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05 (第20回の5)
ゲームボーイカラー専用・アドバンス対応ソフト
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実〜大地の章」
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実〜時空の章」

任天堂・宮本茂&CAPCOM岡本吉起会談 その5
カプコンはどんなチーム?
 
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●岡本吉起
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●山下佳文
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●宮本 茂
現在、好評発売中の
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実<大地の章><時空の章>」
この取材をした今年の始めは、
まだ、バグ修正などの最終的な作業で
スタッフのみなさんが最後のヤマを迎えていたころでした。
今回の座談会では、
制作を担当したカプコンの社内の雰囲気って
どんなんだろう? と、ちょっと野次馬になって
いろいろとお聞きしてみましたよ。
 
 
 
 
 
 
 
■座談会出席者
 
■岡本吉起 CAPCOM常務取締役
 
■山下佳文 CAPCOM執行役員
 
■宮本 茂 任天堂株式会社取締役情報開発本部長
 
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──:
岡本さんのチームっていうのは、
「ゼルダ」に関していうと
何人ぐらいなんですか。
 
岡本:
40、50人ぐらいですか。

 
宮本:
「ゼルダ」のチームで?

 
岡本:
大阪と東京にいますし。

 
宮本:
2作同時にやってますからね。

 
岡本:
そうですね、2チームって言ってるけど、
1.5チームですからね、実際は。
プログラムは1チームですからね。(笑)
メインのプログラムは当然同じですし
キャラマン(キャラクター担当)も
同じ人間が2作とも絵描いてますからね。

 
──:
岡本さんが、主だった指示を全部出すんですか?
 
岡本:
出さない出さない。
今回は、脚本のほうだけタッチして、
ほかのことは、ディレクション担当してるやつに
任せました。
で、できあがったのをプレーだけして、
「難しい!」だけ言うて(笑)。

 
山下:
「ここはわからへん、これはできない」
言うて、こう、まあ、ねぇ、
岡本がロックマンクラブのメンバーみたいな
もんでしたね(笑)。

 
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岡本:
できの悪いメンバーやなあ。
んで、電話しちゃあ
「これ解けへんのやけどどないなってんねん」
言うて海外から聞いたりとか。
「これは無理やと思うで」
とかってケチつけたりとか。

 
──:
チームの雰囲気ってどんな感じなんですか。
 
岡本:
仕事仕事、っていうだけじゃなくて、
結構、イベントみたいなん、しますよ。
 
宮本:
それは誰が音頭を取るの?

 

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岡本:
若い子らが勝手に、仕掛けたりして、
俺らおっさん連中と遊んでくれたりします(笑)。

 
──:
(笑)俺らって、彼らにしてみれば上司の。
40過ぎですよね、みなさん。
 
岡本:
そうそうそう。
 
山下:
今カプコンのまあ、上のほう、
開発の上のほうにいてる連中が、
イベント好き、全員でなにかをする、
というこのと好きなメンバーが多いんですよ。

 
──:
ほーう。
 
山下:
上意下達の流れの中で
育ってきたやつもいるし、
なぜマネージメントせなあかんのか、
どうすべきなのか、ってことも
よくわかってるやつが上にいるんです。
そういうなかで
イベントで交流、っていうのは
いい方法だと思いますよ。
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──:
チームワークもいいんですね。
あの、普段の仕事は、
ひとところにこもってるんですか?
 
岡本:
そうですよ。
開発ビルっていうのがあって、
そこにチームごとに仕切られた仕事場があって、
そこにみんな集まって、
ピシャッと仕事しますよ。そら。

 
──:
今(追い込み最中)は、ずっと……?
 
岡本:
あ、そんなことない。
朝9時から夕方5時半までがコアタイムなんです。
けど、そのコアタイムだけいてくれたら
朝なんぼ早くから来ても夜なんぼ遅くまでいても……

 
山下:
ずっといてもいい。(笑)

 
岡本:
ええ、なんぼおってもかまへん!

 
──:
実際はどうなんですか?
 
岡本:
実際は……ほぼ泊まってますよ(笑)。

 
──:
やっぱり。
 
岡本:
コアタイムちゃんと働きつつね(笑)。

 
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──:
宮本さんから見てどうですか?
 
宮本:
こないだお邪魔したときね、
プロデューサークラスがね、
みんなと同列にずらーっと並んで
座ってるんですよ。

 
──:
へぇーっ。
 
宮本:
うん。普通もうほら、管理職とかなると、
別室に行くでしょ?
でも、僕らも別室はさすがに嫌で、
同列がいいんだけど、そういう希望をすると
「せめて、他の人より少し広くしてくださいよ」
とか言われちゃうんだけど。

 
──:
示しがつかないから。
 
宮本:
うん。それが、カプコンさんは、
みんなが同じようにべたーっと座っててね。
それが、いいなあと思いましたよ。

 
山下:
そういう感じですよ。

 
岡本:
だって、偉くないから。プロデューサーっていうのは、
役職じゃなくて、職種なんですよね。うちでは。
だからプロデュースを担当する仕事の人間と、
グラフィックを担当する仕事の人間は、同列なんです。
別に偉くないじゃないですか。

 
宮本:
コミュニケーションが必要でしょ。
任天堂なんかまだ集めといたら
勝手にしゃべるんようなところがあるんですけど、
カプコンさんて、
体育会系な反面、すごく集中するタイプの人が
多いから、そばにいるのって、すごくいいですよね。

 
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──:
スタッフのみなさんは今回の仕事、
どんなふうに受けとめてますか?
 
岡本:
カプコンに入って「ゼルダ」やれたってのは
ものすごい幸せだってみんな言ってましたよ。

 
──:
そうかー。
 
岡本:
カプコンに入った時点で、
「ストツー(ストリートファイターII)」、
「ロックマン」
「バイオ(バイオハザード)」
は、できるかもしれへん、
でも「ゼルダ」はできる思うてなかったでしょ、
みんな。

 
──:
ほんとに嬉しかったんだ。
 
岡本:
そう、嬉しかった、って。

 
宮本:
そうか。

 
岡本:
担当してるやつらでも、次のゼルダは
絶対また自分がやれると思ってますからね。
絶対俺だ! と。絶対俺だ、俺しかないと
思ってます。全員が。
一言も声かけてないのに、
「次はこうしよう」「次はああしよう」
言うてネタにかかりよる(笑)。

 
山下:
お前、まだ、声かけてないよって(笑)。
今回参加してなくても、
他にもやりたいやつおんねんから。

 
──:
熱いんですねー。
 
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宮本:
今もものすごいきついんですけどね。
まだ終わってないし、たいがい弱音吐くんですけど……

 
岡本:
やっぱ次やりたい、って。
だから次の話しもうしてるもんね。
今もしてた。

 
宮本:
してたね。

 
──:
いいチームですね。
 
宮本:
でもね、僕はまだ疑っててね、まだ。
ほんとにやりたいと思ってるの? って。
上のほうでやれって言うてんのと違う?
ってこないだ山下さんに聞いて(笑)。
ほんとに現場がやりたいと
思ってもらってるんなら……。

 
──:
まだ大変な思いしてるのに!
 
岡本:
徹夜徹夜ですよ。だから、えっと、結局元旦が
休みだっただけですよね。

 
山下:
大晦日と元旦、ふつかだけ。
それ以外でもずっと。泊まって帰ってない。
そういうの全然気にしてないみたいですよ。

 
宮本:
それ、ほんとに、ありがたいですね。

 

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むむむむむ。すごいなあ、このチーム。
なんだか、もっと、聞きたくなってきました。
次回も、この続きで、
カプコンのスタッフのみなさんの
仕事っぷりを紹介します。
お楽しみに!
 
  2001-3-9
 
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