「今日のダーリン」に、反響が!
みなさんの「スズメの捕まえ方」を紹介します。
みなさん、こんにちわ!
1月10日の「今日のダーリン」で、
スズメを捕まえられる?
という話をしていたのを、覚えていますか?
スズメ、もともとぼくは好きなんですけどね、
昨日、見ていて、ふと思ったんですよ。
昔々の人、例えば旧石器時代の人とかは、
こういうスズメとか捕まえられたわけですよね。
で、食っていたりもしてたんでしょう。
それから何万年も経ってさ、知恵も知識も、
すっかり増えた気になってるぼくが、
スズメ捕まえられるかと言ったら‥‥無理です。
進化してないです、後退してます、スズメ捕獲的には。
これからの時代に期待される人間とは‥‥みたいな質問、
別に誰にも訊かれてないんだけどさ、
「なんとかスズメを獲れる人」なんてのは、どうかね?
こういうことには先生も先輩もないでしょう。
鉄砲みたいな他人のつくったものに頼らないで、
どうやってスズメを獲るか?
入学試験とか入社試験で、この問題はどうでしょうね。
捕まえられるやつが現れたら、採用したくないですか?
昨日、イチロー選手と会うことがあって、
この「なんとかスズメを獲れる人」の話をしたんですよ。
そしたら、マジな顔で聞き返してきましたよ。
「生け捕りですか、死んじゃってもいいんですか?」って。
まずは「なんとかできる」という前提で考えるんです!
生け捕りだったら、「呼び込む」ことを考えるんだ、と。
キャッチする側に飛んでくるようにする方法を、考えると。
死んでしまってもいい、という条件なら、
「バットと、ボールがあれば‥‥
なんとかできるんじゃないか」って言うんですねぇ。
おもしろいなぁ、この人こそがイチローなんだ!
うれしくなっちゃいました、そういう話が聞けてね。
絶対、採用ですよ、こんな志望者がいたら。
あなたは、どうやって、
なんとかしてスズメを、獲りますか?
(「今日のダーリン」2007年1月10日より)
このダーリンの呼びかけに、
「捕ったことあります!」や
「捕ったのを見ました!」という
メールが次々と届きました。
それがおもしろかったので、
今日は、みなさんに紹介しますね。
まずは、ほかの人が
スズメをこうやって捕った、や、
捕り方を聞いた、
というメールです。
●こんなところにスズメ捕り名人が。
=
うちの母は私が子どもの頃に、スズメを目の前で
捕まえてくれた事があります。
「スズメってすばしっこいよね。
絶対捕まえられないよね」
と兄と私が話していたら母が、
「そんなことないで~」
と言って、兄の虫取り網を持ち、
部屋からベランダへ出たかと思うと、
しばらくして網の中にスズメを生け捕りにして
戻ってきたのです。びっくりしました~。
どうやって取ったのか教えてと騒ぐ私たちに、
しばらく考えてから母は言いました。
「‥‥シュッ、シュッ、やがな!」
それから何年かしてこんなこともありました。
兄と私が夜店の金魚すくいに挑戦したのですが、
なかなかすくえず、ヨモヨモしていたら
横で見ていた母が痺れを切らしたかのように、
「貸してみな!」
と、私からポイ(すくい網)を取り上げたかと思うと、
ひょいひょいと、あっという間に20匹ほどの金魚を
すくいあげてしまったのです!
ポイが破れてもまだすくっていました。
夜店のおっちゃんが、複雑な顔をしたのを覚えています。
どうやったらそんなにすくえるのか教えてと
騒ぐ私たちに、母は言いました。
「‥‥ピッ、ピッ、やがな!」
子どもの頃、母親というものは、ご飯を作ってくれて、
洗濯して、買い物する人だとばかり思っていました。
達人は意外と身近にいるもんだなあ…と思いました。
(香川県のさぬき・さぬ子より)
シュッ、シュッ、やがな!!
お母さん、おもしろすぎます!
そうです、母というものは家事をこなしながら、
いざとなれば家族のために狩猟の腕も発揮するのです。
=
今日の「雀捕獲」で甦った記憶があります。
子供の頃、お正月に親戚の家に行った時、
いつも私の鼻を「低いから高くしてやろう~~」と
つまんではいじめていた母の弟(叔父)が、
何のきっかけか、自分は雀取りの名人だった、と
言い出した事がありました。
私を含めた子供連中(いとこ&弟)は、
空を飛んでる雀を捕まえるなんて信じられなくて、
「雀は捕れないよ! ウソだ!」
と、叔父をウソツキ呼ばわりして、
その日はいとこの部屋に泊まったんですが、
翌朝、何だか凄くうるさい気配がして目覚めると、
なんと、
6畳の和室の中で、大量の雀が飛びまわってました。
至近距離で、さえずりながら部屋を右へ左へ‥‥。
あまりの光景に呆然とし、
至近距離で飛ぶ大量の雀が怖くなり、
私達子供は泣き叫びながら助けを求めたんですが
ドアの外には例の叔父が、
「どうだ! 雀は取れるんだぞ!」と
仁王立ちで自慢していたのであります。
部屋は糞まみれ。子供は泣く。
後で、叔父は他の大人達に怒られてましたが、
今考えるとあの頃の叔父は確か40代前半。
お茶目で負けず嫌いで子供っぽい人でした。
数年前に癌で他界したので、
どうやって雀を捕獲したのか訊きそびれたのですが、
今思い出しても、一日(それも一回)で、
あの大量捕獲は凄かったです。
叔父ちゃん、どうやったんだろう‥‥。
(じぞう)
叔父ちゃ~~ん!
すてきな思い出を、ありがとう。
=
スズメの話を読んで、
昔父から聞いた捕獲方法をふと思い出しました。
スズメは飛行距離が短く、
広い場所で竿を持って追いかけ回して
休む暇を与えずに追いかけ回すと
そのうちに疲れて飛べなくなるので、
地面で動かなくなったところを
そっと捕まえると言った内容です。
子供の頃一度試しましたが
すぐに垣根の向こうなどに逃げられてしまいました。
父に手本を見せてくれとお願いしたところ
「こんな住宅街じゃ無理。こんど田舎に帰ったらな」
とのこと。しかし、その技はまだ一度も見ていません。
スズメの他にも長靴でコウモリを捕まえる方法などが
ありました。
冷静に父のキャラクターを考察すると、
かなり眉唾ものなのですが
ひさびさに30年前の懐かしい話を思い出して
一人で喜んでいます。
(BATA)
お父さん、子供は忘れていませんよ。
いつかその技を見せつけてやってください。
=
仙台の街中でのことです。
上品そうな初老の女性が、
「エアーごはん」をしているスズメを捕まえていました。
素手で。何の気負いもなく、ごくごくさりげなく。
普通なら、近付いただけで逃げられてしまうのに。
目を丸くしている私に向かって、その方は、
「ちょっと弱っているみたいなの」
と言って、手の中にスズメを優しく包んで立ち去りました。
こういう不思議な“特殊技能”を持った人って、
町内会単位につき一人や二人ぐらい
隠れているような気がします。
(I)
その人はきっとスズメの精に違いありません。
弱っているスズメを、そっと、
動物病院に連れて行ってあげたのです。
メルヘン。
では、これまでスズメを捕まえたことあります!
というみなさんの武勇伝をご紹介します。
●捕ったことあります!
=
スズメ捕獲経験、ありますよー
当時は世田谷区在住で、
ド田舎でもなかった(と思う)んですが、
昭和50年ごろ、小学1年生の時に生け捕りしました。
庭の芝生に、ゴルフの練習用の穴があったんですね。
父親がパターの練習用に掘ったものなんですが。
その底に、飼っていたインコのエサをまいて、
柄が取れて破れた捕虫網(目の粗いもの)を、
被せておいたんです。
そのまま遊びに行って、帰ってきたら、あらフシギ。
破れ目から入って出られなくなったスズメが、
中で暴れておりました。
廃物利用かつお手軽で、オススメです。
あ、もちろん、獲ったスズメは、逃がしましたよー。
「食べるとこ無いぞ(小さいから)」と
父に言われた記憶があります。
その言葉を、この年まで憶えているっていうのは、
よっぽど! キョーレツな印象だったのでしょうか‥‥。
(もんど)
あらフシギ、って。
見事な兵法ではないですか。
お父さん、やさしい(?)ですね。
=
中学生のころブロック塀にとまって、
油断していた雀を
その塀の下を歩きながらすれ違う瞬間、
学生帽でとったことを思い出しました。
なんであの時はそんなことできたのか、
今考えてもわかりませんが
意外と雀は油断しているときをねらったら、
とれるんだなぁ、思ったことを
思い出しました。
(takahiro)
だれか~。学生帽貸して!
=
4~5才の頃、幼稚園に行くか行かないころでしたが、
すずめを1羽捕まえて(もちろん生きたまま)
家に持って帰ったことがあります。
そのまま人生初のペットとして小箱に入れていましたが、
数日経たないうちに死んでしまいました。
ペットというよりは動くおもちゃという
感じ方だったと思います。
あ、捕り方ですか? 簡単でしたよ。
すずめの群れに帽子をフワっと投げたんです。
ただそれだけでした。
地面に落ちた帽子の中には、
すずめが1羽見事に入っていました。
帽子ごと中のすずめを手に取って、
そのまま家に帰りました。
なぜそんな方法を思いついたのかは分かりません。
すずめの群れを見たとたんに、
かぶっている帽子を投げていました。
(巨人ファンの親が買ったジャイアンツのGマークが
ついている黒いベースボールキャップです)
バットもボールもいりません。
ジャイアンツのGマークがついている、
黒いベースボールキャップがあればいいんです。
(山田 博)
だれか~! 野球帽、貸して貸して!
Gのマークがついてるやつ!
=
捕ったところは部室で、捕獲道具はでかいゴミ袋です。
所属のサークルは書道部なのですが、
何となく部室に入ると先輩が騒いでいました。
何事かと思っていると、スズメが入ってきたから
何とか追い出してくれと‥‥。
書道部の部室は他のサークルに比べて
二倍の広さのうえ、タンスや棚が一杯あります。
スズメとしては逃げるのに必死なので
タンスの隙間に出たり入ったり、
部室を飛び回ってみんな混乱してました。
自分も楽しく騒いでましたが追い出さないと
スズメが死ぬので、スズメが休んでいるのを狙って
袋を被せようとしました。
しかしただ単純に袋を被せても逃げられるだけです。
どうするのかというと、気配を出来るだけ殺し、
音を起てずにフワッと袋を被せなければいけません。
自分は割と気配を殺すのが得意で
警戒心の強い野良猫の近くに素早く近づけるほどなので
この点は大丈夫でした。
何度か失敗はしましたが、スズメは捕まり
外に出すことが出来ました。捕まえたのは自分でしたが、
みんなが騒いだからスズメが疲れて
動けなくなっただけなのかもしれませんけれど(笑)。
(鹿児島の大学三年生 男)
気配を消して、フワッと。
書道部の部室に、ゴミ袋があってよかったです。
筆や硯では、無理そうです。
=
私は高校生の頃、スズメを捕まえたことがありました。
我が家は元々、ベランダでインコや文鳥など、
小鳥をたくさん飼っていて、飛び散った餌を食べに
スズメがよくやってくるような環境でした。
そこでふと、漫画などで見かける、
ザルにつっかえ棒をして、その棒の下に
ヒモをつけて引っ張るあの生け捕り方法は
現実にできることなのか、ということを試してみたくなり、
ザルの代わりにダンボール箱を使ってやってみたわけです。
私自身は、室内でカーテンの陰かなんかに
身を潜めて‥‥(マヌケな図ですねー。笑)。
すぐにスズメはやってきて、
特に警戒もせず箱の下の餌をついばみ始め、
つっかえ棒を引いたらあっさりと
捕まえることができました。
自分でもあっけなさにびっくりしました
(スズメはもっとびっくりしてました)。
(わらぼっち)
でました!
米粒&ザル、そして棒による捕獲法。
古来より伝わる“米笊棒法”です。
(うそです。名前は今作りました。)
これは多くの方が試したことがあるようです。
ほかの方からのメールでは、紐はつけないで、
スズメが棒を倒してしまうのを待つ、
というものもありました。
あやしく身を潜める場所がない場合は、こちらで。
他にもたくさんのメールをありがとうございました。
どうもみなさんのお話を総合すると、
スズメはつかれたりうっかりしていると
つかまえやすいそうです。
でもみだりに追っかけまわしたりすると、
スズメが怒ってスズメのお宿に帰ってしまいますよ!
(『舌切り雀』より)
これからもスズメを見かける機会がありましたら、
捕獲法を考えて楽しんでくださいね。
チュチュンがチュン♪
イラスト:ゆーないと
2007-01-16-THU
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