|
糸井 |
岡本太郎の話につながるんだけど、
地域通貨を作ろうと思ってるのよ。
「岡本太郎地域通貨」という。
|
|
中沢 |
「1太郎」「2太郎」
じゃないですよね。
|
|
糸井 |
そう!
たとえば、人が
なにか太郎な行いをした時にね。
「中沢くん! 今のよかったよ」
それで、10太郎あげるという。
|
|
中沢 |
贈与だ。
|
|
糸井 |
アクセサリーでお金の形をしたものを
買ってもらって、その利益が
「明日の神話」という壁画の
修復費用にあてられる、
という仕組みを考えたんです。
誰も損しない。
みんなが「明日の神話」を見られる。
それから市民社会に
もうひとつの
別の価値を持った通貨ができる。
「タモリさん、
今の芸はおもしろかったです。
5太郎あげます。
あったかいもんでも
食べるわけにはいかないか」
みたいな。
|
|
タモリ |
もうちょっと欲しい。
|
|
糸井 |
(笑)足りなかったんですか。
中沢くんは、
これからどうしたいというのを
話してもらえますかね。
|
|
中沢 |
ぼくは何年も前から
サンタフェ研究所みたいなものを
作りたかったんです。
|
|
糸井 |
はい。
|
|
中沢 |
アメリカに
サンタフェ研究所というのがありまして。
いちばんの核になる部分は
複雑系という科学理論でした。
それを科学者だけじゃなくて
詩人やらアートをやる連中やら
パフォーマンスやる連中なんかも
飲みこみながら、
複雑系という考えを
多方面的に展開していくシステムとして
作ったわけです。
それでこういうものが
日本にも必要じゃないかと
考えていたんです。
そのアイディアを持って
何年もやっていたんだけれども、
うまくいきそうになって失敗したり。
しょうがないからそういうものは
独力で立ち上げなきゃいけない、
と思っていたらタモリさんが
「サンタフェいいね。
ぼくもサンタフェ目指していた」と。
はじめは
宮沢りえの写真集かと思ったけど(笑)。
|
|
タモリ |
いやいやちがうちがう。
たしかに好きですけれども。
|
|
中沢 |
よく聞いてみたら
そうではないらしくて。
|
|
糸井 |
格子のドアですよね。
|
|
中沢 |
中洲産業大学のかなたに
サンタフェ研究所みたいなものがあるらしい、
と知った時、これは自分が考えてきたことは
勝手な思いつきじゃなかったな、
時代が求めるものだということを
実感したんですね。
|
|
糸井 |
それはぼくも求めていますよ。
タモリさんは中洲産業大学を
でかい飲み屋でもあるものとして
考えていたわけですよね。
|
|
タモリ |
そうそう。
|
|
糸井 |
サンタフェ研究所っていうのを。
|
|
中沢 |
あれも飲み屋です。
|
|
糸井 |
朝メシを食ったあとで講義を。
|
|
タモリ |
本当に
何か食っているんですよね。
酒を飲んでいるんですよね。
|
|
糸井 |
で、場所なんかどこでもいいから
違うジャンルの人が話しあっていると。
|
|
中沢 |
いろんなジャンルの人間がいて、
一緒に話をするから
頭の中がたしかにごちゃごちゃになるけれど
いったんそれを通過するとね、
いろんなアイディアがでてきますからね。
|
|
タモリ |
これ多方面にいくとおもうんですよ。
もちろん経済活動にもいくし。
いろんなところに、いくと思うんで。
(明日に、つづきます)
|
|
|
2006-02-04-SAT
|
|