OGATA
イッセー尾形のまわりの、
ボツリボツリ話。

イトイさま

 ダーリンは決して悪くないよ。
当オフィスに本当にいたんです。彼氏をそう呼ぶ人が。
彼女の姿や声や声や形振りを見るに、
きっとそう呼べる人の出現を
待ちこがれていたのだと思うの。
で、第一声「私のダーリン!」を聞いたとき、
一同、ぐっと黙った。
しかし私一人大笑いしたのだった。
決して彼女の冗談ではないまじめさを笑ったのではなくて、
私の中に「そう呼べたら幸せだろう」という気持ちが
シットとともにムクムクと生まれたからで、
それが恥ずかしくて、
笑ってどこかに飛ばしたかったんだろう。
外側も内側も恥ずかしさって同等だ。

・・・で、先に送りましたボツネタは、
単に学生服だけの
(そうー男 森田は書いたが)問題ではなくて、
他人を締め上げて身につけているものを取るのは、
どんなに現代にはありふれていると言われようと、
その一瞬飛び交う暴力は、
古代より永遠不滅の恐怖だと思うのです。
さりげなく日常的な形容詞に
こだわりすぎたあげくの失敗なのだ。
(女 森田談)

1998-06-15-MON


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