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第19回 ジャイアン政治

糸井 ただ、
ケンカの強いやつが強かった歴史、
っていうのは、たかだか
1000年2000年だと思います。
タモリ そうですよ。
西洋が戦争に成功して、
おれたちがその論理的にも
思想的にも
ひっぱってるっていうのは、
たかだか
たいしたことじゃないんですよ。
糸井 ジャイアン政治ですよね。
ぼくらがのび太政治で。
中沢 ははは。
吉本隆明さん、
ずっとそういうこと言ってますもんね。
糸井 そういうことですよね。
タモリ 吉本さんも
やっぱりその段階的に来たというのは
違うとおっしゃってるんですか。
糸井 そうですね。
アフリカ的段階っていう
今日のお話の中では、
この後に出るんですかね、それとも今?
中沢 いつ出てもいいんですけども、
そのタモリさんが
あーうーとしか言ってなかったっていうことが、
アフリカ的段階っていうことで、
かつて言われてきたイメージにあたる部分です。

アフリカ的段階っていうのは、
概念だから、
別に直接のアフリカは関係ないですけども、
今のぼくらの人類の発祥地がアフリカと考える、
そういうことで考えたほうがいい。

ただ、
アメリカの先住民もアフリカ的段階だし、
オーストラリア先住民もアフリカ的だし、
日本人のものの考え方も、
重要な部分では、
アフリカ的段階と言っていいだろう、
ということですよね。

そこには歴史の考え方における
発展段階はないわけですから。

進化という考え方が
適用できないことになっている。

そうすると人間の歴史の
アフリカ的段階というのも、
これくらいの地層、下手すると
10万年とかの地層を組みこんでいける。
だからそこを歴史の教科書で
1ページですませないということにすると、
いろんな構造ががらっと変わるだろう、
というのが吉本さんの考え方ですよね。
糸井 言葉ができる前に、
踊りの中にこめられたものが
あるかもしれないわけですからね。

声の出し方によっての変化、
もちろん犬でもサルでも、
もちろんそういうところがありますし。

人間が
長くやってるところの身振りだとか、
食べ物の食べ方だとか、
そういうところにこめられた
微細なその文化の発展っていうのを、
言葉以前の発展からずっと
ページにしたてていくってことですよね。
タモリ なるほど。

(明日に、つづきます)
 
2006-01-07-SAT