スノーボードゲームを作るなら、スノーボードをする
コアな人たちが欲しがるゲームにしよう、
中途半端なものは作らない、と最初に決めてました。
特に「コケる」と「雪質」には
こだわろうと思っていました。
スノーボードってよく「コケる」ものですよね。
プロライダーなどはケガを覚悟で
大技のエアートリックや大ジャンプに挑戦します。
これってきっと、失敗してコケた時の痛さよりも、
成功した時の気持ちよさの方が何倍も大きいから、
何度でも挑戦するんだと思うんです。
その気持ちよさを、なんとかゲームの中にいれたかった。
そこらへんは阿部君(ディレクター)がかなり苦労して
パラメーターを調整してくれたおかげで
うまく表現されていると思います。
自分でプレーして、
トリックをきめて着地に成功した瞬間は
思わずニヤッとしてしまうくらいですから。
「雪質」というのもクセモノでした。
ただ単に、コース上を
「新雪」や「アイスバーン」に設定しても
雪にエフェクトをかけないと、それらしく見えないんです。
だけどこのエフェクトが難しくって。
ちょっといじっただけでは
ぜんぜん新雪に見えなかったりして。
エフェクトの作業にはかなり時間がかかりました。
でも、プログラマーとグラフィックの人が
苦労してくれたおかげで
かなりいいものになったと思います。
(ディレクター 高野充浩さん)
ゲームを作る上で、一番難しかった部分の一つが、
できるだけリアルな雪のエフェクトを作ることでした。
雪がどんなものか、どうしてそんなふうに動くのか、
正確に理解するために、何時間もビデオを見ましたが、
ビデオを停止したり巻き戻したりすることで
親指がかなり疲れたので(笑)、ときどき休憩しながら
実際のプログラミングを行わなければなりませんでした。
(プログラマー コリン・リードさん)
出来るだけ決められたコース以外を
滑らせたいと思いました。
プロのライダーに聞いても
「ゲレンデではない場所を思いっきり滑ってみたい」
という意見が多かったですし。
確かに、スキーのときでも、
意味もなく新雪を滑ったりしませんか?
「1080゜」には、この感覚をぜひ入れようと
コースデザインの菅野君に相談しました。
彼は「乗る」と歯止めがきかなくなるタイプなもので
斬新なアイディアを次々にいれてくれました。
数あるなかでも「マウンテンビレッジ」コースは、
彼の傑作だと思っています。
(高野さん)
「ぼくはコースのデザインを担当したのですが、
まず実際にヒマラヤへ取材に行って、
現地でスノーボードを体験してきました。
・・・ウソ。
スノーボードは未体験です。
会社の資料室で、ヒマラヤの写真集を借りて見ました。
作業に入った頃は、夏真っ盛りだったんです。
汗だくになりながら雪山を想像していると
肩甲骨の辺りに何とも言えないムズムズ感を受けました。
皆さんも一度お試しあれ。
コース作りでは描画よりも
設計の方に時間を取られましたね。
タイムアタックでもトリックアタックでも遊べる
コース設計が必要でした。
「広いコースを自由に走り回りたい」という要望と
「狭くしないとスピード感が出ない」という要望を
同時に受けていたんです。
両方とも大事でしたので両方入れましたが、
これはレースゲームですので、
プレイヤーの第一印象を考えて
序盤の3コースをスピード感重視にしています。
エキスパートの最終ステージでは
広々とした急斜面コースが待っていますので
途中で投げ出した人もぜひ、再チャレンジしてみて下さい。
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