ほぼ日ニュース

LDKWARE スタッフユニフォーム採用記念
フェルメール展の記者会見に
行ってきました。

こんにちは。
YAECAと「ほぼ日」がいっしょにつくっている服
「LDKWARE」を担当しているハリーです。

すでにご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんが、
この秋上野の森美術館で開催される「フェルメール展」で、
スタッフ用ユニフォームとして
ルリ色のLDWAREが採用されることになりました。

きっかけは1年ちょっと前にさかのぼります。

2017年のカラバリとしてルリ色をつくったとき、
この色がフェルメールがよく使う鮮やかな青色
(「フェルメールブルー」と呼ばれます)に似ているので、
モデルさんが着ている写真や映像を
フェルメールの絵画っぽくしていました。
↓こんな感じです。

これをフェルメール展の関係者のかたがご覧になっていて、
なにかいっしょにできないかと連絡をくださったのです。
フェルメールのマネをしてよろこんでいたら、
なんと本家本元から声がかかったというわけで、
ありがたいうやらうれしいやら。
「ひょうたんから駒」とはこのことです。

これだけでも、ぼくらにとっては画期的だったのですが、
さらに7月24日の記者会見で、
フェルメール展のナビゲーターをつとめる
石原さとみさんがLDKWAREを着てくれることになりました。
いやあ、世の中なにが起こるかわかりません。

これはもう、ぜひこの目で見ておきたい。
というわけで、LDKWAREチームのぼくとカッツミー、
撮影担当のタグの3人で記者会見に行くことになりました。フェルメールに敬意を表して、
ぼくら3人もルリ色のLDKWAREを着ていくことに。
いやいや、決してあやしい秘密結社ではありませんぞ。

会場に着いてみると、あたり前ですが、
すごくちゃんとしています。
人もいっぱいです。

さあ、はじまりました。
司会のかたが見たことある人だと思ったら、
フジテレビアナウンサーの佐々木恭子さんでした。
豪華な記者会見だなあ。

総合監修をされている、
アーサー・K・ウィーロック・ジュニアさんの
ビデオメッセージが流れて‥‥。

いよいよ展覧会ナビゲーターをつとめる
石原さとみさんの名前がコールされました。

うわあ、石原さんがLDKWARE着てる!
えらいこっちゃ、ほんまに着てはるわ!
三角巾もちゃんとつけてくれてはるわ!
わかっていたことなのにびっくりしてしまって、
つい心のなかでネイティブの関西弁で叫んでしまいました。

正直に告白しますが、石原さんが登場する寸前まで、
「もしかしたら『やっぱりやーめた』なんてことになって、
 別の服を着てたりするんじゃないか?
 芸能人は気まぐれだって言うし」
などという、失礼なことを考えていたのです。

ああ、こんなにすてきに
ルリ色を着こなしてくれているのに、なんてことを‥‥。
石原さん、すみませんでした。

つづいて石原さんは、展示されるフェルメール作品のうち、
まだ未発表だった4つの作品を発表します。

石原さんは、海外の旅行先などでも
かならず美術館に立ち寄るほどだそうで、
今回の展示作品のなかでは、
「牛乳を注ぐ女」がとくにお好きとのこと。

「描かれている女性の気持ちをすごく想像しちゃうんです。
 この牛乳を入れた水差しは重いのかな? とか、
 翌日筋肉痛になっちゃったかな? とか(笑)」

司会の佐々木さんが話をふってくださって
LDKWAREをわざわざ紹介してくださる場面もあり、
ありがたいような、すぐったいような、
光栄すぎてなんだか夢でも見ているようです。

展示されるフェルメール作品それぞれについては、
成城大学名誉教授で広島県立美術館長の
千足伸行先生が解説してくださいました。
この千足先生のお話がたいへん魅力的で、
会見の場がほがらかな笑いで満たされます。
きっとすごくいい人なんじゃないかなあ。

ちなみに今回のフェルメール展東京展は、
35点が現存すると言われるフェルメールの絵画のうち
8点までが展示されるそうで、
これは日本美術展史上、最大規模とのこと。
展示される8つの作品を紹介しておきましょう。


牛乳を注ぐ女
ヨハネス・フェルメール 1660年頃
アムステルダム国立美術館 

Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908


マルタとマリアの家のキリスト
ヨハネス・フェルメール 1654-1656年頃
スコットランド・ナショナル・ギャラリー

National Galleries of Scotland, Edinburgh.
Presented by the sons of W A Coats in memory of  their father 1927


手紙を書く婦人と召使い
ヨハネス・フェルメール 1670-1671年頃 
アイルランド・ナショナル・ギャラリー

Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection)
Photo © National Gallery of Ireland, Dublin NGI.4535


ワイングラス<<日本初公開>>
ヨハネス・フェルメール 1661-1662年頃 
ベルリン国立美術館

© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Jörg P. Anders


手紙を書く女
ヨハネス・フェルメール 1665年頃
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery of Art, Washington, Gift of Harry Waldron Havemeyer
and Horace Havemeyer, Jr., in memory of their father, Horace Havemeyer, 1962.10.1


赤い帽子の娘<<日本初公開>>
ヨハネス・フェルメール 1665-1666年頃 
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery of Art, Washington, Andrew W.
Mellon Collection, 1937.1.53 ※12月20日(木)まで展示


リュートを調弦する女
ヨハネス・フェルメール 1662-1663年頃 
メトロポリタン美術館

Lent by the Metropolitan Museum of Art, Bequest of Collis P. Huntington, 1900 (25.110.24).
Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY


真珠の首飾りの女
ヨハネス・フェルメール 1662-1665年頃
ベルリン国立美術館

© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Christoph Schmidt

こうして、約1時間の会見がおわりました。
LDKWAREもフィーチャーしてもらえたし、よかったなあ。
そう思っていたら、もともと話を持ってきてくださった、
ブルーシープ株式会社の草刈さんに声をかけられました。
(ブルーシープさんはこの展覧会の
 プロモーションなどを担当されています)

「このあと石原さんに取材できますよ」

えっ?
いやあ、そんな、野次馬的に見にきただけだし、
LDKWAREを着てもらえればじゅうぶんですよ。
‥‥と思ったけど、やっぱりこんな機会はそうそうないし、
お話させていただくことにしました。

――:
きょうはありがとうございます。
すみません、なんか全員おんなじ色で。

スタッフのかたがた:
(失笑)

石原:
いえいえ、いいと思いますよ(笑)
へえ、いろんなデザインがあるんですね。

――:
はい、いろいろつくっています。
えーと、何を聞こうかな。
そうだ、記者会見で石原さんが
未発表だった展示作品を紹介してくださったとき、
「手紙を書く女」「リュートを調弦する女」
「真珠の首飾りの女」に描かれているのは、
おなじ女性かもっておっしゃっていたのが印象的でした。
そんなこと、考えてみたこともないので。

石原:
女性の格好がどれもおなじということもあるのですが、
恋をしているときの顔を、どの作品にも感じるんです。
「手紙を書く女」はラブレター書いているように見えるし、
「真珠の首飾りの女」はデートするために
首飾りをつけているように見えるし、
「リュートを調弦する女」は、
リュートを弾くのではなく調弦しているところが、
なんか思いを馳せている感じがするし。

――:
「牛乳を注ぐ女」もそうですが、
描かれている女性の視点に立って
ご覧になるのがユニークですね。

石原:
フェルメールは女性を多く描いていますが、
女性のやさしさみたいなものが
ちゃんと伝わってくるところが好きです。
だから描かれる側のことを想像しやすいのかも。


▲フェルメールを独自の視点で語る石原さとみさん。
だんだんフェルメールの絵のなかの人物に見えてきました。

――:
なるほど。
もしもフェルメールに描いてもらえるとしたら、
何をしているところを描いてもらいたいですか?

石原:
なんていうか、無意識を見つけてほしい気がします。
フェルメールの絵は、日常の無意識を描いている気がして。

――:
日常の無意識‥‥。

石原:
描かれている本人にとっては、
日常的にルーティンでやっていることのなかに
美しさを見出している感じがするんです。

――:
ああ、つまり、絵のためにポーズとるんじゃなくて。

石原:
はい、そういうの無意識の美しさを
切り取っている感じがするので、
わたしの場合も、朝起きてから寝るまで
フェルメールといっしょに過ごしてみて、
どういうときに切り取りたいと思ってくれるかを
見てみたいなと思います。

――:
ああ、それはおもしろいですね。
さいごに、いま着てくださっている服ですが、
これ、いちおう「おもに家事をするときの服」なんです。
石原さんだったら、おうちでどんなときに着たいですか?

石原:
いや-、でもこれ、日常使いですよ。
素材もいいし、かたちもいいし、色も落ち着きあるし、
おとなっぽいし、家事だけに使うのはもったいない!
このまま外で着ちゃいます。

――:
あ、ほんとですか。
この服を正しく評価してくださっている気がして、
その感想はうれしいです。
きょうはありがとうございました!

石原:
じゃあ、記念にみんなで写真撮る?

――:
えっ、いいんですか?

石原:
もちろんです。
チーム・フェルメールっていう感じで撮りましょう!

思わぬラッキーにもめぐまれて、たのしい記者会見でした。
フェルメール展のみなさん、石原さとみさん、
ありがとうございました!

東京のフェルメール展は2018年10月5日から、
上野の森美術館で開催されます。
もともとルリ色のLDKWAREは
再登場を望む声が多かったこともあり、
これを機会に、展覧会スタッフ用だけではなく、
LDKWAREサイトで販売するぶんもつくることにしました。
フェルメール展開催のころには販売できる予定なので、
買い逃していたかた、どうぞたのしみにしていてください。


ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》1660年頃
アムステルダム国立美術館 
Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908

フェルメール展
2018.10.5 FRI → 2019.2.3 SUN
上野の森美術館 日時指定入場制
https://www.vermeer.jp/

LDKWARE
https://www.ldkware.com

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