はい、どうもみなさん、こんにちは。
本日は、私、ネコジャラシが‥‥ちょ、ちょっと、
あ、ごめんなさい‥‥シッ、シッ、シッ!
はい、すいません、気をとりなおしまして、
私、ネコジャラシが、本日の嘆きを‥‥あああ、もう、
だから! ミケちゃん! あっち行ってて!
ええと、すいません、手短に、
勝手ながら、手短に、嘆かせていただきます。
あの、私の名前ね、この道具みたいな名前、
しかも、用途をたいへん限定された‥‥わ、ごめん、
ちょっと、いま、話してるから! 話してるから!
こんな名前をつけられたばっかりに、私は、
野原でのんびりと陽を浴びることも許されず、
ひとたび、風に吹かれて揺れようものなら‥‥
あああああ、もう! やめて! まとわりつかないで!
ミケちゃん! ジェニファーも! じゃれつかないで!
いま、話してるんだから! 嘆いてるんだから!
なにを、って、この状態をですよ! わかるでしょ!
ま、たしかにね、そう呼びたくなるのも、わかります。
たしかに、私、猫まっしぐらな形状かもしれません。
棒の先に、ふわふわしたものがついてるわけですから、
それが、鼻先で、こう、ゆらゆらしようものなら‥‥
ち、違うって! いまのは説明のために揺らしたの!
デモ! デモンストレーションのために!
ああ、ゴローはダメだ、ゴローはひどいことするから!
おさえてて、おさえてて、ゴローをおさえてて!
‥‥えっと、だから、どこまで話しましたっけ、
そう、この形状が、ジェニファーー! かまないで!
ペルシャ猫はもっと優雅になさい!
ほら、ミケちゃんが呼んでるよ? 行ってみたら?
ゴローは来ちゃダメ! お前は誰だ、シロか!
うわぁ、サバトラ三兄弟まで! ひい!
じゃれないで、みんな、じゃれないで!
たしかに、私はネコジャラシだけど、こらーー!
‥‥‥‥ん? あ。急に飽きた。急にみんな飽きた。
ま、たすかったけど。なんか、ちょっと、あれだね。
そこまで急に心変わりしなくても。という気も。
ほらほらほらほら〜、ジェニファー?
おまえ一匹くらいなら、じゃれてもいいかもよ?
ほらほらほら〜、ってゴローは来ちゃダメーー!
(つぎなる嘆きへつづく)
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