ほぼ日刊イトイ新聞

 鶴見の糠漬け。

どんな野菜を漬けるか?
 

2週間のご無沙汰です。
先週はお休みをいただいてしまいました。
心配をしてメールをくださった方、
ありがとうございます!

さて、みなさん、ぬか床は元気ですか〜? 
すっかり朝晩涼しくなって、
冷蔵庫からキッチンへと移動させても、
傷まずふっくらのぬか床が保てる季節になりましたね。
涼しくなってくると、
冷蔵庫に入れっぱなしだとぬか床が少し固くなる気がして、
時々キッチンにおいて置いて、
ぬか床の温度を上げてみたりしています。
その方が中の乳酸菌が元気になるようで、
ぬか漬けもグッと味わいが増す……ように思います。
みなさんはどうしてますか?

前回は隠し味についてでした。
その後のお便りでも、え〜こんなの入れるの?
というものもあり、
まさに「ぬか床に歴史アリ」という気がしました。

どんなものがあったかと言いますと……。

日本酒、酒粕

うーん、醗酵するもの同士だし、
元は同じお米だしってことでありなのかも?

強力わかもと

酵母系でビールを入れると書いたけど
「強力わかもと」は酵母のかたまりなので、
手っ取り早く美味しくなります、なんて人も!
ビール酵母、乳酸菌、消化酵素の天然成分と謳ってあるから、
胃腸だけでなくぬか床にも効く!?

粉もの

ゆるくなったら、炒り大豆やきな粉、
全粒粉のパンをぬか床に入れれば、
水分も吸うし風味もよくなって一石二鳥、
というのもありました。

試してはいないので責任は持てませんけど、
美味しくなるならチャレンジの価値はあるかも!!

さて、今回は、みんな何を漬けてるの?
ということについて書いてみたいと思います。

何しろ、「ぬか床に歴史アリ」ですからね、
そりゃいろいろ漬けて楽しんでいるに違いない、と。

我が家では、キュウリのぬか漬けが
一日おきに食卓に上ってます。
その他、大根、カブ(カブの葉も)、
山芋、キャベツ、ナスといった
漬けやすい定番野菜に、
時々、オクラやミョウガなどを漬けてます。

キュウリと同じ瓜科の野菜は
皆さんよく漬けているのでは? 
水分が多くて短時間でよく漬かります。
白瓜や西瓜の皮など、青臭さが和らいで美味しいですよね。
あ、ゴーヤもワタを取って、しっかり塩もみしてから漬けると、
苦味が和らいで、美味しいです!

塩??
そういえば、みんな漬ける前に塩もみしてますか?
塩もみするとしょっぱくなるからしない
という人もいるようですが、私は軽く塩もみします。
そうすると、浸透圧でぬかの味が野菜によくしみこむので。
特にナスは、塩もみしてから、
しばらく(20分くらい)置いておくと、
水分が出るのでそれをギューっと絞ってから漬けると、
中まで味が染み込んで美味しいぬか漬けに仕上がります!
葉物も面倒だけれど、
ちゃんと塩もみしてからぬかをすり込んで漬ければ、
葉も茎も均等に漬かって美味しいです。
それにぬか床にそんなに塩を足さなくても、
いい具合に塩分が保てますしね〜。

脱線しました。野菜の話ですね。

瓜科の次に多いのはやはり根菜類でしょうか? 
大根、人参、カブ、二十日大根、山芋など。
水分が少ないせいか、同じ根菜でも、
ジャガイモやサツマイモ、サトイモなどは今ひとつ……。
まぁ、イモ類は、生で食べないですしね。

そうか! 漬け物って生食だ。
菌たちが醸してくれるとはいっても、
火が通るのとは違うもんね。
……ってことは、
基本的に生食OK(生食が美味しい)野菜の方が
適してるってことになるんじゃないでしょうか?
キュウリ、にんじん、大根、カブ、キャベツ、山芋
……定番ものはだいぶこの中に入りますね。
例外はナスくらい。

生食と言えば、サラダ。
では、サラダの具を思い浮かべてみましょう。
レタス、セロリ、アスパラガス、トマト。
うーーーん、トマトは試す前にどうも見るからにNGですね。
身が柔らかすぎです。
それにあのフルフルの種の部分がダメそうです!!
もぎちゃんが、セロリとアスパラガスを試してくれたので、
私は、レタスを試してみました。
(セロリ、アスパラガスの結果は
 こちらの「モギレポート」をご覧ください)

結果は……。
ものすごく旨いです!!! 
芯があまりないので全体にしんなりとしたものになりますが、
美味しいです。
白菜のぬか漬けの葉っぱだけ〜といった感じでしょうか。
葉が薄いので、半日でしっかり漬かります。

その他、もぎちゃんは、エリンギや枝豆、
ゆで卵などを漬けてみたようですよ!
(結果は「モギレポート」で!) 

インゲン、スナップエンドウ、
枝豆など豆類は、ぬかがゆるくなった時に
大豆の炒ったのを入れるといいというのもありましたから、
同じ豆類ですし、ありかもしれません。

他にはカボチャ、レンコンといった、
いかにも固そう! なものを漬ける人もいると聞きます……。

その他、「へしこ」と言って
鯖や鰯をぬか漬けにする郷土料理もあります。
これは塩した魚をぬかに漬け込むのですが、
長く漬けるようです(半年とか)し、
野菜を漬けるいわゆるぬか漬けの床には
漬けない方がいいでしょうね。
いえ、チャレンジするのはいいのですけれど、
ぬか床自体が不味くなったり、
匂ったりするようになると、
せっかく今まで育てたぬか床が台無しになることもあるので、
気をつけましょう。

実験精神旺盛にいろいろ漬けてみるのは面白いけれど、
基本はやっぱり季節の野菜ではないでしょうか。
新鮮なものが安く出回ってますからね。
わざわざ……というよりも、
たくさん買ったうちの1〜2個を漬けたり、
半端な残りをぬか床に突っ込んだり。
そういう気軽さも自宅の漬け物だよな〜と思う次第です。
それに新鮮な旬の野菜を漬けたものがやっぱり美味しい!

最後に我が家の定番キュウリのぬか漬けをパシャリッ!
この日はちょっと浅漬けくらい。



古漬けも美味しいですよねぇ。
古漬けはお料理に使っても美味! 
次回は、ぬか漬けを使った簡単レシピを紹介しま〜す。



 

「鶴見の糠漬け。」は、毎週火曜日に更新予定です。どうぞお楽しみに。

2007-10-16-TUE