こんにちは、五十肩です。
ええ、そうです、
今回は「疾患」である私が嘆かせていただきます。
さっそくいきますけどね、
「五十肩」って！
簡単すぎるでしょう、そのネーミング。
50歳くらいでなる人が多いから、五十肩‥‥。
なんですか、それ！？
たしかに、そのくらいの年齢に多いのは事実です。
でもね、「名前」というものの中には、
もっと大切な特徴を入れるべきでしょう？
‥‥そもそも、
面白くしようとしてますよね、この名前で。
いや、ぜったいにそうだ。
滑稽というか、ペーソスというか、
そういうものを匂わせようとしている、明らかに。
「キミ、五十肩なの？　はははは」
みたいに笑う人間の、多いこと多いこと！
それどころか、あろうことか、
「オレ、五十肩になっちゃったよぉ」などと、
自分で笑いながら言う人間までいる始末。
ああーーーー、嘆かわしいっ！　屈辱っ！！
いいですか、よーーく聞いてくださいよ。
私のいちばん重要な特徴は、
「50歳くらいでなる」じゃあないんです。
最も大事な私の特徴、それは‥‥
痛いの。
私、かなり痛いの、激痛なの。
シャツが着れない、脱げない。
背中がかけない。
お風呂で頭を洗えない。
電車のつり革につかまれない。
ブラのホックがとめられない。
そんな期間が
３カ月から長い場合で２年も続く‥‥。
笑ってる場合じゃないんです。
だから、ね？　新しい名前に変えましょうよ。
「地獄肩」っていうのは、どうです？
怖すぎ？
じゃあ「肩固め」は？
え？　プロレスのワザみたいだ？
じゃあ、じゃあ、ええとね‥‥。
あれ‥‥‥‥
なんだか、ほとんどのみなさんが、
ぜんぜん興味なさそうですが‥‥。
そうか‥‥ピンとこない‥‥のですね‥‥‥‥。
みなさん、まだお若いから‥‥‥‥。
わかりました。
いいです、もう、五十肩で。
──最後に、
私の、この嘆きを代筆した人間（五十肩）が、
どうしてもひとこと言いたいそうです。
どうぞ、言ってください。

「な、なんかすみません、お邪魔します。
　言います‥‥
　あなたもいつか、五十肩かもしれない！」

（つぎなる嘆きへつづく）