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2012/08/27 14:09
さてお次は
弊社の宇宙部を率いるこの男
の登場です。

東京大学教養学部理科一類に合格した
この人に
勉強について、いろいろ聞いてみましょう。

題して

もうひとつの「東京大学物語」
〜ベイの青春〜

どうぞゆっくり、お付き合いください。
2012/08/27 14:17
東京大学教養学部
理科一類とは
将来的に
工学部や理学部に進む人が入る学部。

ベイ先生は、一浪ののち、
建築の勉強をしたくて入学しました。

参考までに、理科二類は農学部や薬学部、
理科三類は医学部系です。

なぜ、東大だったんでしょう?

「確たる理由はありませんでした。
 ただ、
 日本の最高学府に行ってみたかった。
 それだけです」

行ったら、どうでしたか。

「やはり、いろいろすごい人がいて
 刺激的でしたね」

ちなみに、ベイ先生は、なぜ一浪を?

「高校時代は
 弓道の部活を真面目にやってたので
 間に合わなかったんです、東大に」
2012/08/27 14:25
「東大に間に合わない」
「さらに、受験勉強の天王山と言われる
 高校3年の夏休みには
 秋の学園祭の準備に
 全身全霊で取り組んでいました。
 
演し物は、なにを?

「シェークスピアの『真夏の夜の夢』という
 劇を上演したんです。
 その稽古で、夏休みは終了しました」

ちなみに、何役で?

「役の名前は、残念ながら失念しました。
 ただ、蝶ネクタイを着用し
 舞台上でこのようなポーズを取ったことを
 昨日のことのように覚えています」
2012/08/27 14:31
「東大に、さらに間に合わない」
それは間に合わないかもしれませんね。
なにしろ「東大」ですもんね。

「しかも、ぼくは応援団でもあったんです」

弓道部に、シェークスピアに、応援団。

「夏の高校野球、
 わが母校である名古屋の旭丘高校は
 4回戦くらいまで勝ち進みました。
 暑いのに学ランを着て、
 応援団員として、ひと夏を捧げたんです」

それは、
間に合わなくてもいたしかたない。
2012/08/27 14:36
ベイの敗因
弓道部と、シェークスピアと、応援団で
東大に間に合わなかったベイ先生。

具体的には何が間に合いませんでしたか。

「すべての試験範囲を
 カバーできていかなったことが敗因です。
 具体的には有機化学。
 ベンゼン環とか出てくる、アレですよ」

すみません、
「ベンゼン環」とは、はじめて聞きますが
ともかく、その部分が抜けていたと。

「なんとかセンター試験はクリアしたものの
 前期で東大を受けて落ち、
 後期で東工大を受けて落ちました」

そのときの「勉強」のことを思い出すと
どうですか。

「ただただ、焦っていましたね」
2012/08/27 14:43
ああっ!
「しかも、そうだ、思い出しました。
 高校3年の学園祭では
 バンド演奏もやったんですよ。
 キーボード役で。
 TMネットワークのゲットワイルドを
 演奏しました」

TMネットワークでキーボード役とは
ある意味、主役級じゃないですか。

「いえいえ、そんな。
 バンドには
 ホーン・セクションの人間もいたので
 ルパン三世の
 オープニングテーマも演ったんですよ。
 パラッパラッパーみたいな、アレ」

青春を、存分に謳歌したんですね。
2012/08/27 14:51
どうやって受かったんですか。
そんな青春を燃やし尽くしたベイ先生、
今度は
どうやって東大に受かったんですか?

「あくまで、僕の場合のことなので
 すべての方に
 適用できる法則ではありませんが‥‥」

ええ。

「まず、全体像を見極めること。
 これが、なによりも重要だと思います。
 現役生のときの僕は、 
 東大合格に求められる勉強の全体像を
 知らなかったんです。
 いわば、見えない相手に
 無謀な戦いを挑んでいたんですよ」

なるほど。

「まずは、敵を知る。
 そうすれば、対策を立てることができる。
 その上で、
 自分の足りていない部分を把握し
 そこを強化したんです。
 僕の場合は、
 浪人した年の6月くらいまでに
 物理・化学を徹底的に強化しました」

つまり
「敵を知り己を知れば
 百戦危うからず」‥‥。

「まさに、そうです。
 ちなみに、
 格言の意味がわからない受験生のかたは
 誰の言葉かということとともに
 その意味を
 ぜひ、覚えておくとよいでしょう」
2012/08/27 15:02
偏差値にとらわれては、ダメ。
ちなみにベイ先生、
「偏差値」という概念がありますが
あれって、どう考えたら?

「僕は、あまり気にしませんでした。
 なぜなら
 難解な数学の問題を解いたとき、
 偏差値が
 100を超えたことがあったんです」

100!?

「なんだこれは、と。
 そんな数、信用ならないですよね?
 だから、それよりも僕は
 問題を解けたか解けなかったか、
 その部分を重視しました。
 なぜ僕は、この問題を解けないのだろう。
 そこを追求しました。
 僕自身は覚えがないのですが
 親が言うには
 当時の僕は、解けない数学の問題を
 3日くらい考え続けて解いたそうです」

偏差値などはあまり気にせず、
問題文に食らいつけ、と。

「ですね」
2012/08/27 15:20
苦手分野に取り組もう。
その他、コツなどありますか。

「苦手分野って、
 手を付けるのもイヤなものです。
 逆に、得意な教科ばかり
 勉強してしまいがちですよね、解けるから」

わかります。

「でも、それじゃダメなんです
 だって、
 いくら得意科目を突き詰めても
 100点以上は取れないんです」

100点以上は取れない‥‥名言でた!

「だったら
 点数の取れていない教科の底上げを
 図ったほうが、
 全体の得点を上げることができます。
 僕の場合は、日本史でした。
 実は、理系の僕にとって
 数学でも物理でも化学でもなく、
 日本史がキー教科だったんです。
 そこに、
 いちばんの伸びしろがあった」
2012/08/27 15:26
通学イメージを膨らまそう。
実際の勉強の他に
メンタル的な部分でアドバイスなど
ありますでしょうか。

「高校生あるいは浪人生のときに
 志望校のキャンパスを
 訪れてみるのも、有効ですよね。
 僕は、浪人生の夏に
 上京して東大駒場に足を運び
 通学イメージを膨らませました。
 ああ、来年、僕はこの学校に
 どうやって通おうかな。
 井の頭線かな、バス通学かなと」
2012/08/27 15:28
読者からの質問
それではベイ先生、このあたりで
読者のみなさんからの質問に
お答えいただけませんでしょうか。

「そうですね‥‥
 僕に答えられそうな質問があれば」

これなど、どうでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほぼにちわ

私は高3の女子です。受験生です。
なのに勉強を始めた途端に、眠くなるんです。
それまで眠くなくても、眠くなります。
やらなきゃいけない分があって、
やりたい気持ちもあるのに。
「じゃあ、
 帰ってすぐやればいいでしょう」
と母に言われますが、
帰ってすぐはしばらくのんびりして、
一休みしてから始めたいのです。
どうしたら、眠くなりませんか?

(はな)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「寝ればいいでしょう」

‥‥ベイ先生?

「寝たいだけ寝たら、
 人間、いつかは寝れなくなりますから。
 その時点で、はじめたらどうでしょう。
 受験生たるもの、寝過ぎると焦ります。
 私、このままじゃダメだわポイントを
 通過しましょう。
 そうしないと、本気になれない。
 そんなの、誰だってそうです。
 寝たいだけ寝てしまったら、
 自分に言い訳もできなくなります。
 待ったなしの状態になるまで
 寝てみてはいかがでしょうか」

ようするに
「私、このままじゃもうダメだわ」
と思うところからはじまると。

「だいたいの人は、
 そうなんじゃないでしょうか」
2012/08/27 15:44
あ、そうそう。
どうされました?

「ゲーム性というのも
 ひとつのキーワードだったと思います」

ゲーム性。

「たとえば‥‥
 ぼく、参考書オタクだったんですよ。
 絶版になった参考書を
 古本屋で渉猟することが楽しみでした。
 あの『速読英単語』は
 本の背が割れるまで読み返しましたし
 かの『伊藤和夫の英文解釈教室』も
 当然ゲットし
 名著と呼ばれるだけのことはあるなと
 感心したものです」

なるほど。

「あるいは、模擬試験などは
 点取りゲームだと思って臨みました。
 そうすると
 なんか、明るくやれるんですよね」

長い受験レースですから
そういう
自分なりの楽しみを見出していくことが
重要なことなのかもしれませんね。
2012/08/27 16:08
ありがとうございました。
ベイ先生、長らくありがとうございました。

ベイ先生の、
ちょっと不器用そうな青春の話を
聞いていたら
僕らが高校生のころに流行ったマンガ
「東京大学物語」を
なぜだか、思い出しました。

「ああ‥‥。
 あのマンガの中で
 大学を面白くする会というサークルが
 出てきますが、
 あれ、実際にあったんですよ。
 で、入りました」

え、入ったんですか? ベイ先生が?

「入りました。
 江川達也先生にお会いする機会もあり
 そのとき、江川先生に
 キミはエロい声をしているねと
 褒められたことを
 昨日のことのように思い出します」

最後に、いま、勉強を頑張っている
受験生のみなさんに
なにかひとこと、メッセージがあったら。

「そうですね‥‥
 偉そうなことは言えませんが
 経験上、
 学力というのは階段状に伸びていきます。
 そのことを意識して
 いつかやってくる飛躍の瞬間まで
 がんばって継続するのがいいと思います」

おお、なるほど。

「でも」

ええ。

「僕がこんなことを言うのもなんですが
 高校生活は
 思い切り、全力でエンジョイしたほうが
 いいと思います。
 もちろん勉強もいいですが、
 高校3年の夏は、二度と戻らないので」

ベイ先生の青春のように‥‥。

本日は、
まことにありがとうございました。

「ありがとうございました」

それではこれにて

もうひとつの「東京大学物語」
〜ベイの青春〜

を、終了したいと思います。

さて、次なる先生は、誰でしょうか。
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
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