宮本: なるほど。 ゲームの話ばっかりしてぼくがしゃべっていると いつも同じ話になるので、 今日はイトイさんに聞いて貰えるから 何が出てくるか楽しみだったんですけれど(笑)。 糸井: ありがとうございます(笑)。僕もぜひ話したいと思って ここに、来たんです。 僕はピクミンをやってみて 「ゲームの外側がゲームになったんだ」 ということを、思いましたよ。 そしてそれって、じつは、 いま自分の考えていることと同じなんです。 宮本: おお? 糸井: つまり、宮本さんはゲームというものをつくっているけれど、 じつはゲームをやるひとと、つくるひとっていうのは、 それぞれに、じつは、別の世界を持っているわけですよね。 みんなが別の暮らしかたをしている。 それを「合同させる」ことが いちばん面白いゲームだと思ったんです。 たとえば、さっき、広報のクラツネくんが 「僕のポケットからピクミンのストラップが出ていたら 下から、コドモの、強い視線を感じたんですよ」 と言っていたけれど、それって、そのことじたいが、 すでに「ゲーム」じゃないですか。 そこのところに、商品にならないゲームというのが 無数に増えていくわけですよね。 そうかと思うと、このゲームの攻略本を ほぼ日でも連載している “ テレコマン”の永田くんがつくっている。 それもまたゲームなわけです。 そして僕もまた「宮本さんに会いたい!」って 思って、こうして京都に来ている。 みんな自分が意志をもって動いているわけだけれど 「ピクミン」がなかったら動かなかったわけです。 軸になるものとしてね。 そういうふうに、人が心を動かされて 動いてしまう、その“道すじ”をつくってあげることって 僕も、おんなじように、やりたいことなんです。
*このページで使われている画像は、 すべてCanon EOS D30で 撮影されています。