
永田 ええと、操縦というのは、
どの程度、目で見てやってるんですか?
木下 目測は重要ですよ。
というか、完全に計器だけでやるってことは
ほとんどないですからねえ。
永田 あ、そうなんですね。
木下 たとえば着陸にしても、
まあ、自動で着陸することもできますけど、
あんまりやらないですし。
永田 あ、じゃあやっぱり、その‥‥人力で?
木下 はい、人力で(笑)。
機能的には機械だけでも
問題なく着陸できるんですよ。
信頼性が高いし、ばらつきがないから、
ほんとうは機械のほうが
うまいのかもしれない。
永田 じゃあ、なんで人力でやるんですか?
木下 おもしろくないでしょ(笑)。
永田 うわあ(笑)!
木下 おもしろいのって着陸くらいですからね。
永田 「着陸くらい」って(笑)。
木下 離陸は機械じゃできないから
当然、人力でやるんですけど、
まあ、あれは、操縦桿を引っ張るだけですからね。
永田 ひ、引っ張るだけ(笑)!
木下 だから、離陸はあまりおもしろくないんです。
永田 着陸はおもしろいんだ。
木下 着陸はおもしろいですねえ。
永田 不謹慎かもしれませんが、
それはやっぱりスポーツ的な意味で?
木下 うん。そのときどきによって
状況がいろいろと変わってきますからね。
永田 やりがいが。
木下 ありますね。
うまくいくときもあるし、
うまくいかないときもあるから。
永田 「うまくいかないとき」!
木下 うまくいかないっていうとあれですけど、
乗っててドーンって降りるときもあるでしょ?
永田 ああ、ありますねえ。
木下 かと思うと、スッと着くときもあるし。
それはべつにそのパイロットが
下手とかそういうんじゃなくて、
たまたま条件が悪かったりするんですが。
だから、うまい人がドーンってなるときもあるし、
下手な人がうまく着くときもある。
だから、おもしろいんですよね。
永田 ははあ。じゃあほんとに、
もちろん、安全性とかそういった話とは
まったくべつの次元の話として、
スポーツとしての喜びがあるんですねえ。
木下 そうですね。
永田 あの、逆に言うと、
飛んでるときはおもしろくはないんですか?
木下 飛んでるときは機械が全部やってますからねえ。
永田 じゃあ操縦のおもしろみは‥‥。
木下 操縦のおもしろみは、ない!
まっすぐ飛んでるだけだから。
永田 あははははは!
木下 まあ、車で高速道路を走ってるのと
あんまり変わらないんで。
永田 でも、やることはあるんですよね?
木下 まあ、やることはありますけどねえ。
永田 微調整とかしつつ?
木下 微調整はあるけどねえ。
永田 ‥‥ほんとにつまらなそうですね。
木下 まっすぐ飛ぶだけですからねえ。
永田 でも、ほら、乱気流に近づいたときとか。
木下 ‥‥おもしろみとしては、あんまり。
永田 うははははははは。
木下 そんなのおもしろくないですよ。
永田 ひ〜(笑)。
木下 まっすぐ飛ぶ時間が短けりゃ
まだいいんですけどねえ。
永田 何時間もありますよね。
木下 うん。長いと疲れちゃうから。
永田 疲れちゃうんだ、やっぱり(笑)!
木下 そりゃそうですよ。
あの、こんな話でいいんですか?
永田 じ、十分おもしろいんですけど。

(まだまだ続きます!)

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2004-01-29-THU

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