「とめきち配達日記」(8)
旅する生茶 〜鳥取篇〜
みなさん、旅してますか?
緑の生茶ジャンパーが板に付いてきた、豆屋留吉です。
とはいうものの、行く先々で
「メーカーの人?」と、言われます。
板に付きすぎです。
ちょっと待って下さい!
元「底ぬけAir-Line」でコントをやってまして、
役者を軸にしたマルチタレント(ネットタレント)ですよ!
あのタモリさんと同じ身長なんですよ!
黒柳徹子さんと、同じ誕生日なんですよ!
行く先々で「芸能人?」と言われたいものです。
そんな僕ですが、行ってきましたよ!
鳥取県鳥取市の桑村めぐみさんのもとへ。
6月17日(土)東京は晴れ。
7時25分発の鳥取空港行きのチケットを握りしめ、
タクシーを飛ばして、まずは羽田へ。
「お客さん、こんな朝早くから
ダンボール1箱持ってどこ行くの?」
「夢を届けに鳥取まで。なんちゃって」
「夢? おたく、芸能人?」
きましたよ!
ついに言われました、このお言葉!
「ミスターちんさん?」
「……よく言われます」
確かに草サッカーチームが一緒で、
「どっちがどっち?」攻撃やってました。
飛行機に滑り込みセーフの留吉、いざ鳥取へ。
山陰地方の上空を飛行中、
気流の乱れで、飛行機が何度も強く揺れます。
「ぼ、僕の遺留品……生茶になるのかなあ」
8時35分、無事、鳥取空港に到着。
鳥取は雨です。
芸能人と思われたらしく、
空港出口で写真を1枚パシャリ。
ウソです。
このレポート用のために「撮ってください」と頼みました。
空港からバスに乗り込み、9時15分、鳥取駅到着。
しかーし、桑村さんとお会いするのは、午後2時です。
時間がたっぷりあるので、
いちど行ってみたかった鳥取砂丘に行くことに。
「ループ麒麟獅子」というバスに乗りました。
獅子舞のもようがバス一面に、シートにも描いてあります。
鳥取市内の、いろんな観光名所に行けるバスです。
「運転手さん、なんで獅子舞なんですか?」
「昔、中国から鳥取に、
日本で初めて獅子舞が渡って来たからですよ」
バスで移動中、川のほとりに多くの白鷺がいました。
上を見ると、トンビが羽根を広げてゆっくり飛んでます。
「うさぎ追いし、かの山〜」
車内に流れるBGMが風景にマッチしてます。
バスは、カーブが続くクネクネした山道を登ってます。
「対向車が来そうで怖いんですけど……」
「大丈夫! このバス、大きいから」
「…………」
山を越えると、たねが池という
神秘的で、何かいそうな(鳥取恐竜トッシーとか)
気配が漂うすごく広い池がありました。
それはあんまり関係ないんですけど、
ついに、
鳥取砂丘に着きました!
バスを降りて砂丘に向かって歩く僕。
「なんだ! この、デカイ窪みは?」
留吉の足が、軽く3つは入るほど大きな窪み。
「ホーガン投げ?」
違います。砂丘へと点々と続いてます。
人を引きずったような跡もあります。
砂が好物で、毛むくじゃらな、
温厚な砂丘怪獣スナージャか?
怒らせると一息で砂嵐を巻き起こすという……。
追跡しました。
馬です。砂丘めぐりの観光馬車でした。
15分、700円だそうです。
それよりも何よりも、びっくりです。
ここは日本か? あたり一面、砂、砂、砂。
人がアリンコに見えます。漂流教室の世界です。
僕は砂丘のてっぺんを目指して、歩きました。
ズブズブと、足が砂に沈んでしんどいです。
「ザザーッ」と、波の音が聞こえます。
砂丘の向こうには海があるのか。
頂上へ、一歩一歩、登っていきました。
風が強いなぁ、飛ばされそう……。
登りきると、壮大な日本海が広がっていました。
感動です!
坂本竜馬と、コロンブスの気持ちです!
体育座りをして、目の前の砂丘と海を眺めていると、
ボーっとする、というか、落ち着きます。
あっ! 今頂上にたどり着いたばかりの
おじさんの帽子が、
浜風の突風で舞いました。
カツラじゃないです。
勇気ある青年が斜面を駆け降りて拾いました。
あー、よかった。
波打つ音と、浜風を砂丘の上で感じながら、
日本一ぼーっとした空間にひたりました。
1時間くらい、ひたっていました。が、
カッコつけたりしてもダメです。
口の中に砂が入ってきます。
ペッペッ……、ボーっとするのは気持ちイイです。
砂の斜面を下って、波打ち際へ。
これ、おみやげにしよう!
貝殻をたくさん拾いました。
ほかにも、いろんな物が流れてきてます。
流木、あきびん、わかめ、くらげ……。
シャンプーかな? ハングルで書かれてます。
となりの国から来たようです。
あ、もう時間だ。
日本ぼーっとランキング1位の
鳥取砂丘を後にしました。
鳥取駅に戻り、
当選者が待つ津ノ井ニュ−タウンへ。
会えました!
桑村めぐみさん率いる、FCシエルの皆さんです!
桑村さんは、リコー鳥取技術開発(株)
という会社に勤めており、
コンピュータのソフトを作ったりしてるそうです。
その会社の人たちで結成された、
FCシエルと名乗るサッカーチームは、
部員20人のうちサッカー経験者6人。
3試合で3敗と、波に乗る頭脳派チームです!
「豆屋さん、今日は思いっきりやりましょうね!」
「砂丘で足腰鍛えるつもりが、すでにヘロヘロです……」
「いいんですよ。うちのチームだって、
普段会社で座りっぱなしなので、
週1回のサッカーでストレス発散して、
楽しんでいるだけですから」
「そうですよね!」
「まず、着替えて下さい。」
ユニフォームをお借りして、
サッカー姿に着替えました。
「豆屋さん、セリエあ〜あ、って感じですね」
「チョット! 痛〜りあ」
「(みなさん大爆笑)」(ウケちゃったよ!)
「……鳥取スタート東京ブレイクまちがいなし!」
「…………(シーン)」(外しちゃったよ!)
桑村さんが事前に「使用上の注意」を
チームメイトに送っておいてくれたおかげて、
留吉ギャグはゴール連発です。
練習に集まった人数も、いつもより多いそうです。
準備運動、パスまわしの練習、シュート練習。
早くもアップアップの僕です。
脚のつけ根が痛いです。
日頃、運動していないからでしょうか?
ハアハア……。
ウォーミングアップが終わったところで、
いよいよ6人対6人の総当り練習試合です。
僕は桑村さんと一緒のチームになりました。
「それじゃあ、優勝チームに
僕が着てきた生茶ジャンパーをプレゼント!」
「おおーっ! パチパチパチ(みなさんの拍手)」
「1枚だけですよ、汗臭いっすよ!
虫も寄ってくるし……」
初戦の相手チームは、FCシエルの正ゴールキーパー、
「いりえさんチーム」です。
ピーッ、試合開始です。
サッカーなんて、何年ぶりでしょうか?
われわれ「生茶チーム」は、
“お姉ちゃんツートップ”と呼ばれる
女性2人をFWに展開、
司令塔のMFが桑村さん、
サイドハーフが、留吉と、サッカー経験者のゆうた君、
GKは桑村さんの甥っ子、やはりサッカー経験者です。
「生茶チーム」には女性が3人もいます。
体力的には、大丈夫なんだろうか?
そんな僕のよけいな心配をよそに、
2得点、3得点とゴールネットをゆらしてます。
守備は、GKの甥っ子が1失点におさえて圧勝!
サイドハーフの留吉は、
チャンスを作るどころか、ボールに触ることすらできず、
評価3.5(ラザニア紙)。
いや〜、お役に立てず、すみません。
ムダに走りまわって、疲れました。
見たことない量の汗です。
「桑村さん、もう僕、バテました」
「もうですか!
実際やってみると、サッカー選手の凄さが
身をもってわかりますよね」
「タバコやめようかなあ」
「ははははは」
第2試合は、FCシエルの創立者こと山西さん率いる、
「山西さんチーム」対、
第1試合の敗者「いりえさんチーム」です。
試合では、GKいりえさんがファインセーブを連発。
「山西さんチーム」が負けました。
ここでいったん休憩タイムです。
汗ダラダラのみなさん、生茶ゴクゴクです。
生き返りました。
みんなが休憩してる今がチャンス。
三重県のおみやげ、ひじき粉末をとり出して、
元バーテンダーの留吉が、シェーカーふりふり、
ひじきカクテルを作りました。
「どうですか? お味は?」
「……おえっ、……おいしいです」
みなさん、ひじきパワ−で復活!
第3試合です、勝てば優勝!
すでにバテバテの留吉は、FWで出場。
ゴール前に陣取る留吉に、
幾度となくおいしいセンタリングが飛んできます。
シュート空振り6連発の留吉。
負けました。
これで、3チームとも1勝1敗なので、
サドンデスのPK戦に突入。
まずは、第1試合で対戦したチームで、
PK戦をやります。
またしても、正GKとの対決です。
留吉が、1番目のキッカーです。
何も考えずに蹴りました。
「ゴ〜〜ル!!」
キーパーの左のネットを揺らしました。
留吉のゴールを皮切りに、
両チーム1本もミスしないでPK戦が続きます。
しかし、最後はシュートを見事に止められ、
生茶チームは負けました。
第2試合、またしても熾烈なPK戦。
創立者の山西さん対、正GKの勝負。
外野の僕は、山西さんにプレッシャーをかけました。
「あ〜あ、山西さんの一蹴りにかかってるのかあ」
「……」
「みんなで頑張ってきた結末が、
このシュート一本でねえ」
「……」
見事、シュートは遥か彼方へ、
ゴールの枠を大きく外れました。試合終了。
「留吉さ〜ん……(怒)」
表彰式で、優勝チームに
生茶ジャンパーをさしあげました。
「もうちょっと、喜んで下さいよ!」
「あ、暑いんです」
「そで、切ります?」
生茶ジャンパー争奪戦、白熱したサッカーでした。
たまには汗をかくのもイイもんです。
「豆屋さん、明日、筋肉痛ですよ、きっと」
「すでにふくらはぎがパンパンです。
なんか、気づいたら膝から血が出てるし……」
「気軽にまた来てくださいね。毎週」
「毎週は無理です」
サッカーでボロボロになった僕は、
明るくラフにサッカーを楽しむ
FCシエルのみなさんと、お別れしました。
桑村さんに鳥取空港に送ってもらう途中で、
童話で知られる「因幡の白兎」の舞台となった、
白兎(はくと)海岸をドライブしました。
右に見える島から、
童話にも出てくるワニのような岩がつらなっています。
白兎(はくと)海岸は夜になると、イカ捕り漁船の
いさり火でいっぱいになるそうです。
海風がとても強いらしく、
たくさんの松が海岸に植えてありました。
防風林です。
桑村さんから「因幡の白兎」のことを教えてもらいました。
「うさぎは身体の皮をはがされたんですよ」
「そんな話、小さい頃聞いてたら、泣きますね」
白兎(はくと)海岸を後にして、鳥取空港へ。
「豆屋さん、今日は本当にありがとうございました。
ゆっくり、休んでくださいね」
「さようならー!」
離陸した飛行機のシートで、
眠くなって下を向いたら、
ズボンの膝の部分に血がにじんでました。
豆屋留吉
鳥取のおみやげ
「海のカルシウム」です。
鳥取は松葉がにで有名です。
カニそのままの姿のおつまみです。
珍味です。
カニの本場、北海道へのおみやげとして
カニ商品で勝負してみます。
糸井さんへの旅土産は、
……貝殻。
鳥取砂丘の海岸にたくさんある貝殻のなかから、
留吉が20個を厳選しました。
そのうち1個、魚の形をした醤油さしもあります。
いえ、旅の予算を節約したわけじゃありませんよ。
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鳥取でお世話になった
桑村めぐみさんからのメール
桑村@鳥取です。
筋肉痛は治りましたか?
6/17(土)は、生茶ありがとうございました。
午前中、小雨が降っていて、天気を心配していたのですが、
午後は、日差しが出るほどの良い天気となり
予定通りサッカーの練習を行なうことができました。
留吉さんが晴れ男だっていう噂は本当だったんですね。
留吉さんの第一印象は、
「HPの写真でみるより、かっこいい!」でした。
お会いするまでは、結構人見知りする人なのかなぁ
と思っていたのですが、いつのまにか、
FCシエルの中心的人物に
なっていたのではないかと思います。
カメラに残せなかった、
PKでの留吉さんのシュートは
FCシエルの伝説として、今後語り継がれることでしょう。
ほんとミラクルシュートでした。
以下、永遠のライバル山西からのお礼です。
−−−−−ここから−−−−−
山西@FCシエル 創始者です。
豆さん、土曜日(6/17)は
鳥取まで「生茶」を届けて頂きありがとうございました。
サッカーのミニゲーム後の「生茶」は
最高に美味しかったです。
今回の練習では、豆さんパワーのおかげで、
いつもより多くのメンバーが集まり、
楽しく練習する事ができました。
また「豆ちゃん使用済み、生茶ジャンパー」
争奪ミニゲーム(生茶CUP)では、
みんながレアアイテムゲットを目指し、
白熱したゲームとなりましたね。
まさか、PK戦にまでもつれ込むとは
思いもしませんでした。
PK戦のサドンデスで、
豆さんにプレッシャーをかけられ、
左に大きく外した事、一生忘れません(くやしぃ〜)。
いつの日か再戦をお願いします。
そうだ、豆さんをFCシエルメンバーに
勝手に入れてしまおう!!!
超スーパーサブとして登録させてもらいますので、
時間とお金の都合がついたら、
また鳥取へ来て下さいね。いつでも歓迎しますよ。
ただし、次に来る時は1泊覚悟で来て下さいね。
温泉に入りながら、ゆっくりと語り合いましょうよぉ〜。
最後に、体の方は大丈夫ですか?
午前中の砂丘散策、午後のミニゲームと、
かなり体の方に負担をかけたのではと心配しています。
これからの旅に支障がなければ良いのですが……。
残りの旅が無事に終るよう、心から祈ってま〜す。
ではでは。
−−−−−ここまで−−−−−
最後になりましたが、
三重県の安川教子さん、伊勢家こな吉商店のみなさん、
ひじき粉のお土産ありがとうございました。
メンバーみんなでひじき粉を試食してみました。
感想は、言葉ではあらわせないほどすごい味!!!
でした。
留吉さん、残りの旅がんばってくださいね。
メンバー一同影ながら応援しております。
それでは。
http://www.ricoh.co.jp/rgk/
サッカー同好会(FCシエル)の
写真が乗っているHPのアドレスです。
上記HPの「採用情報」「サークル活動」「サッカー」で
FCシエルにたどり着きます。
桑村さん、メールありがとうございます。
サッカー、楽しかったですよ!
でも、いつの間にメンバーに?
また、汗を流しに行きますね!
人生でつまずいたら、鳥取砂丘でボーっとしてみます。
豆屋留吉
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おこづかい帳
くりこし ¥358.190
6月17日(土)
午前 ¥6230 タクシー(鼠穴→羽田空港)
¥19000 航空券(羽田→鳥取)
キシリトールガム
¥235 スポーツ新聞
¥120 コーヒー
¥280 マルボロライト
¥450 バス(鳥取空港→鳥取駅)
¥400 コインロッカー
¥200 ループ麒麟獅子バス
午後 ¥550 おみやげ(鳥取砂丘会館)
¥200 ループ麒麟獅子バス
¥1990 タクシー(鳥取駅→津ノ井ニュータウン)
¥2667 昼御飯(焼肉工房パオ)
¥21000 航空券(鳥取→羽田)
¥450 モノレール(羽田→浜松町駅)
¥740 タクシー(浜松町駅→鼠穴)
ロースかつ重
¥784 マルボロライト(デイリーストア)
合計 ¥54.512
残り ¥303.678
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「旅する生茶」旅の予定
ここのつめの旅は
6月23日(金)福井県
福井県福井市の田島照美さんに「生茶」をお届けします。
星槎国際高等学校・福井学習センターから
「熱血教師びんびん留吉物語」、
「3年ベー組留吉先生」をお送りいたします。
教室に入るや否や、頭に黒板消しが……。
黒板消しの専用クリーナーが大好きです。
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