マツモロ |
こないだねぇ、これほんまの話なんですけど、
前から中学生ぐらいの男の子が歩いてきたんです。
その子、電柱の横を通るとき
必ずけっていくですよ。
あと、歩道の所に車が入れんようにする、
銀色のポールも必ずけってましたね。 |
ハマタ |
何か、虫のいどころが悪かったんやろなぁ。
やつあたりの典型や。 |
マツモロ |
そうでしょうねぇ。
あ、でも一本残らずけっていってましたから、
マーキングかもしれませんよ。
あそこなわばり争いが激しいから。 |
ハマタ |
誰と争ってんねん。 |
マツモロ |
で、おもろいからずっとその子を
追いかけて見てたんです。
そしたら、何回かに一回は
銀色のポールをうまいことけれずに、
“ずるっ!”てなってるんですよ。 |
ハマタ |
ああ、あんなん細いし、
つるつるしてるからなぁ。
わざわざ無理してけらんでもええのに。 |
マツモロ |
そうでしょ。
でも彼は電柱と銀色のポールをけり続けるんです。
たぶん、“ずるっ!”ってなって、
いらいらっとなって、
またけるんでしょうねぇ。永遠に。 |
ハマタ |
他にもっとけりやすいものは
けってへんかったん?
例えば看板とかええ音するし、
俺やったらそうするけど。 |
マツモロ |
40手前のあなたなら。 |
ハマタ |
いやそれは、もし仮にやつあたりするぐらい
腹立つことがあったらの話ですよ。
わざわざ、銀色のポールを選んで
けることはないっちゅう
話をしてるだけで、、、 |
マツモロ |
まあ、あなたなら60、70になっても
間違いなくファミレスで、
「われ、こらっ、いてまうど!」
ゆうてるんでしょうねぇ。
ちょっと“ここ”のおかしい孫でも連れて。
|
ハマタ |
おーい。弁護士呼んでくれ。告訴や。 |
マツモロ |
あ、そんなんどうでもええわ。
看板で思い出したけど、
どうかんがえても手が届くはずがないほど
高いところの看板にくつで踏んだあとが
ついてるときありますよねぇ。
あれなんなんやろ?
くつ投げつけてもあんなかたはつかへんし。 |
ハマタ |
そりゃあ、看板を取り付ける前に
誰かが踏んだんでしょう。 |
マツモロ |
あ、看板じゃなくて
コンクリートの壁にもたまにない? |
ハマタ |
あー、そういわれればあるねぇ。
なんなんやろ。 |
マツモロ |
・・・ぅわかったぁ! |
ハマタ |
声でかいねん。 |
マツモロ |
あれはね、忍者の足跡ですよ。
ハットリくんとか。 |
ハマタ |
あいつらは足袋や! |
マツモロ |
ああ、そうか。
じゃあパーマンやな。パーマン2号。 |
ハマタ |
2号は裸足! |
マツモロ |
・・・もうええ。ハガキいって。 |
ハマタ |
えーっと、このハガキちょうどええわ。
「何かと神経を使う芸能界をのりきるために
お二人がなさっている
ストレス解消法を教えて下さい。」
やて。 |
マツモロ |
あなたはあれですよね、
空気の抜けたサッカーボールをくわえて、
バッシンバッシン地面に叩きつけるやつ、、、 |
ハマタ |
なんでや。
あ、それおまえの家のペルが
ようやってたん覚えてるわ。 |
マツモロ |
うちのはサッカーボールの柄の
ドッジボールですけどね。 |
ハマタ |
ストレス解消なぁ・・・。
うーん。なんかあんの? |
マツモロ |
僕はストレス解消をする日が
ちゃんと決まってるんです。
盆明け、正月明けの年2回。
盆と正月がいっぺんに来たときは年1回。 |
ハマタ |
ほー。それはすごそうやなぁ。
何をするのか教えて下さいよ。 |
マツモロ |
いいですけど、
これは僕か都知事クラスにならないと
ストレス解消にならないかもしれませんけどね。 |
ハマタ |
ますますすごそうや。 |
マツモロ |
簡単なことです。
障子やふすまに“ピー(ちんぽ)”をズボッ!
ズボズボズボッ! ですよ。 |
ハマタ |
やかましいっ! |
マツモロ |
銀色のポールにも、ズボズボ“ずるっ!”。 |
ハマタ |
もうええわ。
|
(ストレス解消ここまで)