みうらじゅんに訊け! お金篇  ことあるごとに みうらじゅんさんのもとへ 何かを訊きに行く「ほぼ日」ですが、 今回のテーマは、お金です。 笑っているつもりが役に立つ‥‥かもしれない。 もしかしたら、ほんとのほんとはそうなのかも、 と思えてくるような すばらしいみうらさんの「お金論」、 短期集中毎日連載です!
第1回 デフレよ、捜査網をかいくぐれ。

ほぼ日 昨今は、神様から
「カセギスギテイル」という
メッセージが発せられている、と
みうらさんはおっしゃるわけですね。
みうら マーロン・ブランドみたいな人が死ぬと、
遺産相続でもめたりするじゃないですか。
「稼げばいいってもんではナイ!」
ということが
あんなに公に発表されてるにもかかわらず、
まだもめている。
それでは、神様もお怒りでしょう。
ほぼ日 なるほど、なるほど。
みうら 普通の人はだいたい
トントンで死ぬもんじゃないですか。
ほぼ日 はい。
みうら 墓はおそらく100万くらいのところで
相場になってると思われますのでね、
もう、それくらいを
残しておけばいいと思います。
マンションみたいな墓にするという手もあるし、
いっそなかったことにすればね、
タダでいいわけですから。
ほぼ日 はぁ。
みうら お金を使う才能もないくせに、
集め過ぎた人が
いまは神様から叱られてる、
そんな時代だと思います。
予定もないのに金だけ入ると
困りますでしょ?
ほぼ日 予定がない、というところが
問題なわけですね。
みうら つまりね、
トースターが汚くなったんで、
まだ使えるんだけど
もうちょっといいトースターを買おう、
なんて思っている場合です。
それだったら、それなりにがんばるでしょう。
テフロン加工がちょっとはげてきたから
ひとつここは稼いで
テフロンつけよう、というのなら
意味はわかります。
ほぼ日 はぁ‥‥。
みうら そういうことではなく、
問題は、意味がわからない金です。
そんな、無闇に稼ぐという行為は、
意味がわからない。
それは「罪デアル」ということですよね?
ほぼ日 はぁ、はい。
みうら そういう人は多分、気がつかないうちに
離婚してたりするんですよ。
あの理由は、おもにそこなんですよね。
たくさん貯まったから、
チャラにするためです。
性格の不一致とかじゃないんです。
ほぼ日 ‥‥‥‥はははは。
みうら 神様がね、
稼ぎ過ぎているのでそうしなさい、と
おっしゃってるんですよ。
ほぼ日 デフレの神様は、そうやって
離婚をお使いになる。
みうら ええ。
ごそっと持ってかれろ、
ということなんじゃないでしょうか。
ほぼ日 ですが‥‥いま、
これだけ不況が叫ばれている世界経済でも、
なぜか日本だけ、
デフレが続いているらしいんです。
なぜデフレの神様は日本に
目をつけられたのでしょうか。
みうら ああ‥‥もうね、
つまり、日本って、狭いですから。
広いように見えてね?
自分は「いま、デフレだな」と思っても
逃げられないですよね。
ほぼ日 ‥‥‥‥‥。
みうら けっこう遠くにいても、
「あ! デフレだ」
と、気がつかれてしまいます。
これがアメリカならどうでしょう。
ニューヨークとテキサスって、
よくわかんないですけど、
きっと、ものすごく遠いですよ。
端のほうに逃げたら見えないと思うし、
声も届かないし、
どこにデフレが隠れてるのか
わかんないけども、
日本だと、やっぱ新潟ぐらいのことは、
どこにいてもすぐわかっちゃいますよね?
宮古島行っても、そんなもん、
すぐばれるでしょ。
ほぼ日 ‥‥ふはははは。
みうら 「なんか今日、
 デフレが宮古島に来たらしい
という情報は、当然、島民には伝わりますから
どうにかしなきゃ、ということになります。
ほぼ日 日本は狭いから、
デフレがバレやすい。
みうら バレやすいですよ。
逃げるなら、国を移して、
おっきいとこで逃げないと、だめですよ。
それこそ、いまは
ツィッターがあるわけじゃないですか。
ほぼ日 そうですね。
みうら 「いま俺の隣にデフレが座ってんだけど」
って、つぶやく輩だっているわけですよ。
「あ、デフレくさい!」とかいうことも、
すぐわかっちゃいますので、
日本じゃ発見は早いと思います。
ほぼ日 発見のツイートも
ほどほどにしておくことが肝要ですね。


それではみなさん、
今回の、みうらさんの
力の入ったお話を、
ぜひ動画でごらんください。

それでは、また明日。
(つづく)


2010-08-10-TUE

HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN