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第14回 境界の魅力

  糸井 青山には、髪ゆいさんたちが、
どんどん押し寄せたでしょう?
  タモリ 押し寄せましたね。
無免許の人たちもふくめて。
  中沢 (笑)
  糸井 髪をきる、服をきる、
ということで町ができてくる。
それも大きく考えれば、
1万3千年の歴史を
ひきずっているんですね。
  タモリ それから
あの銀座の
高速道路を隔てたあたりから
新橋ががらっと変わるという。

あれはあの金春芸者というのが
気取りすぎたわけですね。

で、名古屋のほうから
それじゃいけないっていうんで
おきゃせ芸者っていうんですか、
それで、人気を博したんですね。
それであそこはおもしろいんですけども。

あそこを歩くと、
銀座の道路を境にして、
ドトールコーヒーが、
名前を変えるんですね。

銀座側は
「カフェ・ドゥ・ドトール」
って書いてあるんです。

新橋の高速道路のところに
またドトールあるんですけども、
あれはそのまま
「ドトール」って書いてあるんです。

俺は、
あの高速道路が好きで、
いつも
あっちへ行ったり
こっちへ行ったりするんですよ。

世界がかわるんです。

高速道路の下の店っていうのも、
これまた不思議な世界があるんですけど。
  中沢 ああいう
境界上のところの店って
おもしろいですよ。

日本全体で言ったら、
名古屋がそういう境界かな。

そうすると
そこにある食べ物は、
おもしろいもの出すだろうな、
と思いますよね?

で、やっぱりそうなんですよ。
名古屋のものは、
おいしいし、おもしろいし、
ある特別な魅力がありますね。
  タモリ 今、名古屋ブームですからね。
「名古屋食」と
言われているらしいんですよね。
  糸井 境界って、
向こうのものとこっちのものを
取り入れられる食ですよね。
みそカツとか。
  中沢 境界はまた
ガード下でもある。

秋葉原店も
もともとは、
ガード下のものですよね。
  糸井 ははぁ。
まったくそうです。
  中沢 神田からガード下に
ラジオ部品が並んだし。

(明日に、つづきます)
   
2006-01-02-MON