ハマタ |
先祖代々松本家は
「紫陽花(あじさい)」
「向日葵(ひまわり)」といった
花の名前に漢字をつける仕事をしていたそうですが、
最近、松本さんが漢字をつけたという
新種の花の名前を教えて下さい。 |
マツモロ |
花ねぇ、、。うーん。
ところであなた、
ファンに花束もらったらどうしてます? |
ハマタ |
え? |
マツモロ |
いや、ファンからじゃなくても
何かと花束をもらうことがあるでしょ。
これぐらいのスターともなれば。 |
ハマタ |
何をゆうとんねん。
まあ、ちゃんと家に持って帰って
玄関に飾ってますよ。 |
マツモロ |
いやいやいや、
別にここはウソつかんでええねんで。 |
ハマタ |
ほんまやがな。
あんなもん花瓶に水入れて、
さしたらええだけやろ。 |
マツモロ |
ああ、嫁が、ね。
そんなことぐらい
嫁にやらしておいたらいいことですもんね。 |
ハマタ |
まあそら、やってもらうこともありますけどね。
そう言うあなたも
どうせ彼女にやってもらうんでしょ? |
マツモロ |
とんでもない!
フェミニストと書いて松本ですよ・・・。 |
ハマタ |
・・・・・。 |
マツモロ |
松本と書いてフェミニストですよ。 |
ハマタ |
うん。それやったらわかる。 |
マツモロ |
僕はそんなことさせない以前に
花束を家に持って帰りませんからね。 |
ハマタ |
え、ほな、局のゴミ箱に捨てて帰んの? |
マツモロ |
あなた、
まだ僕のことがよくわかってないみたいですね。
いいですか。
まず、なぜ僕が花束を家に持って帰らないか、
言いましょか。 |
ハマタ |
ゆうてよ。 |
マツモロ |
かびんにささった花は3日もたてばどうなります?
しわしわに枯れてしまいますよね。
そんな姿を花は、いや、お花さんたちはね、
見られたくないと思っているんです。
いつまでも綺麗なままでいたい、
でも自然の流れには逆らえない、
お花さんたちは、若い綺麗な姿の間に
みずから命を絶つこともできない・・・。
ねぇ・・。悲しいことです。
少ししめっぽくなってしまいましたけど。 |
ハマタ |
そんなもん、おまえの言い方ひとつやないか。
まあ、持って帰らへん理由は、
枯れる姿を見たくないってゆうことでええねんな。 |
マツモロ |
はい。(強くはなをすする) |
ハマタ |
泣いてるところ、悪いけど、
結局もらった花束はどうするのか
聞いていいですかねぇ? |
マツモロ |
・・・あかん! |
ハマタ |
はよゆえっ、うすらハゲ!! |
マツモロ |
えー・・・
まず、もらったら、真っ先に匂いをかぐでしょ。
で、「いい匂いですね。」とかゆうやん。
あれがもうあかんのです。
お花さんは恥ずかしがりますからね。 |
ハマタ |
なんで? |
マツモロ |
あなた、初対面でめしべの近くの部分を匂われて、
平気な女性を見たことがありますか?
他には「びらびらが綺麗だよ。」とかねぇ、
失礼極まりない。 |
ハマタ |
「花びら」やっ! 花! |
マツモロ |
まあ、とにかく僕は花束をもらうとまず、
いっつもどんなところで遊んでんの?
とかから入って、
これから行く場所を考えますね。 |
ハマタ |
花束に「いっつもどんなところで遊んでんの?」
って聞くん? |
マツモロ |
そうですよ。
最近出会ったパンジーは
第五公園の花壇ゆうてたし、
この前のヒヤシンスは
太田小学校の中庭ってゆうてましたね。 |
ハマタ |
ほんで、それ聞いてそのときはどこに行ったん? |
マツモロ |
え?なになになに?
それはどうゆうことかな? |
ハマタ |
いや、だからいつも遊んでいる場所を聞いてから
行く場所を考えるんでしょ。 |
マツモロ |
ええ、だいたいはそうですね。
まあ、その日の体調によって
微妙に変化するところが
ないとは言いませんけど。 |
ハマタ |
いつも公園の花壇で遊んでいるパンジーさんは
どこに連れていったんですか。 |
マツモロ |
えー、お台場ですね。
それとヒヤシンスはアメ横。 |
ハマタ |
なんでやねん。
・・・まあええわ。
ほいで結局その花束をどうするんか、はよゆうて。 |
マツモロ |
・・・。 |
ハマタ |
はよゆえや!こら。 |
マツモロ |
最終的には押し花にして、実家に送ります。
「人志は元気です。」
とか短い手紙をそえてね。
母親の喜ぶ顔が目に浮かぶでしょ。 |
ハマタ |
もう、わかったわかった。
そんなんええからハガキの
「最近、松本さんが漢字をつけたという
新種の花の名前を教えて下さい。」に
はよ答えてやってくださいよ。 |
マツモロ |
はいはい。
色鮮やかというほどでもない花なんですけど、
確かに名前をつけましたよ。
えー、無教養なあなたに
漢字をわかってもらえるかが心配ですけど、
言いましょか。
うつくしいはだかと書いて、
「美裸(まじわり)」といいます。
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(花を愛する人ここまで)