「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」 〜釣りに行こう〜 制作スタッフ座談会 その6 よし、発売記念だ。 裏技、いっぱい教えちゃおう。 |
やっぱり、実際にゲームしながらでないとね。 というわけで、今回の座談会は、後半がほとんど 「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」を プレイしながらのお話です。 「ここ、こうなんやで」って、裏技や、隠れたテクニック、 いっぱい聞くことが出来ましたよ! |
|
|||
|
糸井: いままでの話って、見えるストラクチャーとか、 湖全体の地形とかから来る話をしてるけど、 もうひとネタ、見えないストラクチャーがあるでしょ。 それを探し始めると、また、裏が見えるよね。 |
||
|
倉恒: たとえばね、長方形の漁礁が沈んでいるとするでしょ。 ボートのポジションによって攻め方がかわるんです。 魚とのコンタクトポイントを長くしたかったら、 タテ長のラインを探るようなボートポジションにする。 漁礁を横切るようにルアーを引くと、 コンタクトポイントが少ないでしょ、 それによって釣果がちがうんですよ。 漁探がリアルタイムの湖底を表示するので、 漁礁を見つけたら、東西南北に漁探をかけなおして、 漁礁の形を把握してから釣りをしたほうが、 結果も出るということなんです。 糸井: このゲームってさ、理屈で言うと、 このゲームの釣りアドバイザーをしてる倉恒くんが 日本一釣れる人ってことになりますよね? 倉恒: 理屈ではそうなんですけど、 僕がやってもダメなんです(笑)。 糸井: なんでー?(笑) サイトウ: そこはやっぱりランダムをかけてあるからです。 理論が見えちゃって、そのまま釣れちゃったら、 それはそれでつまらないので。 そうはならないように作ってあります。 糸井: つまり、倉恒くんはランキングに入る自信はあっても、 トップにはなれないというリアリティーに なるわけですか? 倉恒: ええ、そうです。 糸井: でもさ、東西南北に漁探かけて、 ボートポジション直して、なんてしないよね、 オレらそこまで(笑)。 ──そういえば、先日、武久さんに “沈船”の場所、教えてもらいましたよ。 |
||
|
武久: ああ、ええ。 糸井: あ、おまえだけ? ずるい(笑)。 ──で、沈船を探ってたら、水中が映るサブウインドウで、 ルアーが沈船を斜めにトレースしたのがわかったので、 ボートポジションを直して、 沈船をタテにトレースするようにしましたよ。 水中が見えるんで。 サイトウ: そういう釣りをすれば、釣れる確率は上がりますよ。 それで、このゲーム作ってるスタッフは、 そういうことして釣ってますから、 知識だけはすごいですよ(笑)。 糸井: そうだよねぇ。 現実には風がバンバン吹いてるなかで ボートの位置をキープしなきゃならないとか、 わかっててもやらないもんね。できないし。 そーんなキツいことを……もう帰る、とか(笑)。 しかし、身体がつらくないという意味では、 完全に脳だけで技術がアップするよね。 ──めんどうくさがらなければ、 釣りでやりたいことが、全部できる。 倉恒: 魚のバイト(アタリ)にしても、細かい配慮があります。 秋のラバージグは食い上げ(魚がルアーをくわえて、 上に泳いでくること)、とかね。 魚がちゃんと食い上げますから。 ちゃんとやってますよ(笑)。 そういう表現ができてるってことです。 糸井: あの……着水と同時に食ってくるのがあると シビれるよねぇ〜。 さんざん釣れなくて「もうやめようかな」ってときに、 ポチャーンと着水して、バーンって魚出てさぁ、 「おわーっ大変だ!」ってミスして、 「だから油断するなって言ったじゃないか!」って、 もうひとりの自分が……(笑)。 それ、ホントの釣りじゃん。 アベキ: あれはよかった。ねらいどおりだよね(笑)。 無理やり入れたんですから。 糸井: あれはシビれる! |
||
|
アベキ: あと、サスペンドしてる(中層に浮いている)バスが 食ってきたときは、 ラインの“波紋アタリ”とかもありますしね (水面に波紋が出て、魚のアタリを知らせること)。 ラインをよーく見てればわかりますよ。 倉恒: 夏とかに、フォーリング(ルアーが沈んでいくこと)中に サスペンドしてるバスが食ってくると、 ラインに“プン”って波紋が出ますよ。 音はでないけど、ライン見てればわかりますよ。 アベキ: ワームで釣りしてると“変形アタリ”もあります。 ワームがへんな形になるんですよ。 それはワームを見てればわかります。 早い話が、魚が透明で、ワームを食ったと 考えればいいわけです。 サイトウ: 要はラインにテンションがかかってるときに、 バスがルアーをつつくと、 そのアタリが手元で感じられるということで、 “プン”と音を出すようにしてるんです。 一方で、ラインがたるんでるときのアタリは、 ワームがフッと変形したり、 ワームが動いたりするんですよ。 そのかわり、“プン”という音は出ませんので、 ワームやラインを見てないとわからないんですよ。 ワームの釣りはそのへんがわかるようになってくると、 がぜん楽しくなってきますよ。 アベキ: このゲーム、ワームの釣りがおもしろいよね。 |
||
|
サイトウ: ワームのほうが面白い。 倉恒: あと、しかもね、 魚の演出にもいろいろオーダーがあって、 小バスと中バスと大バスと、 もっと細かい段階があるんですけど、 魚の大きさによってファイトがどうちがうか? ちがうんですよ。 カメラの見せ方までちがってます。 ファイトにしても、動きのパターンがあるんですよ。 引き込み方とか、スピードとか、魚のドッカン具合とか。 でかい魚だとドッカンドッカンいう感じで、 小さい魚だとピュンピュン引くでしょ。 そのへんの演出をぜんぶやってあるんですよ。 アベキ: でかい魚だと動きはにぶく見えますけど、 力はありますよ。 小バスは軽くてクイックな感じ。 |
||
|
倉恒: で、骨格によって重さにちがいがあります。 形もぜんぶちがうという表現もしてありますよ。 同じ47センチでも、1300グラムの魚と、 1800グラムの魚では、骨格も体高もちがいます。 で、それは釣り上げたときに、 「あれ? 細いなぁ」ってのが実際あるでしょ? それも作ってあるんです。 アベキ: ウロコの柄もちがいますよ。 何段階かあるんですよ。濃いのから薄いのから。 糸井: ああ、そういわれてみればちがうわ。 倉恒: で、ホントはさらに、フロリダバスとハイブリットと、 ラージマウスの違いも入れたかったんですけど、 そんなことまでやったら「アホか」ってことになるから やめましたけど。 しかし……なんのためにやったんやろな(笑)。 糸井: 要するに自分がそうしたかったんだよ。 倉恒: サービス満点や(笑)。 ──あと、たとえば編集部でこのゲームやってると、 糸井さんが後ろで見てて、あーだこーだ言うんですよ。 でね、ジーッと見られてるのも変な気分なんですけど、 なーんか、釣りを見られるって、 心をのぞかれてるような気がするんですよ。 自分がどんなヤツなのかバレる(笑)。 |
||
|
糸井: ホントに、そうだよ(笑)。 だって、普段の釣りと同じなんだもん。 こいつ(スタッフ)は、杭が100本あったら、 1本づつ探れば、いつかいいことがある、っていうね、 農作業の釣りをするんだよ(笑)。 オレはまたダメな人で、あきっぽい釣りをするんだよ。 どんどんちがうことして、あとは休んでるみたいな。 もう出るね、性格が。 倉恒: 僕は、釣れないですよ。 ピンポイント派ですから、「いる」とわかって スッとその場所に入って、釣ったら次の場所に行く タイプですから、このゲームではなかなか釣れないですよ。 その場所に魚はいるんですけど、 ランダムがかかってるし、魚が動いてるんですよ。 最初のころ武久さんに怒られましたもの。 「倉恒さん、釣って見せてくださいよ」 「あれ、釣れへんわ……」 「なんでなんですかー!」 って(笑)。 武久: 自分が湖をつくったのに、 やってみたら「魚おらへんわ!」みたいな(笑)。 サイトウ: ただ、いろいろな要素の組み合わせで、 この場所に必ず大物がいるという場所も 生まれてきてるんですよ。 糸井: おお! いいセリフだねぇ(笑)。 サイトウ: そういう場所を見つけてもらえれば大物は釣れます。 |
||
──かなりピンポイントなんですか? サイトウ: ピンポイントですね。 だから、ストラクチャーがあって、 なおかつ岬の馬の背みたいな条件が重なったりという、 地形とストラクチャーの配置がたまたまいい条件で 重なってるところがあるんですよ。 そういう場所がいくつかあります。 そこであれば、今すぐにでも釣れますね。 糸井: サイトウくんなら“今”釣れるんだ? ……見たい(笑)。 サイトウ: まあ、すぐかどうかはわかりませんけど、 確実に大物がいる場所っていうのはありますよ。 やりましょうか。 糸井: オレたちだけ覚えようナ。 ──山タテしときましょう。 (漁師用語で、いい場所の位置を記憶するテクニック。 船の真下がいい場所のとき、そこから見えるビルや山を おぼえておいて、次回も同じ場所に行けるようにすること ) 糸井: 山タテ……(笑)。 (※実際にゲームでその場所を探る) 糸井: なるほどねえ……。 リザーバー最深部は何メートルくらいなの? アベキ: 20メートル台ですね。 |
|||
|
サイトウ: 「ききたこ」で、30メートルくらいです。 倉恒: ききたこのいちばんディープなところに、 とんでもないビッグな岩があるんですよ。 水深10数メートルのところなんですけど。 糸井: 神様(倉恒さん)が置いてみた? アベキ: あれは見つけるのけっこうむずかしいですよ。 糸井: (バスがかかったのを見て)おわーっ! 来た。 倉恒: 小さい、小さい。 糸井: ナイス、オダ。 (木の枝を束ねて沈めてある、漁の道具) アベキ: あ! 来たーっ! 来た来た! 倉恒: これでどのくらいなの? アベキ: 60(センチ)アップくらいですね。 模様がないですもの。 糸井: でかそうだねぇ〜。 アベキ: 大将、バラしたら最悪やな。 けっこう強気な釣りしてるな。 (ラインブレイク!) |
||
|
一同: あーっ! (ひとやすみ) サイトウ: このゲームの最大の特長は、 「バスが見えない」ってことですね。 ほかの釣りゲームと圧倒的にちがうのはそこですね。 アベキ: そのほうが絶対おもしろいよ! 探せるじゃん。 サイトウ: で、ただバスが見えないことで、 バスを探すのがイヤになっちゃうゲームには したくなかったんですよ。 バスが見えなくても、遊んでて、 おもしろがれるようにするのが いちばんむずかしかったですね。 (ふたたびゲームを始める。 そして、またバスがかかった ) サイトウ: 無理にラインを巻かないで、 遊ばせとけば、ヘバってくるから。 糸井: うーん迫力あるなぁ。 |
||
|
(ラインブレイク!) 一同: あーぁ! 倉恒: ダメだこりゃー。 能登谷: 私は全画面のルアーモードがすごく好き。 すごくやりやすいですよ。 編集部: それはどーやってやるんですか? |
||
|
能登谷: 「ののいけ」の上に洞窟があって、 そこにお地蔵さんがいるんですよ。 「おおきな地図」で洞窟に行けるんですよ。 で、お地蔵さんと話をして、 全画面が水中映像になるモードとか、 サブウインドウがないモードとかに 変えられるんですよ。 (大きなバスがかかる) 一同: うわー、でけぇ! |
||
|
糸井: 66センチだよ。 そこで写真撮ろうよ。 手をそえてさぁ。 倉恒: 66.6センチ。 糸井: いーなーぁ。 40センチでもでかいもんなぁ、本物は。 倉恒: 全画面モード見てみようよ。 (サブウインドウだけを全面に表示するモード) 糸井: あー、これいいわ。 感じいいなぁー。 ──この画面って、釣りしてる人が いちばん見たい画ですよ。 糸井: すごいねぇ、しかし。 「ルアーに力入れてるんですよ」ってのが よくわかるよね。 武久: このモード好きな人多いんですよ。 糸井: たまんねぇなぁ。 これ、サブウインドウだけで見てるんじゃ もったいないね。このモードいいよー。 |
||
次回は、この座談会の続きとともに、 また別のスタッフのかたがたにも お話を聞こうとおもっています。 どうぞお楽しみに! |
2000-04-07-FRI