タモリ |
ヨーロッパの考え方が
いいように思えているのは、
資本主義の成功とそれとともに
キリスト教も成功したし、
その上に成りたつのが、進化論でしょう。
必ず前進するんだという。
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中沢
| それと、
その欧米の理論を支えているのは、
軍備と国家のパワーでしょう。
ヨーロッパの論理の
押しつけの強さというのは
それを支える軍事力があってのことです。
資本主義が拡大していったことも、
すごい根底のところでそれが支えている。
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糸井
| そうとう長いこと、十字軍が
がんばってるってことですね。
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中沢
| ヨーロッパ人って戦争がうまいんです。
『アレキサンダー』なんて映画を
ごらんになった方もいらっしゃると思いますが、
アレキサンダー大王と
ペルシャの大王の戦争というのは
重大な戦争なんですけど、
映画なんかみてても、
ペルシャの大王はすごくきれいに
軍隊調えて、戦争のやり方が、
なんていうのか、芸術的なんですね。
ところがアレキサンダーのほうは、
力まかせなところがあるんですね。
一点突破していくやり方が
とても上手なんです。
そういうことを考えてみると昔から
アジア人とヨーロッパ人の間には、
何かこう戦争のやり方とか、
パワーの組織のやり方に差がありまして。
ヨーロッパ人は、
力の組織化がうまいんじゃないですか。
それを背景にして奪ってゆくわけですが、
その考え方をもとにすれば、
縄文時代なんて、
ほんとうにあーだうーだ言ってる時代に
なってしまいますよね。
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糸井
| 昔が下だったと思わないと
進化が見えないですもんね。
だから下を作ったんでしょうね。
ぼくらは、そのエジプトが
最古の文明みたいなイメージで
ピラミッドを基準にして
考えてるような気がするんですよ。
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タモリ
| あれ以前は動物だと。
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糸井
| あれが4、5千年前ですよね。
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タモリ
| そうじゃなくて、
あのへんまで
落ちていったのかもしれないですよね。
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中沢
| そのとおりです。
エジプトの文明だって、
その前のシュメール文明でも、
いきなりあそこに出たわけじゃない。
もともとあれは、農業が発達しないと
国家ってできませんから、
農業革命というのが、
どこかでおこったはずなんですよね。
それがどこか?
今は、
チグリス・ユーフラテスのほとり、
というふうに言ってるけど、
あそこでは無理ですよ。
生物進化ってことから考えても。
熱帯地方じゃないと
多様な栽培植物を栽培に適した形に
作りかえてくことはできないのです。
あの農業の最初の出発点は、
東南アジアですね。
そう考えたほうがいいでしょう。
そうすると
東南アジアから西のほうへいく文明が
逆流していった考えだって
あるかもしれないですよね。
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糸井
| おもしろいですね。
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中沢
| うん。
(明日に、つづきます)
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2006-01-05-THU
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